情報処理安全確保支援士試験 2025年 春期 午前218


イーサネットにおいて、ルータで接続された二つのセグメント間でのコリジョンの伝搬と、宛先 MAC アドレスの全てのビットが1であるブロードキャストフレームの中継について、適切な組合せはどれか。
選択肢画像
(正解)

解説

イーサネットにおけるルータ接続セグメントのコリジョン伝搬とブロードキャスト中継【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ルータはコリジョンを伝播せず、ブロードキャストフレームも中継しないため、正解はアです。
  • 根拠:ルータはOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作し、異なるセグメント間の衝突ドメインを分割します。
  • 差がつくポイント:スイッチやハブとの違いを理解し、コリジョンとブロードキャストの伝搬特性を正確に区別できることが重要です。

正解の理由

ルータは異なるネットワークセグメントを接続し、パケット単位で転送を行います。イーサネットのコリジョンは物理層の問題であり、ルータは物理的にセグメントを分割するためコリジョンは伝播しません。また、ルータはブロードキャストドメインを分割するため、宛先MACアドレスが全ビット1のブロードキャストフレームも中継しません。これにより、選択肢アの「コリジョンの伝播しない」「ブロードキャストフレームの中継しない」が正しい挙動を示しています。

よくある誤解

ルータはブロードキャストを中継しないため、スイッチやハブと混同して「中継する」と誤解されやすいです。コリジョンの伝播も物理層の問題であり、ルータはこれを遮断します。

解法ステップ

  1. イーサネットのコリジョンがどの層の問題かを確認する(物理層)。
  2. ルータの動作層を理解する(ネットワーク層)。
  3. ルータが異なるセグメント間でコリジョンを伝播しないことを把握する。
  4. ブロードキャストフレームの中継範囲を考え、ルータはブロードキャストドメインを分割するため中継しないと判断する。
  5. 選択肢の組み合わせと照らし合わせて正解を選ぶ。

選択肢別の誤答解説ステップ

  • ア:コリジョン伝播しない・ブロードキャスト中継しない。ルータの正しい動作。
  • イ:コリジョン伝播しないがブロードキャスト中継する。ルータはブロードキャストを中継しないため誤り。
  • ウ:コリジョン伝播するがブロードキャスト中継しない。ルータはコリジョンを伝播しないため誤り。
  • エ:コリジョン伝播し、ブロードキャスト中継もする。これはハブやリピータの動作でありルータではない。

補足コラム

イーサネットのコリジョンはCSMA/CD方式の特徴で、同一セグメント内で発生します。ルータは異なるネットワークを接続し、物理的にセグメントを分割するため、コリジョンはルータを越えて伝播しません。一方、スイッチはレイヤ2機器であり、ブロードキャストフレームは同一VLAN内で中継されますが、ルータは異なるネットワーク間でブロードキャストを遮断します。

FAQ

Q: ルータはなぜブロードキャストフレームを中継しないのですか?
A: ルータはネットワーク層で動作し、異なるネットワーク間のトラフィックを制御するため、ブロードキャストドメインを分割し不要なトラフィックの拡散を防ぎます。
Q: スイッチとルータの違いは何ですか?
A: スイッチはレイヤ2でMACアドレスを基にフレームを転送し、同一ネットワーク内の通信を行います。ルータはレイヤ3でIPアドレスを基にパケットを転送し、異なるネットワーク間を接続します。

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