システムアーキテクト 2024年 午前2 問11
問題文
JIS X 0160:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)によれば、廃棄プロセスに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:使用には不十分なシステム要素は、廃棄せずにサプライチェーンで再利用できるように修正する。
イ:ソフトウェアシステムの廃棄には、サービスの終了は含まない。
ウ:廃棄プロセスは、ソフトウェアシステムのライフサイクルのどの段階でも適用できることが意図されている。(正解)
エ:プロトタイプの廃棄には、廃棄プロセスは適用されない。
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廃棄プロセスの適用範囲【午前2解説】
正解の理由
JIS X 9169:2021(ソフトウェアライフサイクルプロセス)における廃棄プロセスは、ソフトウェアシステムやその構成要素をライフサイクルのいかなる段階でも廃棄する必要が生じた際に適用できることを意図しています。したがって、選択肢ウの「ライフサイクルのどの段階でも適用できる」は規格の趣旨に合致します。規格は廃棄を「ライフサイクルの一連の活動として計画・実行すべきプロセス」として位置づけており、必ずしも最終段階に限定されません。
解法ステップ
- 問題のキーワードを把握する:「廃棄プロセス」「ライフサイクル」「適用範囲」など。
- 規格の定義想起:廃棄プロセスは特定時点限定ではなく、必要に応じて計画・実施されるプロセスであることを思い出す。
- 各選択肢を照合:
- 絶対的な否定や除外を主張するもの(「適用されない」「含まない」「必ず修正する」等)は規格の柔軟性に反する可能性が高い。
- 規格の趣旨(ライフサイクル全体での管理)と合致する選択肢を選ぶ。
- 消去法で正答に到達(規格の一般原則と照らして最も整合するものを選択)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「使用には不十分なシステム要素は、廃棄せずに修正して再利用する」とする主張は一概に誤り。規格は再利用やリファクタリングを検討することを排除しませんが、適切な評価のもとで廃棄か再利用かを決定するべきとしています。よって「廃棄せずに修正することのみ」を義務づける記述は誤りです。
- イ: 「廃棄にサービスの終了は含まない」は誤り。サービス終了(運用終了、提供停止)は廃棄に関連する活動の一部であり、廃棄プロセスはサービス終了を含めた計画・実施を扱います。
- ウ: 正答。前述の通り、廃棄プロセスはライフサイクルの任意の段階で適用可能であることを意図しています。
- エ: 「プロトタイプの廃棄には適用されない」は誤り。プロトタイプもライフサイクル内の成果物であり、必要に応じて適切に廃棄(記録の整理、データの削除、知的財産の扱い等)する必要があるため、廃棄プロセスの対象になります。
よくある誤解
- 廃棄プロセスは「製品寿命の最後だけ」に適用される:実務では途中段階での廃棄(試験段階での廃棄、プロトタイプ廃棄など)も含まれる点を見落としやすいです。
- 廃棄=単に「削除」または「破棄」と混同する:ログやドキュメントの保管、データ消去手順、法令遵守など、廃棄には管理的・技術的な複数活動が含まれます。
補足コラム
JIS X 9169:2021 はソフトウェアライフサイクル全体のプロセスを整理した規格で、ライフサイクル各段階(企画、開発、運用、保守、廃棄など)で必要な活動と責任を明確にすることを目的としています。廃棄プロセスは単なる「捨てる」行為ではなく、廃棄決定の根拠、影響評価、データ・資産処理、関連利害関係者への通知などを体系的に行うことが要求されます。運用中止やサービス終了も廃棄プロセスの観点で計画・実行する事が望ましいため、早い段階から廃棄の方針や条件を規定しておくと安全です。
FAQ
Q. プロトタイプはなぜ廃棄対象になるのですか?
A. プロトタイプも情報資産や機密データを含む場合があり、放置するとセキュリティリスクや法的問題が生じます。したがって適切に廃棄(データ消去、アクセス権停止、記録整理など)する必要があります。
A. プロトタイプも情報資産や機密データを含む場合があり、放置するとセキュリティリスクや法的問題が生じます。したがって適切に廃棄(データ消去、アクセス権停止、記録整理など)する必要があります。
Q. 廃棄と廃止(サービス廃止)は同じですか?
A. 完全に同じ概念ではありませんが、サービス廃止は廃棄プロセスで扱われる重要な活動の一つです。廃棄プロセスはサービス廃止を含む広い管理活動を指します。
A. 完全に同じ概念ではありませんが、サービス廃止は廃棄プロセスで扱われる重要な活動の一つです。廃棄プロセスはサービス廃止を含む広い管理活動を指します。
Q. すべての要素は再利用すべきですか?
A. 再利用は有効な選択肢の一つですが、セキュリティ・品質・コストなどを総合的に評価して廃棄か再利用かを決定します。規格は一律の強制を求めていません。
A. 再利用は有効な選択肢の一つですが、セキュリティ・品質・コストなどを総合的に評価して廃棄か再利用かを決定します。規格は一律の強制を求めていません。
関連キーワード: 廃棄プロセス、ライフサイクル管理、サービス終了、プロトタイプ廃棄、資産処理

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