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応用情報技術者 2022年 春期 午前256


問題文

ITIL 2011 editionでは、可用性管理における重要業績評価指標 (KPI)の例として、“保守性を表す指標値”の短縮を挙げている。保守性を表す指標に該当するものはどれか。

選択肢

一定期間内での中断の数
平均故障間隔
平均サービス・インシデント間隔
平均サービス回復時間(正解)

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保守性の指標【午前2解説】

正解の理由

ITIL 2011 における「保守性(maintainability)」は、障害やサービス中断が発生したときにどれだけ迅速かつ容易にサービスを復旧できるかを表します。選択肢のうち、平均でどれだけ早くサービスを回復できるかを示す指標が適合するため、選択肢の「平均サービス回復時間(Mean Time To Restore/Mean Time To Repair に相当)」が保守性を表す指標として正しい指標です。MTTR(平均修復時間・平均サービス回復時間)は、まさに復旧の速さを数値化するもので、保守性の代表的な KPI です。

解法ステップ

  1. 「保守性」が何を意味するかを明確にする(故障後の復旧のしやすさ・速さを示す)。
  2. 代表的な関連指標を確認する:
    • MTBF(Mean Time Between Failures)→ 故障までの平均時間=信頼性に関係。
    • MTTR(Mean Time To Repair / Restore)→ 復旧に要する平均時間=保守性に関係。
  3. 各選択肢を上の役割に照らし合わせ、保守性と一致するものを選ぶ。
  4. その結果、復旧時間を示す選択肢が保守性の指標であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 一定期間内での中断の数
    サービスが中断した回数のカウントは「インシデント頻度」や可用性の観点で使われますが、復旧のしやすさ(保守性)そのものを示す指標ではありません。頻度は信頼性にも関連しますが、保守性は「発生後どれだけ早く戻せるか」が焦点です。
  • イ: 平均故障間隔(MTBF)
    MTBF は故障が発生するまでの平均時間で、主に信頼性(reliability)を評価する指標です。故障の発生頻度を下げることで可用性向上に寄与しますが、保守性(復旧の速さ)を示すものではありません。
  • ウ: 平均サービス・インシデント間隔
    「インシデント間隔」はインシデントがどれくらいの間隔で発生するかを示すため、やはり信頼性やインシデント発生頻度に近い概念です。保守性(復旧時間)を直接表す指標ではありません。
  • エ: 平均サービス回復時間
    サービス停止から復旧までにかかる平均時間で、まさに保守性を表現する指標です。ITIL の KPI 例でも MTTR(または Mean Time to Restore Service のような表現)が保守性の代表値として挙げられます。

よくある誤解

  • MTBF と MTTR を混同する:MTBF(発生までの時間)=信頼性、MTTR(復旧時間)=保守性で役割が異なる点を押さえること。
  • 中断の回数を見れば保守性が分かると思い込む:回数は頻度の指標であり、復旧の速さ(保守性)とは別である。
  • 「serviceability(サービサビリティ)」を保守性と同一視する:serviceability はサプライヤーや外部ベンダーの提供能力やサポート体制などを指すことが多く、保守性(内部での復旧しやすさ)と区別して考える必要がある。

補足コラム

ITIL における可用性(availability)を理解するうえで、関連する三つの要素は次の通りです(用語と定義を明確に区別します)。
  • 信頼性(reliability):故障なく所定の時間動作する能力。代表指標は MTBF(平均故障間隔)。
  • 保守性(maintainability):故障後にどれだけ迅速かつ効果的に復旧できるか。代表指標は MTTR(平均修復/回復時間)。
  • サービサビリティ(serviceability):サプライヤーや外部サービス提供者がどれだけ適切にサポートや修理を提供できるか(ベンダ応答性、部品供給、保守契約の履行度など)。
可用性の単純化された関係式の一例:
例えば、MTBF = 1000 時間、MTTR = 4 時間 の場合: (99.6%)
MTTR を定義する際は、計測範囲(検知から復旧完了まで、復旧の妥当性確認を含むか、計画停止を除外するか等)を運用ルールで明確にしておくことが重要です。
簡単な計算例(Python)
def availability(mtbf, mttr):
    return mtbf / (mtbf + mttr)

mtbf = 1000.0
mttr = 4.0
print(f"可用性: {availability(mtbf, mttr)*100:.2f}%")

FAQ

Q: MTTR と「平均サービス回復時間」は厳密に同じですか?
A: 実務ではほぼ同義で用いられます。名称の違いは計測の開始・終了点(検知・作業開始・復旧確認など)に依存するため、組織ごとに測定ルールを統一することが重要です。
Q: 可用性を正確に評価するには MTBF と MTTR だけで十分ですか?
A: 基本的な評価には有用ですが、計画保守の影響、部分的な機能低下、冗長化の効果、外部依存(serviceability)の要因なども考慮するとより現実的な評価が可能です。
Q: サービサビリティ(serviceability)は KPI に含めるべきですか?
A: はい。特に外部ベンダーに依存する運用では、ベンダの応答時間や部品供給の信頼性を KPI として監視することが可用性維持に直結します。

関連キーワード: 可用性, 保守性, MTTR, MTBF, サービサビリティ, KPI, 障害復旧, インシデント管理
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