応用情報技術者 2024年 春期 午前2 問42
問題文
PCからサーバに対し,IPv6を利用した通信を行う場合、ネットワーク層で暗号化を行うときに利用するものはどれか。
選択肢
ア:IPsec(正解)
イ:PPP
ウ:SSH
エ:TLS
🔒 解説は解答すると表示されます
IPsecによる暗号化【午前2解説】
正解の理由
ネットワーク層(IP層)で通信パケットそのものを暗号化/認証するプロトコルはアのIPsecです。IPsecはIPパケットを直接保護するため、トンネルモードやトランスポートモードでネットワーク全体やホスト間の通信を暗号化できます。対して、選択肢のイ(PPP)はデータリンク層のプロトコル、ウ(SSH)とエ(TLS)は主にトランスポート〜アプリケーション層での保護を目的とするため、問題の「ネットワーク層で暗号化を行う」条件を満たすのはIPsecだけです。
注:IPv6は設計段階でIPsecを利用することが想定され、IPv6と相性が良く広く利用されますが、すべてのIPv6実装でIPsecが必須というわけではありません。
解法ステップ
- 問題の条件(「ネットワーク層で暗号化」)を確認する。
- 各選択肢をOSI参照モデルや階層対応で照合する。
- ネットワーク層(IP層)→ IPsec
- データリンク層→ PPP
- トランスポート/アプリケーション層→ SSH、TLS
- ネットワーク層に属するプロトコルを選ぶという基準でアを選択する。
選択肢別の誤答解説
- ア IPsec
ネットワーク層でIPパケット自体を保護するプロトコル。AH(認証)とESP(暗号化/認証)を用い、トンネル/トランスポート両モードを持つため該当する。 - イ PPP
Point-to-Point Protocol。ダイヤルアップやシリアルリンクなどのデータリンク層でのフレーミング・認証に用いられる。ネットワーク層のパケットを暗号化するものではない。 - ウ SSH
Secure Shell。リモートログインやトンネルを提供するアプリケーション層のプロトコル(TCP上)。個別のアプリケーション通信を保護するが、IPパケット全体をネットワーク層で暗号化するものではない。 - エ TLS
Transport Layer Security。主にトランスポート層(実務上はアプリケーション層プロトコルに組み込まれて使用)で通信の機密性・完全性を提供する。HTTPS等で使われるが、IPヘッダを含むIP層全体の保護は行わない。
よくある誤解
- 「IPv6ではIPsecが必須である」
→ IPv6の設計ではIPsecが標準的なセキュリティ機構として想定されてきましたが、現在の実装すべてで必須というわけではありません。実際にはオプション扱いで、利用は環境や設定によります。 - 「TLSやSSHもネットワーク層と同じ性質で使える」
→ TLS/SSHはトランスポートやアプリケーション層での保護であり、IPヘッダを含むすべてのIPパケットを透明に暗号化する点でIPsecとは異なります。ただしTLSベースのVPN(例:OpenVPN)はトランスポート層で擬似的にネットワーク接続を保護できますが、原理的には層が違います。 - 「PPPには暗号化機能がある」
→ PPP自体はフレーミングや認証(PAP/CHAP)を提供しますが、暗号化は標準機能ではありません(拡張や上位プロトコルで実現する)。
補足コラム
- IPsecの主な構成要素:
- AH(Authentication Header):パケットの認証・改ざん検出(暗号化は行わない)。
- ESP(Encapsulating Security Payload):暗号化と認証を提供(一般的に機密性の確保に使われる)。
- IKE(Internet Key Exchange、特にIKEv2):鍵交換とセキュリティアソシエーション(SA)の確立を行う。
- モード:
- トランスポートモード:ペイロード部分のみを保護(ホスト間通信向け)。
- トンネルモード:IPパケット全体をカプセル化して新たなIPヘッダで包む(サイト間VPN等)。
- 実運用上の注意:
- NAT環境ではESPが直接通らないため、NAT-T(UDPカプセル化)を用いることが多い。
- ハードウェアアクセラレーションにより暗号化負荷を軽減できる。
FAQ
Q. IPsecとTLS、どちらを選べばよいですか?
A. 用途によります。ネットワーク全体やサイト間でIPパケットを透過的に保護したいならIPsec(トンネルモード)が適切です。ウェブアプリやAPIなど特定アプリケーションの通信を保護したいならTLSが一般的です。
A. 用途によります。ネットワーク全体やサイト間でIPパケットを透過的に保護したいならIPsec(トンネルモード)が適切です。ウェブアプリやAPIなど特定アプリケーションの通信を保護したいならTLSが一般的です。
Q. SSHを使ってトンネルを張ればIPsecは不要ですか?
A. 小規模なポートフォワーディングや管理用トンネルにはSSHが便利ですが、ネットワーク全体を透過的に保護するサイト間VPNの代替としては拡張性や運用面で制約があります。要件次第です。
A. 小規模なポートフォワーディングや管理用トンネルにはSSHが便利ですが、ネットワーク全体を透過的に保護するサイト間VPNの代替としては拡張性や運用面で制約があります。要件次第です。
Q. IPv6ではIPsecが必ず使われますか?
A. いいえ。IPv6はIPsecが利用されることを想定していますが、実装や設定により利用は任意です。必要に応じて導入・設定してください。
A. いいえ。IPv6はIPsecが利用されることを想定していますが、実装や設定により利用は任意です。必要に応じて導入・設定してください。
関連キーワード: IPsec, IPv6, ESP, AH, IKE, トンネルモード, トランスポートモード, NAT-T, PPP, SSH, TLS, ネットワーク層, VPN

\ せっかくなら /
応用情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

