情報処理安全確保支援士 2025年 秋期 午前2 問07
問題文
送信元IPアドレスがA,送信元ポート番号が80/tcp,宛先IPアドレスがホストに割り振られていない未使用のIPアドレスであるSYN/ACKパケットを大量に観測した場合、推定できる攻撃はどれか。
選択肢
ア:IPアドレスAを攻撃先とするサービス妨害攻撃(正解)
イ:IPアドレスAを攻撃先とするパスワードリスト攻撃
ウ:IPアドレスAを攻撃元とするサービス妨害攻撃
エ:IPアドレスAを攻撃元とするパスワードリスト攻撃
SYN/ACKパケットが未使用IP宛に大量観測された場合の攻撃推定【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:送信元がAで送信元ポート80、宛先が未使用IPのSYN/ACK大量観測はAがSYNを受けているDoS攻撃を示唆します。
- 根拠:SYN/ACKはサーバーがSYNへ返信するパケットで、大量の返信はAが多数のSYNを受信した結果であると推定できます。
- 差がつくポイント:パケットの「送信元=攻撃者」と短絡せず、応答パケット(SYN/ACK)が示す役割(応答側=攻撃先)を把握すること。
正解の理由
正解:ア
SYN/ACKはTCPの接続確立(3ウェイハンドシェイク)におけるサーバー側の応答です。送信元IPがAで送信元ポートが80/tcpということはAがサーバーとしてSYNに対して応答していることを示します。宛先がホストに割り振られていない未使用IPであるのは、攻撃者がその未使用IPを送信元アドレスに偽装して大量のSYNをAに送信した(IPスプーフィング)ため、Aが偽装された送信元へSYN/ACKを返している状態と解釈できます。したがって「IPアドレスAを攻撃先とするサービス妨害攻撃(SYN Flood等)」が推定されます。
SYN/ACKはTCPの接続確立(3ウェイハンドシェイク)におけるサーバー側の応答です。送信元IPがAで送信元ポートが80/tcpということはAがサーバーとしてSYNに対して応答していることを示します。宛先がホストに割り振られていない未使用IPであるのは、攻撃者がその未使用IPを送信元アドレスに偽装して大量のSYNをAに送信した(IPスプーフィング)ため、Aが偽装された送信元へSYN/ACKを返している状態と解釈できます。したがって「IPアドレスAを攻撃先とするサービス妨害攻撃(SYN Flood等)」が推定されます。
よくある誤解(2〜3 行)
- 観測したパケットの送信元IP=実際の攻撃者と考えるのは誤りで、スプーフィングで偽装されている場合が多いです。
- 送信元ポートが80だから攻撃がウェブ由来とは限らず、単にウェブサーバが応答者であることを意味します。
解法ステップ
- パケット種類を確認:SYN/ACKはTCP接続の「サーバ応答」であると認識する。
- 送信元/宛先の役割を整理:送信元A(ポート80)は応答側、宛先は応答を受ける側。
- 宛先が未使用IPである事実から、送信元は偽装された応答先へ返信している可能性を考える。
- 結論付け:多数のSYNに応答しているAが攻撃(サービス妨害)の対象であると推定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正しい。上記のとおり、AがSYNに応答している=Aが攻撃対象のDoSの可能性が高い。
- イ: 誤り。パスワードリスト攻撃は通常TCP接続確立後に認証試行が行われ、SYN/ACK大量観測だけでは示されない。
- ウ: 誤り。観測しているのはAからの応答であり、観測データだけではAが攻撃発信元であるとは言えない(スプーフィングの可能性)。
- エ: 誤り。パスワードリスト攻撃は攻撃元がログイン試行を行うため、SYN/ACKの大量観測とは整合しない。
補足コラム(関連知識など)
- TCPの3ウェイハンドシェイク:クライアントがSYN、サーバがSYN/ACK、クライアントがACKで接続確立します。SYN/ACKはサーバ応答を示す重要な手がかりです。
- SYN Floodのメカニズム:攻撃者が大量のSYNを送ることでサーバのキュー(SYN backlog)を圧迫し、正規接続を拒否させる攻撃です。攻撃にスプーフィングを組み合わせると追跡が困難になります。
- 対策例:SYN Cookie、接続レート制限、ファイアウォールフィルタ、BCP38による送信元アドレス偽装防止(アウトバウンドフィルタリング)。
FAQ
Q: SYN/ACKが大量に来ていても未使用IPが宛先なら誰が困るのですか?
A: 宛先が未使用でも、その経路や中継機器に負荷がかかり、同じネットワーク内の正当なサービスに影響が出る可能性があります。
A: 宛先が未使用でも、その経路や中継機器に負荷がかかり、同じネットワーク内の正当なサービスに影響が出る可能性があります。
Q: 観測した送信元IPが複数ある場合はどう判断しますか?
A: 複数の送信元(反射サーバ)が観測される場合、攻撃が反射・分散型(DDoS)であることを疑い、共通の標的(攻撃先)を特定する方向で解析します。
A: 複数の送信元(反射サーバ)が観測される場合、攻撃が反射・分散型(DDoS)であることを疑い、共通の標的(攻撃先)を特定する方向で解析します。
関連キーワード: SYN Flood, TCPハンドシェイク、IPスプーフィング、SYN/ACK, サービス妨害、DDoS, SYN Cookie, アウトバウンドフィルタリング

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