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情報処理安全確保支援士 2013年 春期 午前215


問題文

ダウンローダ型ウイルスが内部ネットワークの PC に感染した場合に、インターネット経由で他のウイルスがダウンロードされることを防ぐ対策として、最も有効なものはどれか。

選択肢

URLフィルタを用いてインターネット上の不正 Web サイトへの接続を遮断する。(正解)
インターネットから内部ネットワークに向けた要求パケットによる不正侵入行為をIPSで破棄する。
スパムメール対策サーバでインターネットからのスパムメールを拒否する。
メールフィルタで他サイトへの不正メール発信を遮断する。

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ダウンローダ感染対策【午前2解説】

正解の理由

ダウンローダ型ウイルスは感染したPCからインターネット上の特定のURLへ接続し、追加のマルウェアをダウンロードします。したがって、外部の不正Webサイトへの接続自体を遮断できる制御が最も直接的かつ有効です。選択肢のうち、インターネット上の不正Webサイトへの接続を遮断する機能を持つのは のURLフィルタであり、これにより追加ダウンロードの機会を根本から断つことができます。
また、IPS(侵入防止システム)は設定やシグネチャ、挙動検知により外向き(アウトバウンド)の悪性通信を検出・破棄することも可能ですが、シグネチャ依存や暗号化通信の回避などの制約があり、URLフィルタやセキュアWebゲートウェイのようにドメイン/カテゴリ単位で確実にブロックする手段と比べて、本件の「最も有効」とは言いにくい点に注意します。

解法ステップ

  1. 「ダウンローダ型」の本質を把握する:感染PCが外部から追加マルウェアをダウンロードする仕組みであると認識する。
  2. 攻撃経路を特定する:ダウンロードは主にHTTP/HTTPS経由で特定URLへアクセスすることが多い。
  3. 経路を断つ対策を選ぶ:ダウンロード元URLやドメインへのアクセスを遮断できる仕組みを選ぶ(URLフィルタ、セキュアWebゲートウェイ、DNSブロッキングなど)。
  4. 他の選択肢との比較:IPSやメール系対策は補助的に有効だが、ダウンロードを確実に止める点でURLフィルタの方が適切と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • URLフィルタを用いてインターネット上の不正 Web サイトへの接続を遮断する。
    • 正解。ダウンローダがアクセスする外部URL自体を遮断できるため、追加マルウェア取得を防げる。プロキシやセキュアWebゲートウェイでURLカテゴリ・レピュテーションベースにブロックするのが実運用で有効。
  • イ インターネットから内部ネットワークに向けた要求パケットによる不正侵入行為をIPSで破棄する。
    • 部分的に有効だが不十分。IPSはインバウンドの不正侵入を防ぐ主要機能を持つが、設定やシグネチャ/振る舞い検知によりアウトバウンドの悪性通信(感染PCからのダウンロード要求)を検出・破棄することも可能である。しかし、暗号化やゼロデイの通信、シグネチャ未登録のアクセスは見逃す恐れがあり、URL単位での確実な遮断には向かない。
  • ウ スパムメール対策サーバでインターネットからのスパムメールを拒否する。
    • 無関係に近い。スパム対策は主にメール経由の侵入や迷惑メールを減らすものであり、既に感染したPCがWebから追加マルウェアをダウンロードする挙動を防ぐ機能ではない。
  • エ メールフィルタで他サイトへの不正メール発信を遮断する。
    • 主に感染PCからのメール拡散(ワーム型)を抑える対策であり、HTTP/HTTPSによる外部サイトからのダウンロードを遮断するものではない。従って今回の目的(外部ダウンロードの阻止)には直接効かない。

よくある誤解

  • IPSは外向きの通信をまったく防げない
    • 誤解。IPSは設定とシグネチャ次第でアウトバウンドの悪性通信を検出・破棄できる。ただし暗号化や未知の通信パターン、急速に変化するC2やドメインフラックションには弱く、URLフィルタと併用する方が確実性が高い。
  • スパム/メールフィルタで全てのマルウェア感染を防げる
    • 誤解。メール対策はメール経由の攻撃に有効だが、感染後に行われるWeb経由の追加ダウンロードまでは防げない。
  • HTTPSならURLフィルタは効かない
    • 一部正しい側面がある(通信の内容やパスは暗号化される)が、SNIやDNSベースのフィルタ、TLS復号(フルインスペクション)を組み合わせれば対処可能。

補足コラム

実運用では単一対策に頼るのではなく多層防御が有効です。ダウンローダ感染への対処例:
  • セキュアWebゲートウェイ/プロキシでURLカテゴリやレピュテーションによるブロックを実施。
  • DNSシンクホールで既知悪性ドメインを解析段階で吸収。
  • egress(出口)ファイアウォールで不要な外向き通信を制限(ポートやプロトコル、許可リスト方式)。
  • TLSインスペクションを導入できる場合はHTTPSのパスやリクエスト内容も検査する(運用・プライバシー考慮が必要)。
  • EDR/アンチマルウェアで端末側のダウンロード試行やプロセスを遮断・検知し、感染拡大前に隔離する。
  • ネットワーク分割と最小権限で被害範囲を限定する。
これらを組み合わせることで、ダウンローダによる二次感染や追加取得をより確実に防げます。

FAQ

Q. URLフィルタはHTTPSでも有効ですか?
A. SNIやDNS名ベースのブロックは有効です。より詳細なURLパスやPOSTデータまで評価するにはTLS復号(中間証明書によるインスペクション)が必要ですが、導入とプライバシー、法令遵守の検討が必要です。
Q. IPSだけで防げますか?
A. IPSはアウトバウンドの悪性通信を破棄する機能を持ち得ますが、暗号化や未知の通信形態、シグネチャ未登録の攻撃には限界があります。URLフィルタやEDRと併用するのが現実的です。
Q. 感染後すぐに取るべきネットワーク対応は?
A. 感染PCのネットワーク隔離、該当ドメイン/IPの即時ブロック(プロキシ・FW・DNS)、エンドポイントのスキャン・復旧です。

関連キーワード: ダウンローダ、URLフィルタ、セキュアWebゲートウェイ、IPS、DNSシンクホール、Egressフィルタ、TLSインスペクション、EDR、プロキシ、レピュテーション制御
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