エンベデッドシステムスペシャリスト 2013年 午前2 問16
問題文
マイコンに供給するクロックとシリアル通信ポートに使用するクロックを共用するマイコンシステムがある。クロックを分の1に分周するだけで57.6kビット/秒の通信速度を得るためには、マイコンに供給するクロックを何MHzにするのが最も適切か。ここで、シリアル通信ポートのクロックの精度は5%以内に収まればよいものとする。

選択肢
ア:52
イ:60(正解)
ウ:66
エ:72
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分周による通信クロック設定【午前2解説】
正解の理由
分周器がクロックを 分の1にするため、シリアル通信ポートのクロック周波数は、マイコンに供給するクロック周波数を で割った値になります。
イの60 MHzを で分周すると、
となります。目標の57.6 kビット/秒に対する誤差は約1.7%で、許容範囲の5%以内です。そのため、イが最も適切です。
解法ステップ
-
目標の通信速度を周波数に置き換えます。
57.6 kビット/秒は、計算上、57.6 kHzとして扱います。 -
許容される誤差の範囲を求めます。
57.6 kHzの5%は2.88 kHzなので、許容範囲は54.72 kHz以上60.48 kHz以下です。 -
各選択肢のクロックを、2のべき乗で分周します。
60 MHzの場合、 で割ると約58.6 kHzとなり、許容範囲に入ります。 -
ほかの選択肢では、分周後の周波数が許容範囲に入りません。
よって、60 MHzを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
ア:52 MHz
で分周すると約50.8 kHzとなり、目標より低くなります。目標に近い分周比は約903ですが、2のべき乗ではありません。 -
イ:60 MHz
で分周すると約58.6 kHzとなり、目標との差は約1.7%です。許容誤差の5%以内に収まります。 -
ウ:66 MHz
で分周すると約64.5 kHzとなり、目標との差は約11.9%です。許容範囲を超えます。 -
エ:72 MHz
で分周すると約70.3 kHzとなり、目標との差は約22.1%です。許容範囲を超えます。
よくある誤解
-
目標値に近いクロックを選べばよいと思う
クロックは任意の値で分周できるわけではありません。今回は、分周比が に限られる点が重要です。 -
誤差の基準を取り違える
誤差は、分周後の周波数と目標の57.6 kHzとの差を、目標値に対する割合として計算します。 -
を任意の整数と考える
は1、2、4、8、16……のような2のべき乗です。903などの値で分周することはできません。
補足コラム
60 MHzを目標の57.6 kHzで割ると、必要な分周比は約1,041.7です。これに最も近い2のべき乗は1,024()です。分周後は目標値と完全には一致しませんが、誤差が5%以内であれば条件を満たします。
FAQ
なぜ分周比を1024にするのですか?
分周比は に限られ、目標の57.6 kHzに近い値を得られる分周比が1024だからです。60 MHzを1024で割ると約58.6 kHzになります。
分周比は に限られ、目標の57.6 kHzに近い値を得られる分周比が1024だからです。60 MHzを1024で割ると約58.6 kHzになります。
誤差が5%以内かどうかはどう判定しますか?
次の式で誤差率を計算します。
次の式で誤差率を計算します。
計算結果が5%以下なら、条件を満たします。
関連キーワード: クロック周波数、分周、2のべき乗、シリアル通信、誤差率

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