応用情報技術者 2020年 秋期 午前2 問11
問題文
3D 映像の立体視を可能とする仕組みのうち、アクティブシャッタ方式の説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:専用の特殊なディスプレイに右目用、左目用の映像を同時に描画し、網目状のフィルタを用いてそれぞれの映像が右目と左目に入るようにして、裸眼立体視を可能とする。
イ:ディスプレイに赤色と青色で右目用、左目用の映像を重ねて描画し、一方のリム(フレームにおいてレンズを囲む部分)に赤、他方のリムに青のフィルタを付けた眼鏡で見ることによって、立体視を可能とする。
ウ:ディスプレイに右目用、左目用の映像を交互に映し出し、眼鏡がそのタイミングに合わせて左右それぞれ交互に透過、遮断することによって、立体視を可能とする。(正解)
エ:ディスプレイに右目用、左目用の映像を同時に描画し、フィルタを用いてそれぞれの映像の光の振幅方向を回転して、透過する振幅方向が左右で異なる偏光眼鏡で見ることによって、立体視を可能とする。
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アクティブシャッタ方式【午前2解説】
正解の理由
アクティブシャッタ方式は、映像を左右の眼用に「時間的に交互」に表示し、眼鏡側が映像のタイミングに合わせて左右のレンズを交互に透過・遮断することで各眼に対応する映像だけを見せる方式です。設問の選択肢のうち、映像を交互に映し出し眼鏡が左右を交互に透過・遮断すると説明しているものが該当するため、ウが正解となります。
解法ステップ
- 各選択肢が説明する立体視方式の原理を簡潔に把握する(時間分割/色分割/偏光/裸眼方式など)。
- 「アクティブシャッタ方式」の基本原理は「時間的に左右の映像を切替え、眼鏡側で同期してシャッター動作する」ことであると確認する。
- この原理に一致する選択肢を選ぶ。交互表示+眼鏡の同期透過/遮断を示すものが一致するため、ウを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 専用ディスプレイに左右の映像を同時描画し網目状フィルタで左右に振り分ける記述は、パララックス・バリア(網目)やレンチキュラ(レンズ状)を使う裸眼立体視の説明です。眼鏡を使わずに裸眼で立体視する方式であり、アクティブシャッタ方式とは原理が異なります。
- イ: 赤と青(あるいは赤とシアン)で左右映像を重ね、色フィルタ眼鏡で分離するのはアナグリフ方式(色フィルタ方式)です。色再現が劣るため現在は教育・特殊用途に限られることが多いです。
- ウ: 映像を左右交互に表示し、眼鏡が同期して交互に透過・遮断する説明はアクティブシャッタ方式の本質に一致します。液晶シャッターを用いた眼鏡(バッテリ・同期受信機内蔵)が一般的です。
- エ: 同時描画された左右映像を偏光フィルタで振動方向(偏光方向)を使って分離する説明は偏光方式(パッシブ偏光)の説明です。偏光は「光の振動方向(偏光方向)を制御・選択する」性質を利用しており、アクティブシャッタ方式の時間分割とは原理が異なります。
よくある誤解
- 「偏光は振幅方向を回転させる」と表現する誤り:正しくは「光の振動方向(偏光方向)を制御・選択する」ことであり、振幅そのものを回すわけではありません。
- 「映画館はアクティブシャッタを使っている」:実際は映画館の多くはパッシブ偏光方式(特に円偏光を用いる方式)を採用していることが多く、アクティブシャッタ方式は家庭用3Dテレビや一部のプロジェクタで使われることが多い点を混同しやすいです。
- 「アナグリフは色を失わない」:アナグリフ方式は色分離のため色再現に制約があり、色の人為的損失が生じやすい点を見落としがちです。
補足コラム
- 同期とフレームレート:アクティブシャッタ方式は左右それぞれに完全なフル解像度のフレームを割り当てるため、各眼に対して十分なフレームレートを確保する必要があります。例えば各眼60Hzで滑らかに表示するにはディスプレイ側が以上の更新を行う必要があります。
- 眼鏡の方式:アクティブシャッター眼鏡は液晶シャッターを用い、赤外線(IR)や無線(RF)でディスプレイと同期します。利点はフルカラー・高解像度での立体視が可能な点、欠点は眼鏡が重く電池を必要とし、視認輝度が低下したり、まれに残像やクロストーク(ゴースト)が発生することです。
- 映画館の実情:劇場用途ではパッシブ偏光方式(円偏光を使う方式が多い)やデュアルプロジェクタ方式が採用されることが多く、観客用眼鏡は軽量で安価な偏光眼鏡が用いられます。偏光方式はヘッドチルト(首の傾き)に強い円偏光が採用されることが多い点も覚えておくと良いです。
FAQ
Q. アクティブシャッタ方式は色再現に優れますか?
A. はい。左右を時間分割するため各眼はフルカラー映像を受け取れるので、色再現は良好です。ただし輝度は半分程度になるため表示輝度の確保が必要です。
A. はい。左右を時間分割するため各眼はフルカラー映像を受け取れるので、色再現は良好です。ただし輝度は半分程度になるため表示輝度の確保が必要です。
Q. なぜ映画館は偏光方式を採ることが多いのですか?
A. 大人数向けに安価で軽量な眼鏡を大量に提供でき、スクリーンの反射特性を合わせれば同時に2枚の映像を投射できるため運用面で有利だからです。
A. 大人数向けに安価で軽量な眼鏡を大量に提供でき、スクリーンの反射特性を合わせれば同時に2枚の映像を投射できるため運用面で有利だからです。
Q. アクティブシャッタ方式で遅延やずれが起きることはありますか?
A. 同期がずれると左右にクロストークや二重像が出ます。IRやRFの同期品質や眼鏡のレスポンスが重要です。
A. 同期がずれると左右にクロストークや二重像が出ます。IRやRFの同期品質や眼鏡のレスポンスが重要です。
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