解説
オブジェクト図に対応する概念データモデルの選択【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:地域と仕入先は1対多、仕入先と仕入は1対多、仕入と部品は多対1の関係が正しいです。
- 根拠:オブジェクト図から地域は複数の仕入先を持ち、仕入先は複数の仕入を持ち、仕入は単一の部品に対応していることが読み取れます。
- 差がつくポイント:多重度の方向と意味を正確に理解し、オブジェクト図のインスタンス間の関係を正しく概念モデルに反映できるかが重要です。
正解の理由
正解はイです。
オブジェクト図では「地域」から複数の「仕入先」が存在し、仕入先は複数の「仕入」を持ちます。また、「仕入」は単一の「部品」に対応しています。
これを概念データモデルの多重度で表すと、地域―仕入先は1対多(地域側1、仕入先側*)、仕入先―仕入は1対多(仕入先側1、仕入側*)、仕入―部品は多対1(仕入側*、部品側1)となり、選択肢イがこれに合致します。
よくある誤解
多重度の向きを逆に理解し、1対多の関係を多対1と誤認することが多いです。
また、オブジェクト図のインスタンス数を見て多重度を決める際に、単一のインスタンスだけで判断しがちです。
解法ステップ
- オブジェクト図の各インスタンス間の関係を確認する。
- 「地域」から「仕入先」へのリンク数を数え、多重度を判断する。
- 「仕入先」から「仕入」へのリンク数を確認し、多重度を決定する。
- 「仕入」から「部品」へのリンクを見て、多重度を判断する。
- 各関係の多重度を選択肢の記述と照合し、最も合致するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:地域―仕入先が1対1となっているが、オブジェクト図では地域に複数の仕入先が存在するため誤り。
- イ:正解。多重度がオブジェクト図の関係を正しく表現している。
- ウ:仕入先―仕入の多重度が逆で、仕入先側が多となっているため誤り。
- エ:地域―仕入先の多重度が多対多となっているが、地域は1つで複数の仕入先を持つため誤り。
補足コラム
UMLの概念データモデルでは、多重度は「1」や「*」で表し、1は単一、*は多を意味します。
オブジェクト図は実際のインスタンスの関係を示すため、概念モデルの多重度を推定する際の重要な資料となります。
多重度の理解はデータベース設計やシステム分析で必須のスキルです。
FAQ
Q: 多重度の「1」と「」は何を意味しますか?
A: 「1」は必ず1つの関連が存在すること、「」は0個以上の関連が存在することを示します。
Q: オブジェクト図から多重度を判断する際のポイントは?
A: インスタンス間のリンク数を観察し、どちらの側に複数の関連があるかを見極めることが重要です。
Q: 多重度が逆になるとどうなる?
A: 関係の意味が変わり、データモデルの整合性が崩れるため、システム設計に誤りが生じます。
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