システムアーキテクト 2024年 午前2 問22
問題文
ストレージ仮想化技術のシンプロビジョニングに関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:アプリケーションに対して、物理ストレージの容量を実際よりも大きく見せかけること(正解)
イ:サーバのOSが利用するボリュームとして、複数のストレージにまたがる大きな容量のボリュームを作成しておくこと
ウ:複数の利用者が仮想化されたストレージを共有しているときに、利用者ごとに利用できる容量の上限を定めて割り当てておくこと
エ:利用者には意識させることなく、利用者間で重複しているデータを削除することによって、ストレージの使用効率を高めること
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シンプロビジョニング【午前2解説】
正解の理由
シンプロビジョニングは、論理的な割り当て容量を実際の物理割当より大きく見せかけて(オーバーコミットして)利用者やアプリケーションに提示し、物理容量の割当をデータ書き込み時まで遅延させる技術です。したがって選択肢アの「アプリケーションに対して、物理ストレージの容量を実際よりも大きく見せかけること」が本質を表しています。
この方式によりストレージの初期利用効率が向上しますが、物理実容量の監視や拡張運用が必要になります。
この方式によりストレージの初期利用効率が向上しますが、物理実容量の監視や拡張運用が必要になります。
解法ステップ
- 問題文で指す技術名(シンプロビジョニング=Thin provisioning)を確認する。
- 各選択肢が表す概念を既知のストレージ機能と照合する:Thin(論理割当の遅延)、Thick(即時物理割当)、クォータ(利用上限)、重複排除(データ削減)など。
- Thin の定義(論理容量提示と物理割当の遅延)と合致する選択肢を選ぶ。
- 他選択肢が別概念を表していないかを確認して排除する。
選択肢別の誤答解説
- ア(正答相当):論理的に大きな容量を提示し、物理割当を実際の書き込みに合わせて行う。オーバーコミットを可能にする点が特徴。
- イ:複数のストレージにまたがる大きなボリュームを作る記述は、ボリュームのスパン(スパンニング)や論理ボリューム管理(LVM)/分散ボリュームの説明に近く、シンプロビジョニング固有の「遅延割当」を示していないため誤り。
- ウ:利用者ごとの容量上限を定めるのは「クォータ(容量制限)」であり、Thin の定義ではない。Thinは上限を大きく見せる・オーバーコミットする点が本質。
- エ:利用者間で重複データを削除するのは「重複排除(デデュープ)」の機能であり、Thin のメカニズムとは別物。重複排除は物理使用量を削減するが、Thin の定義自体ではない。
よくある誤解
- Thin と重複排除を混同する:両者は目的が重なる(物理使用量削減)場面があるが、Thin は「論理割当の遅延/オーバーコミット」、重複排除は「同一データの物理削除・参照化」による削減。仕組みが異なる点に注意する。
- Thin と Thick の違いを誤認する:Thin は論理容量を即時提示し、物理割当をデータ書込時に遅延する。一方で Thick(シック)プロビジョニングは論理容量を割り当てる時点で物理容量も即時確保する(イージェイジャー割当)。
- オーバーコミットは無制限ではない:Thin は便利だが物理容量不足(オーバープロビジョンの枯渇)に陥ると書込み失敗やサービス停止のリスクがある。監視と自動拡張方針が必要。
補足コラム
運用面のポイント
- 監視:物理使用率(実際の割当量)を常に監視し、しきい値到達時にアラートや自動拡張を行う。
- キャパシティプランニング:プロビジョニング率(オーバーコミット比)を過去の実使用率で設計する。例:論理割当合計が 、実使用が ならオーバーコミット比は 。
- スナップショットや重複排除との連携:スナップショットは追加の物理容量を消費する場合があるため、Thin 環境では特に影響を受ける。重複排除や圧縮は物理使用量を減らす補助技術となる。
- ハイパーバイザやクラウドでの採用例:VMware の Thin Provisioning、LVM の thin pool、各クラウドストレージの「薄型プロビジョニング」などがある。
FAQ
Q: シン(Thin)プロビジョニングとシック(Thick)プロビジョニングの違いは?
A: Thin は論理容量を先に割り当て、物理容量はデータ書込み時に割り当てる(遅延割当)。Thick は割当時に物理容量を即時確保する(即時割当)。Thin は効率的だが監視が必須、Thick は確実な性能・容量保証が得やすい。
A: Thin は論理容量を先に割り当て、物理容量はデータ書込み時に割り当てる(遅延割当)。Thick は割当時に物理容量を即時確保する(即時割当)。Thin は効率的だが監視が必須、Thick は確実な性能・容量保証が得やすい。
Q: 重複排除(デデュープ)とシンプロビジョニングはどちらが同一の機能か?
A: 別機能です。重複排除は重複データを削除して物理使用量を減らす技術で、Thin は論理割当と物理割当のタイミングに関する方式です。併用すると相乗効果で物理節約が可能ですが、仕組みは異なります。
A: 別機能です。重複排除は重複データを削除して物理使用量を減らす技術で、Thin は論理割当と物理割当のタイミングに関する方式です。併用すると相乗効果で物理節約が可能ですが、仕組みは異なります。
Q: 物理容量が不足したらどうなる?
A: オーバーコミットの限界に達すると書込みエラーやサービス停止につながる。対策としては自動プロビジョニング拡張、余裕を見たオーバーコミット比設定、迅速な物理追加が必要です。
A: オーバーコミットの限界に達すると書込みエラーやサービス停止につながる。対策としては自動プロビジョニング拡張、余裕を見たオーバーコミット比設定、迅速な物理追加が必要です。
関連キーワード: シンプロビジョニング、シックプロビジョニング、オーバーコミット、ストレージプール、クォータ、重複排除、スナップショット、容量監視、thin pool

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