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情報処理安全確保支援士 2009年 春期 午前207


問題文

リスク対策をリスクコントロールとリスクファイナンスに分けた場合、リスクファイナンスに該当するものはどれか。

選択肢

システムが被害を受けた場合を想定して保険をかけた。(正解)
システム被害につながるリスクの発生を抑える対策に資金を投入した。
システムを復旧するのに掛かった費用を金融機関から借り入れた。
リスクが顕在化した場合のシステム被害を小さくする対策に資金を投入した。

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リスクファイナンス【午前2解説】

正解の理由

リスクファイナンスとは、リスクが顕在化したときの金銭的損失を補填するために資金手当や移転を行う手段を指します。典型例は保険契約で、損失発生時に保険金で補償を受けることで企業の財務的負担を軽減します。選択肢のうち、「システムが被害を受けた場合を想定して保険をかけた。」はまさに損失の財務的移転(保険会社へリスクを移す)であり、リスクファイナンスに該当します。
逆に、発生確率や影響を低減するための投資(予防や軽減策)はリスクコントロールに分類されます。

解法ステップ

  1. リスク対策を「(A)リスクコントロール(発生抑止・影響軽減)」「(B)リスクファイナンス(損失の財務処理)」に定義する。
  2. 各選択肢が「損失を金銭的に処理・移転するか」それとも「発生確率や影響を下げる介入か」を判定する。
  3. 金銭的補填・移転の典型(保険、準備金、ヘッジ等)に該当するものをリスクファイナンスと判断する。
  4. これにより、保険であるがリスクファイナンス、イとエがリスクコントロール、ウは設問意図では該当しないと結論付ける。

選択肢別の誤答解説

  • : 保険は被害発生時に保険金が支払われることで損失を第三者に金銭的に移転する仕組み。これが典型的なリスクファイナンスであるため正答となる。
  • イ: 「リスクの発生を抑える対策に資金を投入」は発生確率を下げる予防策。これはリスクコントロール(予防)に該当する。
  • ウ: 「復旧費用を金融機関から借り入れた」は一見資金調達に見えるが、設問が意図するリスクファイナンスは主として損失の金銭的処理・移転を計画的に行う手段(保険、自己準備金等)を指す。また、借入は事後的・汎用的な資金調達であり、責任や損失を移転する仕組みではないためここでは該当しない。事前にコンティンジェンシー融資枠を確保する場合はややリスクファイナンス寄りとみなされ得るが、本選択肢は単なる借入の表現であり不正解。
  • エ: 「被害を小さくする対策に資金を投入」は影響軽減(被害縮小)のための投資で、リスクコントロール(軽減)に当たる。

よくある誤解

  • 保険をかければリスクが無くなると考える誤解:保険は損失の財務負担を軽減するが、発生そのものや業務の中断は解消されない。リスクコントロールと併用が必要。
  • 「借入=リスクファイナンス」と捉える誤解:単なる借入は事後の資金手当であり、計画的なリスクファイナンス(保険・準備金・ヘッジ)とは区別される。事前に確保したコンティンジェンシー融資枠は別扱いになることがある。
  • 責任の移転と財務的移転を混同する誤解:外部委託は業務や責任の移転(リスクコントロール寄り)が中心で、保険のように損失そのものを金銭で移すものとは性質が異なる。

補足コラム

リスクファイナンスの代表例と特徴:
  • 保険:プレミアムを支払い、損失発生時に保険金で補填。外部への「財務的移転」。
  • 自己保険(内部留保):保険を使わず内部で損失準備金を積む方法。外部移転ではないが財務対応手段。
  • ヘッジ(金融派生商品):価格変動リスク等を市場でヘッジして財務的損失を限定する手段。
  • コンティンジェンシー融資や与信枠:事前に資金を確保しておくことで、被害発生時の資金不足を防ぐ(事前確保型はリスクファイナンスに近い)。
    要点は「誰が金銭的損失の負担を持つか」「事前に手当てされているか」の観点で分類することです。

FAQ

Q1: 借入(ウ)は完全にリスクファイナンスに含まれないのですか?
A1: 一般的な「事後の借入」は単なる資金調達であり、設問におけるリスクファイナンス(保険等の計画的な損失処理)とは区別されます。ただし、事前に確保したコンティンジェンシー融資枠はリスクファイナンスの一形態と見なされることがあります。
Q2: 予防対策(イ)と被害軽減(エ)は両方ともリスクコントロールですか?
A2: はい。イは発生確率を下げる「予防」、エは発生後の影響を小さくする「軽減」に分類され、いずれもリスクコントロールの手法です。
Q3: 保険に入れば対策は不要ですか?
A3: いいえ。保険は財務的補填を提供しますが、事業継続性やブランド影響など非金銭的損失は残るため、予防・軽減策(リスクコントロール)との併用が重要です。

関連キーワード: リスク管理、リスクファイナンス、リスクコントロール、保険、自己保険、コンティンジェンシー、資金調達、被害軽減
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