情報処理安全確保支援士 2014年 春期 午前2 問20
問題文
インターネットVPNを実現するために用いられる技術であり、ESP(Encapsulating SecurityPayload)やAH(Authentication Header)などのプロトコルを含むものはどれか。
選択肢
ア:IPsec(正解)
イ:MPLS
ウ:PPP
エ:SSL
インターネットVPNを実現するために用いられる技術であり、ESP(Encapsulating SecurityPayload)やAH(Authentication Header)などのプロトコルを含むものはどれか。【午前2 解説】
正解の理由
ESP(Encapsulating Security Payload)とAH(Authentication Header)はともにIPパケットにセキュリティ機能を付加するためのプロトコルであり、これらを含む一連の仕様がIPsec(Internet Protocol Security)です。IPsecはネットワーク層(IP層)で動作し、トンネルモードやトランスポートモードでVPNを構築できます。したがって選択肢の中でESP/AHを含むものは「ア: IPsec」であり正解です。
解法ステップ
- 問題文で挙がっている「ESP」「AH」がどの層のプロトコルかを認識する(IP層)。
- 各選択肢の役割と動作層を確認する:
- IPsec:IP層でのセキュリティ機能(ESP/AH、IKE)
- MPLS:ラベルによる転送・経路制御(レイヤ2.5的)
- PPP:ポイントツーポイントのリンク層プロトコル
- SSL:トランスポート/アプリケーション層の暗号化(TLS)
- ESP/AHがIP層のセキュリティプロトコルである点からIPsecを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: IPsec(正解)
ESP/AHを含み、IPパケットの暗号化や認証を提供します。IKEで鍵交換を行い、トンネル/トランスポートモードでVPNを実現します。 - イ: MPLS(誤答)
高速なラベル転送や仮想回線を実現する技術で、VPNトンネルのように見える構成は可能ですが、ESP/AHのようなIPセキュリティプロトコルは含みません。 - ウ: PPP(誤答)
ポイントツーポイント接続でリンク層の機能(認証、圧縮、複数プロトコルの多重化)を提供しますが、ESP/AHは含みません。 - エ: SSL(誤答)
TLS/SSLは主にトランスポート層〜アプリ層でのセッション暗号化を行い、ESP/AHのようにIPヘッダ周りで直接動作するものではありません(似た機能を提供するが層と適用範囲が異なります)。
よくある誤解
- 誤解1: 「SSLとIPsecは同じようなもの」
両者とも暗号化を使いますが、SSL/TLSは主にトランスポート層やアプリケーション間でセッションを保護し、IPsecはIPパケット自体を保護します。適用範囲や導入箇所が異なります。 - 誤解2: 「MPLSがVPN機能を提供するからIPsecと同等」
MPLSはラベルによる経路制御や仮想回線の機能を提供しますが、パケットの暗号化や認証は本来の機能ではありません。暗号化付きVPNとは別の技術です。 - 誤解3: 「PPPもインターネットVPNの主要技術だ」
PPPは主にシリアルリンクやダイヤルアップ等のリンク層プロトコルで、認証や圧縮などを提供しますが、ESP/AH を含むものではありません。
補足コラム
- IPsecの主な構成要素:
- AH(Authentication Header):パケットの改ざん検出と送信元認証を提供(暗号化はしない)
- ESP(Encapsulating Security Payload):ペイロードの暗号化とオプションの認証を提供
- IKE(Internet Key Exchange):鍵交換とセキュリティパラメータのネゴシエーションを行うプロトコル(IKEv1/IKEv2)
- 運用上の使い分け:リモートアクセスVPNや拠点間VPNで広く使われるのがIPsec。一方で、ウェブアプリやブラウザ接続の保護にはTLS(HTTPS)が一般的です。
FAQ
Q1: ESPとAHは同時に使えるのですか?
A1: はい。両者は組み合わせて使うことが可能ですが、一般にはESP単独で暗号化と認証を行う設定が多く採用されています。
A1: はい。両者は組み合わせて使うことが可能ですが、一般にはESP単独で暗号化と認証を行う設定が多く採用されています。
Q2: IPsecはどの層で暗号化するのがメリットですか?
A2: ネットワーク層(IP層)で暗号化するため、アプリケーションに依存せずに全トラフィックを保護できます。機器単位でのトンネル構築も容易です。
A2: ネットワーク層(IP層)で暗号化するため、アプリケーションに依存せずに全トラフィックを保護できます。機器単位でのトンネル構築も容易です。
Q3: モバイル端末でのVPNはIPsecとSSLどちらが良い?
A3: 要件次第です。クライアント全体のトラフィックを保護したければIPsec、特定アプリやウェブ通信だけで良ければTLS/SSL(SSL-VPN)が適しています。
A3: 要件次第です。クライアント全体のトラフィックを保護したければIPsec、特定アプリやウェブ通信だけで良ければTLS/SSL(SSL-VPN)が適しています。
関連キーワード: IPsec、ESP、AH、IKE、VPN、トンネルモード、トランスポートモード、暗号化、認証、情報処理技術者試験

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