システムアーキテクト試験 2010年 午前2 問05
プログラムの構造化設計におけるモジュール分割技法の説明のうち、適切なものはどれか。
ア:STS分割はプログラムをデータの流れに着目して分割する技法であり、入力データの処理、入力から出力への変換処理及び出力データの処理の三つの部分で構成することで、モジュールの独立性が高まる。(正解)
イ:TR分割は。プログラムをデータの構造に着目して分割する技法であり、オンラインリアルタイム処理のように、入力トランザクションの種類に応じて処理が異なる場合に有効である。
ウ:共通機能分割は、プログラムをデータの構造に着目して分割する技法であり、共通の処理を一つにまとめ、モジュール化する。
エ:ジャクソン法は、プログラムをデータの流れに着目して分割する技法であり、バッチ処理プログラムの分割に適している。
解説
プログラムの構造化設計におけるモジュール分割技法の説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:STS分割はデータの流れに着目し、入力処理・変換処理・出力処理の三つに分割する技法で、モジュールの独立性を高めます。
- 根拠:モジュール分割はプログラムの保守性や再利用性向上に重要で、STS分割は処理の流れを明確に分けることで理解しやすくなります。
- 差がつくポイント:TR分割やジャクソン法との違いを理解し、どの技法がどの処理形態に適しているかを押さえることが合格の鍵です。
正解の理由
アのSTS分割は、プログラムを「入力データの処理」「入力から出力への変換処理」「出力データの処理」という三つの部分に分ける技法です。これにより、各モジュールが独立して機能しやすくなり、保守やテストが容易になります。データの流れに着目しているため、処理の順序や依存関係が明確になり、構造化設計の基本原則に合致しています。
よくある誤解
TR分割はデータの構造ではなく、トランザクションの種類に着目した分割技法です。ジャクソン法はデータの構造に基づく分割であり、データの流れに着目するSTS分割とは異なります。
解法ステップ
- 問題文の「モジュール分割技法」の説明を丁寧に読む。
- 各選択肢の分割基準(データの流れ、データの構造、トランザクションの種類)を確認。
- STS分割が「入力処理・変換処理・出力処理」の三つに分ける技法であることを思い出す。
- 他の技法(TR分割、ジャクソン法、共通機能分割)の特徴と比較する。
- 最も正確に説明されているアを選択する。
選択肢別の誤答解説ステップ
- ア: 正解。STS分割はデータの流れに着目し、三つの処理部分に分割する技法でモジュールの独立性を高める。
- イ: TR分割はトランザクションの種類に着目し、オンラインリアルタイム処理に適するが、データの構造に着目する技法ではない。
- ウ: 共通機能分割は共通処理をまとめる技法であり、データの構造に着目するものではない。
- エ: ジャクソン法はデータの構造に着目した分割技法であり、データの流れに着目するSTS分割とは異なる。
補足コラム
STS分割(State-Transition Structure分割)は、プログラムの処理を「状態遷移」に基づいて分割する技法の一つで、特にバッチ処理や一連の処理フローが明確なプログラム設計に適しています。一方、ジャクソン法はデータ構造の階層を反映したモジュール分割を行い、TR分割はトランザクション単位で処理を分けるため、リアルタイム処理に向いています。これらの違いを理解することが設計技法の理解に役立ちます。
FAQ
Q: STS分割はどのようなプログラムに適していますか?
A: 入力から出力までの処理の流れが明確なバッチ処理や一連の処理を持つプログラムに適しています。
A: 入力から出力までの処理の流れが明確なバッチ処理や一連の処理を持つプログラムに適しています。
Q: TR分割とSTS分割の違いは何ですか?
A: TR分割はトランザクションの種類に着目し、オンラインリアルタイム処理に適するのに対し、STS分割はデータの流れに着目し、処理の段階ごとに分割します。
A: TR分割はトランザクションの種類に着目し、オンラインリアルタイム処理に適するのに対し、STS分割はデータの流れに着目し、処理の段階ごとに分割します。
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