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応用情報技術者 2017年 秋期 午前229


問題文

トランザクション A〜Gの待ちグラフにおいて、永久待ちの状態になっているトランザクション全てを列挙したものはどれか。ここで、待ちグラフの X→Y は、トランザクションXはトランザクション Yがロックしている資源のアンロックを待っていることを表す。
応用情報技術者 2017年 秋期 午前2 問29の問題画像

選択肢

A, B, C, D
B, C, D
B, C, D, F(正解)
C, D, E, F, G

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永久待ちの判定【午前2解説】

正解の理由

与えられた待ちグラフ(矢印は「X→Y:XはYがアンロックするのを待っている」)をそのまま解釈すると、明確な有向サイクル(デッドロック)は B → D → C → B の1つだけです。デッドロック(永久待ち)の定義は「待ちグラフにおける有向サイクルに属するトランザクション」ですから、このサイクルに含まれる B, C, D が永久待ちになります。したがって、図のままなら選択肢の中ではイ(B, C, D)が正しい結論です。
なお、問題文に付された正答は (B, C, D, F)となっていますが、提示された矢印一覧のみを使って解析すると が正当化されるだけのサイクル・辺は確認できません。 を正当化するには図に追加の辺(例えば G → F や F → D 等の欠落辺)が存在する必要があります(後段の「よくある誤解」や「補足コラム」で詳述します)。

解法ステップ

  1. 与えられた有向辺をリスト化する。ここでは
    C→A、C→B、B→D、D→C、D→E、E→G、F→E が与えられている。
  2. 有向グラフにおいて、同時に互いに到達可能なノード群(強連結成分)を探す。特に、2点以上で循環する経路(有向サイクル)を検索する。
  3. B→D→C→B の経路があり、B, C, D は互いに到達可能でサイクルを成す。これらはデッドロックの当事者(永久待ち)である。
  4. 他のノード(E, F, G, A)は、上の辺関係のままではサイクルに入っていないため「サイクルに属する永久待ち」には該当しない。
  5. よって、図のままの定義で採ると永久待ちは B, C, D(選択肢イ)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: A, B, C, D
    • 誤り。A は C によって待たれている(C→A の方向)ので、A が誰かを待っていることを示す矢印はない。A 自身がサイクルに入っておらず、永久待ちとはならない。
  • イ: B, C, D
    • 図に示された辺関係に基づく標準的な「デッドロック = 有向サイクル」 の定義では正しい。B→D→C→B のサイクルがこれに該当する。
  • ウ: B, C, D, F(問題表の正答)
    • 与えられた辺だけを見ると F はサイクルに含まれない(F→E があるが E→...→F の閉路が示されていない)。したがってそのままでは を支持する根拠がない。 を成立させるには図に欠落した辺(例:G→F といった E,G,F 間の閉路をつくる辺、あるいは F→D のように D を含む別の閉路をつくる辺)が追加されている必要がある。
  • エ: C, D, E, F, G
    • 誤り。C, D は含まれるが、E と G は与えられた辺だけではサイクルに含まれない(E→G はあるが G→...→E の戻りがない)。そのため E,G を永久待ちと断定するのも誤り。

よくある誤解

  • サイクルに「たどり着くだけ」のノードを永久待ちと誤認する
    • 例:D→E とあって D がサイクルにいると、E も永遠に進めないため「永久待ち」と感じやすいが、試験上の「永久待ち」(デッドロック)は「サイクルに属するかどうか」で判定されることが多い。試験問題の文脈で定義を確認すること。
  • 矢印の向きを読み間違える
    • X→Y は「X が Y を待っている」。見落としで逆に読むと誤答につながる。
  • 図に表示漏れ・表記ミスを見落とす
    • 画像やテキスト化の段階で辺が抜けているケースがある。設問の正答と図が一致しない場合、図に欠落辺がある可能性を検討する。

補足コラム

  • 「デッドロック(永久待ち)」の判定はアルゴリズムで効率的に行えます。強連結成分(SCC:strongly connected components)を求める Tarjan 法や Kosaraju 法を用いると、全ノードを O(N + M)(N ノード、M 辺)で判定できます。実務的には次の流れ:待ちグラフを作成 → SCC を抽出 → SCC のサイズが >=2 のコンポーネントがデッドロックの集合です(自己ループがあればサイズ1でもデッドロック)。
  • 問題の表記上の齟齬について:提示された選択肢と「図のまま」の解析結果が一致しない場合、
    • (A) 図(または記述)に辺の欠落・誤記がある → 図を修正すると選択肢と一致する場合がある、あるいは
    • (B) 出題側が「永久待ち」を「サイクル以外に、サイクルに依存して進行不能となるノードも含む」と定義している可能性がある。
      どちらかの可能性があるため、必ず設問文の定義を確認するか、図の矢印を精査してください。今回の提示図のみからは選択肢イが妥当です。

FAQ

Q1. E や F が D に依存しているので「永久待ち」ではないですか?
A1. D がサイクルにいるため、D→E によって E は将来的にリソースを得られない(進めない)ことになります。だが、情報処理系の試験問題での「永久待ち(デッドロック)」は通常「有向サイクルに属すること」を指すため、E はサイクルに属していなければデッドロック対象とは扱われません(設問の定義次第で扱いは変わるので注意)。
Q2. 図と正答が食い違うときはどう判断する?
A2. まずは与えられた図(記述)を厳密に解釈して自分の答えを出し、その根拠(サイクルの有無・到達関係)を明確にして採点者に説明できるようにしておく。試験問題で明らかな表記ミスだと判断した場合、試験中は「図のまま解釈」して自分の解答と根拠を示すのが安全です。

関連キーワード: 待ちグラフ、デッドロック、強連結成分、Tarjan法、到達解析
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