エンベデッドシステムスペシャリスト 2016年 午前2 問14
問題文
NAND素子を用いた次の組合せ回路の出力を表す式はどれか。ここで、論理式中の“”は論理積、“”は論理和、“”はの否定を表す。

選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
🔒 解説は解答すると表示されます
NAND回路とド・モルガンの法則【午前2解説】
正解の理由
NANDゲートの2つの入力に同じ信号を接続すると、出力はその信号の否定になります。
- 上段のNANDゲート:入力がどちらも (X) なので、出力は (\overline{X \cdot X}=\overline{X}) です。
- 下段のNANDゲート:入力がどちらも (Y) なので、出力は (\overline{Y \cdot Y}=\overline{Y}) です。
- 右側のNANDゲート:入力は (\overline{X}) と (\overline{Y}) なので、出力 (Z) は次のとおりです。
最後の変形には、ド・モルガンの法則を使っています。したがって、出力を表す式は イ の (X+Y) です。
解法ステップ
-
同じ信号がNANDゲートの2入力に入っていることを確認します。
上段は (X)、下段は (Y) がそれぞれ二つの入力に接続されています。 -
同じ信号を2入力に持つNANDゲートを否定回路として読み替えます。
(X \cdot X=X) なので、上段の出力は (\overline{X}) です。同様に、下段の出力は (\overline{Y}) です。 -
右側のNANDゲートの式を立てます。
NANDは入力の論理積を否定するため、出力は (\overline{\overline{X}\cdot\overline{Y}}) です。 -
ド・モルガンの法則で変形します。
(\overline{\overline{X}\cdot\overline{Y}}=X+Y) となります。
選択肢別の誤答解説
-
ア:(X \cdot Y)
(X) と (Y) の論理積です。回路の出力は論理和になるため、該当しません。 -
イ:(X+Y)
上段と下段でそれぞれ入力を否定し、その否定同士をNANDで処理すると、ド・モルガンの法則により論理和になります。これが正しい式です。 -
ウ:(\overline{X \cdot Y})
(X) と (Y) を直接NANDゲートに入力した場合の式です。この回路では、右側のゲートに入る前に (X) と (Y) がそれぞれ否定されています。 -
エ:(\overline{X+Y})
(X) と (Y) の論理和を否定した式です。回路の出力は (X+Y) であり、その否定ではありません。
よくある誤解
-
NANDゲートの出力の否定を見落とす
NANDはANDの結果を否定したものです。ゲートの出力側にある小さな丸は、否定を表します。 -
同じ信号を2入力に接続しても、入力が変わらないと思い込む
NANDゲートでは、同じ信号を両方の入力に接続すると、その信号の否定が出力されます。 -
最後のゲートを単純なANDとして読む
右側のゲートもNANDです。入力の論理積だけでなく、その否定まで行うことを忘れないようにしましょう。
補足コラム
NANDゲートは、入力を適切に接続することでNOT、AND、ORなどの論理回路を構成できます。このように、NANDだけでさまざまな論理回路を作れる性質を、NANDの万能性といいます。
この問題では、同じ信号を2入力に接続したNANDがNOTとして働き、最後のNANDとド・モルガンの法則によってORが構成されています。
FAQ
Q. なぜ (X \cdot X=X) なのですか?
A. 論理積は両方が1のときだけ1です。同じ値を二つ掛け合わせても、その値と一致するためです。
A. 論理積は両方が1のときだけ1です。同じ値を二つ掛け合わせても、その値と一致するためです。
Q. NANDの出力を毎回、式で確認する方法はありますか?
A. NANDは「入力の論理積を否定する」ゲートなので、入力を (A)、(B) とすれば、出力は (\overline{A\cdot B}) と書けます。
A. NANDは「入力の論理積を否定する」ゲートなので、入力を (A)、(B) とすれば、出力は (\overline{A\cdot B}) と書けます。
関連キーワード: NANDゲート、論理回路、ド・モルガンの法則、否定回路、論理和

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