応用情報技術者 2018年 春期 午後 問02
事業戦略の策定に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。
G社は、郊外及び駅前に、加工食品・生鮮食品を主体としたスーパーマーケットチェーンを展開している、中規模の企業である。これまでのターゲット顧客は、郊外の住宅地にある中規模な店舗の場合は、近隣に居住している主婦であり、住宅地と商業地とが混在した地域にある駅前の小規模な店舗の場合は、住宅地の主婦と通勤者である。
G社は、近年、売上高、利益率とも伸び悩んできたことから、昨年、既存の店舗(以下、実店舗という)の周囲5 km圏内に居住する共働き者・単身者をターゲット顧客として取り込もうと、インターネット店舗(以下、ネット店舗という)での販売を開始した。ネット店舗では、実店舗で扱っている商品を対象に、受注は受付センターで行い、梱包と配送の手配は、実店舗で行っている。
今年度、G社の経営企画部では、売上高、利益率を増加するために、実店舗とネット店舗の活性化を柱とする、新たな中期事業戦略を策定することになった。そこで、経営企画部のH部長は、I課長に対して、G社の内部環境と外部環境を整理した上で、中期事業戦略案を作成するよう指示した。
〔内部環境と外部環境の整理〕
I課長は、内部環境と外部環境を調査し、次のとおり整理した。
(1) 内部環境
(i) 実店舗の状況
・営業時間は、8時から19時までである。
・価格が安く、価格以外にはこだわりがない顧客向けの食品(以下、低付加価値食品という)の販売が主体であり、店舗の規模を考慮した品ぞろえとなっている。
・価格が高くても購入してもらえる、品質にこだわりがある顧客向けの食品
(以下、高付加価値食品という)は、少量の販売とはいえ、顧客には好評である。
・丁寧な接客と、商品が見つけやすく明るい雰囲気を特徴とする店舗が、スーパーマーケットチェーンのブランドとして定着してきた。
・会員制度を運営しており、実店舗で会員登録した顧客には、実店舗用の顧客IDの入ったポイントカードを発行して、商品購入時に所定のポイントを付与している。
(ii) ネット店舗の状況
・販売は、少量にとどまっている。
・ネット店舗利用のため、インターネットで会員登録した顧客には、ネット店舗用の顧客IDを割り振り、商品購入時に所定のポイントを付与している。
(iii) 購入者及びポイント利用の状況
・郊外の実店舗では、近隣に居住する主婦への売上が80%を占めている。
・駅前の実店舗では、住宅地の主婦への売上が40%、通勤者への売上が40%を占めている。
・ネット店舗では、共働き者への売上が60%、単身者への売上が20%を占めている。
・実店舗とネット店舗のポイントを相互に利用することはできない。
(iv) 社内の情報システムの状況
・顧客情報は、実店舗とネット店舗での共有は行わず、個々の顧客を管理システムで、それぞれの顧客IDを用いて管理し、購入額を集計している。
(2) 外部環境
(i) スーパーマーケット市場の状況
・実店舗のスーパーマーケットの市場規模は、インターネット通販の台頭などの影響で縮小傾向にある。
・スーパーマーケット業界では、価格競争が激化している。
(ii) 顧客の購入状況
・主婦では、安全性が高い自然食品などの高付加価値食品が人気となっている。
・通勤者では、価格の高さにもかかわらず、海外から仕入れたブランド物の酒類などの高付加価値食品の人気が高まっている。
・仕事帰りの遅い時間帯に、有付加価値食品が購入される傾向が強く見られる。
・ブランド物の酒類に合う高級なおつまみ類にこだわる顧客が増えている。
・“高価格だが、それに見合うおいしさ”などといった友人・知人の口コミから判断して食品を購入し、その感想を自分の友人・知人に知らせることによって、人気となる食品が増えている。
〔中期事業戦略の策定〕
I課長は、中期事業戦略案を策定するために、クロス SWOT 分析による戦略オプションを表1のように策定した。

I課長は、戦略オプションに基づいて、中期事業戦略案を次のように作成して、H 部長に説明した。
・実店舗、ネット店舗の特性に応じて、a の品ぞろえを充実する。
・店舗での販売機会を拡大する。
・情報システムを改善して、コスト低減とマーケティング強化を図る。
・店舗の心地良い環境を更に整えることによって、b を強化する。
・ソーシャルメディアを活用して、口コミの拡大を進める。
その後、I 課長が提案した中期事業戦略案は経営層の承認が得られ、I 課長は、中期事業戦略に基づいて、ターゲットとする顧客の見直しとポジショニングの設定を行い、事業施策案の作成を進めた。
〔ターゲットとする顧客の見直しとポジショニングの設定〕
I課長は、事業施策案の作成に当たり、店舗の地域特性と規模に応じて、ターゲットとする顧客を見直すことにした。郊外の実店舗とネット店舗では、ターゲットとする顧客をこれまでどおりとし、駅前の実店舗は小規模なので、今後注力すべきターゲット顧客を明確にして、ポジショニングを設定することにした。
(1) 注力すべきターゲット顧客の明確化
駅前の実店舗では、高付加価値食品の購入が多い通勤者を、注力すべきターゲットとする。
(2) ポジショニングの設定
I課長は、注力すべきターゲットに基づき、食品の付加価値と食品の価格を二つの軸として駅前の実店舗のポジショニングマップ案を作成し、H 部長に説明した。H 部長からは、このポジショニングマップで顧客の c を表現することはできるが、二つの軸は d ので、食品の付加価値と駅前の実店舗の閉店時刻を軸にして、ポジショニングマップを修正するようにアドバイスを受けた。そこで、I 課長は、駅前の実店舗のポジショニングマップを図1のとおり作成し、H 部長の了解を得た。

〔事業施策の策定〕
ターゲットとする顧客と実店舗のポジショニングが明確となったので、I 課長は引き続き、事業施策案を作成した。事業施策案の抜粋は、次のとおりである。
(1) 商品に関する施策
・郊外の実店舗では、低付加価値食品の品ぞろえを主体としながら、自然食品を使った手作りの総菜を充実させる。
・駅前の実店舗では、①顧客がプラント物の酒類を購入する際に、範囲の経済性の効果をもたらすように、一品ぞろえを充実させる。
(2) 各店舗での販売チャネルに関する施策
・実店舗では、来店した顧客に食品の新たな調理方法や効能を丁寧に説明する。
・駅前の実店舗では、閉店時刻を19時から23時に変更する。
・ネット店舗では、料理のレシピ集を掲載する。
(3) 情報システムに関する施策
・実店舗とネット店舗の両店舗を利用し、会員登録している顧客については、本人の承諾が得られた場合、②両店舗での総購入額に応じたボーナスポイントをプレゼントし、両店舗でのポイントの合算、利用を可能とする。
(4) プロモーション施策
・実店舗での購買行動のモデルである AIDMA に加えて、ネット店舗ではインターネットを活用した新しい購買行動モデルを反映する。具体的には、顧客がソーシャルメディアなどの口コミ情報を e して商品を購入し、使用後の感想などを f することによって、消費行動の迅速な拡大につながる。
I課長は、これらの事業施策案について H 部長に説明して、承認を得た後、事業施策の評価基準及びアクションプランを策定することにした。
設問1:
〔中期事業戦略の策定〕について、表1中及び本文中のaに入れる適切な字句を10字以内で、bに入れる適切な字句を25字以内でそれぞれ答えよ。
模範解答
a:高付加価値食品
b:スーパーマーケットチェーンのブランド
解説
解答の論理構成
-
“強み(S)” に当たる自社の特長を把握
【問題文】には、実店舗の強みとして
「“価格が高くても購入してもらえる、品質にこだわりがある顧客向けの食品(以下、高付加価値食品という)は、少量の販売とはいえ、顧客には好評である。」
と明記されています。したがって、G社が活かすべき代表的な強みは “高付加価値食品” です。 -
クロスSWOT表の該当マスを確認
表1の “[積極的な推進戦略]” (S×O) には
「・aの品ぞろえを充実して、売上を増やす。」
とあります。機会(O)には外部環境で “高付加価値食品” の需要増が複数箇所で示されており (例: 「主婦では、安全性が高い自然食品などの高付加価値食品が人気」)、自社の強み(S)とも一致します。
よって [a] は “高付加価値食品” となります。 -
[b] が示す強化対象を特定
同じく “[差別化戦略]” (S×T) には
「商品購入時の心地良い環境を更に整えることによって、bを強化する。」
と記載されています。強み(S)に相当するキーワードは、内部環境で
「丁寧な接客と、商品が見つけやすく明るい雰囲気を特徴とする店舗が、スーパーマーケットチェーンのブランドとして定着してきた。」
と書かれており、心地良い環境を整える目的はまさにブランド価値向上です。
したがって [b] には “スーパーマーケットチェーンのブランド” が入ります。 -
以上より解答
a:高付加価値食品
b:スーパーマーケットチェーンのブランド
誤りやすいポイント
- [a] を “低付加価値食品” と誤答する
→ 内部環境では “低付加価値食品の販売が主体” と書かれていますが、強みではなく “現状” を示す文脈です。 - [b] を “店舗イメージ”“顧客満足度” などと置き換える
→ 問題文は固有表現「スーパーマーケットチェーンのブランド」を明示しており、表現を変えると失点になります。 - SWOT のマスを取り違える
→ S×O (積極的な推進) と S×T (差別化) を混同すると、それぞれに対応する語句も逆転しやすく注意が必要です。
FAQ
Q: 「高付加価値食品」は具体的にどのような食品を指すのですか?
A: 【問題文】では「自然食品」「海外から仕入れたブランド物の酒類」「それに合う高級なおつまみ類」など、価格が高くても品質・こだわりで選ばれる食品を例示しています。
A: 【問題文】では「自然食品」「海外から仕入れたブランド物の酒類」「それに合う高級なおつまみ類」など、価格が高くても品質・こだわりで選ばれる食品を例示しています。
Q: “ブランド強化” と “イメージ向上” は同じ意味では?
A: 一般論では近い概念ですが、本問は【問題文】に「スーパーマーケットチェーンのブランドとして定着」という表現があり、それをそのまま用いる必要があります。
A: 一般論では近い概念ですが、本問は【問題文】に「スーパーマーケットチェーンのブランドとして定着」という表現があり、それをそのまま用いる必要があります。
Q: SWOT分析ではどの視点から語句を選べば良いのですか?
A: 各マスは「内部×外部」の掛け合わせです。S×Oなら “自社の強み” と “外部の機会” の両方に当てはまる語句を探すと選定が楽になります。
A: 各マスは「内部×外部」の掛け合わせです。S×Oなら “自社の強み” と “外部の機会” の両方に当てはまる語句を探すと選定が楽になります。
関連キーワード: SWOT分析, ポジショニング, ブランド戦略, 付加価値, 差別化
設問2:〔ターゲットとする顧客の見直しとポジショニングの設定〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中のcに入れる適切な字句を5字以内で、dに入れる適切な字句を10字以内でそれぞれ答えよ。
模範解答
c:ニーズ
d:強い相関がある
解説
解答の論理構成
- 文脈の把握
経営企画部の I 課長が作成したポジショニングマップに対し、H 部長が
“このポジショニングマップで顧客の c を表現することはできるが、二つの軸は d ので…”
と指摘しています。 - c の導出
・ポジショニングマップが顧客の何を表すかを考えると、一般にマップ上の位置は顧客が求める価値=“ニーズ”を示します。
・したがって、軸の取り方自体は顧客の“ニーズ”を捉えられるという含意になるため、c は「ニーズ」となります。 - d の導出
・H 部長は“食品の付加価値”と“食品の価格”という二つの軸を問題視しています。
・通常、この二軸は「価格が高いほど付加価値も高い」というように同方向へ動きやすく、相関が強くて独立性が低いことが課題です。
・そのため“二つの軸は d”に入るのは「強い相関がある」が適切です。 - 結論
c:「ニーズ」
d:「強い相関がある」
誤りやすいポイント
- 「顧客の属性」「顧客層」などと入れると、マップが表す内容を狭く解釈し過ぎる恐れがあります。
- 「独立していない」とだけ書くと、相関の強さを具体的に示していないため減点対象となることがあります。
- “軸は逆相関”と誤答する例も散見されますが、価格と付加価値は概ね同方向に動くのが前提です。
FAQ
Q: ポジショニングマップの二軸は必ず独立させなければならないのですか?
A: 完全な独立が理想ですが、実務では独立度が高い組合せを選び、顧客に分かりやすい違いを示すことが重要です。相関が強いと差別化ポイントがぼやけます。
A: 完全な独立が理想ですが、実務では独立度が高い組合せを選び、顧客に分かりやすい違いを示すことが重要です。相関が強いと差別化ポイントがぼやけます。
Q: 「ニーズ」と「ウォンツ」はどう区別すればよいですか?
A: ニーズは「必要性」、ウォンツは「欲求」と説明されますが、本問では顧客がどのような価値を求めるかを総称しているため、より包括的な「ニーズ」が適切です。
A: ニーズは「必要性」、ウォンツは「欲求」と説明されますが、本問では顧客がどのような価値を求めるかを総称しているため、より包括的な「ニーズ」が適切です。
Q: 軸の修正で“閉店時刻”を採用した理由は何ですか?
A: 通勤者というターゲットの生活リズムに合わせ、遅い時間でも買い物できる利便性を示すためです。付加価値と独立した軸であり、店舗の特徴を差別化しやすくなります。
A: 通勤者というターゲットの生活リズムに合わせ、遅い時間でも買い物できる利便性を示すためです。付加価値と独立した軸であり、店舗の特徴を差別化しやすくなります。
関連キーワード: ポジショニング, SWOT分析, STP分析, 相関, 付加価値
設問2:〔ターゲットとする顧客の見直しとポジショニングの設定〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)駅前の実店舗について、ターゲットとする顧客の見直し前と見直し後のポジショニングとして、図1中の記号の適切な組合せを解答群中から選び、記号で答えよ。ここで、“(見直し前のポジショニング)→(見直し後のポジショニング)”と表記するものとする。
解答群
ア:(あ) → (い)
イ:(い) → (え)
ウ:(う) → (あ)
エ:(う) → (い)
オ:(え ) →(あ)
カ:(え) → (う)
模範解答
エ
解説
解答の論理構成
-
軸の確認
問題文に「食品の付加価値と駅前の実店舗の閉店時刻を軸にして、ポジショニングマップを修正する」とあります。したがって、縦軸は“食品の付加価値(高⇔低)”、横軸は“駅前の実店舗の閉店時刻(遅⇔早)”です。 -
見直し前のポジショニング
内部環境では「営業時間は、8時から19時までである。」かつ「価格が安く、価格以外にはこだわりがない顧客向けの食品(以下、低付加価値食品という)の販売が主体」と示されています。
・閉店時刻 19 時は“早い”側
・品ぞろえは“低付加価値”側
したがって、見直し前は〈低付加価値×閉店時刻早い〉に該当し、図中では (う) になります。 -
見直し後のポジショニング
施策では「駅前の実店舗では、高付加価値食品の購入が多い通勤者を、注力すべきターゲットとする。」および「駅前の実店舗では、閉店時刻を19時から23時に変更する。」と記載されています。
・閉店時刻 23 時は“遅い”側
・ターゲットの変更により“高付加価値”側へ
よって、見直し後は〈高付加価値×閉店時刻遅い〉に位置し、図中では (い) となります。 -
結論
(見直し前のポジショニング) → (見直し後のポジショニング)
は (う) → (い) であり、解答群「エ」を選択します。
誤りやすいポイント
- 閉店時刻 19 時を“遅い”と誤認し、(あ) や (え) に置いてしまう。
- 「高付加価値食品は少量でも好評」という記述だけで、見直し前から“高付加価値”と判断してしまう。
- 郊外店舗と駅前店舗の施策を混同し、ターゲット変更後の軸を取り違える。
FAQ
Q: 19 時閉店は本当に“早い”に分類されるのですか?
A: 問題文で 23 時への変更を“閉店時刻を…変更する”と明確に示しているため、19 時は現状より早い側に位置づけるのが正解となります。
A: 問題文で 23 時への変更を“閉店時刻を…変更する”と明確に示しているため、19 時は現状より早い側に位置づけるのが正解となります。
Q: 「高付加価値食品の購入が多い通勤者」をターゲットにしただけで、即座に品ぞろえが高付加価値になると考えて良いのですか?
A: はい。ターゲット顧客に合わせて品ぞろえを変えることが事業施策に含まれているため、ポジションも“高付加価値”側へ移動すると読み取ります。
A: はい。ターゲット顧客に合わせて品ぞろえを変えることが事業施策に含まれているため、ポジションも“高付加価値”側へ移動すると読み取ります。
Q: 図中の (あ)(い)(う)(え) の具体的な座標値は覚える必要がありますか?
A: 座標値ではなく、軸の方向(高⇔低、遅⇔早)と店舗の特徴を対応させて論理的に位置を決定できれば十分です。
A: 座標値ではなく、軸の方向(高⇔低、遅⇔早)と店舗の特徴を対応させて論理的に位置を決定できれば十分です。
関連キーワード: SWOT分析, ポジショニングマップ, ターゲティング, 付加価値, 顧客セグメント
設問3:〔事業施策の策定〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)本文中の下線①について、品ぞろえを充実させる方法を25字以内で述べよ。
模範解答
高級なおつまみ類の品ぞろえを増やす。
解説
解答の論理構成
- 事業施策案の下線①は
「顧客がブランド物の酒類を購入する際に、範囲の経済性の効果をもたらすように、一品ぞろえを充実させる」
との記述です。 - ここで注目すべき外部環境の記述は
「ブランド物の酒類に合う高級なおつまみ類にこだわる顧客が増えている」
という点です。 - 範囲の経済性とは「関連商品をまとめて購入してもらうことで販売効率を高める」考え方です。ブランド物の酒類と“関連商品”になるのは、同じシーンで消費される「高級なおつまみ類」です。
- したがって、下線①の“品ぞろえを充実させる方法”は、顧客が酒類と一緒に購入したい「高級なおつまみ類」を増やすことが最も合理的です。
- 以上より解答は「高級なおつまみ類の品ぞろえを増やす。」となります。
誤りやすいポイント
- 「高付加価値食品全般を増やす」とすると、酒類と直接結び付かない商品まで含めてしまい、範囲の経済性の狙いを外します。
- 「低価格なおつまみ」と書くと、外部環境の“高級”“こだわる”というキーワードと矛盾します。
- 範囲の経済性=“同一商品のまとめ買い”と誤解し、酒類そのもののラインアップを増やすと答えてしまうケースがあります。
FAQ
Q: 範囲の経済性と規模の経済性はどう違いますか?
A: 規模の経済性は同一商品の大量生産・大量販売によるコスト削減、範囲の経済性は関連商品の同時提供によるコストや売上の効率化を指します。本問は後者です。
A: 規模の経済性は同一商品の大量生産・大量販売によるコスト削減、範囲の経済性は関連商品の同時提供によるコストや売上の効率化を指します。本問は後者です。
Q: そもそもおつまみ類が高付加価値食品に入るのですか?
A: 外部環境には「高級なおつまみ類にこだわる顧客が増えている」と明記されており、価格が高くても購入される“高付加価値食品”に該当します。
A: 外部環境には「高級なおつまみ類にこだわる顧客が増えている」と明記されており、価格が高くても購入される“高付加価値食品”に該当します。
Q: 品ぞろえ充実の施策で重要なのは何ですか?
A: ターゲット顧客の購買行動と関連性を持たせることです。今回は「ブランド物の酒類を買う通勤者」が中心なので、その購入シーンを補完するおつまみを強化します。
A: ターゲット顧客の購買行動と関連性を持たせることです。今回は「ブランド物の酒類を買う通勤者」が中心なので、その購入シーンを補完するおつまみを強化します。
関連キーワード: 範囲の経済性, 高付加価値食品, クロスSWOT分析, ポジショニングマップ
設問3:〔事業施策の策定〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)本文中の下線②について、情報システムの改善内容を40字以内で述べよ。
模範解答
「実店舗とネット店舗の顧客IDを統合し、顧客ごとの購入額を集計する。」
または
「顧客の属性情報によって名寄せをし、顧客ごとの購入額を集計する。」
解説
解答の論理構成
- 現状の課題
- 内部環境には「顧客情報は、実店舗とネット店舗での共有は行わず、…それぞれの顧客IDを用いて管理し、購入額を集計している。」という分断があると明記されています。
- 施策の狙い
- 情報システム施策で「両店舗での総購入額に応じたボーナスポイントをプレゼントし、両店舗でのポイントの合算、利用を可能とする。」と示され、両店舗横断の購入額把握が必須です。
- 要求されるシステム改善
- 総購入額を算出するには、実店舗IDとネット店舗IDを同一人物単位でひも付ける必要があります。
- 名寄せの方法は「顧客IDを統合」または「属性情報による名寄せ」が考えられ、いずれも個客単位の一元管理を実現します。
- したがって、解答は
- 「実店舗とネット店舗の顧客IDを統合し、顧客ごとの購入額を集計する。」
- もしくは「顧客の属性情報によって名寄せをし、顧客ごとの購入額を集計する。」
となります。
誤りやすいポイント
- 「ポイントを共通化する」だけを書き、統合・名寄せの仕組みを示さない。
- 「ID連携」と曖昧に書いてしまい、誰を単位に集計するのか明示しない。
- 既存システムの部分改修を想像して「データベースを連携」など技術寄りの表現に走り、本質(顧客単位での集計)を外す。
FAQ
Q: 単にポイント共通化では不十分なのですか?
A: 総購入額に応じた特典を出すためには、顧客単位で購入額を集計できるデータベース設計が不可欠です。ポイント共通化は結果であり、前提となるID統合が必要です。
A: 総購入額に応じた特典を出すためには、顧客単位で購入額を集計できるデータベース設計が不可欠です。ポイント共通化は結果であり、前提となるID統合が必要です。
Q: 「名寄せ」と「ID統合」はどちらを選ぶべきですか?
A: 目的は同じ(個客単位の一元管理)なので、試験解答ではどちらでも評価されます。実務では会員基盤の仕様やプライバシー要件で手段を選択します。
A: 目的は同じ(個客単位の一元管理)なので、試験解答ではどちらでも評価されます。実務では会員基盤の仕様やプライバシー要件で手段を選択します。
Q: 属性情報による名寄せとは何を指しますか?
A: 氏名・電話番号・メールアドレスなど複数の一致条件で同一人物かどうかを判定し、実店舗とネット店舗の顧客レコードを結合する手法です。
A: 氏名・電話番号・メールアドレスなど複数の一致条件で同一人物かどうかを判定し、実店舗とネット店舗の顧客レコードを結合する手法です。
関連キーワード: 名寄せ, ポイント共通化, 購買データ統合, 顧客一元管理
設問3:〔事業施策の策定〕について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)本文中のe、fに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:拡散
イ:記憶
ウ:検索
エ:行動
オ:注目
模範解答
e:ウ
f:ア
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では従来の購買行動モデルとして「AIDMA」を例示しています。AIDMAは “Attention → Interest → Desire → Memory → Action” の5段階モデルです。
- それに対し、ネット店舗の施策として取り上げられているのは「インターネットを活用した新しい購買行動モデル」です。この文脈で最も一般的なのは “AISAS” モデル(Attention → Interest → Search → Action → Share)です。
- AISAS では
・購入前に口コミなどの情報を「Search(検索)」し、
・購入後にその体験を「Share(拡散)」します。 - 【問題文】を引用すると、
「顧客がソーシャルメディアなどの口コミ情報を e して商品を購入し、使用後の感想などを f することによって…」
となっており、
・購入前の動詞は「検索」と合致
・購入後の動詞は「拡散」と合致 - 解答群より対応する記号を選ぶと、
e=ウ「検索」、f=ア「拡散」 となるため、模範解答と一致します。
誤りやすいポイント
- AIDMA の “Memory” を見て「検索ではなく記憶」と混同しやすい。ネット上では購入前に情報を探す行動(Search)が主流です。
- “Action” を購入後の動作と誤解し、「拡散」ではなく “行動” を入れてしまうケースが散見されます。AISAS では購入後の段階が “Share” です。
- “Attention” や “Interest” をキーワードとして持ち出し、設問の空欄に当てはめようとするミス。問題文にはすでに「口コミ情報を ○○ して」と具体的な動作が書かれているため、その文脈を最優先する必要があります。
FAQ
Q: AISAS 以外にもネット時代の購買行動モデルはありますか?
A: はい。SIPS(Sympathize → Identify → Participate → Share & Spread)や、AARRR(Acquisition → Activation → Retention → Referral → Revenue)など複数提唱されています。ただし本問は AISAS が最も自然に当てはまります。
A: はい。SIPS(Sympathize → Identify → Participate → Share & Spread)や、AARRR(Acquisition → Activation → Retention → Referral → Revenue)など複数提唱されています。ただし本問は AISAS が最も自然に当てはまります。
Q: “Search” と “Share” の順序は必ずこの順番ですか?
A: AISAS では購入前に “Search” し、購入後に “Share” することを前提にしています。例外的に購入前からシェアするケースもありますが、モデル上は Search → Action → Share の並びです。
A: AISAS では購入前に “Search” し、購入後に “Share” することを前提にしています。例外的に購入前からシェアするケースもありますが、モデル上は Search → Action → Share の並びです。
Q: 実店舗でも AISAS を当てはめられますか?
A: 口コミサイトやSNSで事前調査を行う来店客が増えているため、実店舗でも “Search” を経た来店が一般化しています。ただし本問ではネット店舗向け施策として強調されています。
A: 口コミサイトやSNSで事前調査を行う来店客が増えているため、実店舗でも “Search” を経た来店が一般化しています。ただし本問ではネット店舗向け施策として強調されています。
関連キーワード: AIDMA, AISAS, 口コミ, ソーシャルメディア, ポジショニング


