応用情報技術者 2012年 春期 午前2 問47
問題文
作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとして主導すること、及び公式な記録、分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。
選択肢
ア:インスペクション(正解)
イ:ウォークスルー
ウ:パスアラウンド
エ:ペアプログラミング
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インスペクション【午前2解説】
正解の理由
インスペクションは、作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータ(進行役)を務め、公式な記録を残して体系的に欠陥を検出・分析する「形式的レビュー手法」です。問題文にある「作成者以外がモデレータとして主導」「公式な記録・分析を行う」という特徴が、まさにインスペクションの定義に一致します。選択肢の中では ア がこの定義に当てはまるため正解です。インスペクションは1976年にマイケル・ファガン(Michael Fagan)が提唱した手法で、手順・役割・チェックリストを用いた厳格なレビューが特徴です。
解法ステップ
- 問題文から「作成者以外がモデレータ」「公式な記録」「分析」というキーワードを抽出する。
- 各レビュー手法の特徴を思い出す(形式度の高いものか、非形式か、共同作業型か)。
- 「形式的で記録を前提とする」→ インスペクション、「作成者主導で説明+質疑」→ ウォークスルー、「単に回覧」→ パスアラウンド、「共同コーディング」→ ペアプログラミング、と対応付けて選択肢を絞る。
- 最終的に形式的かつモデレータが作成者以外である点でインスペクションを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: インスペクション
形式的レビューでモデレータ(進行役)は作成者以外が務め、記録(レコーダー)や事前の準備・チェックリスト・分析を行う。Fagan(1976)の定義に沿うため本問に該当する。 -
イ: ウォークスルー
作成者が主導して参加者に成果物を説明しながら問題点を議論する非形式・教育的要素の強いレビュー。公式記録や厳密な分析が前提ではないため本問の条件とは合致しない。 -
ウ: パスアラウンド
成果物を関係者に回覧してコメントを集める簡易なレビュー手法。形式度は低く、モデレータが主導して正式な会議や記録を行う方式ではない。 -
エ: ペアプログラミング
2人1組で同じコードを同時に作成・確認する開発手法(アジャイルの技法)。レビューとは異なり会議形式での記録・分析を前提としない。
よくある誤解
-
「レビュー=インスペクション」と短絡的に考える誤り
レビューには形式的(インスペクション)と非形式的(ウォークスルー、回覧など)があり、目的や手順が異なります。問題文の「公式な記録」「モデレータが作成者以外」といった語に注目してください。 -
「モデレータ=レビューのファシリテータは必ず作成者」と思い込む誤り
インスペクションではモデレータは中立的な進行役として作成者以外が務めるのが一般的です。作成者が主導するのはウォークスルーの特徴です。
補足コラム
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Faganインスペクション(1976年)
マイケル・ファガンが1976年に提唱した「Fagan Inspection」は、計画(Planning)→概要(Overview)→準備(Preparation)→インスペクション会議(Inspection Meeting)→修正(Rework)→フォローアップ(Follow-up)という明確なプロセスを持ちます。役割としてはモデレータ、作成者(Author)、読み手(Reader)、検査者(Inspector)、記録者(Recorder)などが定義され、チェックリストや計測による品質管理が行われます。 -
欠陥除去効率(DRE)の考え方
レビューでの検出効果を示す指標として DRE(Defect Removal Efficiency)が用いられます。一般形は次の通りです。
FAQ
Q: インスペクションとウォークスルーはどちらが優れている?
A: 目的と状況によります。インスペクションは高い欠陥検出率とデータ取得ができる反面、準備とコストがかかります。ウォークスルーは教育や理解共有に向き、手軽に実施できます。
A: 目的と状況によります。インスペクションは高い欠陥検出率とデータ取得ができる反面、準備とコストがかかります。ウォークスルーは教育や理解共有に向き、手軽に実施できます。
Q: インスペクションは現在でも使われている?
A: はい。特に安全性・信頼性が求められる分野や、規模の大きい開発プロジェクトでは今も正式レビュー(インスペクション)が採用されています。アジャイル開発では軽量化したレビュー手法が併用されることが多いです。
A: はい。特に安全性・信頼性が求められる分野や、規模の大きい開発プロジェクトでは今も正式レビュー(インスペクション)が採用されています。アジャイル開発では軽量化したレビュー手法が併用されることが多いです。
Q: パスアラウンドは無意味か?
A: 必要に応じて有効です。簡易なレビューや短時間での意見収集には向きますが、公式な記録・分析・欠陥追跡を目的とする場合は不十分です。
A: 必要に応じて有効です。簡易なレビューや短時間での意見収集には向きますが、公式な記録・分析・欠陥追跡を目的とする場合は不十分です。
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