応用情報技術者 2017年 秋期 午前2 問23
問題文
入力 のときは 、 を出力し、 のときは 、 を出力する回路はどれか。

選択肢
ア:
イ:
ウ:(正解)
エ:
🔒 解説は解答すると表示されます
パスゲートを用いた反転切替【午前2解説】
正解の理由
選択肢のうち、ウは各出力を「元の信号」と「その反転」のどちらかで駆動する2系統の経路を持ち、制御信号Gで切り替える構成になっています。これにより
- G = 0 のときは非反転経路が接続されて X = A, Y = B、
- G = 1 のときは反転経路が接続されて X = ¬A, Y = ¬B を実現できます。論理式で表すと
- X = G·¬A + ¬G·A = A ⊕ G
- Y = G·¬B + ¬G·B = B ⊕ G となり、問題の要求と一致します。
重要な点として、パスゲート(トランスミッションゲート)は信号を「通す/遮断する」素子であって、それ自体で信号を反転はしません。反転出力は「反転済み信号(¬A, ¬B)を別経路で用意しておき、パスゲートで切り替える」ことで得ています。図中の二重曲線のゲートはそのようなパスゲート型の切替を示し、制御信号G(とその補数Ḡを内部で用いる実装が一般)でどちらの経路を接続するかを決めます。
解法ステップ
- 図の二重曲線記号を「パスゲート(トランスミッションゲート)による2入力選択器(MUX)」と読む。パスゲートは通す経路を決めるだけで反転は行わない点を確認する。
- 出力Xについて、「非反転入力(A)」と「反転入力(¬A)」のどちらが出力に接続されるかを制御信号Gで切り替えていることを確認する(Yも同様)。
- 制御値ごとに接続される経路を列挙する:
- G = 0 → 非反転経路がオン → X = A, Y = B
- G = 1 → 反転経路がオン → X = ¬A, Y = ¬B
- 論理式化して確認する:X = G·¬A + ¬G·A = A ⊕ G(同様にY = B ⊕ G)。問題文と一致するため選択は ウ。
選択肢別の誤答解説
- ア:AND/NAND の組合せになっており、単純に A をそのまま/反転で切り替えるような 2 系統の選択(A と ¬A を切替える MUX)になっていません。パスゲートによる経路切替構成とも異なり、G の値で「A をそのまま/反転して出す」ことはできません。
- イ:OR や単純な線分接続の構成で、G によって A/B を反転して出力する仕組みを持ちません。黒丸(接続点)の読み違いによって経路を誤認すると誤答しやすいですが、論理的に X,Y が A,B の単純な OR/接続で終わってしまい、要求を満たしません。
- エ:回路中に NOT があるため一見反転が関与しているように見えますが、NOT は G を反転して下側の AND に入れているため、出力 Y が B の条件付き論理(例:B∧¬G など)になり、G=1 のときに Y=¬B を得るという要求(G=1 のとき常に ¬B)にはならない構成です。つまり NOT が付いていても「各信号自身を反転した信号を選択する」構成になっていない点で不適合です。
よくある誤解
- 「パスゲートは信号を反転する」──誤り。パスゲートは通すか遮断するだけで、反転が必要なら別に反転済みの経路(または反転器)を用意して切り替える必要があります。
- 「黒丸は論理ANDの記号だ」──誤り。黒丸は配線の接続点(ノード結線)を示します。配線が交差しているだけなら接続点は付かないので図をよく読むこと。
- 「パスゲートの制御はGだけ見ればよい」──実装上はパスゲート内部で pMOS と nMOS を使うため制御に G と Ḡ を使います。回路図記号が G 単独でも内部で補助的に Ḡ を用いる想定になっている場合があることを理解しておきましょう。
補足コラム
- 上で導いた式 X = A ⊕ G、Y = B ⊕ G は、G を加えることでビット反転(条件反転)を実現する典型的な方法です。XOR 演算を用いると単一ゲートで同様の機能を表せますが、トランスミッションゲート+反転経路の組合せは配線や遅延・消費電力の観点で有利な設計になることがあります。
- パスゲート実装で注意すべきは「強い0/1を確実に通すために pMOS と nMOS の両方を使う(G と Ḡ で駆動)」という点です。単一の nMOS パストランジスタだと論理1が劣化する(閾値降下)ため、完全な伝送には伝送ゲート(p/n 両用)が好まれます。
FAQ
Q. 反転信号(¬A, ¬B)は図中どこで作っているのですか?
A. 回路としては反転済み信号を別経路で用意しておき、パスゲートで選択します。図中の二重曲線パスゲートの一方の入力が A(または B)、もう一方の入力が ¬A(または ¬B)になっている構成であると解釈します。パスゲート自体は反転を作らない点に注意してください。
A. 回路としては反転済み信号を別経路で用意しておき、パスゲートで選択します。図中の二重曲線パスゲートの一方の入力が A(または B)、もう一方の入力が ¬A(または ¬B)になっている構成であると解釈します。パスゲート自体は反転を作らない点に注意してください。
Q. パスゲートの制御信号に補数(Ḡ)が必要なのか?
A. はい。実際のトランスミッションゲート(pMOS と nMOS の並列)では制御に G と Ḡ の両方を使い、0/1 の両方を良好に伝送できるようにします。図で Ḡ が明示されていない場合でも、記号がパスゲートを示すなら内部的に補数制御を想定しています。
A. はい。実際のトランスミッションゲート(pMOS と nMOS の並列)では制御に G と Ḡ の両方を使い、0/1 の両方を良好に伝送できるようにします。図で Ḡ が明示されていない場合でも、記号がパスゲートを示すなら内部的に補数制御を想定しています。
関連キーワード: パスゲート、トランスミッションゲート、MUX、XOR(排他的論理)、配線接続、論理回路設計

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