応用情報技術者 2024年 秋期 午後 問04
データ処理機能の配置に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
C社は、動画配信サービスを提供する会社であり、サービス内容が充実していることが人気を呼び、動画配信者数や動画視聴者数が増えている。動画配信者は、Webブラウザを用いて、ビデオカメラやスマートフォンで撮影した動画ファイルをC社のWebサイトにアップロードすると、Webサイト上で動画の編集・配信、広報、アクセス分析などの機能が利用できる。
C社の動画配信サービスは、C社配信システム部が企画から運用までを担当している。配信システム部では、サービス内容の向上を目的に、動画編集機能を強化した動画配信者向けの新しいサービスを提供するシステム(以下、新システムという)を構築することにした。新システムの構築は、配信システム部のD君が担当することになった。
〔新システムに必要な機能〕
D君は、現在の動画配信サービスの機能を基に、新システムに必要な動画配信者向け機能の機能要件を定義した。新システムに必要な機能一覧(抜粋)を表1に示す。

〔新システムのサーバ構成〕
D君は、新システムのサーバ構成を設計した。D君が設計した新システムのサーバ構成(抜粋)を図1に示す。また、SSDとHDDのアクセス速度を表2に、LANとインターネットの通信速度を表3に、各サーバのCPUとGPUの搭載数を表4に示す。なお、新システム内の負荷分散装置、サーバ、NASはLANで接続されている。



各サーバで計算を行うCPUやGPUで実行される演算は、①整数演算と浮動小数点演算の二つに分類される。新システムで利用するCPUは、1コア当たり整数演算が10,000G Operations/秒(以下、OPSという)、浮動小数点演算が500G Floating-point Operations/秒(以下、FLOPSという)で実行できる。また、GPUは1個当たり浮動小数点演算が10,000G FLOPSで実行できる。
この新システムを用いて、APサーバ1がAPサーバ1のSSDに格納された800Mバイトの動画ファイルをメモリに読み込む時間はa秒である。また、DBサーバのDBMSはRDBである。
〔配置の検討〕
D君は、新システムの各機能の中でデータ量や計算量が多い処理を抽出した。データ量や計算量が多い処理の一覧を表5に示す。なお、データ量には、各処理を実行するためにCPUやGPUにインプットされるデータ量と、CPUやGPUで計算した後にアウトプットされるデータ量とがある。

レンダリング処理は、APサーバのCPUを4コア用いて処理する場合にはb秒掛かり、GPUサーバのGPUだけを1個用いて処理する場合にはc秒掛かる。ただし、GPUサーバを用いて処理する場合には、APサーバからGPUサーバへデータを送信するのにd秒掛かり、APサーバへレンダリング結果を返送するのにe秒掛かる。この検討結果から、APサーバよりもGPUサーバで処理した方がよい。
オンラインユーザ数取得処理について、D君は②DBサーバで処理した結果をAPサーバへ送信する方法が最適と考え、DBサーバで処理することにした。
素材送信処理は、同時に100名の動画配信者向けに素材データを送信しようとすると、LANの通信速度とHDDの読込速度が遅く送信に時間が掛かる。しかし、図1のサーバ構成の変更には大きな費用が掛かることから、サーバ構成を変更せずに対応する方法を検討した。動画配信者のPCへ送信する素材データは特定の素材データに偏っており、各素材データの更新頻度も高くないことから、表5の③素材送信処理の処理方法を変更して対応することにした。
〔動画配信者数増大への対応方針〕
D君は、将来的に動画配信者数が増大することを考慮して、新システムの拡張性について検討した。まず、表5のレンダリング処理は、動画データごとに処理が独立しており、GPUサーバを手動で追加するfの対応を行う方針にした。一方で、オンラインユーザ数取得処理は、時間とともに断続的に追記される動画の視聴ログをリアルタイムに集計する処理であり、DBサーバの数を増やせないことから、DBサーバgをして対応を行う方針にした。また、多次元分析処理は、④そこで扱うデータの特徴から、多次元分析処理専用のDBサーバを追加する方針にした。これによって多次元分析処理の負荷が他の処理へ影響しないようになる。
その後、D君は新システムの構築を完了させ、C社は新システムによる新しい動画配信者向けサービスの提供を開始した。
設問1:〔新システムのサーバ構成〕について答えよ。
問題文を見る(1)本文中の下線①について、整数演算に該当する演算を解答群の中から全て選び、記号で答えよ。
解答群
ア:300 + 200 ― 100
イ:300 × 200 ÷ 100
ウ:3.00 + 2.00 - 0.10
エ:-300 + (-200) - (-100)
オ:300 × 0
カ:3.00 × 0
模範解答
ア、イ、エ、オ
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では
「各サーバで計算を行うCPUやGPUで実行される演算は、①整数演算と浮動小数点演算の二つに分類される。」
とあり、対象となる演算を “整数演算” か “浮動小数点演算” のいずれかに分ける必要があります。 - 整数演算とは、オペランド(演算対象)がすべて整数型で表現される演算です。
浮動小数点演算は、小数点を含む数値を扱う演算が該当します。 - 解答群を判定します。
• ア: … 全て整数 → 整数演算
• イ: … 全て整数。除算でも結果が整数型で処理される想定 → 整数演算
• ウ: … 小数点を含む → 浮動小数点演算
• エ: … 負の符号を持つが整数 → 整数演算
• オ: … 0も整数 → 整数演算
• カ: … 3.00が小数 → 浮動小数点演算 - よって、整数演算に該当する記号は
「ア、イ、エ、オ」 となります。
誤りやすいポイント
- 「0」は整数であり、0を含む演算(オ)は整数演算になる点を見落としやすいです。
- マイナス記号(エ)の有無は型を変えません。負の整数でも浮動小数点とは別扱いです。
- 「÷」を見て浮動小数点と誤解するケースがありますが、オペランドが整数型なら整数演算です。
- 「3.00」のように末尾が0でも小数点を含む表記は浮動小数点演算です。
FAQ
Q: 整数演算と浮動小数点演算はCPU・GPUで性能が大きく異なるのですか?
A: 【問題文】にあるとおりCPUは「整数演算が10,000G Operations/秒」「浮動小数点演算が500G FLOPS」と性能差が大きく、GPUは浮動小数点演算が得意です。処理負荷を見積もる際に重要な指標になります。
A: 【問題文】にあるとおりCPUは「整数演算が10,000G Operations/秒」「浮動小数点演算が500G FLOPS」と性能差が大きく、GPUは浮動小数点演算が得意です。処理負荷を見積もる際に重要な指標になります。
Q: 「÷」を含む式は常に浮動小数点演算と考えた方が安全でしょうか?
A: オペランドが全て整数なら整数型除算として扱われます。型(データの表現形式)で判断してください。
A: オペランドが全て整数なら整数型除算として扱われます。型(データの表現形式)で判断してください。
Q: 小数点以下が0の値(例:3.0)は整数演算に含まれますか?
A: 含まれません。表記に小数点がある時点で浮動小数点型と見なされます。
A: 含まれません。表記に小数点がある時点で浮動小数点型と見なされます。
関連キーワード: 整数演算、浮動小数点、データ型、演算性能、CPU
設問1:〔新システムのサーバ構成〕について答えよ。
問題文を見る(2)本文中のaに入れる適切な数値を答えよ。ここで、本文に記載の読込速度、書込速度を実効速度とし、他のオーバヘッドは無視できるものとする。なお、計算結果に小数が発生する場合、答えは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
模範解答
a:1.6
解説
解答の論理構成
-
必要な数値の抽出
- データ量は本文の「APサーバ1がAPサーバ1のSSDに格納された800Mバイトの動画ファイル」と明示されているので、サイズは 「800Mバイト」 です。
- 読込速度について、表2には
「SSD 読込速度(Mバイト/秒) 500」
とあります。 - 本文には「他のオーバヘッドは無視できる」とあり、単純に転送時間=データ量÷速度で求めてよいことが分かります。
-
計算=\frac{800}{500}=1.6\;\text{秒} $$
データ転送時間 は -
桁処理
問題文の指示は「小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ」ですが、1.6秒はすでに小数第2位が存在しないためそのまま採用します。 -
結論
a に入る値は 1.6 となります。
誤りやすいポイント
- MバイトとMbps(bit単位)を混同し、LANやインターネット回線の「1」「10」を使ってしまう。今回はあくまでも SSDの500Mバイト/秒 を用いる問題です。
- 「800Mバイト」を800Mビットと読み違えて8倍してしまう。単位確認が必須です。
- 四捨五入の指示を読み落とし、「1.60」や「1.599…」などと書いて減点される。
FAQ
Q: LANやインターネットの速度は考慮しなくてよいのですか?
A: 今回のシナリオは「APサーバ1のSSD ⇒ 同サーバのメモリ」という内部転送であり、ネットワーク帯域は関係ありません。
A: 今回のシナリオは「APサーバ1のSSD ⇒ 同サーバのメモリ」という内部転送であり、ネットワーク帯域は関係ありません。
Q: SSDの書込速度「400」は使わなくて良いのでしょうか?
A: 問題が求めているのは読込時間です。したがって 「読込速度500」 のみを使用します。
A: 問題が求めているのは読込時間です。したがって 「読込速度500」 のみを使用します。
Q: 1.6秒を「2秒」と丸めても良いですか?
A: 指定は「小数第1位まで」です。従って 「1.6」 と書く必要があります。
A: 指定は「小数第1位まで」です。従って 「1.6」 と書く必要があります。
関連キーワード: SSD, データ転送時間、読込速度、単位換算
設問2:〔配置の検討〕について答えよ。
問題文を見る(1)本文中のb〜dに入れる適切な数値を、整数で答えよ。
模範解答
b:50
c:10
d:4
解説
解答の論理構成
-
演算量とCPU・GPU性能の把握
【問題文】には
・CPUは「1コア当たり浮動小数点演算が500G FLOPS」
・GPUは「1個当たり浮動小数点演算が10,000G FLOPS」
と記載されています。
また、レンダリング処理の浮動小数点演算量は表5で「100,000GFLO」と示されています。 -
APサーバ(CPU 4コア)で実行したときの所要時間
実効性能=500GFLOPS × 4コア=2,000GFLOPS
処理時間= 秒
よってb=50。 -
GPUサーバ(GPU 1個)で実行したときの所要時間
実効性能=10,000GFLOPS
処理時間= 秒
よってc=10。 -
APサーバ→GPUサーバへのデータ転送時間
転送量は表5のインプット「500Mバイト」。
回線速度は表3でLANが「1Gbps」。
500Mバイト=4,000Mビット
1Gbps=1,000Mビット/秒
転送時間= 秒
よってd=4。
誤りやすいポイント
- “G” を1,024で換算してしまう
本試験では1,000倍として扱う前提が多く、ここでも1Gbps=1,000Mビット/秒で計算するのが正解になります。 - 100,000GFLOを10^3倍の誤読
表5の「100,000」を「100,000G」→「100,000×10^9」と二重に解釈すると桁を誤ります。 - 入力500Mバイトと出力100Mバイトを合算して転送量を600Mバイトと考える
問われているのは「APサーバからGPUサーバへ送信する」入力データのみです。
FAQ
Q: GPUでレンダリングする場合、出力100Mバイトを返送する時間eは計算しなくてよいのですか?
A: 今回の小問は b〜d のみを求めるので、返送時間eの算出は不要です。
A: 今回の小問は b〜d のみを求めるので、返送時間eの算出は不要です。
Q: CPU性能に整数演算10,000G OPSがあるのに使わないのはなぜ?
A: レンダリング処理は表5で整数演算0GO、浮動小数点演算100,000GFLOと示されており、整数演算は事実上関与しません。
A: レンダリング処理は表5で整数演算0GO、浮動小数点演算100,000GFLOと示されており、整数演算は事実上関与しません。
Q: 1Gbpsを1,000Mビット/秒にした根拠は?
A: 【問題文】の「通信速度 (Gbps)」はSI接頭辞に従うのが一般的であり、試験問題でも10Gbps=10,000Mビット/秒という扱いをしています。
A: 【問題文】の「通信速度 (Gbps)」はSI接頭辞に従うのが一般的であり、試験問題でも10Gbps=10,000Mビット/秒という扱いをしています。
関連キーワード: FLOPS, 帯域幅、並列処理、データ転送、GPU
設問2:〔配置の検討〕について答えよ。
問題文を見る(2)本文中のeに入れる適切な数値を答えよ。なお、計算結果に小数が発生する場合、答えは小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
模範解答
e:0.8
解説
解答の論理構成
-
伝送路の確認
本文には「新システム内の負荷分散装置、サーバ、NASはLANで接続されている」とあり、GPUサーバとAPサーバ間もLAN接続である。
表3には「LAN 1 Gbps」とあるので、使用帯域は1Gbpsとなる。 -
単位換算
100Mバイト = 100 × 8 = 800Mビット -
時間算出※1Gbps=1,000Mbpsとして計算。
-
四捨五入処理
小数第2位は発生しないためそのまま0.8秒。
以上より、e に入る値は 0.8 である。
誤りやすいポイント
- インターネット側の“10 Gbps”を誤って用いる。GPUサーバとAPサーバは社内LAN接続であり対象外。
- “Mバイト”と“Mビット”を混同し8倍換算を忘れる。
- 1Gbpsを1,024Mbpsとみなすなど、問題文以外の値を当てはめる。
FAQ
Q: バイト→ビット換算は必ず必要ですか?
A: はい。通信速度はビット/秒で与えられているため、バイトで示されたデータ量を8倍してビットに直す必要があります。
A: はい。通信速度はビット/秒で与えられているため、バイトで示されたデータ量を8倍してビットに直す必要があります。
Q: LANが1Gbpsと10Gbpsで記載が逆では?
A: 問題文の表3に「LAN 1 Gbps」「インターネット 10 Gbps」と明示されているため、設問ではその値をそのまま使用します。
A: 問題文の表3に「LAN 1 Gbps」「インターネット 10 Gbps」と明示されているため、設問ではその値をそのまま使用します。
Q: 1024倍の換算を使うと答えは変わりますか?
A: 本問題は10進法で記載されているため、1Mbps=1,000,000bpsとして計算します。2進法換算を用いる指示はありません。
A: 本問題は10進法で記載されているため、1Mbps=1,000,000bpsとして計算します。2進法換算を用いる指示はありません。
関連キーワード: LAN, 帯域幅、データ転送時間、バイト換算、浮動小数点演算
設問2:〔配置の検討〕について答えよ。
問題文を見る(3)本文中の下線②について、DBサーバで処理した結果をAPサーバへ送信する方法が最適と考えたのはなぜか。データ量の観点から35字以内で答えよ。
模範解答
アウトプットデータと比較してインプットデータの量が多いから
解説
解答の論理構成
-
入出力データ量の把握
表5の「オンラインユーザ数取得」行には、 ・「インプット (Mバイト) 100」
・「アウトプット (Mバイト) 0.1」
とあります。インプットはアウトプットの1,000倍です。 -
データ転送量を最小化する方針
下線②では「DBサーバで処理した結果をAPサーバへ送信する方法が最適」と述べています。DBサーバ内で集計を完了させれば、APサーバへ送るのは「0.1Mバイト」だけで済みます。逆にAPサーバで処理する場合、100MバイトをLAN経由で転送しなければなりません。 -
結論
よって「アウトプットデータと比較してインプットデータの量が多い」ため、DBサーバ側で処理して小さな結果だけを送る方が効率的であり、ネットワーク負荷を大幅に削減できます。
誤りやすいポイント
- 「0.1Mバイト」を0.1Gバイトと誤読し、差を小さく見積もる。
- 計算量(GO)の差ばかりに注目し、データ転送量の影響を軽視する。
- DBサーバとAPサーバ間の通信速度(1Gbps)を見落とし、転送時間を過小評価する。
FAQ
Q: DBサーバで処理するとCPU負荷が心配ですが問題ありませんか?
A: 「整数演算数 (GO) 50」と小さく、DBサーバの「CPU(コア) 32」で十分処理可能です。
A: 「整数演算数 (GO) 50」と小さく、DBサーバの「CPU(コア) 32」で十分処理可能です。
Q: LANとインターネットの速度は関係ありますか?
A: 本設問ではDBサーバとAPサーバ間のLAN(1Gbps)のみが関係します。インターネット速度(10Gbps)は影響しません。
A: 本設問ではDBサーバとAPサーバ間のLAN(1Gbps)のみが関係します。インターネット速度(10Gbps)は影響しません。
Q: アウトプットが0.1Mバイトでも高頻度で送れば負荷は増えませんか?
A: 送信頻度が上がっても1回あたりのデータ量が小さいため、総通信量はインプット100Mバイトを直接送る場合より依然として少なく抑えられます。
A: 送信頻度が上がっても1回あたりのデータ量が小さいため、総通信量はインプット100Mバイトを直接送る場合より依然として少なく抑えられます。
関連キーワード: データ転送最適化、ネットワーク帯域、入出力バランス、サーバ配置、集計処理
設問2:〔配置の検討〕について答えよ。
問題文を見る(4)本文中の下線③について、素材送信処理の処理方法をどのように変更したか。変更点を30字以内で答えよ。
模範解答
素材データをAPサーバのSSDにキャッシュする。
解説
解答の導き方
-
問題文から必要な情報を抽出します。本文に「素材送信処理は、同時に100名の動画配信者向けに素材データを送信しようとすると、LANの通信速度とHDDの読込速度が遅く送信に時間が掛かる。」とあり、表5の素材送信のインプットは「50 Mバイト」である点、さらに「素材データは特定の素材データに偏っており、各素材データの更新頻度も高くない」とある点が与件です。これらから「同じ素材に対する同時要求が多く、頻繁な更新は少ない」ため、繰り返し発生するNAS→APサーバ間の読み取り・LAN転送を減らせば効果があると分かります。
- LANを通して全件をNASから取得する場合の所要時間は
です(LANがボトルネックになります)。 - HDDの純粋な読み出しだけならで、HDDも無視できない負荷要因です。
- APサーバ側でSSDにキャッシュする効果を計算します。APサーバのSSD読込速度は表2で500 Mバイト/秒、インターネット回線は10 G bps=1,250 Mバイト/秒です。キャッシュした場合は同じ素材をNASから1回だけ取得すればよく、その初回のLAN転送は、その後100名分をAPサーバ側から配信する際のインターネット経路での転送は(AP内でのSSD読み出しは高速)となり、合計で数秒台に収まります。したがって、繰り返しのNASアクセスとLAN転送を回避できる「APサーバのSSDへのキャッシュ」が最も効果的です。
結論として、本文の条件(同一素材の偏り・更新頻度が高くない)と表2・表3・表5の数値を組み合わせると、処理方法の変更は「素材データをAPサーバのSSDにキャッシュする」と判断できます。
(解答)素材データをAPサーバのSSDにキャッシュする。
誤りやすいポイント
- 表2の読込/書込を取り違えること。HDDの読込速度は250 Mバイト/秒で、150は書込速度です。読込値を誤ると時間計算が狂います。
- 単位変換ミス。(ビット→バイトで8で割る)を忘れないことです。
- キャッシュ先の混同。APサーバのメモリ(RAM)とSSDを混同すると持続性や実装制約で失点します。図1にAPサーバのSSDが明示されている点を根拠にする必要があります。
- 更新対策の省略。更新頻度が高ければキャッシュは不適切なので、与件の「更新頻度も高くない」を根拠にキャッシュを採ることを示す必要があります。
FAQ
Q: APサーバのメモリにキャッシュする案はだめですか?
A: メモリは高速ですが揮発性で容量制約が大きく、図1でAPサーバにSSDが用意されていることを踏まえると設問ではSSDキャッシュを想定するのが妥当です。短期的な高速化が目的ならメモリ併用も考えられますが、採点では図示されたSSDを使う説明が安全です。
A: メモリは高速ですが揮発性で容量制約が大きく、図1でAPサーバにSSDが用意されていることを踏まえると設問ではSSDキャッシュを想定するのが妥当です。短期的な高速化が目的ならメモリ併用も考えられますが、採点では図示されたSSDを使う説明が安全です。
Q: キャッシュしたら素材が古くなりませんか?
A: 本文に「各素材データの更新頻度も高くない」とあるためキャッシュは合理的です。更新時にはキャッシュ無効化(更新通知でAP上のキャッシュを削除)やバージョン管理で整合性を保てば問題ありません。
A: 本文に「各素材データの更新頻度も高くない」とあるためキャッシュは合理的です。更新時にはキャッシュ無効化(更新通知でAP上のキャッシュを削除)やバージョン管理で整合性を保てば問題ありません。
Q: 複数APサーバ間のキャッシュ整合性はどうする?
A: 整合性確保の方式を簡潔に述べれば得点できます。例として、素材更新時に全APへ更新通知を送る、またはキャッシュにバージョン番号/TTLを付けて更新時にインバリデートする方法が説明として有効です。
A: 整合性確保の方式を簡潔に述べれば得点できます。例として、素材更新時に全APへ更新通知を送る、またはキャッシュにバージョン番号/TTLを付けて更新時にインバリデートする方法が説明として有効です。
関連キーワード: キャッシュ、SSD、帯域幅、スループット、キャッシュ無効化
設問3:〔動画配信者数増大への対応方針〕について答えよ。
問題文を見る(1)本文中のf、gに入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア:スケールアウト
イ:スケールアップ
ウ:スケールイン
エ:スケールダウン
模範解答
f:ア
g:イ
解説
解答の論理構成
-
“GPUサーバを手動で追加するfの対応”
- ここでは「サーバを追加」することで全体の処理能力を高めようとしています。
- 複数台を並列配置して性能を上げる方法は水平スケーリング、すなわち “スケールアウト” です。
- 解答群で該当する語は “ア:スケールアウト”。
-
“DBサーバの数を増やせないことから、DBサーバgをして対応”
- 台数を増やせない=水平方向は不可。既存サーバのCPU・メモリ・ストレージを強化して縦に拡張します。
- これは垂直スケーリング、すなわち “スケールアップ” に該当します。
- 解答群で該当する語は “イ:スケールアップ”。
-
以上より
- fには “ア:スケールアウト”
- gには “イ:スケールアップ”
が妥当となります。
誤りやすいポイント
- “サーバを追加する” と “サーバの性能を上げる” を混同しやすい
水平か垂直かを落ち着いて判定しましょう。 - “数を増やせない” という表現を読み飛ばし、gにもスケールアウトを選択してしまうケース。
- “スケールイン/スケールダウン” は性能を下げる方向なので、本設問とは無関係です。
FAQ
Q: スケールアウトとロードバランシングは同義ですか?
A: 目的は同じ「並列分散による性能向上」ですが、ロードバランサはその実装手段の一部です。スケールアウトは台数を増やす設計方針、ロードバランシングはトラフィックを各台へ振り分ける技術です。
A: 目的は同じ「並列分散による性能向上」ですが、ロードバランサはその実装手段の一部です。スケールアウトは台数を増やす設計方針、ロードバランシングはトラフィックを各台へ振り分ける技術です。
Q: スケールアップの限界はどこで判断しますか?
A: CPUソケット数・メモリスロット数・電源容量などハードウェア上限、ライセンスコスト、ダウンタイム許容度を総合的に評価します。上限が近い場合は早期にスケールアウト戦略へ切替えるのが一般的です。
A: CPUソケット数・メモリスロット数・電源容量などハードウェア上限、ライセンスコスト、ダウンタイム許容度を総合的に評価します。上限が近い場合は早期にスケールアウト戦略へ切替えるのが一般的です。
Q: スケールダウンを採用する場面はありますか?
A: 一時的に負荷が減少し、コスト削減を優先したいときにクラウド環境でリソースを縮小するケースがあります。本問はオンプレ構成かつ負荷増を想定しているため対象外です。
A: 一時的に負荷が減少し、コスト削減を優先したいときにクラウド環境でリソースを縮小するケースがあります。本問はオンプレ構成かつ負荷増を想定しているため対象外です。
関連キーワード: スケールアウト、スケールアップ、水平スケーリング、垂直スケーリング、パフォーマンス拡張
設問3:〔動画配信者数増大への対応方針〕について答えよ。
問題文を見る(2)本文中の下線④について、オンラインユーザ数取得処理と対比して、多次元分析処理で扱うデータの特徴を20字以内で答えよ。
模範解答
追加・更新のない過去のデータ
解説
解答の論理構成
-
オンラインユーザ数取得処理の特徴を把握
【問題文】には「オンラインユーザ数取得処理は、時間とともに断続的に追記される動画の視聴ログをリアルタイムに集計する処理」とあります。
➜ データが“絶えず追記・更新される”ことが強調されています。 -
対比対象である多次元分析処理の前提を確認
同じ段落で「多次元分析処理は、そこ で扱うデータの特徴から、多次元分析処理専用のDBサーバを追加する方針」と記述されています。さらに表5では「多次元分析」のインプットは「50,000 Mバイト」で、処理内容は「前日までの動画の視聴ログを複数の分析軸から分析する」と明言されています。 -
「前日まで」の意味を読み解く
「前日まで」とは当日更新が終わった後の確定データを示すため、分析時点では追記も更新も行われません。オンラインユーザ数取得処理で強調された“リアルタイム更新”とは対照的に、“過去データを読み込むだけ”になります。 -
したがって多次元分析処理で扱うデータの本質は、 追加・更新を前提としない「静的な過去データ」。これを20字以内にまとめると追加・更新のない過去のデータ
誤りやすいポイント
- 「50,000 Mバイト」という大容量に気を取られ、データが頻繁に変わると勘違いする。実際には量ではなく更新頻度が鍵です。
- 多次元分析=BIツールのイメージから「随時更新されるダッシュボード」と連想するケース。問題文は「前日まで」と限定しています。
- “専用DBサーバを追加”をスケールアウトと解釈し「高頻度更新に対応」と誤読する。目的は更新ではなく他処理への影響分離です。
FAQ
Q: なぜ「前日まで」と書かれているだけで更新がないと言い切れるのですか?
A: 視聴ログは日次で締めた後に分析対象になります。リアルタイムに追記されるのはオンラインユーザ数取得処理のログであり、多次元分析処理は確定済みログを扱うため更新が発生しません。
A: 視聴ログは日次で締めた後に分析対象になります。リアルタイムに追記されるのはオンラインユーザ数取得処理のログであり、多次元分析処理は確定済みログを扱うため更新が発生しません。
Q: 大容量でも更新がなければ専用DBに切り出すメリットは?
A: 読み出し専用クエリが集中しても、他システムのトランザクション性能に影響を与えない構成にできるためです。
A: 読み出し専用クエリが集中しても、他システムのトランザクション性能に影響を与えない構成にできるためです。
Q: 「過去データ」を強調する理由は?
A: 更新がない=ロック競合やトランザクション管理が不要で、列指向DBやパーティショニングなど分析向け最適化を行いやすいからです。
A: 更新がない=ロック競合やトランザクション管理が不要で、列指向DBやパーティショニングなど分析向け最適化を行いやすいからです。
関連キーワード: データウェアハウス、ETL, バッチ処理、列指向ストレージ



