応用情報技術者 2018年 秋期 午後 問07
カードを使用した電子扉システムの設計に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
E社は、電子錠を開発している会社である。E社では、RFIDタグを内蔵したカード(以下、入退室カードという)を使用して、扉の電子錠を制御するシステム(以下、電子扉システムという)を開発することになった。
電子扉システムは企業向けであり、従業員ごとに個別の入退室カードを配布して、従業員の入退室管理に用いる。
〔電子扉システムの構成〕
電子扉システムは、扉、カードリーダ、制御部などから成る電子扉ユニットと、各電子扉ユニットとLANで接続されたサーバから構成される。電子扉システムの構成を図1に示す。
・ドアクローザは、扉の上部に有り、内蔵するばねの力で扉を自動的に閉める。
・レバーは扉の室内側と室外側に有り、電子錠で開錠/施錠される。開錠状態では、レバーを下に回して扉を開けることができ、手を放すとレバーは元に戻り扉は閉まる。施錠状態では、扉は開けられない。また、扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる。
・カードリーダは、室内側と室外側に取り付けられている。
・電子扉ユニットには、扉識別コードが設定されている。

〔電子扉ユニットのハードウェア構成〕
電子扉ユニットのハードウェア構成を図2に示す。

・扉識別コードは、電子扉ユニットごとに割り当てられ、制御部が保持する。
・入退室カードには、カードごとに割り当てられたカード識別コード、有効期限などの情報を格納する。
・制御部は、MPUを内蔵しており、各ハードウェアを制御する。
・カードリーダは、室内側及び室外側に1台ずつ設置し、室内側を示すコードと、室外側を示すコード(以下、リーダ設置区分コードという)をそれぞれ割り当てる。カードリーダは、入退室カードの情報を読み込む。
・開閉センサは、扉が開いたこと及び扉が閉まったことを検出する。
・電子ブザーは、単発音の許可音・エラー音を発生したり、連続音の警告音を鳴動したりする。
・電子錠は扉のレバーを開錠/施錠する。
・LANインタフェースは、LANに接続してサーバと通信する。
〔電子扉システムの動作〕
(1) 入退室カードをカードリーダにかざすと、入退室カードの情報を読み込み、電子扉ユニットの情報とあわせてサーバに送信する。
(2) サーバからの応答が開錠許可なら、許可音を発生して開錠する。開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する。
(3) サーバからの応答が開錠許可でないとき、エラー音を発生する。
(4) 扉が開いてから、秒以内に扉が閉まらないとき、扉が閉まるまで警告音を鳴動し続ける。
及びは、必要に応じて変更が可能で、>>1秒とする。
〔制御部とサーバ間の通信〕
サーバは、入退室可能な入退室カードの保有者の情報を扉ごとに管理する。
(1) 制御部は、カードリーダで入退室カードの情報を読み込んだとき、a、b及びリーダ設置区分コードをサーバに送信する。
(2) サーバは、aで入退室カードの保有者を特定し、bで入退室する扉を特定し、リーダ設置区分コードで入室又は退室を識別する。これらの情報から、入退室カードの保有者が入退室を許可されているか判定して、判定結果を制御部に送信する。
〔制御部のプログラムの処理〕
制御部のプログラムの処理フローを図3に示す。この処理は、室内側又は室外側のカードリーダに入退室カードをかざすと開始される。また、この処理の間に新たに入退室カードがかざされても、終了するまで処理を続行する。
・タイマは、OSのタイマ機能を使用する。タイマに時間を設定すると計時が始まり、設定した時間が経過するとタイマ満了イベントが通知される。タイマが満了する前にタイマ取消しを行うと、タイマ満了イベントは通知されない。
・開閉センサは扉が開いたときに開扉イベントを通知し、扉が閉まったときに閉扉イベントを通知する。
・処理“カード情報を読み込む”では、入退室カードの情報を読み込む。
・処理“イベント待ち”では、開扉イベント、閉扉イベント、及びタイマ満了イベントを待ち受ける。
・処理“開錠する”及び処理“施錠する”では、制御部が電子錠に開錠又は施錠を通知する。その通知から実際に電子錠が開錠/施錠するのに1秒掛かり、その間、次の処理は行わない。
〔不具合の発生〕
電子扉システムの動作をテストしていたところ、扉を開けたまま秒経過しても警告音が鳴動しない不具合が、図3の“①施錠する”を処理した後に発生した。
なお、不具合が発生したときに、入退室カードの情報は正しく読み込まれており、LAN及びサーバに問題はなく、ハードウェア及びソフトウェアは通常の処理をしていた。
設問1:
問題文を見る〔制御部とサーバ間の通信〕について、本文中のa、bに入れる適切な字句を、本文中の字句を用いて答えよ。
模範解答
a:カード識別コード
b:扉識別コード
解説
解答の論理構成
- 【問題文】には次の記載があります。
- 「制御部は、カードリーダで入退室カードの情報を読み込んだとき、a、b及びリーダ設置区分コードをサーバに送信する。」
- 「サーバは、aで入退室カードの保有者を特定し、bで入退室する扉を特定し、リーダ設置区分コードで入室又は退室を識別する。」
- “入退室カードの保有者”を一意に識別できる情報は、【問題文】「入退室カードには、カードごとに割り当てられたカード識別コード、有効期限などの情報を格納する。」とある “カード識別コード” です。
したがって a=カード識別コード。 - “入退室する扉”を特定する情報は、【問題文】「電子扉ユニットには、扉識別コードが設定されている。」とある “扉識別コード” です。
したがって b=扉識別コード。 - 以上より解答は
a:カード識別コード
b:扉識別コード となります。
誤りやすいポイント
- 「リーダ設置区分コード」を b に当てはめてしまうミス
→ 記載順序に惑わされず機能で判断する必要があります。 - “扉がある場所(室内/室外)”を識別する情報と混同するミス
→ 室内・室外は “リーダ設置区分コード” であって扉を区別するものではありません。 - “カードの有効期限”を保有者識別と誤解するミス
→ 有効期限は認証条件の一部であり、個体識別は “カード識別コード” です。
FAQ
Q: “カード識別コード” と “カード番号” は同じ意味ですか?
A: 設問では “カード識別コード” という表現を使っているため、そのまま書くことが求められます。概念的には同じでも、解答欄には記載通りの語句を使用してください。
A: 設問では “カード識別コード” という表現を使っているため、そのまま書くことが求められます。概念的には同じでも、解答欄には記載通りの語句を使用してください。
Q: “扉識別コード” は電子扉ユニットごとに固定ですか?
A: 【問題文】「扉識別コードは、電子扉ユニットごとに割り当てられ、制御部が保持する。」とあるとおり、ユニットごとに固定で設定されています。
A: 【問題文】「扉識別コードは、電子扉ユニットごとに割り当てられ、制御部が保持する。」とあるとおり、ユニットごとに固定で設定されています。
Q: リーダ設置区分コードが欠けていても扉を特定できますか?
A: 扉自体は “扉識別コード” で一意に分かりますが、室内側・室外側の区別ができなくなるため、入退室方向の判定ができなくなります。
A: 扉自体は “扉識別コード” で一意に分かりますが、室内側・室外側の区別ができなくなるため、入退室方向の判定ができなくなります。
関連キーワード: RFID, 認証、一意識別子、クライアントサーバ通信、セキュリティポリシー
設問2:〔制御部のプログラムの処理〕について、(1)〜(3)に答えよ。
問題文を見る(1)図3中のcに入れる適切な処理を、本文中の字句を用いて答えよ。
模範解答
c:エラー音を発生する
解説
解答の論理構成
- 図3のフローでは、ひし形「開錠許可」で“否”になった場合にcの処理が実行されます。
- 【問題文】には電子扉システム全体の振る舞いとして
「(3) サーバからの応答が開錠許可でないとき、エラー音を発生する。」
と明記されています。 - したがって、サーバ応答が開錠許可でない=図3の「No」分岐に相当する場面では“エラー音”を鳴らすはずです。
- よってcに入る処理は「エラー音を発生する」と結論づけられます。
誤りやすいポイント
- 「許可音」と「エラー音」を取り違える
「許可音」は開錠許可時(Yes分岐)であり、No分岐では使いません。 - 「警告音」と混同する
警告音は扉が開いたまま秒を超えた場合に鳴らすもので、サーバ応答の判定とは無関係です。 - フロー図の位置を読み違える
cは“開錠許可”の判定直後に置かれており、後続の扉開閉イベントやタイマとは連動していません。
FAQ
Q: “開錠許可が否”のとき、施錠処理は不要ですか?
A: 元々施錠状態でカードをかざすケースを想定しているため、追加の施錠は不要です。図3にも施錠処理は描かれていません。
A: 元々施錠状態でカードをかざすケースを想定しているため、追加の施錠は不要です。図3にも施錠処理は描かれていません。
Q: 許可音とエラー音の違いは何ですか?
A: 【問題文】にあるように「許可音」は“単発音”で開錠許可を知らせ、「エラー音」も“単発音”ですが開錠拒否を知らせます。音色や周波数で区別する想定です。
A: 【問題文】にあるように「許可音」は“単発音”で開錠許可を知らせ、「エラー音」も“単発音”ですが開錠拒否を知らせます。音色や周波数で区別する想定です。
Q: “警告音”が鳴らない不具合はcと関係しますか?
A: いいえ。警告音は扉が開いたまま秒を超えた場合の機能で、cはサーバ応答に対する動作です。別のロジックで発生した不具合です。
A: いいえ。警告音は扉が開いたまま秒を超えた場合の機能で、cはサーバ応答に対する動作です。別のロジックで発生した不具合です。
関連キーワード: RFID, タイマイベント、状態遷移、フロー制御、ハードウェア制御
設問2:〔制御部のプログラムの処理〕について、(1)〜(3)に答えよ。
問題文を見る解答群
ア:イベント待ち
イ:開錠する
ウ:施錠する
エ:タイマ取消し
オ:タイマに秒を設定する
カ:タイマに秒を設定する
模範解答
d:オ
e:カ
解説
解答の導き方
-
まず問題文から必要な振る舞いを取り出します。該当部分は次の記述です。
「サーバからの応答が開錠許可なら、許可音を発生して開錠する。開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する。」および「扉が開いてから、秒以内に扉が閉まらないとき、扉が閉まるまで警告音を鳴動し続ける。」またタイマの仕様として「タイマに時間を設定すると計時が始まり、設定した時間が経過するとタイマ満了イベントが通知される。タイマが満了する前にタイマ取消しを行うと、タイマ満了イベントは通知されない。」とあります。これが制御の要件です。 -
図3の流れと照合します。図3では「許可音を発生する」→[d]→「開錠する」→「イベント待ち」→(「タイマ満了イベント」→「①施錠する」)という経路があります。要件「開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する。」を満たすには、開錠後にの計時が始まり、満了すると「①施錠する」が呼ばれる必要があります。図3上でそのタイマ満了を発生させる設定を行う箇所は[d]しかありません。従って[d]は「タイマに秒を設定する」に当たります。選択肢でこれに該当するのはオです。
(他の選択肢は位置や意味と合致しません。たとえば「ウ:施錠する」を入れると開錠前に施錠命令を出してしまい要件と矛盾します。) -
次に開扉後の流れを確認します。図3で「開扉イベント」が来るとまず「タイマ取り消し」(先にセットしたタイマを解除)を行い、その直後に[e]→「②施錠する」→「イベント待ち」と続きます。現実の要件は「扉が開いてから、秒以内に扉が閉まらないとき、扉が閉まるまで警告音を鳴動し続ける。」なので、開扉後にの計時を始め、満了すると警告音を鳴動する経路が必要です。図3の「警告音を鳴動する」に至る経路は、②施錠後のイベント待ちの通知分岐でタイマ満了が起きることで到達するため、開扉後にを設定するのが自然です。従って[e]は「タイマに秒を設定する」で、選択肢の該当はカです。
([e]に「施錠する」を入れると図3の「②施錠する」と二重になりますし、「タイマ取消し」を入れても新たな監視ができません。) -
重要な時刻関係の整理(図3の読み方の注意点)。図3の流れは「開扉イベント」→「タイマ取り消し」→[e]→「②施錠する」となっており、②施錠するは開扉イベントの直後に実行されます。ここで誤解しやすいのは「施錠命令が実行される時点」と「施錠の効果(閉まった後に開けられなくなる)が現れる時点」を混同することです。問題文にもあるように「扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる。」ため、開扉直後に施錠命令を出すことは設計上正しく、効果は扉が閉まったときに現れます。図3の流れと要件はこの点で整合しています。
結論(図3の穴埋め)
d:オ(タイマに秒を設定する)
e:カ(タイマに秒を設定する)
d:オ(タイマに秒を設定する)
e:カ(タイマに秒を設定する)
誤りやすいポイント
- ②施錠するの実行時点と施錠の効果を混同する。図3では②施錠するは開扉イベント直後に実行されるが、その効果(閉めたら開けられなくなる)は扉が閉まったときに現れる点を押さえること。
- タイマ開始のタイミングと開錠/施錠の物理遅延(処理が1秒掛かる)を混同する。設計上は「どの瞬間から計測するか」を明確にする必要がある(図の配置では[d]でを開始、開扉時にキャンセルしてを開始している)。
- 開扉イベントを受けて「ただちに施錠する=直ちに開けられなくなる」と誤解する(実際は閉扉後に完全に施錠状態となる)。
- タイマ取消しを忘れると/が同時に動いて意図しない分岐を招く点に注意する。
FAQ
Q: [d]を「開錠する」にしたい気持ちになるのですが、なぜダメですか?
A: 図3は「許可音を発生する」→[d]→「開錠する」→「イベント待ち」となっており、[d]は「開錠する」の前に置かれています。要件は「開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する」なので、開錠後にを測るためのタイマ設定が必要です。選択肢の中でその役割を満たすのは「タイマに秒を設定する(オ)」だけです。
A: 図3は「許可音を発生する」→[d]→「開錠する」→「イベント待ち」となっており、[d]は「開錠する」の前に置かれています。要件は「開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する」なので、開錠後にを測るためのタイマ設定が必要です。選択肢の中でその役割を満たすのは「タイマに秒を設定する(オ)」だけです。
Q: 開扉直後に②施錠するのは安全上おかしくないですか?すぐに扉が閉まったら事故になるのでは?
A: 問題文にある通り「扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる。」という仕様です。つまり設計意図は「開いている間に施錠状態へ移行させ、閉めたら外から開けられなくする」動作を実現することです。施錠命令の発行と物理的な効果発現タイミングは別であり、動作時間(施錠までに1秒かかる)も考慮する必要があります。
A: 問題文にある通り「扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる。」という仕様です。つまり設計意図は「開いている間に施錠状態へ移行させ、閉めたら外から開けられなくする」動作を実現することです。施錠命令の発行と物理的な効果発現タイミングは別であり、動作時間(施錠までに1秒かかる)も考慮する必要があります。
Q: タイマを[d]で開始してから「開錠する」に入ると、1秒の開錠遅延での計測がずれませんか?
A: 実機設計としては「計測開始の基準をどこに置くか」を明確にする必要があります。図3の配置では[d]でタイマを設定していますが、問題文は t_{1}$が1秒より長いことが保証されています。実装では(a)開錠動作完了時点を基準にタイマを開始する、または(b)図の順序に合わせて[d]で開始する場合は開錠処理遅延を考慮して適切に設定値を調整する、などの扱いが考えられます。
A: 実機設計としては「計測開始の基準をどこに置くか」を明確にする必要があります。図3の配置では[d]でタイマを設定していますが、問題文は t_{1}$が1秒より長いことが保証されています。実装では(a)開錠動作完了時点を基準にタイマを開始する、または(b)図の順序に合わせて[d]で開始する場合は開錠処理遅延を考慮して適切に設定値を調整する、などの扱いが考えられます。
関連キーワード: タイマ処理、イベント駆動、開閉センサ、状態遷移、デバイス応答遅延
設問2:〔制御部のプログラムの処理〕について、(1)〜(3)に答えよ。
問題文を見る模範解答
f:閉扉
g:タイマ満了
解説
解答の導き方
-
まず問題文から必要な動作ルールを取り出します。特に次の2点が重要です。
- 「サーバからの応答が開錠許可なら、許可音を発生して開錠する。開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する。」
→ 開錠の後に秒の猶予を設け、が満了したら施錠する挙動が要求されています。従って開錠直後にを計時するタイマが動き、満了すれば「施錠(①施錠する)」が実行されます。 - 「扉が開いてから、秒以内に扉が閉まらないとき、扉が閉まるまで警告音を鳴動し続ける。」
→ 扉が開いた後にを計時し、が満了すると警告音を鳴らすという挙動が要求されています。
またタイマの性質として問題文は「タイマが満了する前にタイマ取消しを行うと、タイマ満了イベントは通知されない」と明記しています。これにより「閉扉が来ればタイマを取消して警告や施錠のトリガーを回避する」ことが明らかです。 - 「サーバからの応答が開錠許可なら、許可音を発生して開錠する。開錠してから秒以内に扉が開かないときは施錠する。」
-
図3のフローと照合します。図3を順に追うと次のようになります。
- 「許可音を発生する」→ [d] → 「開錠する」→ 「イベント待ち」。
この「イベント待ち」は「開扉イベント」か「タイマ満了イベント」のどちらかを待ちます。図3で「タイマ満了イベント」側は直ちに「①施錠する」に分岐しているため、ここでのタイマは問題文で言うに対応します。逆に「開扉イベント」が来た場合は図3に「タイマ取り消し」があり、これはの取り消しであると理解できます(すなわち開扉があればは不要になる)。 - 開扉イベント側を進むと「タイマ取り消し」→ [e] → 「②施錠する」→ 再び「イベント待ち」。ここで [e] は開扉後の処理に続くので、開扉後にを設定する処理に相当すると考えられます。開扉直後に「②施錠する」があるのは、問題文の「扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる」という記述と整合します(つまり開いた状態のまま施錠動作を行い、閉まった時点で完全に施錠される)。
- その後の「イベント待ち」は図3でさらに分岐し、[f] の分岐は「タイマ取り消し」へ、[g] の分岐は「警告音を鳴動する」へつながります。ここで問題文の「扉が開いてから、秒以内に扉が閉まらないとき、扉が閉まるまで警告音を鳴動し続ける。」と照らし合わせると、扉が閉まればタイマを取り消す(= [f] は 閉扉)、が満了すれば警告音を鳴らす(= [g] は タイマ満了)であることが確定します。
- 「許可音を発生する」→ [d] → 「開錠する」→ 「イベント待ち」。
-
以上より、図3の空欄には次が入ります。
- f:閉扉
- g:タイマ満了
補足整理:図3の「タイマ取り消し」は最初の待ち(開錠→開扉を待つ箇所)ではの取消し、開扉後の待ちではの取消しをそれぞれ意味します。これを踏まえるとフロー全体が問題文の動作要件と整合します。
誤りやすいポイント
-
t1とt2を混同する
→ 「開錠してから扉が開くまで」を監視するのが 、開いた後に閉まるまでを監視するのが です。どちらのタイマを取消すかはイベント発生箇所によって異なります(開扉で を取消し、閉扉で を取消す)。 -
図3中の「施錠する」がどのタイミングの施錠かを取り違える
→ 図3には「①施錠する」と「②施錠する」があり、①は の満了時(開く前に再施錠)、②は開扉後に実行される(開いた状態で施錠して、閉まったときに完全に施錠される)という違いがあります。 -
「警告音を鳴動する」を「開扉のときに鳴る」と誤解する
→ 警告音は「扉が開いてから秒以内に閉まらないとき」に鳴るという条件です。したがって警告音開始のトリガは閉まらない状態のタイマ満了です。 -
「タイマ取り消し」を見て「常に閉扉イベントで行われる」と断定する誤り
→ 図3では開扉イベントでも最初のタイマ()の取消しが行われています。どのタイマを取消すかは位置によって異なります。
FAQ
Q: 図3の「タイマ取り消し」はどのタイマを指しますか?
A: 図3には二つのタイミングで「タイマ取り消し」が出てきます。開錠後に発生する「タイマ取り消し」は開錠時に設定した の取消しであり、開扉後の待ちでの「タイマ取り消し」は開扉時に設定した の取消しです。
A: 図3には二つのタイミングで「タイマ取り消し」が出てきます。開錠後に発生する「タイマ取り消し」は開錠時に設定した の取消しであり、開扉後の待ちでの「タイマ取り消し」は開扉時に設定した の取消しです。
Q: なぜ開扉直後に「②施錠する」があるのですか?扉が開いているのに施錠して問題ないのですか?
A: 問題文に「扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる」と明記されています。つまりシステムは開いた状態で施錠指示を出し、ドアが閉まると完全に施錠される運用を想定しています。これが図3の「②施錠する」に対応します。
A: 問題文に「扉を開けたまま施錠することができ、このときには扉が閉まると扉を開けることができなくなる」と明記されています。つまりシステムは開いた状態で施錠指示を出し、ドアが閉まると完全に施錠される運用を想定しています。これが図3の「②施錠する」に対応します。
Q: タイマ満了と開閉センサのイベントがほぼ同時に発生した場合はどう扱いますか?
A: 図3や本文ではイベントの同時発生時の優先順位は明示されていません。試験問題では図3の分岐ラベルと本文ルールを使って論理的に対応を判断することが目的です。実システムではイベントの優先度や排他制御を設計で明確にする必要があります。
A: 図3や本文ではイベントの同時発生時の優先順位は明示されていません。試験問題では図3の分岐ラベルと本文ルールを使って論理的に対応を判断することが目的です。実システムではイベントの優先度や排他制御を設計で明確にする必要があります。
関連キーワード: イベント駆動、タイマ処理、状態遷移、センサイベント、同期処理
設問3:
問題文を見る〔不具合の発生〕について、不具合が発生する条件を35字以内で述べよ。
模範解答
“①施錠する”処理中に扉を開き、そのまま秒経過したとき。
解説
解答の論理構成
-
図3のフローで タイマが満了すると、分岐「タイマ満了イベント」から “①施錠する” へ進みます。
引用:【問題文】「タイマ満了イベント → 四角形『①施錠する』」
ここで は扉を開けずに経過したときに発生する条件です。 -
“①施錠する” では、 引用:【問題文】「その通知から実際に電子錠が開錠/施錠するのに1秒掛かり、その間、次の処理は行わない。」
とあるように、1秒間MPUはイベント処理を停止します。 -
この1秒の間に人がレバーを回せば扉はまだ開けられます(電子錠が完全に施錠されていないため)。すると開扉イベントはキューに入り得ますが、処理は復帰後すぐに終了へ進むため無視されます。
引用:【問題文】「不具合…図3の①施錠するを処理した後に発生した。」 -
終了してしまうと 用のタイマが設定されておらず、以後の分岐
引用:【問題文】「ひし形『通知』 ─── ラベル『g』→ 四角形『警告音を鳴動する』」
に入る機会がありません。 -
以上より、 “①施錠する” の最中に扉を開き、そのまま が経過すると警告音を鳴らせず不具合となる、という結論に至ります。
誤りやすいポイント
- と の役割を取り違え、 が先に設定されると誤解する。
- “①施錠する” 後もフローがループすると想定し、終了する仕様を見落とす。
- 1秒間「次の処理は行わない」という記述を読み飛ばし、開扉イベントがすぐ処理されると思い込む。
FAQ
Q: “②施錠する” では同じ不具合は起きませんか?
A: “②施錠する” へ入る前に e で タイマが設定されるため、扉が開いたままなら警告音ルートへ進めます。
A: “②施錠する” へ入る前に e で タイマが設定されるため、扉が開いたままなら警告音ルートへ進めます。
Q: 開扉イベントがキューに残っていても警告音が鳴らないのはなぜ?
A: “①施錠する” 後にフローが終了するので、開扉イベントを受け取る待機処理に戻らないためです。
A: “①施錠する” 後にフローが終了するので、開扉イベントを受け取る待機処理に戻らないためです。
Q: タイマをキャンセルせずに再利用する実装なら解決しますか?
A: 用タイマを 用に流用しても、タイマ値が異なり要件を満たせないため、別途 を設定する必要があります。
A: 用タイマを 用に流用しても、タイマ値が異なり要件を満たせないため、別途 を設定する必要があります。
関連キーワード: タイマ割り込み、状態遷移、イベント駆動、フローチャート




