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システムアーキテクト試験 2010年 午後103


固定資産管理システムの改善に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。

 C社は、三つの事業所をもつ中堅のソフトウェア開発企業である。C社では固定資産管理システムの改善を行うことになった。 〔現行システムの概要〕  C社の現在の固定資産管理システム(以下、現行システムという)の概要は、次のとおりである。 (1)管理対象は、C社が所有するすべての固定資産で、固定資産テーブルで管理している。リース資産や顧客からの預り資産は管理していない。資産は、購入時に一意の資産番号が付与され、固定資産テーブルに登録される。個々の資産には、それぞれ管理責任をもつ部署(以下、管理部署という)及び管理担当者が定められている。 (2)年1回、登録されている資産について、現物を固定資産テーブルの内容と照合する処理(以下、現物照合という)を実施する。現物照合の対象となる機器には、資産番号、資産名、取得日及びバーコード化した資産番号が印刷されたシール(以下、資産シールという)を貼り付けて管理している。対象機器で、シールが貼られていない機器は存在しない。 (3)PCの本体とモニタのように物理的に複数に分かれた資産を購入したり、複数台を一括で購入したりする場合、固定資産テーブルには1件分として登録してあり、資産シールは同一のものを複数枚作成している。 (4)資産には、サーバなど場所を固定して設置してある機器(以下、固定機器という)と、ノートPCなど持ち運び可能な機器(以下、携帯機器という)がある。固定機器について、同一資産番号をもつ資産の設置場所は同一の場所である。 (5)固定資産テーブルには、管理担当者名、設置場所名などの属性があり、これらに変更が生じた場合には、固定資産テーブル変更画面から変更を行っている。現行システムの固定資産テーブルの主な属性を表1に示す。  なお、携帯機器の設置場所名には空白がセットされている。
システムアーキテクト試験(平成22年度 午後I 問3 表1)
〔現物照合業務の概要〕  C社は現在、現物照合業務を次のとおり実施している。  (1)それぞれの部署では、自部署が管理している資産を固定資産テーブルから抽出し、設置場所名、管理担当者名、資産番号で昇順に並んだ固定資産一覧表を印刷する。  (2)印刷された固定資産一覧表を基に現物照合を行い、固定資産一覧表に記載されている資産があったら、ハンディスキャナでバーコードをスキャンする。  (3)スキャンによって作成された現物照合レコードを当日中に管理サーバにアップロードし、固定資産テーブルに現物照合完了区分と現物照合実施日を書き込む。  (4)同一の資産シールが複数枚ある場合は、スキャンがシール枚数分の回数行われたときに照合されたものとしている。  (5)遠隔地に設置してあり、バーコードをスキャンできない場合は、管理担当者が電話などで当該資産が存在していることを確認し、照合担当者に報告することで照合されたものとし、固定資産テーブル変更画面から現物照合情報を更新する。  (6)照合ができなかった資産は、管理部署の部長が除却稟議を起案し、社内決裁後に除却処理を行う。除却処理後、固定資産テーブルから削除される。   〔現物照合業務の問題点〕  現在の現物照合業務は、次のような問題点を抱えている。  (1)固定資産一覧表に記載されているが、現物が見つからずに除却される資産がある。一方で、資産シールが貼ってあるのに固定資産テーブルに存在しない機器が発見されることがある。  (2)固定機器の設置場所を移動するとき、設置場所名の変更漏れが発生している。  (3)同一の資産シールを複数枚発行している資産について、照合されたことになっているのに実物の数が合わないと内部監査で指摘されることがある。  (4)遠隔地の資産を回収したとき、照合されていたはずの資産が見つからないことがある。   〔現物照合業務の改善〕  C社では、これらの問題点を解決するために、業務の改善を行うことにした。情報システム部のD課長は、次の改善案を提示した。  (1)管理対象にリース資産及び顧客からの預り資産も追加する。  (2)物理的に複数に分かれた資産は、それぞれに枝番を付与して内訳を管理する。バーコードにも資産番号と枝番の両方を含める。  (3)携帯機器の現物照合は、現行と同様、固定資産一覧表を基に照合を行って、バーコードをスキャンする。固定機器の現物照合は、一覧表を使用せずに、設置してある場所単位に、そこに設置してあるすべての機器のバーコードを順次スキャンする。  (4)固定機器の設置場所を移動する際に、これをシステムに登録する機能(以下、移動管理機能という)を追加する。このために、各設置場所には一意な場所コードを付与し、場所コードをバーコード化したカードを設置する。  (5)すべての問題点をシステムの機能追加で対応することはせず、一部の問題点については、業務の運用方法の変更で解決を図る。上記の改善案に基づいて設計した新システムのE-R図を図に示す。   システムアーキテクト試験(平成22年度 午後I 問3 図1)
 新システムでは、枝番を付与した内訳を管理するために新たに内訳テーブルを作成する。同一資産番号で管理されている内訳の数を資産テーブルの内訳数で管理する。同一資産番号で内訳が1個の資産の場合、内訳テーブルには枝番が“1”のレコードが1件だけ作成される。  また、現物照合テーブル及び移動テーブルの主キーにも枝番を追加する。内訳テーブルで管理されている枝番単位に現物照合が行われると現物照合レコードが生成され、それに基づいて、内訳テーブル及び資産テーブルの属性が更新され、資産テーブルの照合内訳数と内訳数が一致したときに、当該資産番号の資産の照合が完了する。現物照合レコードは、管理サーバに累積して保存する。  なお、毎年、現物照合を実施する前に、資産テーブルの照合内訳数には“0”を、最新現物照合実施日及び内訳テーブルの現物照合実施日には初期値をセットする。
  〔新システムの移動管理機能〕  新システムでは、固定機器の設置場所変更の情報を確実に取り込むために、搬出及び搬入の際に、それぞれすべての機器のバーコードをスキャンしてシステムに取り込むことにした。その際の処理内容を表2に示す。
システムアーキテクト試験(平成22年度 午後I 問3 表2)
 移動レコードは管理サーバにアップロードされ、このレコードを使って内訳テーブルの更新を行う。また、移動レコードは管理サーバに累積して保存する。移動レコードによる内訳テーブルの更新処理手順を表3に示す。
システムアーキテクト試験(平成22年度 午後I 問3 表3)

固定資産管理システムの改善に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。

設問1

現在の現物照合業務において,固定資産一覧表にある資産が見つからないケースが発生している。考えられる原因を,35字以内で述べよ。

模範解答

固定機器の設置場所移動時に,設置場所名の変更漏れがあった。

解説

解答の論理構成

  1. 現物照合は一覧表を基に実施
    【問題文】「(1) …設置場所名、管理担当者名、資産番号で昇順に並んだ固定資産一覧表を印刷する。」
  2. 一覧表の並び順に従って現場を回るため、一覧に載った場所に資産が無いと“紛失”扱いになる。
  3. ところが、問題点として【問題文】「(2)固定機器の設置場所を移動するとき、設置場所名の変更漏れが発生している。」
  4. 変更漏れがあると、資産は新しい場所にあるのに一覧表は旧い場所を示す。
  5. 結果として「固定資産一覧表に記載されているが、現物が見つからず…」という事象が発生する。
  6. よって原因は「固定機器の設置場所移動時に設置場所名が更新されていない」こととなる。

誤りやすいポイント

  • バーコード貼付漏れを疑ってしまう
    【問題文】「対象機器で、シールが貼られていない機器は存在しない。」ため無関係です。
  • 携帯機器と混同する
    携帯機器は設置場所名が空白と明記されており、本設問は固定機器の移動が論点です。
  • 枝番やシール枚数トラブルを選んでしまう
    枝番・シール枚数は別の問題点((3))として扱われています。

FAQ

Q: 携帯機器でも一覧表と現物がずれることはありますか?
A: 携帯機器は【問題文】「携帯機器の設置場所名には空白がセット」とあるため場所移動の影響は受けません。今回の原因は固定機器特有です。
Q: バーコード読み取りエラーは関係ないのですか?
A: エラーがあればその場で再スキャンできるため恒常的な所在不明にはつながりにくく、本設問で求められている主要因ではありません。
Q: 新システムではどう防止しますか?
A: 移動時に必ずバーコードをスキャンし、内訳テーブルへ反映する「移動管理機能」を追加し、設置場所情報の取りこぼしを無くします。

関連キーワード: 固定資産管理, 設置場所更新, バーコード運用, データ整合性

設問2新システムでは、新たに内訳テーブルを作成して、枝番単位に管理することによって、現在の現物照合業務における問題点を解決している。これに関して、(1),(2)に答えよ。

(1)枝番の追加によって解決できる問題点は何か。35字以内で述べよ。

模範解答

同一の資産シールを複数枚発行している資産の現物の数が足りないこと

解説

解答の論理構成

  1. 現状の課題
    【問題文】の「(3)同一の資産シールを複数枚発行している資産について、照合されたことになっているのに実物の数が合わない」と記載。
  2. 原因
    シール単位でスキャン可否のみを判定するため、複数枚シールを一括で登録した資産は「1件」扱いとなり、台数不足を検知できない。
  3. 改善策
    新システムでは「物理的に複数に分かれた資産は、それぞれに枝番を付与して内訳を管理する」とし、枝番を主キーに追加した「内訳テーブル」を導入。
  4. 効果
    ・資産番号+枝番で各機器を一意に管理。
    ・照合時には枝番単位で「現物照合レコード」を生成し、資産テーブルの「照合内訳数」と比較。
    ・不足が即座に検出でき、問題点(3)を解決。
  5. したがって、枝番の追加で解決できる問題は「同一シール資産の台数不足」である。

誤りやすいポイント

  • 「資産が見つからず除却される」(問題点1)を選んでしまう。枝番は複数台管理の課題に対応するものであり、除却漏れの直接原因ではない。
  • 枝番=設置場所管理と早合点する。場所は「場所コード」と「移動テーブル」で扱われ、枝番の主目的は台数管理。
  • 「リース資産追加」など他の改善項目と混同し、回答が冗長になる。

FAQ

Q: 枝番を付ければ設置場所移動の漏れも完全に無くせますか?
A: 設置場所変更は「移動テーブル」「場所コード」で管理します。枝番は台数把握が主で、移動漏れ対策は別機能です。
Q: 枝番は全資産に付与されるのですか?
A: 内訳が1つの資産は枝番「“ー”」を使用し1レコードのみ。複数台の場合に複数枝番で個別管理します。
Q: 枝番を導入すると照合作業は増えませんか?
A: スキャン回数は台数分に増えますが、照合結果が機械的に集計できるため、再確認や監査対応の工数が大幅に減少します。

関連キーワード: バーコード, 枝番, 資産管理, 現物照合, E-R図

設問2新システムでは、新たに内訳テーブルを作成して、枝番単位に管理することによって、現在の現物照合業務における問題点を解決している。これに関して、(1),(2)に答えよ。

(2)新システムでは、ハンディスキャナからアップロードされた現物照合レコードによるテーブル更新処理において、資産テーブル及び内訳テーブルが更新される。資産テーブルで更新される属性名を二つ挙げ、それらはどの属性によってどのように更新されるかを、それぞれ35字以内で述べよ。(①,②は順不同

模範解答

①:属性名:最新現物照合実施日   どの属性によってどのように更新されるか:現物照合レコードの現物照合実施日で置き換える。 ②:属性名:照合内訳数   どの属性によってどのように更新されるか:更新前の内訳テーブルの現物照合実施日が, 初期値のときに1を加算する。

解説

解答の論理構成

  1. 更新契機
    現物照合レコードがアップロードされるたびにテーブル更新処理が走る。
  2. 内訳テーブル更新
    内訳単位で「現物照合実施日」がセットされる。
  3. 資産テーブル更新
    • 「最新現物照合実施日」
      【問題文】「現物照合レコード…それに基づいて、内訳テーブル及び資産テーブルの属性が更新され」とあるため、現物照合レコードの「現物照合実施日」で置換する。
    • 「照合内訳数」
      初期値は毎年“0”にリセットされると明記されているので、更新前の内訳テーブルの「現物照合実施日」が初期値(未照合)なら1を加算する。

誤りやすいポイント

  • 「照合内訳数」を“置換”と誤解し、加算ロジックを落とす。
  • 「最新現物照合実施日」を資産テーブルではなく内訳テーブル側だと混同する。
  • 初期値リセットのタイミングを把握せず、二重加算・未加算を招く。

FAQ

Q: 全枝番を照合した後に再スキャンした場合、「照合内訳数」はどうなるのですか?
A: 既に内訳側の「現物照合実施日」が初期値ではないため加算されず、重複カウントは防止されます。
Q: 「最新現物照合実施日」は枝番単位の最新日付ではないのですか?
A: いいえ。資産番号単位で一番最後に照合された枝番の「現物照合実施日」で資産テーブルの値が置き換えられます。
Q: 年度を跨いで照合する場合、何を忘れがちですか?
A: 毎年実施前に「照合内訳数」へ“0”をセットし直す初期化処理です。これを怠ると前年の値が残り誤集計になります。

関連キーワード: E-R図, 主キー, トランザクション, バーコード管理

設問3

表3中の(a)~(f)に入れる適切な字句を答えよ。ただし,属性名で答える場合は,どのレコードの属性であるかも記述せよ。(順不同)

模範解答

a:内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード b:移動レコードの移動場所コード 順不同 c:内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード d:999999 e:内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード f:移動レコードの移動場所コード

解説

解答の論理構成

  1. 搬出時の整合性チェック
    • 【問題文】表3‐2①「搬出…(a) = (b)」
    • 目的は“搬出元”の正当性確認です。
    • “搬出元”は「移動レコードの移動場所コード」、
      それに一致すべき“現時点の保管場所”は「内訳テーブル…設置場所コード」。
    • よって (a)=内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード、(b)=移動レコードの移動場所コード。
  2. 搬入時の整合性チェック
    • 【問題文】表3‐2②「搬入…(c) ≠ (d)」
    • 搬入対象は“いったん搬出済みで所在不定”の資産。
    • 現在値が一時置場“999999”であることを確認するため、
      (c)=内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード、(d)=999999。
  3. 搬入時の更新処理
    • 【問題文】表3‐4②「搬入…(e) を (f) にセット」
    • “現時点の設置場所”を書き換えるので (e) は更新対象列、すなわち「内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード」。
    • セットする値は搬入先を示す「移動レコードの移動場所コード」。

誤りやすいポイント

  • “999999” を「搬出元」と誤解し (b) に入れてしまう。
  • (e)・(f) を逆にし「移動レコード」の値を上書き対象と勘違いする。
  • 搬出・搬入どちらの条件式も“=”だと思い (c)≠(d) を見落とす。
  • 「設置場所名」と「設置場所コード」を混同する。属性名はコードで統一されています。

FAQ

Q: “999999” はどこで定義されていますか?
A: 【問題文】表3‐4①に「内訳テーブルの当該レコードの設置場所コードに 999999 をセットする」と明記されています。これが一時置場(搬出中)を表す特別なコードです。
Q: (a) と (c) が同じ属性になるのはなぜですか?
A: どちらも“チェック時点の現状の保管場所”を示す必要があるため同一の「内訳テーブルの当該レコードの設置場所コード」となります。搬出・搬入でロジックが異なるのは比較対象が違うからです。
Q: 移動レコードの“移動場所コード”は搬出時と搬入時で意味が違いますか?
A: いいえ、どちらも“スキャンされた場所”を示します。搬出時は出て行く場所、搬入時は入ってくる場所として使用され、それぞれチェック・更新に利用されます。

関連キーワード: バーコード照合, 設置場所コード, 移動レコード, 搬出・搬入区分, 内訳テーブル

設問4〔現物照合業務の改善〕について、(1),(2)に答えよ。

(1)現在の現物照合業務における問題点のうち,システムの機能追加では解決できない問題点は何か。40字以内で述べよ。

模範解答

遠隔地の資産を回収したとき,システム上照合されていた資産が見つからないこと

解説

解答の論理構成

  1. 問題点の列挙
    【問題文】では現物照合業務の問題点として
    (1)〜(4) を提示し、(4) に「遠隔地の資産を回収したとき、照合されていたはずの資産が見つからないことがある。」と記載されています。
  2. 改善案のスタンス
    【問題文】「すべての問題点をシステムの機能追加で対応することはせず、一部の問題点については、業務の運用方法の変更で解決を図る。」とあるため、どの問題点が“機能追加では解決不可”かを判断する必要があります。
  3. 機能追加で対処できる問題点
    • (1) と (3):資産番号+枝番方式や照合レコードの累積保存で一意性・数量不整合を解消可能。
    • (2):「移動管理機能」により設置場所変更を自動記録できる。
  4. 機能追加では対処困難な問題点
    • (4) は遠隔地ゆえ「バーコードをスキャンできない」状況が根本原因。【問題文】「管理担当者が電話などで当該資産が存在していることを確認し…」とあるとおり、データ入力が正しいかどうかは人の申告次第であり、自動化・システム化の範疇を超えています。
  5. したがって、解答は「遠隔地の資産を回収したとき,システム上照合されていた資産が見つからないこと」となります。

誤りやすいポイント

  • 内訳不足問題(3)を“解決不能”と誤解する:枝番管理と照合レコード数比較で解決可。
  • 設置場所変更漏れ(2)を選ぶ:移動管理機能が明示されているので解決可能。
  • 問題点(1)と(4)を混同し、不一致全体を“解決不能”とまとめてしまう。

FAQ

Q: 遠隔地でもモバイル回線を使いバーコードスキャンすれば解決では?
A: 物理的に資産をスキャンできる人員・機材が常時あるとは限らず、輸送業者が回収するケースなど運用上の制約が残ります。システムだけでは担保できません。
Q: 電話確認をなくし、写真送付などを義務付ければシステム対応可能では?
A: 写真も真正性を保証しづらいため、最終的には現物検査か業務フロー見直しが必要で、単なる機能追加とは別次元の運用管理になります。
Q: 他の問題点も運用で解決できるのでは?
A: 可能ですが、改善案では(1)~(3)は機能追加で効率化・自動化する方が効果的と判断されています。

関連キーワード: バーコード照合, 固定資産管理, 枝番管理, 移動管理, 遠隔地運用

設問4〔現物照合業務の改善〕について、(1),(2)に答えよ。

(2)その問題点を、業務の運用方法の変更によって解決するとき,行うべき運用の変更点を35字以内で述べよ。

模範解答

バーコード付の資産の写真など,存在を証明する証ひょうを提出させる。

解説

解答の論理構成

  1. 問題点の特定
    • 【問題文】「(4)遠隔地の資産を回収したとき、照合されていたはずの資産が見つからないことがある。」
    • 原因は【問題文】「(5)…電話などで当該資産が存在していることを確認…照合されたものとし」→書面・画像など物的証拠が残らない。
  2. 改善方針の条件
    • 【問題文】「一部の問題点については、業務の運用方法の変更で解決を図る。」すなわちシステム追加機能ではなく業務フロー見直しで対応。
  3. 運用変更案
    • 電話確認のみを廃止し、「資産シール(バーコード)が写った写真」など電子的証拠を社内ポータルへ提出させ、照合担当が保管。
    • これにより実在証明を残すことで回収時の行方不明リスクを抑止。
  4. したがって運用変更点は「バーコード付の資産の写真など,存在を証明する証ひょうを提出させる」となります。

誤りやすいポイント

  • システム側で遠隔スキャン機能を追加すると考え、運用変更という出題条件を見落とす。
  • 「場所コードをバーコード化したカードを設置」など移動管理機能と混同し、問題(4)ではなく(2)や(3)を対象にしてしまう。
  • 「写真提出」ではなく「チェックリスト提出」などバーコード確認を伴わない手段を挙げ、資産番号の確実性が不足する。

FAQ

Q: 写真以外の証ひょうでも良いのですか?
A: はい。「バーコード付の資産の写真など」とあるように、バーコードと資産が同時に確認でき、後から検証できる媒体であれば動画やライブ配信でも構いません。
Q: 提出方法はシステム化しなくてよいのですか?
A: 運用変更が主眼なので、メール添付や共有フォルダへのアップロードなど既存手段で十分です。将来的に件数が増えればワークフロー化を検討する程度で問題ありません。

関連キーワード: バーコード管理, 内部統制, 現物照合, 資産管理, リスク低減
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