システムで利用できるパスワードの仕様変更に伴う最小桁数の計算【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:新しいパスワードの最小桁数は9桁以上でなければ、総数は変更前の16桁数字より多くならない。
- 根拠:数字16桁の総数は1016、新仕様は95nで、log1095=1.98を用いて比較する。
- 差がつくポイント:対数を使った指数比較の理解と、桁数の最小値を正確に求める計算力が重要。
正解の理由
変更前のパスワードは数字16桁で、総数は1016通りです。
変更後は95種類の文字からなる長さnのパスワードで、総数は95n通りとなります。
総数が多くなる条件は、95n>1016です。
両辺の常用対数を取ると、
nlog1095>16
n×1.98>16
n>1.9816≈8.08
したがって、nは9以上でなければなりません。
よって、選択肢の中で最小の9(エ)が正解です。
よくある誤解
- 「95の対数が2に近いから8桁で十分」と考えがちですが、実際は8桁では総数が不足します。
- 桁数の単純比較だけで判断し、指数の違いを見落とすことがあります。
解法ステップ
- 変更前のパスワード総数を計算:1016
- 変更後のパスワード総数を計算:95n
- 不等式を立てる:95n>1016
- 両辺の常用対数を取る:nlog1095>16
- log1095=1.98を代入し、n>1.9816を計算
- nの最小整数値を求めて9と判定
選択肢別の誤答解説
- ア(6):956は106×1.98=1011.88で1016に遠く及ばない。
- イ(7):1013.86でまだ1016未満。
- ウ(8):1015.84で1016に届かず不十分。
- エ(9):1017.82で1016を超え、条件を満たす。
補足コラム
パスワードの総数は「文字種の数の桁数乗」で表され、セキュリティ強度の指標となります。
対数を使うことで指数の大小比較が容易になり、桁数の最小値を効率的に求められます。
また、空白文字を含めた95種はASCIIの印刷可能文字セットに近く、実務でもよく使われます。
FAQ
Q: なぜ対数を使うのですか?
A: 大きな指数の比較を簡単にするためで、指数の掛け算を対数の足し算に変換できます。
Q: 95種の文字はどのように決まるのですか?
A: 英数字、記号、空白を含む印刷可能なASCII文字の合計で、一般的に95文字とされます。
Q: 8桁ではなぜダメなのですか?
A: 8桁の総数は1015.84で1016未満のため、変更前より少なくなります。
関連キーワード: パスワード総数、対数計算、セキュリティ強度、文字種、桁数比較