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応用情報技術者 2017年 秋期 午前221


問題文

モータの速度制御などに PWM (Pulse Width Modulation) 制御が用いられる。PWMの駆動波形を示したものはどれか。ここで、波形は制御回路のポート出力であり、低域通過フィルタを通していないものとする。
応用情報技術者 2017年 秋期 午前2 問21の選択肢の画像

選択肢

(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

PWM出力矩形波【午前2解説】

正解の理由

モータ速度制御で用いるPWM(パルス幅変調)は、制御出力が「高電圧と低電圧の二値(矩形)を高速に切り替える」ことで平均電圧を変え、モータに与える有効電力を制御します。図の中でこの特徴を最も明確に示すのは です。 は出力が二値(一定の高レベルと低レベル)で矩形パルスを高速に繰り返しており、低域通過フィルタを通していない場合のポート出力として正しい形です。選択肢の他の波形は、振幅が不定、段階状の多値、あるいはアナログ的なランプを含むため、典型的なPWMの駆動波形とは異なります。
また図の注記には「高レベル・低レベルの幅はほぼ一定だが、立ち上がり/立ち下がりのタイミングは不規則」とあります。これは「デューティ比が概ね一定(一定速度維持時)で、高速スイッチングにエッジジッタ等の微小な不規則が混入している」状態と解釈できます。PWMの本質は「二値の高速スイッチングとデューティ比による平均化」であり、幅がほぼ一定でもPWMであることに矛盾はありません。したがって が正答となります。

解法ステップ

  1. 問題文の条件を把握:出力は制御回路のポート出力で、低域通過フィルタ(LPF)を通していない=出力は矩形のまま観測される。
  2. PWMの本質を確認:出力が高/低の二値で高速に切替わり、平均電圧はデューティ比(高時間/周期)で決まる。
  3. 各選択肢の波形を比較:
    • 矩形の二値信号か(PWM候補)、
    • 振幅が可変か多値か(PWMでは通常二値)、
    • 階段的・アナログ的変化か(PWMではない)を判定する。
  4. 上記に合致するものを選択する → を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:各パルスごとに振幅(高さ)が異なり、しかも幅や間隔も不規則です。ポート出力として二値の矩形ではなく、振幅が変動するためPWMではない可能性が高い(ノイズや別の変調)。
  • :一定の高/低レベルの矩形パルスを高速に繰り返す。デューティ比が出力平均を決めるPWMの代表的形態。立ち上がり/立ち下がりのタイミングの僅かな不規則さ(ジッタ)があっても本質は矩形パルスの連続でありPWMに該当する。
  • ウ:段階的に電圧が上がり下がりする階段波形で、複数の電圧レベルを取る。これはDACや逐次近似的な出力、あるいは多段ディジタル-アナログ変換の出力に近く、典型的な二値PWMではない。
  • エ:1周期内で5段階のステップを持つ等間隔波形で、明確な多値出力。マルチレベルPWM等の特殊方式を除けば、通常の二値PWMとは異なるため、不正解。

よくある誤解

  • 誤解1:PWMは常に「パルス幅が目に見えて変化する波形」でなければならない。
    -> 実際はデューティ比が固定されている(一定速度維持)場合、パルス幅はほぼ一定に見える。PWMの本質は「二値の高速切替」と「デューティ比による平均値制御」であり、幅が一定でもPWMである。
  • 誤解2:立ち上がり/立ち下がりの不規則性があるとPWMではない。
    -> エッジのジッタやタイミングの微小不規則は実装上よくある現象であり、波形が矩形で二値であればPWMと見なせる。
  • 誤解3:多段のステップ波=PWMと判断してしまう。
    -> ステップ波はマルチレベル制御やDAC出力の可能性が高く、単純二値PWMとは区別する。

補足コラム

PWMの平均電圧はデューティ比 (高レベル時間 を周期 で割った値)によって決まります。高レベル電圧を とすると、
低域通過フィルタを通すとこの平均が平滑化されてアナログ風の電圧となり、モータ等の駆動に利用されます。ポート出力そのものを観測する問題では、LPFが無いことを前提に「矩形の二値波形」を探すのが近道です。
簡単なシミュレーション例(平均値計算):
# PWM平均値の簡易計算
V_high = 5.0
T = 1.0 / 1000  # 周期: 1kHz
T_high = 0.4 * T  # デューティ40%
V_avg = (T_high / T) * V_high
print(V_avg)  # 2.0V

FAQ

Q1: 「PWM」と「PFM(パルス周波数変調)」の見分け方は?
A1: PWMはパルス幅(デューティ比)を変えて平均値を制御します。PFMはパルス幅は固定でパルスの繰返し間隔(周波数)を変えて平均を制御します。図でパルスが二値で幅が変化している/周期が一定でないかを見て判別します。
Q2: 低域通過フィルタがあると波形はどう見える?
A2: LPFがあると矩形波の高周波成分が減衰し、出力は矩形の平均(ほぼ一定電圧)に近づきます。問題に「LPFを通していない」とある場合は矩形波を想定します。
Q3: エッジのジッタがあると制御に影響するか?
A3: 高速で十分な周期に対して小さなジッタは許容できることが多いが、精密な制御や同期が必要な系では問題になるため設計段階で考慮が必要です。

関連キーワード: PWM、デューティ比、矩形波、パルスジッタ、低域通過フィルタ
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