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情報処理安全確保支援士 2016年 春期 午前214


問題文

ディジタルフォレンジックスに該当するものはどれか。

選択肢

画像や音楽などのディジタルコンテンツに著作権者などの情報を埋め込む。
コンピュータやネットワークのセキュリティ上の弱点を発見するテスト手法の一つであり、システムを実際に攻撃して侵入を試みる。
ネットワークの管理者や利用者などから、巧みな話術や盗み聞き、盗み見などの手段によって、パスワードなどのセキュリティ上重要な情報を入手する。
犯罪に関する証拠となり得るデータを保全し、その後の訴訟などに備える。(正解)

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デジタルフォレンジックス【午前2解説】

正解の理由

ディジタルフォレンジックスは、コンピュータやネットワーク上のデータを犯罪や不正行為の証拠として扱うために、発見・保全・解析・報告する一連の技術と手続きです。選択肢のうち、証拠となり得るデータを保全し、訴訟などに備えると明示しているのはであり、これがデジタルフォレンジックスの本質に合致します。保全では証拠の完全性を維持するためのイメージ取得、ハッシュ計算、チェーン・オブ・カストディの記録などが行われます。

解法ステップ

  1. 設問のキーワードを探す:本文に「証拠」「保全」「訴訟」などの語があればフォレンジックスを想起します。
  2. 各選択肢の概念を短く同定する:
    • 著作権情報を埋め込む → 「電子透かし/メタデータ」
    • 実際に攻撃するテスト → 「ペネトレーションテスト(侵入試験)」
    • 話術や盗聴で情報入手 → 「ソーシャルエンジニアリング」
    • 証拠の保全・訴訟準備 → 「デジタルフォレンジックス」
  3. 一致する選択肢を選ぶ:証拠保全の説明に当てはまる選択肢が正解。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 画像や音楽などに著作権者などの情報を埋め込む。
    • 正しくは「電子透かし(ウォーターマーキング)」や「メタデータの付与」と表現します。ファイル内に埋め込み情報を入れることで出所や著作権を示す技術です。これとデジタル著作権管理(DRM)は別概念です。DRMはコンテンツの利用制御(再生制限やコピー制限など)を行う仕組みであり、埋め込み自体を指すわけではありません。
  • イ: 実際に攻撃して侵入を試みるテスト手法。
    • これは「ペネトレーションテスト(侵入試験)」や「攻撃演習」に該当します。セキュリティ評価の一手法であり、フォレンジックスとは目的(攻撃検出・脆弱性評価 vs 証拠保全・解析)が異なります。
  • ウ: 話術や盗み聞きでパスワード等を入手する手法。
    • これは「ソーシャルエンジニアリング」に当たります。人的弱点を突く攻撃手法で、対策は教育や運用ルールの強化です。フォレンジックスはこうした攻撃の痕跡を解析する側面も持ちますが、選択肢の記述自体は攻撃手法の定義です。
  • エ: 犯罪に関する証拠となり得るデータを保全し、その後の訴訟などに備える。
    • これはデジタルフォレンジックスそのものです。デジタルフォレンジックスでは、データの取得(フォレンジックイメージ)、整合性確認(ハッシュ値の記録)、チェーン・オブ・カストディの管理、解析結果の報告書作成などが行われます。したがってが正解です。

よくある誤解

  • 電子透かし=DRMと混同する:
    • 電子透かしやメタデータはコンテンツに情報を埋める技術で、DRMは利用制御の仕組みです。用途と機能が異なります。
  • フォレンジックスは「ハッキング」と同義である:
    • フォレンジックスは証拠保全・解析が目的であり、不正侵入を目的とする行為(ハッキング)とは区別されます。手順・法的制約が重要です。
  • データを消すと完全に消えると思い込む:
    • 多くの削除操作は復元可能であり、適切なフォレンジック手法で痕跡を取得できる場合が多いです。ただし完全な物理破壊や適切な上書きがなされている場合は復元困難になります。

補足コラム

デジタルフォレンジックスの主な工程は一般に次のとおりです:識別(Identification)、保全(Preservation)、収集(Collection/Acquisition)、検査・解析(Examination & Analysis)、報告(Reporting)。実務では以下の点が重要です。
  • フォレンジックイメージ取得には書込み防止(write blocker)を用いる。
  • 取得後にハッシュ(例:MD5, SHA-256)を計算し、イメージの改変がないことを示す。
  • チェーン・オブ・カストディ(誰がいつどのように証拠を扱ったかの記録)を厳密に残すことで法廷での証拠能力を担保する。
  • 代表的ツール:EnCase、FTK、Autopsy/Sleuth Kit、Volatility(メモリ解析)など。
  • 関連規格:ISO/IEC 27037(デジタル証拠取扱いの指針)などが参照されます。

FAQ

Q. デジタルフォレンジックスとインシデントレスポンスの違いは? A. インシデントレスポンスは発生中・直後の対応(封じ込め、根絶、復旧)に重きがあり、フォレンジックスは証拠の保全と解析を重視します。両者は連携して行われることが多いです。
Q. フォレンジックイメージとは何ですか? A. ストレージのビット単位の複製(完全コピー)です。解析はこの写しで行い、原本は保全します。
Q. ハッシュ値だけで証拠の改ざんが証明できるのですか? A. ハッシュはデータ整合性の強力な指標ですが、ハッシュ算出の手順や環境、チェーン・オブ・カストディの記録などと合わせて証拠能力が評価されます。

関連キーワード: デジタルフォレンジックス、証拠保全、フォレンジックイメージ、ハッシュ値、チェーンオブカストディ、ウォーターマーキング、メタデータ、ペネトレーションテスト、ソーシャルエンジニアリング、書込み防止、Volatility、Autopsy
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