応用情報技術者 2013年 春期 午後 問01
料理教室チェーンの経営戦略に関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。
X社は、料理教室のチェーンである。今までは、大都市圏を避け、全国の中規模都市を中心に数十教室を展開し、講師と生徒との一体感を醸し出す雰囲気を強みにしていた。さらに、IHコンロを使用したレシピをいち早く用意したことが雑誌などにも紹介され、都市ガスが未整備でIHコンロ利用者が多い地域において急速に教室数を伸ばしてきた。現在、教室の9割以上にIHコンロや電気オーブンなどのオール電化機器を配置している。
しかし、類似したレシピと教え方で競合する料理教室が増加し、従来の事業運営では、人口が限られた中規模都市で、これ以上の売上の増加が難しくなってきている。教室設備の規模に応じて、生徒の定員は決まってしまうので、売上を増加させるためには、教室の広さを拡大するか、教室数を増やす必要がある。
大都市圏では、既に、大規模チェーンから個人経営まで様々な形態の料理教室があり、競争は激しいものの、人口が多い。このことから、新たな生徒を確保し、売上を伸ばせる可能性が高いと考え、大都市圏における新規の教室の開発を検討することにした。
なお、既存の中規模都市の教室については、従来の事業運営の方針を変更しない。
〔調査結果〕
X社は、大都市圏に料理教室を新たに開設するに当たって、調査会社に外部環境の調査を委託し、次のような結果を得た。
・中心的な顧客と見込まれる主婦層を対象にしたアンケート調査では、新しい設備を備えていること、授業料が安く月額制であること、少人数制で親切に教えてくれることなどが要望として挙がっていた。
・特定の地域において、全家庭数に対する、ある種類のコンロを所有する家庭数の割合を普及割合と呼ぶ。都市ガス供給エリアではIHコンロよりもガスコンロの方が経済的なので、IHコンロの普及割合は、現時点では、中規模都市ほど高くない。5年間はこの傾向が続くが、その先においては、IHコンロとガスコンロの普及割合は予測できない。
・IHコンロと同じように、調理時間を設定できるタイマ機能を備え、IHコンロにはない、強い火力をもつ高機能ガスコンロの普及割合が、中規模都市と比較して高い。
・高機能ガスコンロを設置している料理教室は少ない。
〔現状の問題〕
料理教室では顧客が他のチェーンの教室へ移る障壁が低いので、顧客の要望を取り入れることは重要である。しかし、X社が、大都市圏で新規に教室を展開するさいには、次の問題があり、顧客の要望の全てを取り入れることはできない。
・新規に教室を開設する際には、多額の資金が必要である。
・既存教室の設備の更新も必要であるので、①財務面における安全性指標から、新たな設備投資が制約される。
・講師を多くし、安い授業料を設定すると、教室の新規開設に要した資金を回収するのに時間が掛かる。
〔戦略策定〕
X社では、現状の問題を踏まえた上で、大都市圏への教室の開設に関する戦略を策定するために、ファイブフォース分析を実施したところ、次のとおりであった。
・顧客が教室を移る障壁が低いことは、aの交渉力が弱いことを示している。
・一定の需要がある一方で、サービスのbが難しいので、業界内の競争が激しい。
また、ファイブフォース分析を提唱した M.E. ポーターによる戦略策定方針を参考にして、今後の事業戦略の方向性を、次のように定めた。
・aの交渉力を強めるおそれはあるが、競合する教室との関係と、顧客の要望に応え、中規模都市では3〜6か月分の前払制だった授業料を月額制にする。
・火力が強い高機能ガスコンロを設置してレシピの充実を図り、サービスのbにつなげる。
新規に教室を開設するのに必要な資金の確保については、次の方針とした。
・サービス品質を維持するために、材料費や光熱費などの変動費の抑制は実施しない。
・これ以上の借入れや株式発行ができないこと、及び資本提携では経営の自由度が狭まることを踏まえ、②設備投資を抑制する。
〔X社の標準教室の状況〕
X社では、教室開設の計画や中期的な事業計画を策定するに当たり、平均的な広さや設備をもつ教室(以下、標準教室という)を設定している。
高機能ガスコンロやガスオーブンを配置した場合の、標準教室における収支の内訳を次のとおり算出した。年間経費については、開設時の投資の減価償却費を含めており、X社では管理会計上、固定費と変動費に明確に区分している。
・最大生徒数100人、入会金なし、授業料月額2万円
・年間経費:固定費720万円、変動費1,600万円(最大生徒数のとき)
また、X社では、調理機器などの販売は実施していないが、香辛料など入手しにくい食材は、現金で販売している。教室の壁には、生徒がよく見る教育コースのスケジュールや新しい教育コースの案内を掲示している。壁には、まだ空きスペースがある。
〔提携内容〕
X社は、設備投資を抑制する対策の一つとして、ガスを使った調理の良さをアピールしようとしているガス会社との提携を考えた。
数社のガス会社と交渉した結果、大都市圏のガス会社Y社と、次に示す条件で提携することにした。
・新規の教室については、全てのコンロやオーブンをガス機器とし、ガス会社が無償で提供する。
・X社は、ガス機器の高度な機能を活用したレシピを開発する。
・Y社は、自社ではガス機器の製造・販売をしておらず、イメージ広告や新しいガス機器などの広告宣伝によって、家庭でのガス使用量の増加を狙っている。③X社の教室に新しいガス機器を設置することで、広告宣伝効果が得られると判断した。
この提携によってX社は、今後、標準教室においては、減価償却費を年間80万円減らすことができると試算した。しかし、提携が継続したとしても、④5年から10年先の将来を見通した場合に機器への設備投資が必要になるリスクがあると考えている。
設問1:X社の事業環境について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中のaに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:売り手
イ:買い手
ウ:競合者
エ:新規参入者
オ:代替品
模範解答
a:イ
解説
解答の論理構成
- 問題文の確認
引用:「顧客が教室を移る障壁が低いことは、aの交渉力が弱いことを示している。」
ここで“顧客が教室を移る障壁が低い”とは、いわゆるスイッチングコストが低い状態を示します。 - ファイブフォース分析の基礎
M.E.ポーターの枠組みでは、スイッチングコストが低いほど「買い手(顧客)の交渉力」が強まります。企業側から見ると、買い手の交渉力が強い=自社の交渉力が弱い、という関係になります。 - 選択肢との照合
解答群
ア:売り手/イ:買い手/ウ:競合者/エ:新規参入者/オ:代替品
スイッチングコストが低い主体は顧客であるため、該当するのは「イ:買い手」です。 - 結論
よって a に入る字句は「買い手」となり、記号で答えると「イ」です。
誤りやすいポイント
- 「移る障壁が低い=競合が激しい」と短絡し、「ウ:競合者」を選んでしまう。
- 売り手と買い手を逆に捉え、「顧客が移る障壁が低い」ことを売り手(自社)の立場と誤解して「ア:売り手」を選ぶ。
- スイッチングコストの概念自体を忘れ、五つの力のどれと関連するか判断できなくなる。
FAQ
Q: スイッチングコストが高いと買い手の交渉力はどうなりますか?
A: 買い手が他社へ乗り換えにくくなるため、買い手の交渉力は弱まり、売り手(企業)の交渉力が相対的に強まります。
A: 買い手が他社へ乗り換えにくくなるため、買い手の交渉力は弱まり、売り手(企業)の交渉力が相対的に強まります。
Q: 「代替品の脅威」と「買い手の交渉力」はどのように区別すればよいですか?
A: 代替品の脅威は“別の製品・サービス”に置き換わるリスク、買い手の交渉力は“同じ製品・サービス内で売り手を選ぶ力”です。本問は後者に該当します。
A: 代替品の脅威は“別の製品・サービス”に置き換わるリスク、買い手の交渉力は“同じ製品・サービス内で売り手を選ぶ力”です。本問は後者に該当します。
Q: ファイブフォース分析の結果を受けた戦略にはどのようなものがありますか?
A: 差別化による価値向上、コストリーダーシップ、集中戦略などが代表的です。本問では月額制の導入や高機能ガスコンロによるサービス差別化が例示されています。
A: 差別化による価値向上、コストリーダーシップ、集中戦略などが代表的です。本問では月額制の導入や高機能ガスコンロによるサービス差別化が例示されています。
関連キーワード: ファイブフォース分析, スイッチングコスト, 競争戦略, 交渉力, 差別化
設問1:X社の事業環境について、(1)、(2)に答えよ。
(2)本文中のbに入れる適切な字句は何か。5字以内で答えよ。
模範解答
b:差別化
解説
解答の論理構成
- ファイブフォース分析の結果として、本文には
“サービスのbが難しいので、業界内の競争が激しい。”
と記載されています。 - さらに戦略策定方針で、
“火力が強い高機能ガスコンロを設置してレシピの充実を図り、サービスのbにつなげる。”
と示されています。 - ここで高機能ガスコンロという“独自性の高い設備”を活用して他社と違いを生み出し、競争優位を得ようとしている点が読み取れます。ポーターの基本戦略では、独自性を強調して競争を回避する方針を「差別化戦略」と呼びます。
- よって “b” には「差別化」が入ることが最も適切です。
誤りやすいポイント
- 「価格競争」を入れてしまう
→ 文脈は“価格”ではなく“他社との違いを作ること”に焦点があるため不適切です。 - 「独自性」と解答する
→ 内容は合っていますが、ポーター戦略の代表的な用語としては「差別化」が適切です。 - ファイブフォース分析と基本戦略を混同する
→ 分析結果(競争が激しい)と対策(差別化で独自性を作る)は別ステップである点に注意しましょう。
FAQ
Q: 「差別化」はどのように測定・評価するのですか?
A: 本文では“高機能ガスコンロを設置しレシピを充実させる”ことで他教室では体験できない価値を提供し、顧客が他社に移りにくくすることが狙いです。具体的には受講満足度調査やリピート率で効果を評価できます。
A: 本文では“高機能ガスコンロを設置しレシピを充実させる”ことで他教室では体験できない価値を提供し、顧客が他社に移りにくくすることが狙いです。具体的には受講満足度調査やリピート率で効果を評価できます。
Q: ファイブフォース分析だけで戦略を決めても良いのですか?
A: ファイブフォース分析は外部環境を体系的に整理するツールです。最終的な戦略は内部資源(財務制約や人材など)も合わせて検討する必要があります。本問でも“②設備投資を抑制する”など内部事情を踏まえています。
A: ファイブフォース分析は外部環境を体系的に整理するツールです。最終的な戦略は内部資源(財務制約や人材など)も合わせて検討する必要があります。本問でも“②設備投資を抑制する”など内部事情を踏まえています。
Q: 「差別化」と「集中戦略」の違いは?
A: 差別化は業界全体で独自性を強みに競争する戦略、集中戦略は特定市場に対象を絞って差別化または低コストを図る戦略です。本問では大都市圏という市場に参入するものの、提供価値で独自性を出そうとしているため差別化が該当します。
A: 差別化は業界全体で独自性を強みに競争する戦略、集中戦略は特定市場に対象を絞って差別化または低コストを図る戦略です。本問では大都市圏という市場に参入するものの、提供価値で独自性を出そうとしているため差別化が該当します。
関連キーワード: ファイブフォース, ポーター戦略, 差別化, 競争優位, 顧客ロイヤルティ
設問2:X社の財務状況について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)標準教室において、Y社との提携によるガス機器の提供を受けた場合の損益分岐点の生徒数を求めよ。
模範解答
80
解説
解答の論理構成
-
売上高の算出
【問題文】には「最大生徒数100人、入会金なし、授業料月額2万円」とあります。
年間授業料は 。したがって、1人当たりの年間売上高は24万円です。 -
変動費の算出
【問題文】には「年間経費:固定費720万円、変動費1,600万円(最大生徒数のとき)」とあります。
変動費は生徒数に比例するので、1人当たりの年間変動費は
です。 -
限界利益(1人当たり貢献利益)の算出
限界利益=売上高-変動費=。 -
固定費の修正
Y社との提携により「減価償却費を年間80万円減らすことができる」とあります。
修正後固定費=。 -
損益分岐点の生徒数
損益分岐点生徒数=修正後固定費 ÷ 限界利益
。
よって解答は「80」です。
誤りやすいポイント
- 月額授業料をそのまま使用し、年間売上高への換算を忘れる。
- 「変動費1,600万円」を100人分と気付かず、1人当たり変動費の算出を誤る。
- 減価償却費80万円の減少を固定費から差し引かない。
- 最大生徒数に惑わされ、損益分岐点を100人で割った平均値と混同する。
FAQ
Q: 月額制の授業料を年額に直す理由は何ですか?
A: 変動費と固定費がともに「年間経費」で示されているため、売上高も同じ計算期間(1年)に揃える必要があります。
A: 変動費と固定費がともに「年間経費」で示されているため、売上高も同じ計算期間(1年)に揃える必要があります。
Q: 変動費1,600万円のうち減価償却費は含まれますか?
A: 減価償却費は【問題文】で「年間経費:固定費720万円」に含まれており、変動費1,600万円には含まれていません。
A: 減価償却費は【問題文】で「年間経費:固定費720万円」に含まれており、変動費1,600万円には含まれていません。
Q: 減価償却費80万円が減るのは一時的ですか?
A: 提携により継続的に削減できる前提ですが、【問題文】の「5年から10年先の将来を見通した場合に機器への設備投資が必要になるリスク」から、長期的には再び固定費が増える可能性があります。
A: 提携により継続的に削減できる前提ですが、【問題文】の「5年から10年先の将来を見通した場合に機器への設備投資が必要になるリスク」から、長期的には再び固定費が増える可能性があります。
関連キーワード: 損益分岐点, 固定費, 変動費, 限界利益, 減価償却
設問2:X社の財務状況について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)本文中の下線①に用いられる安全性指標を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:売上債権回転率
イ:固定長期適合率
ウ:当座比率
エ:労働分配率
模範解答
イ
解説
解答の論理構成
-
【問題文】の該当箇所“既存教室の設備の更新も必要であるので、①財務面における安全性指標から、新たな設備投資が制約される。”
ここで X社は「財務面における安全性指標」を根拠に“新たな設備投資”を控えています。すなわち、自己資本と固定資産のバランスなど、長期的な支払能力に着目した指標が問題になっています。 -
各候補指標の性質整理
- ア:売上債権回転率 … 収益性・効率性を見る運転資本指標で安全性指標とは言い難い。
- イ:固定長期適合率 … “固定資産を自己資本と固定負債の合計でどの程度賄えているか”を示す代表的な安全性指標。固定資産への過大投資リスクを判断でき、設備投資の可否判断に直結。
- ウ:当座比率 … 短期支払能力を測る流動性指標。長期の設備投資判断には直接結び付きにくい。
- エ:労働分配率 … 人件費と付加価値の関係をみる指標で、財務の安全性とは無関係。
-
設備投資を制約する“安全性”を評価するなら、固定資産と長期資本のバランスを測る「固定長期適合率」が最も適切です。
以上より、①に入る指標は「固定長期適合率」であり、解答群の記号は「イ」となります。
誤りやすいポイント
- 「当座比率」を安全性指標と誤認
確かに短期安全性(流動性)では代表的ですが、問題文は“設備投資”という長期の資本構成に関わる文脈です。 - “売上債権回転率=資金回収速度だから安全性”という早合点
回転率は効率性指標であり、支払能力や資本構成を直接示しません。 - 「労働分配率は費用管理だからコスト抑制の文脈で使うはず」と選択
そもそも安全性指標ではないため選択肢から除外すべきです。
FAQ
Q: 固定長期適合率は何%以下が望ましいのですか?
A: 100%以下が目安です。固定資産が長期資本で全て賄われていれば、長期的な支払能力が確保されていると判断されます。
A: 100%以下が目安です。固定資産が長期資本で全て賄われていれば、長期的な支払能力が確保されていると判断されます。
Q: 当座比率が高くても設備投資制約を受けることはありますか?
A: あります。当座比率は短期支払能力を示すだけで、固定資産の過大投資リスクや長期的な資本調達構造は判断できません。
A: あります。当座比率は短期支払能力を示すだけで、固定資産の過大投資リスクや長期的な資本調達構造は判断できません。
Q: 固定長期適合率を改善する方法は?
A: 固定資産の売却・圧縮、自己資本の増強(内部留保の積み増し、増資)などが一般的です。
A: 固定資産の売却・圧縮、自己資本の増強(内部留保の積み増し、増資)などが一般的です。
関連キーワード: 固定長期適合率, 流動性指標, 設備投資, 資本構成, 財務安全性
設問2:X社の財務状況について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)本文中の下線②によって直接影響を受けるキャッシュフローを答えよ。
模範解答
投資活動による
解説
解答の論理構成
- キャッシュフロー計算書では、企業の現金収支を
①営業活動によるキャッシュフロー
②投資活動によるキャッシュフロー
③財務活動によるキャッシュフロー
の3区分で示します。 - 【問題文】には、資金調達や費用削減ではなく、設備投資そのものを抑える方針が明記されています。該当部分を正確に引用すると、
「・これ以上の借入れや株式発行ができないこと、及び資本提携では経営の自由度が狭まることを踏まえ、②設備投資を抑制する」 - 設備投資は固定資産の取得・処分に伴う支出であり、キャッシュフロー計算書上は「投資活動によるキャッシュフロー」に含まれます。
- したがって、下線②の方針により直接影響を受けるのは「投資活動によるキャッシュフロー」であると結論付けられます。
誤りやすいポイント
- 設備投資=固定費と結び付けて「営業活動によるキャッシュフロー」と誤認する。固定費は損益計算書上の分類であり、現金支出の区分とは異なります。
- 借入や株式発行に触れている記述があるため「財務活動によるキャッシュフロー」と混同する。本文では“借入れや株式発行は行わない”と明示されており、実際に資金調達の現金収支は発生しません。
- 減価償却費の増減を根拠にキャッシュフローを判断するミス。減価償却費は非現金費用であり、直接の現金支出ではありません。
FAQ
Q: 設備投資を抑制すると減価償却費も減るのでは?
A: 将来の減価償却費は下がりますが、当該項目は営業活動CFの加算調整項目です。設備投資の支出自体は「投資活動によるキャッシュフロー」に計上されます。
A: 将来の減価償却費は下がりますが、当該項目は営業活動CFの加算調整項目です。設備投資の支出自体は「投資活動によるキャッシュフロー」に計上されます。
Q: 無償提供されたガス機器はキャッシュフローに影響しますか?
A: 現金の支出・収入を伴わないためキャッシュフローには直接影響しません。会計上は受贈益や資産計上などで処理します。
A: 現金の支出・収入を伴わないためキャッシュフローには直接影響しません。会計上は受贈益や資産計上などで処理します。
Q: 設備投資を抑制するだけで資金繰りは改善しますか?
A: 投資活動CFは改善しますが、営業活動CFが赤字であれば根本対策にはなりません。設備投資抑制はあくまで一時的な流出抑止策です。
A: 投資活動CFは改善しますが、営業活動CFが赤字であれば根本対策にはなりません。設備投資抑制はあくまで一時的な流出抑止策です。
関連キーワード: キャッシュフロー計算書, 投資活動, 設備投資, 固定資産, 減価償却
設問3:提携内容について、(1)、(2)に答えよ。
(1)Y社にとって、本文中の下線③以外にも広告宣伝効果を期待できる方策がある。〔提携内容〕を検案し、X社の教室の資源を活用することによって、情緒に訴えるイメージ広告よりも高い効果が期待できる方策を、35字以内で述べよ。
模範解答
教室の空いている壁に新しいガス機器などのポスターを掲示する。
解説
解答の論理構成
- 教室の壁の現状を確認
- 【問題文】「教室の壁には、生徒がよく見る教育コースのスケジュールや新しい教育コースの案内を掲示している。壁には、まだ空きスペースがある。」
ここで “空きスペース” が X社の教室という資源として抽出できます。
- 【問題文】「教室の壁には、生徒がよく見る教育コースのスケジュールや新しい教育コースの案内を掲示している。壁には、まだ空きスペースがある。」
- Y社の広告宣伝ニーズを把握
- 【問題文】「Y社は、自社ではガス機器の製造・販売をしておらず、イメージ広告や新しいガス機器などの広告宣伝によって、家庭でのガス使用量の増加を狙っている。」
目的は“ガス機器の認知拡大”であり、教室で調理を体験する顧客に直接訴求できれば、情緒的なイメージ広告より実効性が高まります。
- 【問題文】「Y社は、自社ではガス機器の製造・販売をしておらず、イメージ広告や新しいガス機器などの広告宣伝によって、家庭でのガス使用量の増加を狙っている。」
- 教室資源と広告目的のマッチング
- 生徒は調理実習中に壁面を頻繁に見るため、空きスペースは視認性の高い接点です。
- 媒体費が不要な“掲示”なら ②設備投資を抑制する 方針とも矛盾しません。
- 方策の具体化
以上を踏まえると、Y社が得る追加広告宣伝効果として
「教室の空いている壁に新しいガス機器などのポスターを掲示する」
が最適解となります。
誤りやすいポイント
- “空きスペース”を見落とし、別媒体(SNS広告など)を提案してしまう。
- X社のコスト抑制方針を無視し、機器追加設置やイベント開催など設備投資を伴う案を挙げる。
- 「情緒に訴えるイメージ広告よりも高い効果」という条件を満たさず、抽象的なPR施策だけを書く。
FAQ
Q: なぜ壁面掲示がイメージ広告より効果的なのですか?
A: 教室内で実際に調理を行う顧客はガス機器へ高い関心をもち、壁面掲示は接触頻度が多い実体験の場で情報を届けるため、購買意欲向上につながりやすいからです。
A: 教室内で実際に調理を行う顧客はガス機器へ高い関心をもち、壁面掲示は接触頻度が多い実体験の場で情報を届けるため、購買意欲向上につながりやすいからです。
Q: SNS や Web 広告を組み合わせても良いのでは?
A: X社は②設備投資を抑制する方針を掲げており、追加コストをかけずに教室資源を活用する施策が優先されます。壁面掲示はコストが低く条件に合致します。
A: X社は②設備投資を抑制する方針を掲げており、追加コストをかけずに教室資源を活用する施策が優先されます。壁面掲示はコストが低く条件に合致します。
Q: ポスター掲示に法的・安全上の問題はありませんか?
A: 一般的に掲示物は消防法の避難経路や換気口を塞がない範囲であれば問題ありません。掲示位置の確認と定期的な更新が必要です。
A: 一般的に掲示物は消防法の避難経路や換気口を塞がない範囲であれば問題ありません。掲示位置の確認と定期的な更新が必要です。
関連キーワード: ファイブフォース分析, 広告宣伝効果, オフラインプロモーション, 固定費削減, 提携戦略
設問3:提携内容について、(1)、(2)に答えよ。
(2)(1)で記述した方策について、効果がある理由を30字以内で述べよ。
模範解答
広告内容が、ガス機器を使用する主婦層に直接届くから
解説
解答の論理構成
- 教室の来訪者
【問題文】では「中心的な顧客と見込まれる主婦層を対象にしたアンケート調査」とあり、教室に通うのは主婦層が中心です。 - 広告の掲示場所
同じく【問題文】に「教室の壁には、生徒がよく見る…掲示している。壁には、まだ空きスペースがある」とあります。壁面は主婦層の視界に必ず入る場所です。 - ガス会社の目的
「Y社は…広告宣伝によって、家庭でのガス使用量の増加を狙っている」と明示されています。 - 方策の内容
「③X社の教室に新しいガス機器を設置する」ことで、主婦層は機器を“見る・触る・使う”という体験を通じて広告内容を理解します。 - 効果がある理由
ターゲット(主婦層)が教室という場に集まり、広告と実物体験が同時に行えるため「広告内容が、ガス機器を使用する主婦層に直接届く」ことになります。
誤りやすいポイント
- 「減価償却費を年間80万円減らす」というコスト面だけを書き、広告効果を説明し忘れる。
- 主婦層ではなく“生徒全般”とぼかして記述し、ターゲティングの明確さが欠ける。
- ファイブフォース分析や設備投資制約に言及し、広告効果の理由から話題が逸れる。
FAQ
Q: 広告掲示だけでなく調理体験自体も宣伝になりますか?
A: はい。実際に「新しいガス機器」を使う授業はデモンストレーション効果が高く、掲示以上の訴求力があります。
A: はい。実際に「新しいガス機器」を使う授業はデモンストレーション効果が高く、掲示以上の訴求力があります。
Q: 減価償却費削減と広告効果はどちらを優先して書くべきですか?
A: 設問は「効果がある理由」を尋ねているため、主婦層への直接訴求という広告効果を最優先で示します。
A: 設問は「効果がある理由」を尋ねているため、主婦層への直接訴求という広告効果を最優先で示します。
Q: 他社教室との競争要因と絡める必要はありますか?
A: 本問では提携方策の効果説明が主題なので、競争要因は補足に留め、直接的理由を簡潔に述べるのが適切です。
A: 本問では提携方策の効果説明が主題なので、競争要因は補足に留め、直接的理由を簡潔に述べるのが適切です。
関連キーワード: ターゲティング広告, 直接販促, 提携戦略, ファイブフォース分析, 費用削減
設問4:
本文中の下線④に記述されているX社のリスクは、どのような場合に対応策の検討が必要になるか。30字以内で述べよ。
模範解答
将来IHコンロの普及割合が高くなる場合
解説
解答の論理構成
- 提携条件から現状の機器は「ガス機器」で統一
― 「全てのコンロやオーブンをガス機器とし、ガス会社が無償で提供する」とあるため、X社の新規教室はガス機器中心です。 - 将来の外部環境の不確実性
― 調査結果に「5年間はこの傾向が続くが、その先においては、IHコンロとガスコンロの普及割合は予測できない」と明記されています。 - リスク記述との対応
― 下線④では「5年から10年先の将来を見通した場合に機器への設備投資が必要になるリスク」と述べられており、これはガス機器だけでは市場ニーズに対応できなくなる可能性を指します。 - どのような場合に設備投資が必要か
― IHコンロの普及が高まると、ガス機器しかない教室では顧客要望に応えられず、新たにIH機器を導入する追加投資が必要になります。 - 以上より、対応策検討が必要になる条件は「将来IHコンロの普及割合が高くなる場合」となります。
誤りやすいポイント
- 「高機能ガスコンロの普及割合が高い」点をリスクと混同し、ガス機器を増設する方向と誤解する。
- 「5年間はこの傾向が続く」を強調し過ぎ、6年目以降の不確実性を見落とす。
- リスクを“ガス機器が老朽化する”とだけ捉え、外部需要変化(IH普及)という視点を忘れる。
FAQ
Q: ガス機器は無償提供なのに、なぜ追加投資が問題になるのですか?
A: 無償提供は現行のガス機器のみです。将来IH機器が主流になれば、自社負担でIH設備を追加する必要が生じるためです。
A: 無償提供は現行のガス機器のみです。将来IH機器が主流になれば、自社負担でIH設備を追加する必要が生じるためです。
Q: 「IHコンロの普及割合は予測できない」とあるのに、なぜIH普及を想定するのですか?
A: 予測できない=増加の可能性を含む不確実性です。不確実性こそリスク要因となるため、IH普及シナリオを想定して備える必要があります。
A: 予測できない=増加の可能性を含む不確実性です。不確実性こそリスク要因となるため、IH普及シナリオを想定して備える必要があります。
Q: ガス機器とIH機器を併設すればよいのでは?
A: 併設には新たな設置スペース・配線工事・保守費用が発生し、④の「機器への設備投資が必要になるリスク」として具体化するため、その判断に備えた検討が求められます。
A: 併設には新たな設置スペース・配線工事・保守費用が発生し、④の「機器への設備投資が必要になるリスク」として具体化するため、その判断に備えた検討が求められます。
関連キーワード: 設備投資, 普及率, 外部環境分析, リスク管理, 需要変動


