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ネットワークスペシャリスト 2021年 午前217


問題文

リフレクタ攻撃に悪用されることの多いサービスの例はどれか。

選択肢

DKIM, DNSSEC, SPF
DNS, Memcached, NTP(正解)
FTP, L2TP, Telnet
IPsec, SSL, TLS

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リフレクタ攻撃の標的サービス【午前2解説】

正解の理由

選択肢の中で、反射(リフレクタ)攻撃や増幅(アンプ)攻撃に悪用されやすいのは (DNS、Memcached、NTP)です。共通点は「UDPを使うことが多く、クライアントからの小さな問い合わせに対して大きな応答を返す(あるいは簡単に応答を返す)サービス」である点です。攻撃者は送信元IPを被害者に偽装して第三者サーバに問い合わせを送り、返送される大きな応答を被害者に向けさせることでトラフィックを集中的に浴びせます。代表例として、DNSの応答拡大、NTPのmonlist、Memcachedの大容量レスポンスによる高い増幅率が知られています。

解法ステップ

  1. 「リフレクタ」や「増幅」を鍵語に、ステートレスで応答を返すプロトコル(特にUDP)を探す。
  2. 各プロトコルの特性(認証の有無、接続維持の必要性、問い合わせと応答のサイズ差)を確認する。
  3. 実務・事例で悪用報告があるサービスを優先する(DNS、NTP、Memcachedなど)。
  4. TCPベースで接続確立や認証を必要とするプロトコルは反射攻撃に不向きと判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: DKIM、DNSSEC、SPF
    • これらは電子メールの認証技術やDNSの拡張で、反射攻撃の「サービス群」ではありません。特にDNSSECはDNSの応答を署名して正当性を示す仕組みであり、増幅の原理そのものとは別次元です(悪用の主要対象ではない)。
  • イ: DNS、Memcached、NTP
    • 正解。DNS(UDP 53)は小さな問い合わせで大きな応答を返せる(ANY等の応答で増幅)。NTP(UDP 123)はかつて monlist で大きな応答を返して増幅に使われた。Memcached(通常 UDP/TCP 11211を利用)は特にUDPで大きなキャッシュ値を返すと極めて高い増幅率を示し、大規模DDoSに利用される事例がある。
  • ウ: FTP、L2TP、Telnet
    • FTP/TelnetはTCPベースで、接続確立(3ウェイハンドシェイク)や状態管理が必要なため反射には不向きです。L2TPは UDP(ポート1701)を使用することが多い点に注意が必要ですが、L2TPはVPNトンネル確立等のため通常は応答が増幅される形式ではなく、一般にリフレクタ攻撃の代表例には挙がりません(応答サイズ・動作の観点で攻撃者にとって魅力的ではない)。
  • エ: IPsec、SSL、TLS
    • これらは暗号化・認証を伴うプロトコルで、セッション確立や鍵交換が必要なため第三者を単純に反射器として使うのは難しい。DTLSのようにUDP上のTLS派生は存在するものの、一般にリフレクタ攻撃の主対象とはされません。

よくある誤解

  • 「TCPは絶対に使われない」
    • 正確には、反射・増幅攻撃ではUDPが多用されるが、TCPでも詐称など別手法の攻撃はある。反射の主要手法としてはUDPが中心である点を押さえること。
  • 「DNSSECが導入されればDNS増幅は解消される」
    • DNSSECは応答の正当性を検証するが、応答サイズを増やすために増幅に寄与する場合もある。DNS増幅対策は応答の制限やフィルタリング、問い合わせ制御が重要。
  • 「L2TPはTCPだから安全」
    • L2TPは通常UDPを使う(ポート1701)。プロトコルの伝聞だけで判断せず、ポートや動作を確認すること。

補足コラム

  • 増幅率(amplification factor)の計算式は単純です。応答サイズを問い合わせサイズで割ります:
    例えば問い合わせが60バイトで応答が4,000バイトなら増幅率は約 です。Memcachedの誤設定では最大で数千〜数万倍の増幅が報告されたこともあり、非常に危険です。
  • 実運用での対策例
    • アンスポーフィング(アウトゴーイングのIP偽装防止、BCP38)を実装する。
    • UDPサービスで不要な機能(例:NTPのmonlist、MemcachedのUDPサポート)を無効化する。
    • 公開サービスは最小応答に制限し、レート制限や応答サイズ制御を行う。
    • DNSは応答におけるANYクエリの制限やResponse Rate Limiting (RRL) を導入する。

FAQ

Q1: なぜUDPが多く使われるのですか?
A1: UDPはコネクションレスで応答に対する状態を保持しないため、送信元を偽装しても第三者サーバが応答してしまう点が悪用されやすいためです。
Q2: DNSSECは増幅攻撃を防ぎますか?
A2: 直接の防御手段ではありません。DNSSECは応答の署名で正当性を示すが、署名により応答サイズが増えることもあり、増幅の観点では別の対策(RRLや問い合わせ制限等)が必要です。
Q3: 個人や小規模事業者ができる対策は?
A3: 自ら管理するサーバで不要なUDPサービスを停止し、ネットワーク機器で送信元IP偽装対策(アウトゴーイングフィルタ)を実施するのが有効です。

関連キーワード: DDoS、リフレクタ、増幅攻撃、UDP、DNS、NTP、Memcached、ポート番号、アウトゴーイングフィルタ、応答サイズ
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