情報システムの全体計画立案におけるE-Rモデル作成手順【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:全社のデータモデル作成は、主要エンティティの鳥瞰図作成から詳細化し、全リレーションシップを明確化する手順が正しいです。
- 根拠:E-Rモデルは全体像を把握しつつ、段階的に詳細化することで整合性の高いデータ構造を設計できるためです。
- 差がつくポイント:機能や処理ではなく「エンティティとリレーションシップの抽出順序」と「全体像から詳細化する段階的アプローチ」が重要です。
正解の理由
選択肢イは、企業全体の主要なエンティティをまず抽出し、それらの関係性を鳥瞰図として把握します。これにより全体像を掴み、次にエンティティを詳細化し、全てのリレーションシップを明確にする段階的な手順を踏んでいます。E-Rモデルは「エンティティ(実体)」と「リレーションシップ(関係)」を中心に設計するため、この方法が最も適切です。全社のデータモデルとしての整合性と網羅性を確保できるため、情報システムの全体計画立案に最適です。
よくある誤解
- 業務機能や処理をエンティティと混同し、機能中心でモデル化する誤りがあります。
- 現状システムの分析から始めると全体像が見えにくく、部分最適に陥りやすいです。
解法ステップ
- 企業全体の主要なエンティティを抽出し、全体の鳥瞰図を作成する。
- 抽出したエンティティ間のリレーションシップを明確にし、全体像を把握する。
- 鳥瞰図を基にエンティティを詳細化し、属性やリレーションシップを具体化する。
- 全てのリレーションシップを明確にし、整合性のある全社データモデルを完成させる。
選択肢別の誤答解説
- ア:機能をエンティティとするのは誤り。E-Rモデルは「機能」ではなく「実体(エンティティ)」を中心に設計します。
- イ:正解。全体像の把握から詳細化まで段階的に進める正しい手順です。
- ウ:現状システム分析から始めるのは部分最適に陥りやすく、全社的な視点が不足します。
- エ:処理過程や業務をエンティティとするのはE-Rモデルの本質から外れています。データの流れはリレーションシップとは異なります。
補足コラム
E-Rモデルは「Entity-Relationship Model」の略で、情報システム設計においてデータ構造を視覚的に表現する手法です。全社的なデータモデル作成では、まず大枠のエンティティを抽出し、関係性を整理することが重要です。これにより、システム全体のデータの整合性や再利用性が高まります。また、正規化と組み合わせることで冗長性を排除し、効率的なデータベース設計が可能になります。
FAQ
Q: なぜ機能や業務処理をエンティティにしないのですか?
A: エンティティは「実体」や「もの」を表し、機能や処理は「動作」や「操作」であるため、E-Rモデルの対象外です。
Q: 鳥瞰図とは何ですか?
A: 鳥瞰図は全体を俯瞰(ふかん)して把握する図で、主要エンティティとその関係性を大まかに示します。
Q: 現状システム分析から始めるのはなぜ良くないのですか?
A: 現状に依存すると部分最適に陥りやすく、全社的な整合性や将来拡張性を損なう恐れがあります。
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