戦国IT - 情報処理技術者試験の過去問対策サイト
ブログお知らせお問い合わせ料金プラン

応用情報技術者 2020年 秋期 午後02


新事業の創出を目的とする事業戦略の策定に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

   W社は、首都圏にあるIT企業である。5年前に設立され、現在の従業員数は約80名である。顧客からは企画提案力と技術力の高さを評価され、業績は好調である。現在はWeb系システムの受託開発が主体であるが、先端ITを活用した付加価値の高いソフトウェアパッケージの販売事業やASP(Application Service Provider)事業を、W社内の先端IT人材の割合を増やすことで新事業として創出するという新たな事業方針を決定している。  この事業方針の実現を図る事業戦略をこの事業方針の実現を図るために、2019年6月に経営企画部のX課長をリーダとする事業戦略策定チームを立ち上げ、半年間で事業戦略を策定することにした。先端IT人材の確保・育成・定着のためには、多様なワークスタイルの整備が必要である。ワークスタイルとは、業務内容、就業場所、雇用形態、勤務時間など、従業員が働く上での様々な要素を指す。   〔W社の事業の概要、就業環境及び課題〕  W社の事業の概要、就業環境及び課題は、次のとおりである。  (1) 事業の概要   ・顧客は法人企業であり、顧客の主な業種は、小売業、不動産業、飲食サービス業である。顧客の業種ごとに組織された三つの事業部がある。   ・事業部の主な業務内容は、企画、営業、システムの開発及びシステムの保守である。   ・WebポータルやECサイトのシステムの受託開発が中心だが、AIやビッグデータなどを活用したカスタマサポートシステムの受託開発の割合が増えている。   ・開発案件の事例として、“AIが、蓄積された膨大なカスタマコンタクト履歴情報からカスタマの行動パターンを分析・学習し、当該カスタマに適したサポートを助言する。”、“AIが、カスタマサポートチームのメンバ間の交流状況を分析・学習し、高パフォーマンスを引き出すようにチームに助言する。”がある。   ・各事業部は、顧客のオフィスの所在地などを勘案して、それぞれ別の賃貸ビルを拠点にしている。   ・小売業の顧客を担当している事業部は、独自の通販サイトを用いて急成長している顧客から ECサイトのシステム開発・保守を受託して、顧客のオフィスがある Z 駅周辺のビルを賃借している。Z 駅には、様々な業種のベンチャ企業が集まり、それらの企業が協業して新しいビジネスモデルを立ち上げる事例がマスコミに幾度も採り上げられ、ベンチャ企業のブランド価値の向上につながっている。  (2) 就業環境   ・各事業部は、顧客のオフィスの所在地などを勘案して、それぞれ別の賃貸ビルを拠点にしている。   ・小売業の顧客を担当している事業部は、独自の通販サイトを用いて急成長している顧客からECサイトのシステム開発・保守を受託して、顧客のオフィスがある    Z駅周辺のビルを賃借している。2駅には、様々な業種のベンチャ企業が集まり、それらの企業が協業して新しいビジネスモデルを立ち上げる事例がマスコミに幾度も採り上げられ、ベンチャ企業のブランド価値の向上につながっている。  (3) 課題   (ⅰ) 人材の確保    ・過去 3 年間の従業員の平均採用数は、年間 20 名程度である。半面、ワークスタイルへの不満を理由に毎年5名程度退職している。    ・3 年後には従業員数を 150 名に増やす事業方針があるが、W社の知名度が低く、現在の売り手市場の状態も加わって、採用者の確保に苦労している。   (ⅱ) 就業環境の改善    ・各拠点とも手狭で、会議室数が不足している。さらに、3 年後を見据えた十分な規模の就業スペースの確保が必要である。    ・先端 IT 人材は、拠点内に自席を固定して活動するのではなく、オープンな環境での活動を好む傾向にあるので、対応が必要である。    ・①現状の就業環境下では、拠点間の交流機会が少なく、事業部横断的な活動や発想による斬新なアイディアが生み出しづらくなっている。   〔PEST分析とW社への影響の検討〕  X課長は、W社の事業戦略を策定するための準備作業として、IT 業界を取り巻く外部環境が、中長期的に W社にどのような影響を与えるかを把握するために、部下の Y主任に PEST 分析を行うように指示した。PEST 分析は、外部環境分析のうちa環境分析に用いるフレームワークである。Y主任は、新聞、専門書籍、インターネットなどから各領域に関する情報を入手して、表1を作成した。   応用情報技術者試験(令和2年度 秋期 午後 問02 表01)
 表1を見たX課長は、Y主任に次の指示をした。  ・PEST分析の特性として、分析する環境項目を絞らないと作業量が膨大になってしまうので、W社の事業と関わる労働力と就業環境に関するものに絞ること。  ・PEST分析による外部環境分析を終了したら、次に内部環境分析を行うこと。その際に用いるフレームワークは、W社内の業務プロセスのつながりなどに基づいて分析するbにすること。  ・内部環境分析にスムーズに着手できるように、あらかじめ絞り込んだ環境項目の内容をブレークダウンした上で、W社への影響を整理しておくこと。
応用情報技術者試験(令和2年度 秋期 午後 問02 表02)
〔事業戦略の策定と施策への展開〕  まず、X課長とY主任は、課題への対応に関して、次の方針を立てた。  ・ワークスタイルの多様化に対応すること、及び先端IT企業というブランド価値を向上させることによって、優秀な先端IT人材の確保・定着を促進する。  ・多様なワークスタイルを整備することによって、従業員個人のモチベーションを向上させ、業務のパフォーマンスを改善する。さらに、就業スペースの拡大とともに事業部を越えた従業員間のインフォーマルなコミュニケーションを活性化して、斬新なアイディアを生み出す就業環境を作り、新事業の創出につなげる。  次に、環境分析の結果と課題への対応方針に基づき、先端IT人材を増やして付加価値の高い製品を開発することで事業拡大を図るという事業戦略を策定した。先端IT人材を増やすためには、従業員同士が対面のコミュニケーションを図れる就業環境とITを活用したコミュニケーション環境を両立させることが有効であると考えた。また、多様なワークスタイルを整備することも重要だと考えて、次の施策をまとめた。
 (1) 新しい拠点への集結   Z駅から徒歩圏内の賃貸ビルに入居し、全従業員を集結する。これによって、Z駅周辺を拠点とする異業種のベンチャ企業と交流を深め、それらの企業と協業して新事業の創出を目指す。この施策には、②新事業の創出以外の狙いもある。  (2) 新しい就業環境の整備   ・従業員が自席を固定しないフリーアドレス制を採用する。   ・様々な形のテーブルや椅子、PC、コーヒーサーバなどを設置し、社内の打合せに自由に利用できるコミュニケーションスペースを設ける。   ・メール機能、スケジュール機能、オンライン会議機能を統合した企業内コミュニケーションツールを導入し、社外でも社内と同じように働ける就業環境を作る。   ・インフォーマルなコミュニケーションツールとして、社内SNSを導入する。   ・これらによって、多様なワークスタイルを支援する就業環境が整備された後、従業員個人の業務への取組み状況及び③従業員間の交流状況などの情報を、企業内コミュニケーションツールや社内SNSの利用履歴からモニタリングする。  (3) 多様なワークスタイルの整備に対応した社内制度の見直し   ・将来的に、テレワークの勤務制度の導入を検討する。本社業務部門は、関連する社内規程の改定や人事評価方法の見直しを行う。   ・④テレワークの勤務制度の導入によって、本社業務部門の担当である一部の業務の負荷が増える懸念があるので、対策を検討する

設問1

本文中の下線①の状態のままでは危惧される、W社の事業に関する機会損失リスクを25字以内で述べよ。

模範解答

新事業の創出につながる機会が失われる。

解説

解答の論理構成

  1. 問題は、下線①のままではどのような機会損失が発生するかを問うています。
  2. 下線①には、 「現状の就業環境下では、拠点間の交流機会が少なく、事業部横断的な活動や発想による斬新なアイディアが生み出しづらくなっている」
    と記載されています。
  3. W社が掲げる事業方針は、 「先端ITを活用した付加価値の高いソフトウェアパッケージの販売事業やASP事業を、W社内の先端IT人材の割合を増やすことで新事業として創出する」
    ことです。
  4. 交流不足で「斬新なアイディアが生み出しづらい」状態が続けば、上記の「新事業創出」という企業目標に直結するアイデア発掘のチャンスを逸します。
  5. したがって、答えは「新事業の創出につながる機会が失われる」となります。

誤りやすいポイント

  • 交流不足=生産性低下と短絡し、「コスト増」や「納期遅延」などを挙げてしまう。
  • 「新事業創出」を見落とし、既存事業の維持リスクだけを書いてしまう。
  • 下線①を十分に読み込まず、「情報共有不足」など曖昧な表現でまとめる。

FAQ

Q: 交流機会が少ないと具体的にどのような影響がありますか?
A: 部門を越えた知識・技術の組合せが起こりにくくなるため、イノベーションや付加価値提案の種が減少します。
Q: 「機会損失」とはどんな視点で考えれば良いですか?
A: 売上や利益だけでなく、新製品・新事業の創出など成長チャンスを逃すことも機会損失に含まれます。
Q: 拠点統合以外に交流促進策はありますか?
A: 社内SNS、オンライン会議、フリーアドレスなど物理的距離を補うIT活用が考えられます。

関連キーワード: PEST分析、ワークスタイル、拠点間交流、新事業、イノベーション

設問2〔PEST分析とW社への影響の検討〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(1)本文中のaに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群  ア:市場  イ:内部  ウ:マクロ  エ:ミクロ

模範解答

a:ウ

解説

解答の論理構成

  1. 問題文の確認
    「PEST 分析は、外部環境分析のうちa環境分析に用いるフレームワークである。」と明示されています。
  2. PEST分析の定義
    P:Politics/E:Economy/S:Society/T:Technology の4観点で国家レベル・社会全体の動向を整理する手法は、経営戦略論で「マクロ環境分析」に分類されます。
  3. ミクロ環境との違い
    ミクロ環境分析(競合・取引先・顧客など個別市場に近い要素)に対し、PEST分析は「法律」「人口動態」「為替相場」など広域で長期的な要因を扱います。
  4. 以上より、aに入る適切な語は「マクロ」であり、解答群の記号は「ウ」です。

誤りやすいポイント

  • 「市場=マーケットだから外部環境」という連想で「ア:市場」を選ぶ誤答が多いです。PESTは“国家規模”を対象にするため、市場(マーケット)分析とは別物です。
  • 「内部/外部」の二分法だけで判断し「イ:内部」と勘違いするケース。問題文に「外部環境分析のうち」と書かれているため、内部はそもそも候補外です。
  • 「マクロ=大まかで粗い分析だから詳細には使えない」と早合点し、実務経験から「エ:ミクロ」を選ぶミス。PESTは詳細か否かではなく“対象範囲”で区分します。

FAQ

Q: マクロ環境分析とSWOTの外部要因分析は同じですか?
A: 用語は似ていますが範囲が異なります。SWOTの外部要因(O・T)は業界‐企業レベルの具体的事象を含むのに対し、PESTは「政治」「経済」など社会全体の潮流を整理します。
Q: PEST分析の「Technology」にIT以外の技術要素を入れても良いですか?
A: 可能です。自動運転やバイオテクノロジーといったIT以外の技術革新も、自社ビジネスに影響するなら対象になります。
Q: ミクロ環境分析の代表的なフレームワークは何ですか?
A: 「5フォース分析」や「バリューチェーン分析」が典型例です。

関連キーワード: PEST分析、マクロ環境、外部環境分析、フレームワーク

設問2〔PEST分析とW社への影響の検討〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(2)本文中のbに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群  ア:3C分析  イ:SWOT分析  ウ:バリューチェーン分析  エ:ファイブフォース分析

模範解答

b:ウ

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は、外部環境分析(PEST)が終わったあとに「内部環境分析」を行うよう指示しています。
    引用:
    「PEST分析による外部環境分析を終了したら、次に内部環境分析を行うこと。」
  2. その際に使うフレームワークについて、次のように条件が示されています。
    引用:
    「その際に用いるフレームワークは、W社内の業務プロセスのつながりなどに基づいて分析するbにすること。」
  3. 「業務プロセスのつながりを分析する」代表的なフレームワークは、企業活動を主活動と支援活動に分解して価値創出の流れを可視化する「バリューチェーン分析」です。
  4. 解答群を照合すると「ウ:バリューチェーン分析」が該当します。
    他の選択肢は以下のとおり。
    ・「ア:3C分析」…自社・顧客・競合の三者を俯瞰する外部寄りのフレームワーク。
    ・「イ:SWOT分析」…内部・外部の要因をマトリクスで整理するが、プロセスのつながりには着目しない。
    ・「エ:ファイブフォース分析」…業界競争の外部要因を分析するもの。
  5. 以上より、bには「バリューチェーン分析」を入れるのが妥当です。

誤りやすいポイント

  • 「SWOT分析」は内部要因も扱うため選びたくなるが、プロセスの流れまでは示さない点で不適切です。
  • 「3C分析」「ファイブフォース分析」はどちらも外部視点中心のため「内部環境分析」の条件と合致しません。
  • 「業務プロセスのつながり」というキーワードを読み飛ばすと、外部系フレームワークを誤選択しやすくなります。

FAQ

Q: バリューチェーン分析では具体的に何を洗い出しますか?
A: 仕入れから開発・マーケティング・サービスまでの主活動と、人事・技術開発などの支援活動を列挙し、それぞれのコストや付加価値を評価します。
Q: 内部環境分析でバリューチェーン以外の典型手法はありますか?
A: 財務分析、組織文化分析、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)分析などが用いられます。目的に応じて併用すると精度が上がります。
Q: PEST分析とバリューチェーン分析を組み合わせるメリットは?
A: 外部のマクロ環境(PEST)で機会・脅威を把握し、内部の価値創出構造(バリューチェーン)で強み・弱みを明確にできるため、戦略立案の整合性が高まります。

関連キーワード: バリューチェーン、PEST, 内部環境分析、業務プロセス、フレームワーク

設問2〔PEST分析とW社への影響の検討〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(3)表1で挙げた東京2020後の労働力需要の動向を表2の作成時に除外している。その理由として適切なものを解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群  ア:IT業界に直接的な影響を及ぼす変化だから  イ:一時的な変化だから  ウ:スピードが遅い変化だから  :エ中長期の構造的な変化だから

模範解答

解説

解答の論理構成

  1. PEST分析の目的確認
    ・問題文に「IT 業界を取り巻く外部環境が、中長期的に W 社にどのような影響を与えるかを把握するために、部下の Y 主任に PEST 分析を行うように指示した。」とあります。
    ・したがって、中長期的に継続しない一過性の変化は、分析対象から除外するのが妥当です。
  2. 除外された環境項目の特徴
    ・表1の経済領域には「第32回オリンピック競技大会、東京2020パラリンピック競技大会(以下、合わせて東京2020という)後の都市再開発や労働力需要の動向」が挙げられています。
    ・オリンピック関連の需要は大会準備期と開催直後に集中する典型的な短期要因であり、長期的に同じインパクトが続くわけではありません。
  3. 結論
    ・中長期視点での分析にそぐわない「一時的な変化」だから除外したと判断できます。よって適切なのは「イ:一時的な変化だから」です。

誤りやすいポイント

  • 「IT業界に直接的な影響を及ぼす」と考えて「ア」を選ぶ
    → オリンピック需要は建設・観光が中心でITとは直接結び付きにくい。
  • 「都市再開発は長期的」と考えて「エ」を選ぶ
    → 再開発自体は続いても、オリンピック特需という労働力需要は短期でピークアウトする。
  • 「変化が遅い」と勘違いして「ウ」を選ぶ
    → 実際には大会前後で急速に状況が変わるため、スピードは速い。

FAQ

Q: PEST分析では短期的なイベントを完全に無視すべきですか?
A: 必ずしも無視するわけではありませんが、今回のように「中長期的な影響」を重視する場合は、一過性イベントは優先度を下げるのが一般的です。
Q: 「東京2020後の都市再開発」は長期要因では?
A: 都市再開発自体は続きますが、労働力需要の急増という側面は大会関連特需として短期で収束するため、中長期要因とはみなされにくいです。
Q: 経済領域の他の短期イベントも除外するのが通例ですか?
A: 目的が長期ビジョン策定なら同様に除外します。ただし、短期イベントでも連鎖的に長期影響を及ぼす場合は個別に検討します。

関連キーワード: PEST分析、外部環境、中長期視点、短期要因、労働力需要

設問2〔PEST分析とW社への影響の検討〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(4)表2中のcに入れる適切な字句を、本文中の用語を使って15字以内で答えよ。

模範解答

c:テレワークの勤務制度

解説

解答の論理構成

  1. 表2の “プラスの影響” 欄には、S 領域と T 領域の両方に
     「cの導入促進」とあります。
  2. S 領域で絞り込んだ環境項目は “ワークスタイルの多様化” です。
    多様化した働き方への代表的な対応策として本文は
     「将来的に、テレワークの勤務制度の導入を検討する。」
     と明示しています。
  3. T 領域では “ビデオ通話Webツールの拡大” や “クライアント仮想化技術の進歩” といった IT 要素が列挙されています。これらは場所に依存しない勤務形態、すなわち上記の “テレワーク” を技術面から後押しするものです。
  4. さらに本文 (1)〜(3) の施策では
     「テレワークの勤務制度の導入によって、本社業務部門の担当である一部の業務の負荷が増える懸念」
     と続き、組織として正式に制度化する計画であることが分かります。
  5. 以上より、S・T 両領域でメリットとされる導入対象は
     “テレワークの勤務制度” であると結論付けられます。

誤りやすいポイント

  • 「オンライン会議」「在宅勤務」など部分的な手段をそのまま答えてしまう。設問は“制度”レベルを要求しています。
  • 「フリーアドレス制」は就業環境であり、S 領域の “ワークスタイルの多様化” には当てはまるものの、T 領域の IT 進歩と直接リンクしづらい点で不正解となりやすいです。
  • 本文後半の “モニタリング” をキーワードと勘違いし、制度ではなくツール名を書くミス。

FAQ

Q: “テレワーク” と “在宅勤務” はどう違いますか?
A: 在宅勤務は自宅限定、テレワークは “場所に依存しない柔軟な働き方” 全体を指し、サテライトオフィスや移動中の作業も含みます。ここでは制度全体を問うため “テレワークの勤務制度” が適切です。
Q: PEST 分析で抽出した項目は必ずそのまま施策になるのですか?
A: いいえ。外部環境で得た機会・脅威を “内部でどう活かすか” を考えるのが次の段階です。今回はテレワーク需要という機会を、自社制度として取り込む方針に落とし込んでいます。
Q: “労務管理業務の負荷増” がプラスではなくマイナスに入っている理由は?
A: 労働時間の把握や評価方法の見直しなど追加作業が発生するため、管理部門にとっては負担増という脅威(マイナス要素)になるからです。

関連キーワード: PEST分析、テレワーク、ワークスタイル、クライアント仮想化、コミュニケーションツール

設問3〔事業戦略の策定と施策への展開〕について、(1)〜(3)に答えよ。

(1)本文中の下線②について、新事業の創出以外の狙いを、15字以内で答えよ。

模範解答

企業のブランド価値の向上

解説

解答の論理構成

  1. 施策(1)の目的の一つは「Z駅周辺を拠点とする異業種のベンチャ企業と交流を深め、それらの企業と協業して新事業の創出を目指す。」である。ここが下線②の直前に書かれているため、②ではこれ以外の目的を問うていることが分かります。
  2. Z駅周辺の特長として【問題文】には
    「様々な業種のベンチャ企業が集まり、それらの企業が協業して新しいビジネスモデルを立ち上げる事例がマスコミに幾度も採り上げられ、ベンチャ企業のブランド価値の向上につながっている。」
    と記載されています。Z駅への集結は、この“ブランド価値の向上”という好影響を自社にも取り込む狙いがあると読み取れます。
  3. さらに、施策立案の基本方針として
    「先端IT企業というブランド価値を向上させることによって、優秀な先端IT人材の確保・定着を促進する。」
    と明示されています。
  4. 以上より、下線②で求められている「新事業の創出以外の狙い」は、Z駅という話題性の高いエリアに拠点を集約し、自社の“ブランド価値”を高めることだと結論付けられます。

誤りやすいポイント

  • 「人材確保」や「従業員交流活性化」も施策全体の狙いですが、②は“新事業の創出以外”と限定されているため該当しません。
  • Z駅周辺の説明を読まずに「立地コスト削減」と答えるケースがありますが、問題文には賃借料上昇の懸念が示されており誤りです。
  • ブランド価値向上を“知名度向上”と置き換えると原文引用要件を満たさなくなるので注意が必要です。

FAQ

Q: 「ブランド価値」と「知名度」は同じ意味ですか?
A: 重なる部分はありますが、ブランド価値は知名度に加え市場からの信頼感や先進性など総合的な評価を含みます。【問題文】では「ブランド価値」という語を用いているのでそのまま引用する必要があります。
Q: Z駅への移転はコスト増になりませんか?
A: 【問題文】E領域のマイナス要因に「都市部ビルの賃借料の値上がり」が挙げられており、コスト面での懸念はあります。それでもブランド価値向上や協業機会創出のメリットが上回ると判断した戦略です。
Q: ブランド価値向上が人材採用にどう影響しますか?
A: IT業界の売り手市場では、企業の魅力が応募数・定着率に直結します。話題性の高いエリアに拠点を置き「先端IT企業としてのブランド価値」を高めることで優秀な人材に選ばれやすくなります。

関連キーワード: ブランド価値、外部環境分析、ワークスタイル、先端IT人材、立地戦略

設問3〔事業戦略の策定と施策への展開〕について、(1)〜(3)に答えよ。

(2)本文中の下線③について、モニタリングにとどまらず,W社が開発案件で習得した先端ITを応用してできる施策を、40字以内で述べよ。

模範解答

AIが、情報を分析・学習し、高パフォーマンスを引き出すように助言する。

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】では、開発案件の事例として
    “AIが、蓄積された膨大なカスタマコンタクト履歴情報からカスタマの行動パターンを分析・学習し、当該カスタマに適したサポートを助言する。”
    “AIが、カスタマサポートチームのメンバ間の交流状況を分析・学習し、高パフォーマンスを引き出すようにチームに助言する。”
    とあり、W社は“AI”を活用した高度な分析・助言機能を既に保有しています。
  2. 下線③では
    “従業員間の交流状況などの情報を、企業内コミュニケーションツールや社内SNSの利用履歴からモニタリングする”
    と述べられ、単なる監視ではなく分析・活用まで発展させる余地が示唆されています。
  3. したがって、①で示されたAIの経験を社内向けに転用し、利用履歴をAIが分析・学習し、②と同様に“高パフォーマンスを引き出すように助言”する施策へ昇華させるのが自然な帰結です。
  4. 以上より、解答は
    “AIが、情報を分析・学習し、高パフォーマンスを引き出すように助言する。”
    となります。

誤りやすいポイント

  • 「モニタリング」だけで止めてしまい、助言・改善アクションを示さない。
  • AIではなく単なるダッシュボード提示と誤解する。
  • 既存事例の“AIが…助言する”という表現を逸脱し、W社の保有技術と整合しない回答を書く。
  • コミュニケーション履歴だけでなく業務ログまで対象を広げ過ぎ、設問の焦点がぼやける。

FAQ

Q: なぜ“AI”を明示しなければならないのですか?
A: 【問題文】の開発事例において“AI”が分析と助言を行っており、W社の強みを活かすには同じ技術を社内施策に転用することが合理的だからです。
Q: 「高パフォーマンスを引き出すように助言」とは具体的に何をするのですか?
A: 社内SNSやメールのやり取りをAIが解析し、チーム編成の提案やコミュニケーション頻度の最適化など、業務効率を高める具体的な行動を提示します。
Q: 助言が従業員のプライバシーを侵害しませんか?
A: 解析対象は業務ツールの利用履歴に限定し、個人情報保護方針を整備した上で匿名化・権限設定を行うことでプライバシーに配慮します。

関連キーワード: PEST分析、AI, ビッグデータ分析、コミュニケーションツール、ワークスタイル

設問3〔事業戦略の策定と施策への展開〕について、(1)〜(3)に答えよ。

(3)本文中の下線④について、負荷が増える懸念のある業務の名称を5字以内で答えよ。

模範解答

労務管理

解説

解答の論理構成

  1. 下線④を確認
    【問題文】には
    ④テレワークの勤務制度の導入によって、本社業務部門の担当である一部の業務の負荷が増える懸念があるので、対策を検討する
    とあります。ここで問われているのは「一部の業務」とは何かです。
  2. “負荷が増える”業務を洗い出す
    直前までの外部環境分析(表2)で、マイナス影響として繰り返し挙げられているのが
  3. 労務管理業務の負荷増
  4. 」【問題文 表2 P領域/S領域/T領域】
    です。表2はテレワーク・ワークスタイル多様化など“働き方”に関わる要素を整理したものなので、テレワーク導入で最も影響を受ける業務もここに示されていると考えるのが自然です。
  5. 文脈の一致を確認
    ・テレワーク=勤務場所・時間が柔軟 ⇒ 勤怠把握や時間外労働の管理が複雑化
    ・表2で“負荷増”と明記されているのも「労務管理業務」
    以上より、下線④の「一部の業務」は「労務管理業務」と特定できます。
  6. したがって解答は
    労務管理

誤りやすいポイント

  • 「ITサポート」「システム運用」など技術系業務と勘違いする
    テレワークではPC設定やVPN管理も増えますが、問題文に“負荷増”として明示されていないため該当しません。
  • “勤怠管理”“人事評価”と細分化してしまう
    表2に出てくる語をそのまま用いる必要があります。

FAQ

Q: なぜ「人事評価」ではなく「労務管理」なのですか?
A: 表2で“負荷増”と明記されている業務が「労務管理業務」だからです。「人事評価」は負荷増としては示されていません。
Q: テレワークでも労務管理が増える具体例は?
A: 勤怠打刻の遠隔確認、時間外労働の監視、在宅勤務手当の計算など、従来より複雑な管理が必要になります。
Q: 表2のマイナス影響は全部が該当しないのですか?
A: ④は“本社業務部門の担当である一部の業務”と限定されています。表2のうち本社で扱う事務系業務は「労務管理業務」であり、他の項目(対面コミュニケーション減少など)は該当しません。

関連キーワード: テレワーク、労務管理、PEST分析、ワークスタイル、コミュニケーションツール
戦国ITクイズ機能

\ せっかくなら /

応用情報技術者
クイズ形式で学習しませんか?

クイズ画面へ遷移する

すぐに利用可能!

©︎2026 情報処理技術者試験対策アプリ

このサイトについてブログプライバシーポリシー利用規約特商法表記開発者について