応用情報技術者 2019年 春期 午後 問07
家庭用浴室給湯システムに関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。
G社は、家庭用浴室給湯システム(以下、浴室給湯システムという)を開発している。浴室給湯システムは、設定された給湯温度で浴槽に給湯を行う機能と、浴室に入った人が洗い場又は浴槽で動かなくなる事象(以下、異常事象という)を監視して、異常事象が発生したらブザーで同居人に知らせる機能をもつ。浴室給湯システムは、浴室内に設置されるリモコン、浴室の出入口に設置される出入りセンサ、及び浴室外に設置される給湯器で構成される。浴室給湯システムの構成を図1に、浴室給湯システムの構成要素の概要を表1に示す。


〔出入りセンサの出力の確定方法〕
MCUは、出入りセンサの出力を1回の読出しでは確定せず、10ミリ秒周期で出力を読み出して、5回連続で同じ値が読み出せたときに確定し、その値を確定値とする。
〔リモコンの動作〕
(1) リモコンは、各ボタンによって操作を受け付け、給湯器に指示を送信する。
・運転ボタンが押されると給湯器の運転又は停止、給湯ボタンが押されると給湯、給湯温度変更ボタンが押されると給湯温度の変更というように、ボタンに応じた指示を給湯器に送信する。
(2) リモコンは、人の浴室の出入り及び異常事象を監視する。
・人感センサの出力が1であれば、人が浴室に入ったと判定する。
・人が浴室に入ったと判定した後、出入りセンサの確定値が1となった後で人感センサの出力が0となれば、人が浴室から出たと判定する。
・人が浴室に入ったと判定した後、出入りセンサの確定値が1となる前に、人感センサの出力が連続して3分以上0であれば、異常事象と判定する。
・異常事象と判定したら、いずれかのボタンが押されるまでブザーを鳴動する。
〔リモコンのソフトウェア構成〕
リモコンの組込みソフトウェアには、リアルタイムOSを使用する。異常事象の監視に関係する主なタスクの一覧を表2に示す。

設問1:浴室給湯システムの仕様について、(1)、(2)に答えよ。
問題文を見る(1)次の記述中のa〜cに入れる適切な字句を答えよ。
浴室給湯システムは、aセンサとbセンサを併用して異常事象を監視している。これは、aセンサだけでは、aセンサの出力が1の状態から連続して0となった場合において、人がcときの事象か、異常事象が発生したときの事象かを判別できないからである。
模範解答
a:人感
b:出入り
c:浴室から出た
解説
解答の導き方
結論:a:人感、 b:出入り、 c:浴室から出た
以下、問題文の記述を順に追って、なぜその解答になるかを示します。
-
a(どのセンサか)の特定
問題文の構成要素に「人感センサ」があり、説明に「人感センサは、人の動きを検出したときは1を、検出しなかったときは0を、1秒ごとに出力する。」とあります。ここから、文中の「aセンサ」は「人感センサ」を指すため、a に入る語は「人感」であると分かります。 -
b(もう一つのセンサ)の特定
同様に構成要素に「出入りセンサ」があり、説明に「出入りセンサは、人が浴室の出入口を横切っていることを検出している間は1を、それ以外の間は0を出力する。」とあります。したがって b に入る語は「出入り」です。 -
c(なぜ併用するか=区別したい事象)の説明
問題文には次のような判定ルールが書かれています。- 「人が浴室に入ったと判定した後、出入りセンサの確定値が1となった後で人感センサの出力が0となれば、人が浴室から出たと判定する。」
- 「人が浴室に入ったと判定した後、出入りセンサの確定値が1となる前に、人感センサの出力が連続して3分以上0であれば、異常事象と判定する。」
これらを合わせると、同じ「人感センサの出力が1から連続して0になった」という現象でも、「出入りセンサが先に確定してから人感が0になった」場合は「浴室から出た」と判定し、「出入りセンサが確定する前に人感が3分以上0のまま」なら「異常事象」と判定するという区別が行われます。したがって、空欄 c に入る語は「浴室から出た」です。
以上から、空欄の解答はa:人感、 b:出入り、 c:浴室から出た です。
誤りやすいポイント
-
人感センサだけで退室と異常を区別できると誤解する
問題文では「人感センサの出力が1の状態から連続して0となった場合」に関する処理が、出入りセンサの確定値の有無や「連続して3分以上0」の判定と組み合わせて決められています。単純に人感センサが0になっただけで退室と結論づけるのは誤りです。 -
出入りセンサは入退の方向を識別できない点を見落とす
出入りセンサの説明に「人が浴室に入ったのか、浴室から出たのかは判別できない」と明記されています。方向判別は、出入りセンサの出力と人感センサの時系列(どちらが先に変化したか)で判断している点を押さえてください。 -
出入りセンサの短いパルス(チャタリング)をそのまま確定値と誤解する
MCUは出入りセンサを「10ミリ秒周期で読み出して、5回連続で同じ値が読み出せたときに確定し、その値を確定値とする」としています。短周期の0⇄1パルスは確定されないことがあるため、サンプリングと確定ルールを意識してください。 -
サンプリング周期の違いを混同しない
人検出タスクは500ミリ秒周期で人感センサを読み出し「検出/未検出」を通知します。出入り検出タスクは10ミリ秒周期で出入りセンサを読み出して確定します。周期の差が判定タイミングに影響する点を押さえておく必要があります。
FAQ
Q: 出入りセンサが1になったらすぐに「浴室から出た」と判断して良いですか?
A: いいえ。出入りセンサ自体は「横切っている間は1」を出すだけで「入った/出た」は判別できません。問題文の判定ルールでは、出入りセンサの確定値が1になった「後で」人感センサが0になった場合に「浴室から出た」と判定します。順序(どちらが先か)が重要です。
A: いいえ。出入りセンサ自体は「横切っている間は1」を出すだけで「入った/出た」は判別できません。問題文の判定ルールでは、出入りセンサの確定値が1になった「後で」人感センサが0になった場合に「浴室から出た」と判定します。順序(どちらが先か)が重要です。
Q: 人感センサが短時間だけ0になった場合、異常判定になりますか?
A: いいえ。異常判定は「人が浴室に入ったと判定した後、出入りセンサの確定値が1となる前に、人感センサの出力が連続して3分以上0であれば」とされています。短時間の0ではこの条件を満たさないため、直ちに異常とは判定されません。
A: いいえ。異常判定は「人が浴室に入ったと判定した後、出入りセンサの確定値が1となる前に、人感センサの出力が連続して3分以上0であれば」とされています。短時間の0ではこの条件を満たさないため、直ちに異常とは判定されません。
Q: 出入りセンサのノイズ(短い0⇄1の繰り返し)はどう扱われますか?
A: MCUが「10ミリ秒周期で出力を読み出して、5回連続で同じ値が読み出せたときに確定する」と明記されています。短いノイズは5回連続にならない限り確定値とはならず、誤通知を低減する仕組みになっています。
A: MCUが「10ミリ秒周期で出力を読み出して、5回連続で同じ値が読み出せたときに確定する」と明記されています。短いノイズは5回連続にならない限り確定値とはならず、誤通知を低減する仕組みになっています。
関連キーワード: 人感センサ、出入りセンサ、デバウンス、ステートマシン、リアルタイムOS
設問1:浴室給湯システムの仕様について、(1)、(2)に答えよ。
問題文を見る(2)リモコンが給湯器に指示を一つ送信するとき、シリアルI/Fにおける通信時間は何ミリ秒か。答えは小数第2位を切り上げて、小数第1位まで求めよ。
ここで、1バイトのデータは10ビットで送信され、ソフトウェアの動作時間は考慮しなくてよいものとする。
模範解答
3.2
解説
解答の論理構成
-
データ長の把握
【問題文】には「リモコンからの各指示のデータ長は、いずれも 3バイトの固定長 である。」と記載されています。
さらに設問文に「1バイトのデータは10ビットで送信」と明示されています。
よって送信すべきビット数は
です。 -
伝送速度の確認
表1より「シリアルI/Fの通信速度は、9,600ビット/秒である。」と示されています。 -
送信時間の算出
時間(秒)は「ビット数 ÷ ビット/秒」で求められます。 -
単位変換
秒 → ミリ秒: -
指定の丸め処理
設問は「小数第2位を切り上げて、小数第1位まで」と指示しています。
3.125 msの小数第2位は2(=0.02 msの位)なので切り上げると3.2 msになります。 -
結論
よって通信時間は 3.2 ms です。
誤りやすいポイント
- 「1バイト=8ビット」と思い込み、パリティ・スタート/ストップビットを計算に入れ忘れる。
- 秒からミリ秒への換算を失念して0.003 sのまま回答してしまう。
- 切り上げではなく四捨五入・切り捨てで3.1 msや3.12 msと書いてしまう。
- ビット/秒をバイト/秒と誤って読み取り、9600を1200などに変換するミス。
FAQ
Q: 「10ビット/バイト」とはどのビットを指しますか?
A: 一般的な非同期シリアル通信で用いられるスタートビット1、データビット8、ストップビット1の合計10ビットを示しています。
A: 一般的な非同期シリアル通信で用いられるスタートビット1、データビット8、ストップビット1の合計10ビットを示しています。
Q: 9600ビット/秒をキロビット毎秒にして計算しても良いですか?
A: はい、9.6 kbpsと置き換えても結果は同じですが、単位換算で誤りが出ないよう注意してください。
A: はい、9.6 kbpsと置き換えても結果は同じですが、単位換算で誤りが出ないよう注意してください。
Q: 小数の切り上げは「3.13 ms → 3.2 ms」のようにどの桁を見ますか?
A: 小数第2位(0.01 msの位)を見て0でなければ第1位を1つ大きくします。3.125 msは第2位が2なので3.2 msとなります。
A: 小数第2位(0.01 msの位)を見て0でなければ第1位を1つ大きくします。3.125 msは第2位が2なので3.2 msとなります。
関連キーワード: ボーレート, 非同期シリアル通信, データ長計算, 切り上げ処理, 伝送時間
設問2:出入りセンサの出力と、出入り検出タスクの動作タイミングの例を図2に示す。図2について、(1)、(2)に答えよ。

問題文を見る(1)出入り検出タスクが、“出入り”を通知するタイミングを、(ア)〜(テ)の記号で答えよ。
模範解答
(ク)
解説
解答の導き方
まず問題文の条件から何を満たせば「出入り」を通知するかを明確にします。問題文に「MCUは、出入りセンサの出力を1回の読出しでは確定せず、10ミリ秒周期で出力を読み出して、5回連続で同じ値が読み出せたときに確定し、その値を確定値とする。」とあり、また出入り検出タスクの説明には「10ミリ秒周期で出入りセンサの出力を読み出す。」「確定値が1となったら、“出入り”を監視タスクに通知する。」とあります。したがって、
- 出入り検出タスクは10ミリ秒ごとに値を読み取り、
- 同じ値が5回連続で読めたときにその値を確定値とする(確定は5回目の読取り時に成立する)、
- 確定値が1になった瞬間に“出入り”を通知する、
という動作になります。
次に図2を読み、各周期(破線で示された読取り時点)での読み取り値を順に追います。図の注記で「出入り検出タスクは、(ア)のタイミングで出力を0として確定している。」とあるので、(ア)時点で確定値は0です。図2の実線(出入りセンサ出力)に従って、破線の各時点での読取り値と、「連続して1が何回続いているか」を数えます。図から読み取れる主要点は次のとおりです。
- (ア)時点:確定値は0(注記より)。
- (ア)直後〜(ウ)付近:1⇄0の短いパルスが続くため破線の読取り値は1/0が混在し、5回連続にはならない。したがって連続カウントはリセットされる。
- (ウ)の少し右側(図上の(エ)以降)では1が連続する区間が始まっている(図の実線の形状と「(ア)直後から(ウ)付近まで…」の記述から判断)。そのため破線で示された読取り時点のうち(エ)、(オ)、(カ)、(キ)、(ク)はそれぞれ読取り値が1になります。
この読み取り値に基づいて連続回数を数えると、
- (エ):読取り = 1 → 連続1回
- (オ):読取り = 1 → 連続2回
- (カ):読取り = 1 → 連続3回
- (キ):読取り = 1 → 連続4回
- (ク):読取り = 1 → 連続5回 → ここで「5回連続で同じ値が読み出せたときに確定」するので確定値が1となる
確定値が1になった時点で出入り検出タスクは「確定値が1となったら、“出入り”を監視タスクに通知する。」の規定に従い“出入り”を通知します。したがって通知が行われるタイミングは(ク)です。
結論:(ク)
誤りやすいポイント
- オフ・バイ・ワン(読み取り回数の数え間違い)
- 「5回連続」の5回目をどの破線に対応させるかで誤りやすいです。最初の“1”がどの破線で始まっているかを図の実線で確認してから数え始めてください。
- 「読取り時刻」と「信号変化時刻」の相対関係の取り違え
- 信号が変化した“直後”か“直前”かで、当該破線での読み取り値が0か1かが変わります。図の説明(例えば「(オ)直後に1となり、(カ)直前まで連続して1を維持」など)を正確に解釈することが重要です。
- 図中で破線が省略されている箇所への誤解
- 「(ケ)~(コ)区間は実線が常に1、時間経過は波線で省略している」とあるため、省略された破線があることを意識せずにラベル間を直接5回分と誤認するミスがあります。必ず図上の破線の有無と説明文を両方確認してください。
FAQ
Q: 5回連続の判定は「5回目の読取り直後」に確定するのですか?
A: はい。問題文の「5回連続で同じ値が読み出せたときに確定し、その値を確定値とする。」の意味は、5回目の読取りが行われたその瞬間に確定が成立するため、通知もそのタイミングで行います。
A: はい。問題文の「5回連続で同じ値が読み出せたときに確定し、その値を確定値とする。」の意味は、5回目の読取りが行われたその瞬間に確定が成立するため、通知もそのタイミングで行います。
Q: 図の短いパルス(チャタリング)が読取りタイミングに重なるとどう扱いますか?
A: 出入り検出タスクはチャタリング対策として「5回連続」という判定を用いています。破線の読取り時点で得られた値をそのまま順に評価し、5回連続になれば確定します。したがってパルスが読取り時刻に重なるかどうかは、図上の実線の値と破線の位置で判定してください。
A: 出入り検出タスクはチャタリング対策として「5回連続」という判定を用いています。破線の読取り時点で得られた値をそのまま順に評価し、5回連続になれば確定します。したがってパルスが読取り時刻に重なるかどうかは、図上の実線の値と破線の位置で判定してください。
Q: 一度“出入り”を通知した後、すぐに再度通知されることはありますか?
A: 出入り検出タスクの説明に「一度“出入り”を通知したら、次に“出入り”を通知するのは、確定値が一度0となった後で、再び確定値が1となったときである。」とあるため、確定値が一度0に戻らない限り同じ“出入り”通知は繰り返されません。
A: 出入り検出タスクの説明に「一度“出入り”を通知したら、次に“出入り”を通知するのは、確定値が一度0となった後で、再び確定値が1となったときである。」とあるため、確定値が一度0に戻らない限り同じ“出入り”通知は繰り返されません。
関連キーワード: デバウンス、チャタリング、サンプリング周期、確定判定、状態遷移
設問2:出入りセンサの出力と、出入り検出タスクの動作タイミングの例を図2に示す。図2について、(1)、(2)に答えよ。

問題文を見る(2)出入り検出タスクが“出入り”を通知した後、出力を0で確定する最初のタイミングを、(ア)〜(テ)の記号で答えよ。
模範解答
(チ)
解説
解答の導き方
-
出入り検出のルールを確認する
問題文に「10ミリ秒周期で出入りセンサの出力を読み出す」とあり、かつ「5回連続で同じ値が読み出せたときに確定する」とあります。したがって「確定」は読み取り時刻(破線で示された時刻)のうち、5回目に同じ値が読まれたその時点で行われます。 -
図2から“出入り”がいつ通知されたかを把握する
図2の実線(出入りセンサの出力)と破線(出入り検出タスクの読み取り時刻)を対応させると、破線の読み取り時刻で連続して1が読み取られている箇所があり、5回目の1が読み取られた時刻が(ク)です。よって出入り検出タスクは(ク)で確定値を1にし、監視タスクに“出入り”を通知します。
(図中の根拠)図2の説明に「(ア)のタイミングで出力を0として確定している」「(オ)直後に1となり…(ケ)~(コ)区間は実線が常に1」等の記述があり、破線の読み取り時刻を順に見れば(ク)で5回目の1が得られることが確認できます。
-
“出入り”通知後に0で確定する時刻を求める(本問の主題)
出入り検出タスクが(ク)で確定値を1にした直後、読み取りは(ケ)、(コ)、(サ)、…と続きます。図2では(コ)以降に0⇄1の短周期パルスが描かれており、破線の位置を見ると破線のうち(ス)〜(チ)の時刻で実線が連続して0を示しています。
したがって、破線の(ス)で最初の0が読み取られ、その後(セ)、(ソ)、(タ)、(チ)と5回連続で0が読み取られるため、5回目に当たる(チ)で「出力を0で確定」します。 -
結論
以上より、出入り検出タスクが“出入り”を通知した後に出力を0で確定する最初のタイミングは(チ)です。
誤りやすいポイント
- 5回連続の読み取りを時間で考える際に「5回×10ms=50ms」と誤ること。確定は5回目の読み取り時点で起きるため、最初の読み取りから5回目までは4区間分=40msの経過(読み取り時刻の差)となる点に注意する(ただし本問ではラベルで答えるので時間換算ミスが直接の失点にはつながらないこともある)。
- 「直後に1となり」「直前まで連続して1を維持」といった描写の「直後/直前」を読み違えて、どの破線が1を読み取るかをずらして数えると、(カ)/(ク)など通知時刻を誤る。必ず破線(読み取り時刻)と実線(出力)を重ねて判断する。
- 読み取りは破線のタイミングで行う(連続的に検出しているわけではない)ことを忘れて、波形の瞬間的変化を読み取りの合否に直接結びつけてしまう誤り。
- 「一度“出入り”を通知したら、次に“出入り”を通知するのは、確定値が一度0となった後で、再び確定値が1となったときである」を忘れて、連続通知の扱いを誤る。
FAQ
Q: 確定は読み取り直後に行われるのですか?
A: はい。問題文のルールに従い「5回連続で同じ値が読み出せたときに確定する」ので、5回目の読み取りが行われたその時点で確定されます。
A: はい。問題文のルールに従い「5回連続で同じ値が読み出せたときに確定する」ので、5回目の読み取りが行われたその時点で確定されます。
Q: 「10ミリ秒周期で読み出す」とあるとき、5回連続は何ミリ秒分の継続を意味しますか?
A: 5回の読み取りは読み取り時刻の並びでt, t+10ms, t+20ms, t+30ms, t+40msとなり、5回目は最初の読み取りから40ms後の時刻で行われます(読み取り回数と区間の数の差に注意)。
A: 5回の読み取りは読み取り時刻の並びでt, t+10ms, t+20ms, t+30ms, t+40msとなり、5回目は最初の読み取りから40ms後の時刻で行われます(読み取り回数と区間の数の差に注意)。
Q: 波形が短いパルスで変動している場合、どのように読み取るのが正しいですか?
A: 破線の読み取り時刻における実線の値を見て、その値が5回連続するかを判定します。波形の瞬間的なパルスは読み取り時刻と合致しなければ反映されないため、破線位置との対応を必ず確認してください。
A: 破線の読み取り時刻における実線の値を見て、その値が5回連続するかを判定します。波形の瞬間的なパルスは読み取り時刻と合致しなければ反映されないため、破線位置との対応を必ず確認してください。
関連キーワード: サンプリング周期、チャタリング(デバウンス)、確定化(フィルタリング)、状態遷移図、リアルタイムタスク
設問3:監視タスクの状態遷移を図3に示す。(1)、(2)に答えよ。

問題文を見る(1)図3中のdに入れる適切な遷移条件を、他タスクからの通知名を用いて20字以内で答えよ。
模範解答
d:連続して361回“未検出”を受信
解説
解答の導き方
-
問題文から必要な事実を抜き出す
・「人感センサは、…1秒ごとに出力する。」→ センサの出力は1秒周期で変化する。
・「人検出タスクは、500ミリ秒周期で人感センサの出力を読み出す。出力が1であれば“検出”を、出力が0であれば“未検出”を監視タスクに通知する。」→ 人検出タスクは0.5秒毎に読み出しを行い、監視タスクへ「検出」「未検出」を通知する(通知間隔は0.5秒)。
・「人が浴室に入ったと判定した後、…人感センサの出力が連続して3分以上0であれば、異常事象と判定する。」→ 異常判定の基準は「人感センサの出力が連続して3分以上0」である(3分=180秒)。 -
通知単位で考える
監視タスクは人検出タスクからの通知で判定を行うため、実際には「連続した『未検出』通知が一定回数来ること」を条件に表す必要がある。通知間隔は0.5秒なので、単純換算だと180秒×2回/秒=360回の「未検出」で3分に相当する。 -
位相ずれ(オフバイワン)を考慮した厳密な導出
センサが0になった時刻を 、その直後の最初の人検出による「未検出」通知時刻を とすると、読み出し周期から が成り立ちます。
回連続で「未検出」を受信したとき、センサが0であった経過時間は です。これが180秒以上であれば異常条件を満たします。位相の最悪ケース(すなわち )を仮定すると となり、 つまり です。
したがって、位相によっては360回では179.5秒となり条件を満たさない場合があるため、常に「3分以上」を保証するには361回の連続「未検出」が必要です。 -
図3の d に入れる文言(他タスクの通知名を用いる)
d:連続して361回「未検出」を受信
誤りやすいポイント
- 人感センサの「1秒ごと」を見て通知回数を1秒=1回で換算し、180回とする誤り(人検出が0.5秒周期で通知する点を忘れやすい)。
- 360回で良いとするオフバイワン誤り(位相によっては不足するため、最悪ケースを考慮する必要がある)。
- 出入り検出タスクの10ミリ秒処理など、今回の判定に無関係な周期情報を混同すること。
- 「連続して3分以上0」の「以上」を時間で厳密に扱わず丸めてしまうこと。
FAQ
Q: なぜ360回ではダメなのですか?
A: 直観的には180秒×2=360回ですが、センサが0になった瞬間と人検出の読み出しタイミングの位相が一致すると最初の「未検出」から360回目までの経過は179.5秒になり、3分未満になる場合があるためです。最悪ケースを考えると361回必要になります。
A: 直観的には180秒×2=360回ですが、センサが0になった瞬間と人検出の読み出しタイミングの位相が一致すると最初の「未検出」から360回目までの経過は179.5秒になり、3分未満になる場合があるためです。最悪ケースを考えると361回必要になります。
Q: 「人感センサは1秒周期で出力する」とあるのでセンサ出力の回数(180回)で考えられませんか?
A: 異常判定は監視タスクが受け取る「検出/未検出」通知で行うため、実際の判定単位は人検出タスクの通知(0.5秒毎)になります。したがって通知回数で換算する必要があります。
A: 異常判定は監視タスクが受け取る「検出/未検出」通知で行うため、実際の判定単位は人検出タスクの通知(0.5秒毎)になります。したがって通知回数で換算する必要があります。
関連キーワード: サンプリング周期、タスク間通知、状態遷移、オフバイワン、周期処理
設問3:監視タスクの状態遷移を図3に示す。(1)、(2)に答えよ。

問題文を見る(2)次の記述中のe、fに入れる適切な状態名を答えよ。
“空室”状態のときに、1人の人が浴室に入った。その後、別の1人の人が浴室に入った。このときの監視タスクの状態遷移は、“空室”→“e”→“f”→“在室”となった。
模範解答
e:在室
f:未定
解説
解答の論理構成
-
状態遷移表における基本ルール
図3には、次の遷移が記載されています。
・空室 → 在室 “検出”受信
・在室 → 未定 “出入り”受信
・未定 → 在室 “検出”受信 -
1人目が入室したとき
“空室”状態で人感センサが人を検知すると“検出”が通知されます。上記ルールより
空室 → 在室 “検出”受信
したがって e には「在室」が入ります。 -
2人目が入室したとき
1人目が浴室内にいる間に出入りセンサが再び反応すると“出入り”が通知されます。状態が“在室”のときに“出入り”を受信すると
在室 → 未定 “出入り”受信
となるので f は「未定」です。 -
その後の再検出
続けて人感センサが2人目を検出すると
未定 → 在室 “検出”受信
となり、問題文の遷移 “在室” で締めくくられます。
以上より
e:在室
f:未定
e:在室
f:未定
誤りやすいポイント
- “出入り”通知を「人が出た合図」と短絡的に考え、“在室 → 空室”と誤読するケースが多いです。図3では “出入り” を受信した時点で状態は必ず「未定」になります。
- “未定”状態は「人がいるかいないか分からない」中間ステートです。人感センサによる“検出”または“未検出”が入るまで確定しない点を見落としがちです。
- 2人目の入室で「在室 → 在室」と連続すると誤想定しやすいですが、必ず“未定”を経由します。
FAQ
Q: “未定”に遷移する理由は何ですか?
A: “出入り”通知だけでは「外から入った」のか「中から出た」のか判別できないため、一度“未定”に置いて次の“検出”/“未検出”で確定させています。
A: “出入り”通知だけでは「外から入った」のか「中から出た」のか判別できないため、一度“未定”に置いて次の“検出”/“未検出”で確定させています。
Q: “在室”状態中に“検出”が来た場合の遷移はありますか?
A: 図3にその組合せは示されていません。既に在室と分かっているので、状態は変わらず“在室”のまま動作継続と読み取れます。
A: 図3にその組合せは示されていません。既に在室と分かっているので、状態は変わらず“在室”のまま動作継続と読み取れます。
Q: 異常事象判定にこの遷移はどう関係しますか?
A: “在室”で d のタイマが満了すると“異常”に遷移します。したがって正しく在室を維持できないと誤報・漏報につながるため、このステートマシンが鍵になります。
A: “在室”で d のタイマが満了すると“異常”に遷移します。したがって正しく在室を維持できないと誤報・漏報につながるため、このステートマシンが鍵になります。
関連キーワード: 状態遷移表, デバウンス, 組込みソフトウェア, センサフュージョン, リアルタイムOS



