ホストコンピュータと端末の故障確率問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:システムが使えなくなる確率は、ホスト故障か端末両方故障の確率の和で表される。
- 根拠:ホストは1台、端末は2台で1台以上稼働すれば良いので、端末両方故障がシステム停止条件。
- 差がつくポイント:端末の故障確率の扱い方(b2か(1−b)2か)と全体の故障確率の組み合わせを正しく理解すること。
正解の理由
ホストコンピュータの故障率をa、端末1台の故障率をbとすると、
- ホストが正常に動作する確率は(1−a)
- 端末が両方とも故障する確率はb2(独立故障のため)
- 端末が1台以上稼働している確率は1−b2
よって、システムが正常に動作する確率は「ホスト正常かつ端末1台以上正常」なので、
(1−a)(1−b2)
これの補集合(システムが故障する確率)が求める値であり、
1−(1−a)(1−b2)
となるため、選択肢アが正解です。
よくある誤解
端末の故障確率を単純に(1−b)2と考え、両端末が正常な確率と混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- ホストコンピュータの故障率aと正常率(1−a)を確認する。
- 端末1台の故障率bから、両端末が故障する確率b2を計算する。
- 端末が1台以上稼働する確率は1−b2であることを理解する。
- システムが正常に動作する確率はホスト正常かつ端末1台以上正常の積(1−a)(1−b2)。
- システムが故障する確率はその補集合で1−(1−a)(1−b2)となる。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。ホスト正常かつ端末1台以上正常の確率の補集合を正しく表現。
- イ: 端末が両方正常な確率(1−b)2を使っており、端末1台以上稼働の条件を誤解している。
- ウ: システムが正常に動作する確率を表すが、問題は故障確率を問うているため不正解。
- エ: 端末両方正常の確率を使い、故障確率の計算が誤っている。
補足コラム
この問題は「システムの可用性」や「信頼性工学」の基本的な考え方を問うものです。複数の機器が並列に動作する場合、全てが故障しない限りシステムは稼働可能とみなすため、並列故障確率の計算が重要です。
FAQ
Q: 端末が1台以上稼働していれば良いとはどういう意味ですか?
A: 2台の端末のうち少なくとも1台が正常であれば、システムは使える状態を指します。
Q: 故障率aやbは独立と考えて良いですか?
A: はい、本問題では独立故障と仮定して計算しています。
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