ネットワークスペシャリスト 2017年 午前2 問15
問題文
IP電話の音声品質を表す指標のうち、ノイズ、エコー、遅延などから算出されるものはどれか。
選択肢
ア:MOS値
イ:R値(正解)
ウ:ジッタ
エ:パケット損失率
IP電話の音声品質指標:ノイズ・エコー・遅延等から算出されるものはどれか【午前2 解説】
正解の理由
R値(Rating value)はITU-T G.107による「エンドツーエンドの回線評価モデル」で、ノイズ、エコー、遅延(遅延に伴う会話の途切れ)、パケット損失やコーデックの影響など複数の劣化要因を数理モデルで組み合わせて単一の品質指標に変換します。したがって、複数の要因から算出される音声品質指標として正しいのはイ(R値)です。
解法ステップ
- 問題文で「ノイズ、エコー、遅延などから算出」とある点に注目する。
- 各選択肢の定義を確認する:
- MOS:主観評価の平均スコア(Mean Opinion Score)。
- R値:ITU-Tの回線評価モデルで複数要因を数理的に統合する。
- ジッタ:遅延変動の指標(単独要因)。
- パケット損失率:パケットの欠落割合(単独要因)。
- 「複数要因を統合して算出」する指標を選ぶとR値が該当。
- よって正解はイ。
選択肢別の誤答解説
- ア: MOS値
MOSは主観的評価(人間の聞き取り評価)の平均値で、実際の音声品質感を示しますが、問題文の「ノイズ、エコー、遅延などから算出されるもの」という記述は「技術的要因をモデルで算出する」ことを意味し、直接の答えにはなりません。MOSはR値や他の技術指標から推定され得ますが、出典と目的が異なります。 - イ: R値
正解。ITU-T G.107で定義される総合音声品質評価指標で、ノイズ・エコー・遅延・パケット損失・コーデック劣化などを統合して算出します。 - ウ: ジッタ
ジッタはパケット到着間隔の変動(遅延変動)を示す単一の技術指標であり、総合的な音声品質スコアではありません。ジッタはR値やMOSに影響しますが、単独では問題の条件に合いません。 - エ: パケット損失率
パケット損失率はパケットが失われる割合を示す指標で、音声品質に大きく影響しますが、複数要因を統合して算出する総合指標ではありません。
よくある誤解
- MOSとR値を混同する誤解:MOSは主観的評価(聞き手の感じ方)を数値化したもので、R値は技術的要因から算出するモデル値です。相互に関係はありますが同一ではありません。
- ジッタやパケット損失率をそのまま音質指標と考える誤り:これらは重要な劣化要因ですが、単独では総合的な音声品質スコアにはなりません。
- 「遅延=エコーと同じ評価対象」とする誤解:遅延は会話の自然さに影響し、エコーは反響音として別個に評価されます。R値はこれらを個別に扱って合成します。
補足コラム
- R値とMOSの関係:R値は0〜100のレンジで算出され、経験的関係式を用いてMOS(約1.0〜4.5程度の範囲)に変換できます。例えばR値が高いほどMOSも高くなりますが、MOSはあくまで人間の主観評価を表すため、実測や状況によって差が出ます。
- 実務での使い分け:ネットワーク管理者はジッタやパケット損失率を監視して原因解析を行い、サービス品質やユーザ体感を評価する際にはR値やMOSの推定値を用いることが多いです。
FAQ
Q1: MOSとR値どちらが覚えやすいですか?
A1: 試験対策では「MOS=主観評価、R値=複数技術要因を統合する数理指標」と覚えると整理しやすいです。
A1: 試験対策では「MOS=主観評価、R値=複数技術要因を統合する数理指標」と覚えると整理しやすいです。
Q2: R値はどの規格で定義されていますか?
A2: ITU-T勧告 G.107(オプションでG.108や他の関連勧告も参照)。
A2: ITU-T勧告 G.107(オプションでG.108や他の関連勧告も参照)。
Q3: ジッタと遅延は同じですか?
A3: 異なります。遅延は伝送にかかる時間の平均、ジッタはその遅延のばらつき(変動)を指します。どちらも音声品質に影響しますが評価対象は異なります。
A3: 異なります。遅延は伝送にかかる時間の平均、ジッタはその遅延のばらつき(変動)を指します。どちらも音声品質に影響しますが評価対象は異なります。
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