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システムアーキテクト試験 2014年 午前215


問題文

情報システムの全体計画立案のためにE-Rモデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。

選択肢

管理層の業務から機能を抽出し、機能をエンティティとする。次に、機能の相互関係に基づいてリレーションシップを定義する。さらに、全社の帳票類を調査して整理し、正規化された項目に基づいて属性を定義し、全社のデータモデルとする。
企業の全体像を把握するために、主要なエンティティだけを抽出し、それらの相互間のリレーションシップを含めて、鳥瞰図を作成する。次に、エンティティを詳細化し、全てのリレーションシップを明確にしたものを全社のデータモデルとする。(正解)
業務層の現状システムを分析し、エンティティとリレーションシップを抽出する。それぞれについて適切な属性を定め、これらを基にE-R図を作成し、それを抽象化して、全社のデータモデルを作成する。
全社のデータとその処理過程を分析し、重要な処理を行っている業務を基本エンティティとする。次に、基本エンティティ相互のデータの流れをリレーションシップとして捉え、適切な識別名を与える。さらに、基本エンティティと関係のあるデータを属性とし、全社のデータモデルを作成する。

情報システムの全体計画立案におけるE-Rモデル作成手順【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:全社のデータモデル作成は、主要エンティティの鳥瞰図作成から詳細化し、全リレーションシップを明確化する手順が正しいです。
  • 根拠:E-Rモデルは全体像を把握しつつ、段階的に詳細化することで整合性の高いデータ構造を設計できるためです。
  • 差がつくポイント:機能や処理ではなく「エンティティとリレーションシップの抽出順序」と「全体像から詳細化する段階的アプローチ」が重要です。

正解の理由

選択肢は、企業全体の主要なエンティティをまず抽出し、それらの関係性を鳥瞰図として把握します。これにより全体像を掴み、次にエンティティを詳細化し、全てのリレーションシップを明確にする段階的な手順を踏んでいます。E-Rモデルは「エンティティ(実体)」と「リレーションシップ(関係)」を中心に設計するため、この方法が最も適切です。全社のデータモデルとしての整合性と網羅性を確保できるため、情報システムの全体計画立案に最適です。

よくある誤解

  • 業務機能や処理をエンティティと混同し、機能中心でモデル化する誤りがあります。
  • 現状システムの分析から始めると全体像が見えにくく、部分最適に陥りやすいです。

解法ステップ

  1. 企業全体の主要なエンティティを抽出し、全体の鳥瞰図を作成する。
  2. 抽出したエンティティ間のリレーションシップを明確にし、全体像を把握する。
  3. 鳥瞰図を基にエンティティを詳細化し、属性やリレーションシップを具体化する。
  4. 全てのリレーションシップを明確にし、整合性のある全社データモデルを完成させる。

選択肢別の誤答解説

  • ア:機能をエンティティとするのは誤り。E-Rモデルは「機能」ではなく「実体(エンティティ)」を中心に設計します。
  • :正解。全体像の把握から詳細化まで段階的に進める正しい手順です。
  • ウ:現状システム分析から始めるのは部分最適に陥りやすく、全社的な視点が不足します。
  • エ:処理過程や業務をエンティティとするのはE-Rモデルの本質から外れています。データの流れはリレーションシップとは異なります。

補足コラム

E-Rモデルは「Entity-Relationship Model」の略で、情報システム設計においてデータ構造を視覚的に表現する手法です。全社的なデータモデル作成では、まず大枠のエンティティを抽出し、関係性を整理することが重要です。これにより、システム全体のデータの整合性や再利用性が高まります。また、正規化と組み合わせることで冗長性を排除し、効率的なデータベース設計が可能になります。

FAQ

Q: なぜ機能や業務処理をエンティティにしないのですか?
A: エンティティは「実体」や「もの」を表し、機能や処理は「動作」や「操作」であるため、E-Rモデルの対象外です。
Q: 鳥瞰図とは何ですか?
A: 鳥瞰図は全体を俯瞰(ふかん)して把握する図で、主要エンティティとその関係性を大まかに示します。
Q: 現状システム分析から始めるのはなぜ良くないのですか?
A: 現状に依存すると部分最適に陥りやすく、全社的な整合性や将来拡張性を損なう恐れがあります。

関連キーワード: E-Rモデル、データモデリング、全社データモデル、エンティティ、リレーションシップ、情報システム設計
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