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情報処理安全確保支援士 2023年 秋期 午前210


問題文

総務省及び国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が2019年2月から実施している取組“NOTICE”に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

NICTが運用するダークネット観測網において、マルウェアに感染したIoT機器から到達するパケットを分析した結果を当該機器の製造者に提供し、国内での必要な対策を促す。
国内のグローバルIPアドレスを有するIoT機器に対して、容易に推測されるパスワードを入力することなどによって、サイバー攻撃に悪用されるおそれのある機器を調査し、インターネットサービスプロバイダを通じて当該機器の利用者に注意喚起を行う。(正解)
国内の利用者からの申告に基づき、利用者の所有するIoT機器に対して無料でリモートから、侵入テストやOSの既知の脆弱性の有無の調査を実施し、結果を通知するとともに、利用者が自ら必要な対処ができるよう支援する。
製品のリリース前に、不要にもかかわらず開放されているポートの存在、パスワードの設定漏れなど約200項目の脆弱性の有無を調査できるテストベッドを国内のIoT機器製造者向けに公開し、市場に流通するIoT機器のセキュリティ向上を目指す。

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NOTICEの調査手法【午前2解説】

正解の理由

選択肢のうち が適切なのは、NOTICEが国内のグローバルIPアドレスを持つIoT機器に対して、容易に推測されるパスワードの入力等の限定的な能動的調査を行い、発見した脆弱な機器についてインターネットサービスプロバイダ(ISP)を通じて利用者に注意喚起するという方針に合致するためです。ここでの能動的調査は、包括的な侵入や端末の改変を伴う侵入テストではなく、あくまで外部からの限定的なログイン試行などの確認を行う範囲に留め、必要な関係者と連携して通知や助言を行う運用が前提になっています。したがって、記述の趣旨がNOTICEの公表方針と一致します。

解法ステップ

  1. 選択肢文中の動詞・行為(例:侵入テスト、パケット分析、リモートからの調査、製造者向けテストベッド)に着目する。
  2. NOTICEの公表内容(2019年開始、ISP連携、脆弱なIoT機器の特定と通知を重視、詳細な侵害行為は行わない)と照合する。
  3. 「侵入・改ざんを伴う行為」や「製品リリース前の包括的テスト提供」といった過度に踏み込む表現があれば除外する。
  4. 最終的に、限定的な外部からのログイン試行とISP経由の注意喚起を記述する選択肢を正答とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア:誤り。NICTはダークネットや観測網で不正通信を把握する活動を行いますが、NOTICEの主要な手段は国内のIP空間における脆弱性の確認と関係者への通知であり、「マルウェア感染機器から到達するパケットを製造者に直接提供して国内対策を促す」という表現はNOTICEの公表運用と整合しません。また、ダークネット観測によるパケット解析で特定端末の製造者に直接働きかける運用とは区別されます。
  • :正しい。NOTICEは国内のグローバルIPを持つIoT機器の脆弱性確認にあたり、容易に推測されるパスワードなどを確認する限定的な能動的調査を行い、ISPと連携して利用者へ注意喚起する仕組みを採っています。重要なのは、この行為が「詳細な侵入行為(端末内部の改変や恒久的なアクセス取得)」には踏み込まない点です。
  • ウ:誤り。「無料でリモートから侵入テストやOSの既知脆弱性の有無を調査する」とする記述は過度に侵襲的です。NOTICEは利用者所有端末への無制限な侵入テストや積極的な脆弱性スキャンによる内部確認を行わず、個別端末の内部診断や権限取得を伴う調査は実施していません。
  • エ:誤り。「製造者向けに約200項目を調査するテストベッドを公開する」という記述はNOTICEの主旨と異なります。製造者支援や標準化活動は別の施策や研究の領域で行われることがあり得ますが、NOTICE自体は主にフィールドの脆弱な端末検知と通知のための仕組みであり、製品リリース前の網羅的なテストベッド提供を中心的に行うプロジェクトではありません。

よくある誤解

  • 非侵入的=完全な非接触、ではない:NOTICEは「詳細な侵害行為を行わない」ものの、限定的なリモートでのログイン試行(容易に推測されるパスワードの入力など)といった能動的調査を行う場合があり、これを「非侵入的」とだけ表現すると誤解を招きます。実態は「侵害行為には踏み込まないが、外部からの限定的な試行を行う」運用です。
  • ダークネット観測とスキャンの混同:ダークネット観測は未割当IP宛のトラフィックを受ける受動的観測で、能動的に機器へ接触して脆弱性を確かめるスキャンとは別物です。NOTICEの説明を読む際には、どちらの手法かを見分けてください。

補足コラム

NOTICEはIoT機器の脆弱性を放置するとボットネット化や大規模攻撃の踏み台になる点に着目し、ISPや製造者との連携で被害拡大を未然に防ぐことを目標にしています。公的取り組みでは、関係法令や倫理的配慮、ISPとの情報連携プロセスを明確にした上で、個人情報や端末運用に支障を与えない範囲での通知・助言を行うことが重視されます。

FAQ

Q: NOTICEは利用者の端末に勝手に侵入しますか?
A: いいえ。NOTICEは端末内部を改変したり恒久的にアクセスを得るような侵入テストは行いません。行うのは限定的な外部からの確認(例:容易に推測されるパスワードの入力による脆弱性確認)にとどまり、結果はISP等と連携して通知や助言を行います。
Q: ISP経由の注意喚起はどのように行われますか?
A: 発見した脆弱な機器の所在情報をISPに共有し、ISPが契約者に対して注意喚起や対処方法の案内を行う形が基本です。具体的な通知方法はISPごとに異なります。
Q: NOTICEとダークネット観測は同じですか?
A: 別です。ダークネット観測は未使用IP宛のトラフィックを受けて不正の兆候を把握する受動観測で、NOTICEの能動的脆弱性確認とは目的や手法が異なります。

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