応用情報技術者 2011年 春期 午前2 問24
問題文
NAND 素子を用いた次の組合せ回路の出力を表す式はどれか。ここで、論理式中の・は論理積、+は論理和、はXの否定を表す。

選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
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NANDによるOR実現【午前2解説】
正解の理由
図の上段と下段の NAND はそれぞれ同一信号を両入力に与えられているため、出力はそれぞれ と になります。これらが3つめの NAND の両入力となり、最終出力は
です。ド・モルガンの法則により
となるため、選択肢の中では イ が正しい式です。
解法ステップ
- 上段NAND:両入力が同じ信号 X → 出力は 。
- 下段NAND:両入力が同じ信号 Y → 出力は 。
- これら2つの出力を入力とする最終NANDの出力は 。
- ド・モルガンを適用して に変形する → 回路は OR を実現している。
選択肢別の誤答解説
- ア:
これは AND の式。NAND のみで AND を直接出力する構成ではなく、本回路は各信号を一度否定してから NAND しているため AND にはならない。 - イ: (正解)
上記のとおり、各入力を自己NANDで否定し、否定同士をNANDすると になる(ド・モルガン適用)。 - ウ:
これは片側のみ否定された AND。回路構成は両側を否定してから NAND しており、この形とは合致しない。 - エ:
これは OR の否定(NOR)。NAND 1つは を出力するが、 とは異なるためこの回路が を出すという説明は誤りである。特に本回路は二重の否定とド・モルガンにより OR を実現しているため、エは不適切。
よくある誤解
- 「NAND の出力は常に だからこの回路は AND の否定だ」とだけ考える。図中の上段・下段は入力が同一であり、NAND がインバータとして働く点を見落としやすい。
- NOR と NAND を混同する。(NOR)と (NAND)は別物で、単純に入れ替えられない。
- バブル(出力側の小円)がある=単純に否定と解釈するが、どの信号が二重否定・単一否定されているかを順に辿らないと正しい論理式を導けない。
補足コラム
NAND ゲートは万能ゲートと呼ばれ、NANDのみで任意の論理関数(AND, OR, NOT, XOR 等)を構成できます。本設計の一般形は次の等式に基づきます:
- NOT:
- OR: (今回の回路) これを覚えておくと、回路図で「入力を分岐して同じ NAND に入れている」箇所を見つけた瞬間に逆相出力を作っていると判断できます。
簡単な真理値表(主要点のみ)
- X=0, Y=0 → 上段,下段 =1,1 → 最終NAND = → Z=0
- X=1, Y=0 → 上段,下段 =0,1 → 最終NAND = → Z=1
- X=0, Y=1 → Z=1
- X=1, Y=1 → Z=1 この表も と一致します。
FAQ
Q1: 上段・下段の NAND はなぜインバータになるのですか?
A1: NAND の一般出力は です。両入力に同じ信号を与えると となり、結果的に NOT と同じ挙動をします。
A1: NAND の一般出力は です。両入力に同じ信号を与えると となり、結果的に NOT と同じ挙動をします。
Q2: ド・モルガンの法則はどのように使われていますか?
A2: 最終出力は 。ここでド・モルガンを適用すると になる(否定された積の否定=和)。
A2: 最終出力は 。ここでド・モルガンを適用すると になる(否定された積の否定=和)。
Q3: この回路を見て短時間で OR と判断するコツは?
A3: 「各入力が自己NANDで否定され、その否定同士がNANDされている」パターンは OR()の典型形です。まず各ゲートの入力数とバブルの位置を確認して、どの信号が何回否定されているかを追ってください。
A3: 「各入力が自己NANDで否定され、その否定同士がNANDされている」パターンは OR()の典型形です。まず各ゲートの入力数とバブルの位置を確認して、どの信号が何回否定されているかを追ってください。
関連キーワード: NANDゲート、ド・モルガンの法則、論理回路設計、万能ゲート、真理値表、論理式変換

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