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応用情報技術者 2024年 春期 午前242


問題文

PCからサーバに対し,IPv6を利用した通信を行う場合、ネットワーク層で暗号化を行うときに利用するものはどれか。

選択肢

IPsec(正解)
PPP
SSH
TLS

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IPsecによる暗号化【午前2解説】

正解の理由

ネットワーク層(IP層)で通信パケットそのものを暗号化/認証するプロトコルはのIPsecです。IPsecはIPパケットを直接保護するため、トンネルモードやトランスポートモードでネットワーク全体やホスト間の通信を暗号化できます。対して、選択肢のイ(PPP)はデータリンク層のプロトコル、ウ(SSH)とエ(TLS)は主にトランスポート〜アプリケーション層での保護を目的とするため、問題の「ネットワーク層で暗号化を行う」条件を満たすのはIPsecだけです。
注:IPv6は設計段階でIPsecを利用することが想定され、IPv6と相性が良く広く利用されますが、すべてのIPv6実装でIPsecが必須というわけではありません。

解法ステップ

  1. 問題の条件(「ネットワーク層で暗号化」)を確認する。
  2. 各選択肢をOSI参照モデルや階層対応で照合する。
    • ネットワーク層(IP層)→ IPsec
    • データリンク層→ PPP
    • トランスポート/アプリケーション層→ SSH、TLS
  3. ネットワーク層に属するプロトコルを選ぶという基準でを選択する。

選択肢別の誤答解説

  • IPsec
    ネットワーク層でIPパケット自体を保護するプロトコル。AH(認証)とESP(暗号化/認証)を用い、トンネル/トランスポート両モードを持つため該当する。
  • イ PPP
    Point-to-Point Protocol。ダイヤルアップやシリアルリンクなどのデータリンク層でのフレーミング・認証に用いられる。ネットワーク層のパケットを暗号化するものではない。
  • ウ SSH
    Secure Shell。リモートログインやトンネルを提供するアプリケーション層のプロトコル(TCP上)。個別のアプリケーション通信を保護するが、IPパケット全体をネットワーク層で暗号化するものではない。
  • エ TLS
    Transport Layer Security。主にトランスポート層(実務上はアプリケーション層プロトコルに組み込まれて使用)で通信の機密性・完全性を提供する。HTTPS等で使われるが、IPヘッダを含むIP層全体の保護は行わない。

よくある誤解

  • 「IPv6ではIPsecが必須である」
    → IPv6の設計ではIPsecが標準的なセキュリティ機構として想定されてきましたが、現在の実装すべてで必須というわけではありません。実際にはオプション扱いで、利用は環境や設定によります。
  • 「TLSやSSHもネットワーク層と同じ性質で使える」
    → TLS/SSHはトランスポートやアプリケーション層での保護であり、IPヘッダを含むすべてのIPパケットを透明に暗号化する点でIPsecとは異なります。ただしTLSベースのVPN(例:OpenVPN)はトランスポート層で擬似的にネットワーク接続を保護できますが、原理的には層が違います。
  • 「PPPには暗号化機能がある」
    → PPP自体はフレーミングや認証(PAP/CHAP)を提供しますが、暗号化は標準機能ではありません(拡張や上位プロトコルで実現する)。

補足コラム

  • IPsecの主な構成要素:
    • AH(Authentication Header):パケットの認証・改ざん検出(暗号化は行わない)。
    • ESP(Encapsulating Security Payload):暗号化と認証を提供(一般的に機密性の確保に使われる)。
    • IKE(Internet Key Exchange、特にIKEv2):鍵交換とセキュリティアソシエーション(SA)の確立を行う。
  • モード:
    • トランスポートモード:ペイロード部分のみを保護(ホスト間通信向け)。
    • トンネルモード:IPパケット全体をカプセル化して新たなIPヘッダで包む(サイト間VPN等)。
  • 実運用上の注意:
    • NAT環境ではESPが直接通らないため、NAT-T(UDPカプセル化)を用いることが多い。
    • ハードウェアアクセラレーションにより暗号化負荷を軽減できる。

FAQ

Q. IPsecとTLS、どちらを選べばよいですか?
A. 用途によります。ネットワーク全体やサイト間でIPパケットを透過的に保護したいならIPsec(トンネルモード)が適切です。ウェブアプリやAPIなど特定アプリケーションの通信を保護したいならTLSが一般的です。
Q. SSHを使ってトンネルを張ればIPsecは不要ですか?
A. 小規模なポートフォワーディングや管理用トンネルにはSSHが便利ですが、ネットワーク全体を透過的に保護するサイト間VPNの代替としては拡張性や運用面で制約があります。要件次第です。
Q. IPv6ではIPsecが必ず使われますか?
A. いいえ。IPv6はIPsecが利用されることを想定していますが、実装や設定により利用は任意です。必要に応じて導入・設定してください。

関連キーワード: IPsec, IPv6, ESP, AH, IKE, トンネルモード, トランスポートモード, NAT-T, PPP, SSH, TLS, ネットワーク層, VPN
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