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エンベデッドシステムスペシャリスト 2017年 午後1 問02


カメラ付き防犯灯に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 B社は、カメラ付き防犯灯(以下、防犯灯という)を開発している。防犯灯を電柱に設置した様子を図1に、下から見た防犯灯の外観を図2に、それぞれ示す。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(平成29年 午後1 問2 図1, 2)
〔防犯灯のシステム構成と機能〕  防犯灯のシステム構成を図3に示し、各構成要素の機能の概要を説明する。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(平成29年 午後1 問2 図3)
 ・電源ユニットは、電柱の電力線から供給される電力をDC電源に変換する。  ・制御部には、MCU、RAM、フラッシュメモリなどが搭載され、防犯灯全体の制御を行う。制御部に搭載されるMCUには、日付時刻用タイマ(以下、RTCという)、画像圧縮処理用アクセラレータ(以下、圧縮アクセラレータという)などが内蔵されている。RTCは、停電時にはバッテリによって動作する。  ・照明ユニットは、防犯灯としての照明で、光源にはLEDが使用されている。照明の点灯又は消灯の制御は制御部からの指示で行う。  ・カメラユニットは、1秒間に4フレームの画像を撮影する。1フレームの画像を撮影すると、その都度制御部に通知する。  ・照度センサユニットは、1秒周期で周囲の明るさを計測する。計測されたデータ(以下、照度データという)の値は、0~255の範囲で、周囲が明るいほど値が大きい。  ・無線LANユニットは、制御部とPCを無線LANで接続する。PCと接続することによって、無線LANユニット及びカメラユニットに関する各種動作パラメタの設定、日付時刻の設定、画像データをフラッシュメモリに記憶するときに必要な暗号キーの設定ができる。また、記憶した画像データの取出しなどができる。   〔制御部の処理概要〕  (1) 各種動作パラメタは、フラッシュメモリにあらかじめ記憶されており、PCからパラメタの設定指示を受信すると、その受信した値で各種動作パラメタを変更する。PCから日付時刻の設定指示を受信すると、受信した日付時刻の情報をRTCに設定する。暗号キーの設定指示を受信すると、受信した暗号キーをフラッシュメモリに記憶する。  (2) 1秒周期で、照度データの値とカメラユニットの各種動作パラメタを基に、シャッタスピードなどの画質調整パラメタを決定する。画質調整パラメタに変化があれば、その画質調整パラメタをカメラユニットに送信する。  (3) 1分周期で、現時点の照度データの値1個と、過去4分前までの照度データの値4個の合計5個の平均値(以下、移動平均値という)を基に、照明の点灯又は消灯の制御を行う。移動平均値の小数点以下は切り捨てる。照明は、移動平均値が50以下で点灯し、55以上で消灯する。  (4) カメラユニットから1フレームの画像データを受けるごとに、“年月日時分秒”を、その画像データでの画像の右下の位置に合成し、圧縮アクセラレータを使用してフレーム間の差分を利用した圧縮をする。PCとの接続中は、カメラユニットからの画像データを破棄して何もしない。  (5) 圧縮された画像データが6分間分蓄積されると、PCから設定された暗号キーを使用して暗号化する。暗号化した6分間分の画像データは、一つのファイルとしてフラッシュメモリに記憶し、240時間保存される。ファイル名は日付時刻の情報から自動生成する。PCから日付時刻の設定指示を受信したとき、記憶した全てのファイル、及び蓄積した画像データを削除する。  (6) PCからファイル一覧要求を受信すると、記憶されているファイル名一覧をPCに送信する。PCからファイル名を指定した画像データの送信要求を受信すると、そのファイルの画像データをPCに送信する。   〔制御部のソフトウェア構造〕  制御部のOSには、リアルタイムOSを使用する。制御部のタスク処理概要を表1に、制御部のタスク構造を図4に、それぞれ示す。

設問1:防犯灯の仕様について、(1)~(3)に答えよ。

設問1(1)

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照明の点灯又は消灯の制御について、(a)、(b)に答えよ。  ある時点の照度データと移動平均値の推移を、表2に示す。ここで、データ番号nは現時点、n−1は現時点から1分前、n−9は現時点から9分前を表している。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(平成29年 午後1 問2 表2)
 (a) 表2において、照明の点灯又は消灯の制御を行った箇所が1か所ある。どのデータ番号の箇所で、どのような照明の制御が行われたのか。20字以内で述べよ。  (b) 照明の点灯又は消灯の制御を行う値を異なる値としていることによって、照明の点灯又は消灯の制御において、ある動作を防ぐことができる。ある動作とは何か。20字以内で述べよ。

模範解答

(a):n-4で照明を点灯した。 (b):照明の点灯と消灯を繰り返す動作

解説

解答の導き方

照明の制御は、現在の照度データだけではなく、現時点と過去4分間の照度データから求めた移動平均値を基に行います。表2には、その移動平均値の推移が示されています。
本文では、移動平均値が50以下なら点灯し、55以上なら消灯するとしています。したがって、51~54の範囲では点灯・消灯のどちらの条件にも当たらず、照明の状態は変わりません。
表2を見ると、n−5の移動平均値は51で、まだ点灯条件を満たしていません。その次のn−4では50となり、点灯条件を初めて満たします。このため、制御が行われたのはn−4で、照明は点灯します。その後は移動平均値が51、50、49、49と推移し、消灯条件である55以上にはなりません。
(b)では、点灯条件と消灯条件に異なる値を設定する理由を考えます。二つの条件の間に51~54の範囲があるため、照度が少し上下しても、その範囲内では照明の状態が変わりません。これにより、照明の点灯と消灯を繰り返す動作を防げます。

誤りやすいポイント

  • 表2の照度データと移動平均値を取り違えないようにします。制御の判定に使うのは移動平均値です。
  • 点灯条件の「50以下」と消灯条件の「55以上」は別々に確認します。50を超えた時点で直ちに消灯するわけではありません。
  • 51~54の範囲は、照明の状態を切り替える条件ではありません。ここで状態を維持することが、点灯・消灯の頻繁な繰返しを防ぎます。

FAQ

Q: 移動平均値が51になったら、照明は消灯しますか?
A: いいえ。消灯条件は55以上なので、51では照明の状態は切り替わりません。
Q: 移動平均値が50ちょうどの場合も点灯条件を満たしますか?
A: はい。「50以下」が点灯条件なので、50ちょうどでも点灯します。
Q: 点灯と消灯の判定に異なる値を使うのはなぜですか?
A: 判定の間に状態を維持する範囲を設け、照度の小さな変動による点灯・消灯の繰返しを防ぐためです。

関連キーワード: 移動平均、しきい値制御、ヒステリシス、チャタリング、照度センサ

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設問1(2)

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1フレームの画像データを1Mバイトとしたとき、画像データの記憶に必要なフラッシュメモリの容量は全体で何Gバイトか。答えは小数点以下を切り上げて、整数で求めよ。ここで、圧縮すると元データの1%のデータ量になり、暗号化すると圧縮したデータの5%のデータ量が増加するものとする。また、1Mバイト=バイト、1Gバイト=バイトとする。

模範解答

37

解説

解答の導き方

  1. まず、保存対象となる画像の総数を求めます。本文には、カメラユニットが「1秒間に4フレームの画像を撮影する」とあり、圧縮された画像データは「6分間分」ごとにファイル化され、「240時間保存」されます。
    6分間は360秒なので、1ファイル当たりのフレーム数は次のとおりです。
    フレーム
  2. 240時間分のファイル数を求めます。240時間を6分間ごとの区切りにすると、ファイル数は次のとおりです。
    ファイル
    したがって、保存する画像の総数は次のとおりです。
    フレーム
  3. 次に、1フレーム当たりの保存容量を求めます。元の画像データは1フレーム当たり1Mバイトで、圧縮後は元の1%です。
    バイト
    さらに暗号化によって、圧縮したデータの5%分だけ容量が増えます。したがって、暗号化後の容量は次のとおりです。
    バイト
  4. 保存する全フレームの容量を求めます。
    バイト
    1Gバイトはバイトなので、Gバイトに換算すると36.288Gバイトです。必要な容量は整数で切り上げるため、必要なフラッシュメモリ容量は37Gバイトとなります。

誤りやすいポイント

  • 5%増えるのは元画像ではなく、圧縮後のデータです。圧縮後の容量に1.05を掛けます。
  • 240時間を秒に換算してフレーム数を求めても、6分間ごとのファイル数を求めてから計算しても、同じ総フレーム数になります。
  • MバイトとGバイトは、問題文の指定どおり10進数で換算します。Gバイトはバイトです。
  • 36.288Gバイトを整数で求めるため、四捨五入ではなく切り上げます。

FAQ

Q: 暗号化後の容量は、元画像の1.05%ですか。
A: そのとおりです。圧縮後が元画像の1%で、その圧縮後の容量が暗号化によって5%増えるため、元画像に対する割合はです。
Q: 6分間分の画像だけで計算してはいけないのですか。
A: 6分間分は1ファイルの容量を求めるための単位です。保存期間は240時間なので、その間に作成される全ファイルの容量を合計する必要があります。
Q: なぜ容量を切り上げるのですか。
A: 求めた容量以上のフラッシュメモリが必要だからです。36.288Gバイトでは足りないため、整数で表すときは37Gバイトになります。

関連キーワード: フレームレート、データ圧縮、暗号化、単位換算、切り上げ

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設問1(3)

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PCから日付時刻の設定指示を受信したとき、記憶されている全てのファイルを削除することによって、ある不都合が発生するのを防止している。ある不都合とは何か。記憶されているファイルのファイル名を視点に30字以内で述べよ。

模範解答

同じファイル名のファイルが作成される可能性があるから

解説

解答の導き方

本文では、ファイル名は「日付時刻の情報から自動生成する」とされています。つまり、ファイル名はファイルを作成するときの日付時刻に基づいて決まります。
一方、PCから日付時刻の設定指示を受信すると、受信した日付時刻がRTCに設定されます。設定によって時刻が過去に戻ると、その後に作成するファイルのファイル名が、時刻変更前に作成したファイルのファイル名と同じになる可能性があります。
そこで、日付時刻を設定するときに記憶済みのファイルを削除しておけば、既存のファイルと同じファイル名のファイルが作成される不都合を防げます。

誤りやすいポイント

  • 画像データの内容が重複する問題ではなく、時刻から自動生成されるファイル名が重複する問題です。
  • 「日付時刻の設定」で必ず時刻が過去に戻るとは限りません。設定時刻によっては、既存のファイル名と同じになる可能性があることがポイントです。
  • 日付時刻の設定時には、記憶済みのファイルだけでなく蓄積中の画像データも削除されます。ただし、問われている不都合はファイル名の重複です。

FAQ

Q: 時刻を進める設定なら、ファイル名の重複は起きませんか?
A: その場合は重複しないこともありますが、設定する時刻は任意なので、既存のファイルと同じ日時に戻る可能性があります。その可能性をなくすために削除します。
Q: 蓄積中の画像データまで削除するのはなぜですか?
A: 蓄積中の画像データには設定前の時刻が合成されているので、そのまま残すと、設定後の時刻で作るファイルに設定前の時刻の画像が混ざってしまいます。時刻の連続性を保つために、ファイルと合わせて削除していると考えられます。

関連キーワード: ファイル名、タイムスタンプ、ファイル名衝突、時刻設定、RTC

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設問2:制御部のソフトウェアについて、(1)~(4)に答えよ。

設問2(1)

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表1中のa~eに入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

a:画質調整パラメタ b:移動平均値 c:圧縮アクセラレータ d:240時間以上経過したファイル e:削除

解説

解答の導き方

表1の空欄は、各タスクが担当する処理と、防犯灯全体の処理概要を対応させると判断できます。
まず、[a]と[b]は、どちらも照度タスクが決定する項目です。ただし、決定する周期と目的が異なります。制御部の処理概要には、1秒周期で照度データとカメラの動作パラメタを基に「シャッタスピードなどの画質調整パラメタを決定する」とあります。この処理を照度タスクが行うため、[a]には画質調整パラメタが入ります。
一方、照明の点灯又は消灯は1分周期で決定します。処理概要には、現時点と過去4分間の照度データを合わせた「合計5個の平均値」を基に制御するとあります。この平均値には「移動平均値」という名称が付いているため、[b]は移動平均値です。画質を調整する処理と照明を点灯・消灯する処理を、周期と目的で区別するのがポイントです。
次に、[c]は画像処理タスクが画像を圧縮するときに使うものです。制御部の処理概要では、圧縮に「圧縮アクセラレータを使用」すると説明されています。表1の画像処理タスクにも、時刻画像を合成した後に圧縮する処理があるため、[c]には圧縮アクセラレータが入ります。
最後に、[d]と[e]はファイル管理タスクにおけるファイルの保存期間に関する処理です。画像データをファイルとして記憶した後、「240時間保存される」とあります。保存期間を過ぎたファイルを残し続けないため、ファイル化の際に240時間以上経過したファイルを削除してから、新しい画像データをファイルとして記憶する流れになります。したがって、[d]は240時間以上経過したファイル、[e]は削除です。

誤りやすいポイント

  • [a]を照明の点灯・消灯に関する値と取り違えないようにします。画質調整は1秒周期、照明の制御は1分周期です。
  • [b]は、その時点の照度データそのものではありません。現時点と過去4分間のデータ、合計5個の平均値です。
  • [c]には画像処理タスクの名称ではなく、圧縮処理に使うアクセラレータの名称が入ります。
  • [d]と[e]は、画像データの暗号化や新しいファイルの記憶ではなく、保存期間を過ぎたファイルを削除する処理です。

FAQ

Q: [a]と[b]は、どちらも照度データを使うのに、なぜ別の値なのですか?
A: 使う周期と目的が異なるためです。[a]は1秒周期でカメラの画質を調整するための値で、[b]は1分周期で照明の点灯・消灯を決めるための平均値です。
Q: [b]の移動平均値は、何個の照度データから求めますか?
A: 現時点の照度データ1個と、過去4分前までの照度データ4個を合わせた5個です。
Q: 240時間を過ぎたファイルを削除する理由は何ですか?
A: ファイルの保存期間が240時間と定められているためです。保存期間を過ぎたファイルを削除し、保存期間の要件を守ります。

関連キーワード: 移動平均、タスク分割、画像圧縮、ファイル保存期間、リアルタイムOS

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設問2(2)

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図4中のf~iに入れる適切な字句を、表1中に示すタスク名で答えよ。

模範解答

f:画像処理 g:照度 h:照明 i:ファイル管理

解説

解答の導き方

図4のf~iに入るタスク名は、表1に示された各タスクの処理内容と、図4の矢印が示す通知の流れを対応させて判断します。
まず、図4ではgから「メイン」へ矢印が向いています。表1の「照度」タスクは、照度データを基に画質調整パラメタや移動平均値を決定し、その結果をメインタスクに通知します。この処理内容と通知の向きが一致するので、gは「照度」です。
次に、「メイン」からhへ矢印が向いています。表1の「照明」タスクは、照明の点灯指示又は消灯指示の通知を受けて、照明の点灯又は消灯を制御します。メインタスクから指示を受ける関係に合うため、hは「照明」です。
続いて、fは「カメラ制御」から画像データの通知を受け、さらにiへ通知を送っています。表1の「画像処理」タスクは、1フレームの画像データを受けると時刻画像を合成して圧縮・蓄積し、画像データが6分間分蓄積されるとファイル化要求をファイル管理タスクに通知します。この流れに当てはまるので、fは「画像処理」です。
最後に、iはfからファイル化要求を受け、「メイン」と双方向に通知をやり取りします。表1の「ファイル管理」タスクは、ファイル化要求を受けて画像データを暗号化し、ファイルとして記憶するほか、ファイル一覧要求や画像データの送信要求にも対応します。したがって、iは「ファイル管理」です。

誤りやすいポイント

  • 照度データを基に照明の点灯・消灯を決める処理と、照明そのものを制御する処理を混同しないようにします。前者は「照度」タスク、後者は「照明」タスクです。
  • 画像データを圧縮・蓄積する処理と、暗号化してファイルに記憶する処理は別のタスクです。前者が「画像処理」、後者が「ファイル管理」です。
  • 図4の矢印はタスク間のメッセージ通信の方向を示します。矢印の向きと、表1の「通知を受ける」「通知する」という処理内容を対応させます。

FAQ

Q:fを「ファイル管理」と考えてはいけないのですか。
A:fは「カメラ制御」から1フレームの画像データを受け取ります。表1で画像データを受け取り、時刻画像の合成や圧縮を行うのは「画像処理」です。「ファイル管理」は画像処理からファイル化要求を受けます。
Q: 「照度」タスクが照明を直接点灯・消灯するのではないのですか。
A: 「照度」タスクは照度データを基に点灯・消灯を決定し、その結果をメインタスクに通知します。実際の照明の制御は、メインタスクから指示を受ける「照明」タスクが行います。
Q: 図4の矢印だけでタスク名を判断できますか。
A: 矢印は通知の流れを確認する手掛かりになります。表1の処理内容と照らし合わせ、画像データやファイル化要求など、何を誰に通知するのかまで確認すると判断しやすくなります。

関連キーワード: リアルタイムOS、タスク分割、メッセージ通信、メールボックス、画像圧縮

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設問2(3)

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図4中で、時刻情報を読み出すタスクが二つある。二つのタスク名を、表1中に示すタスク名で答えよ。

模範解答

①:画像処理 ②:ファイル管理

解説

解答の導き方

  1. 問われているのは、図4で時刻情報を更新するタスクではなく、時刻情報を読み出して処理に使う二つのタスクです。図4の注記では、破線の矢印はメモリへの書込みを表し、メモリからの読出しは省略するとされています。そのため、読み出すタスクは表1の処理内容から見つけます。
  2. 表1の「画像処理」には、「時刻情報を基に時刻画像を作成」するとあります。画像に合成する時刻画像を作るために、時刻情報を読み出す必要があります。
  3. 表1の「ファイル管理」には、ファイル名を「時刻情報から自動生成」するとあります。ファイル名を作るためにも、時刻情報を読み出します。
したがって、時刻情報を読み出すタスクは「画像処理」と「ファイル管理」です。「メイン」は時刻情報を更新する側なので、読み出すタスクを探す際には区別します。

誤りやすいポイント

  • 図4で時刻情報につながる破線を見て、更新する「メイン」を読み出すタスクとして選ばないようにします。破線はメモリへの書込みを表します。
  • 時刻情報の使い道を一つだけで考えないようにします。画像に合成する時刻画像の作成だけでなく、ファイル名の生成にも使われます。
  • 図4ではメモリからの読出しが省略されているため、表1の各タスクの処理内容を確認して、時刻情報を使うタスクを特定します。

FAQ

Q: 図4に読出しの矢印がないのに、読出すタスクをどう判断しますか?
A: 図4の注記で読出しは省略するとされています。表1に書かれた各タスクの処理内容から、時刻情報を使うタスクを判断します。
Q: 「メイン」は時刻情報に関係しないのですか?
A: 「メイン」はRTCへの日付時刻の設定や、RTCが1秒経過をカウントしたときの時刻情報の更新に関係します。ただし、この設問で尋ねているのは時刻情報を読み出すタスクです。
Q: 「画像処理」と「ファイル管理」は、それぞれ何に時刻情報を使いますか?
A: 「画像処理」は画像に合成する時刻画像の作成に、「ファイル管理」はファイル名の生成に使います。

関連キーワード: 共有メモリ、タスク間通信、時刻情報、タイムスタンプ、ファイル管理

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設問2(4)

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ファイル管理タスクは、ある条件ではファイル化要求の通知を受けてもファイル化しないときがある。ファイル化しない条件を20字以内で述べよ。

模範解答

暗号キーが設定されていないこと

解説

解答の導き方

問われているのは、ファイル管理タスクがファイル化要求を受け取っても、ファイルを作成しない条件です。
表1では、ファイル管理タスクは「暗号キーが設定された状態のときだけ、ファイル化要求の通知を受けると」ファイル化の処理を行うと説明されています。ここで「ときだけ」は、暗号キーが設定されていることがファイル化の条件だという意味です。
ファイル化の処理には、画像データを暗号キーで暗号化する手順があります。そのため、暗号キーが設定されていなければ、その後のファイル作成処理には進みません。したがって、ファイル化しない条件は、暗号キーが設定されていないことです。

誤りやすいポイント

  • 「ファイル化要求を受けたこと」だけを条件と考えないようにします。要求を受けても、暗号キーが設定されている場合に限り処理します。
  • 「画像データが6分間分蓄積されていないこと」と混同しないようにします。画像データが蓄積されるとファイル化要求が通知されますが、ファイル化を行うかどうかは暗号キーの設定状態で決まります。
  • 暗号キーの設定は、画像データを暗号化するための前提です。ファイル化要求の有無とは別に確認する条件です。

FAQ

Q: ファイル化要求が通知されれば、必ずファイルが作成されますか?
A: いいえ。暗号キーが設定されていることも必要です。
Q: 暗号キーが設定されていない場合、画像データの暗号化は行われますか?
A: いいえ。ファイル化の処理に進まないため、暗号化も行われません。
Q: 暗号キーは何のために使いますか?
A: ファイル化する画像データを暗号化するために使います。

関連キーワード: 暗号化、暗号鍵、タスク間通信、ファイル管理、フラッシュメモリ

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設問3:仕様の追加要求について、(1)、(2)に答えよ。

 RTCによる時刻の誤差が、1か月間で最大±30秒である。そこで、電波時計で使用される標準電波を受信することによって取得できる標準時刻を利用して時刻の自動補正を行うことにした。その追加仕様を次に示す。  ・標準電波受信ユニット及び標準電波の受信状況を示す表示器(以下、受信表示器という)を追加する。  ・標準電波受信ユニットは、電波の受信状況によって、アンテナの向き、及び受信ゲインが調整できる。  ・1日1回、設定された時刻(以下、補正時刻という)になると標準電波を受信する。  ・一時的な環境の影響によって標準電波を正常に受信できず、一定期間内に標準時刻を取得できなかったときは、受信表示器を赤色で点灯し、次の日の補正時刻まで待つ。取得できたときは、受信表示器を緑色で点灯する。  ・強制的に標準電波を受信し、時刻の補正を行うスイッチ(以下、時刻補正スイッチという)を追加する。  ・標準電波の受信を開始してから標準時刻の取得が終了するまでの間に、新たな標準電波の受信を開始する事象が発生したときは、新たな事象を無効にして何もしない。  ・PCから日付時刻を設定する機能は現状の仕様のままとする。ただし、標準電波の受信を開始してから標準時刻の取得が終了するまでの間に、PCからの日付時刻の設定指示を受信したときはその設定を無効とし、標準電波受信処理中をPCに送信する。  ・図4に示すタスク構造に標準電波受信タスクを新たに追加し、既存のタスク中、ある一つのタスクだけを変更する。

設問3(1)

問題文を見る
時刻補正スイッチを追加した目的を、電柱への防犯灯の取付け時を視点に20字以内で述べよ。

模範解答

標準電波の受信状況を確認するため

解説

解答の導き方

この設問では、時刻補正スイッチを追加した目的を、電柱への防犯灯の取付け時という場面に絞って考えます。
まず、仕様では時刻補正スイッチについて「強制的に標準電波を受信し、時刻の補正を行う」とあります。通常の受信は1日1回の補正時刻に行うため、スイッチを使えば、その時刻を待たずに受信を開始できます。
次に、標準電波受信ユニットは、受信状況に応じて「アンテナの向き、及び受信ゲインが調整できる」とされています。また、受信に成功したときと失敗したときでは、受信表示器の表示が異なります。
電柱への取付け時には、設置場所で標準電波を受信できるかを確認する必要があります。スイッチで受信を開始すれば、受信表示器の状態から受信できているかを確認でき、必要に応じてアンテナの向きや受信ゲインを調整できます。したがって、目的は時刻を補正することだけではなく、取付け場所での標準電波の受信状況を確認することです。

誤りやすいポイント

  • スイッチの機能に「時刻の補正」とあるため、取付け時に正しい時刻へ設定することだけを目的として答えると、設問の視点から外れます。
  • 電柱への取付け時に注目すべきなのは、設置場所で標準電波を受信できるかどうかです。
  • 受信状況の確認だけでなく、受信状態に応じてアンテナの向きや受信ゲインを調整できる点も、目的を考える手掛かりになります。

FAQ

Q: なぜ、1日1回の補正時刻を待たずに受信する必要があるのですか?
A: 取付け時に受信状況を確認するためです。定期的な受信時刻まで待たずに、その場で標準電波を受信できます。
Q: 受信表示器は、取付け時の確認にどう役立ちますか?
A: 標準時刻を取得できたかどうかを表示するため、設置場所で受信できているかを判断する手掛かりになります。
Q: 時刻補正スイッチの目的は、時刻を補正することではないのですか?
A: 時刻補正も行いますが、この設問では取付け時の目的を問われています。受信をその場で開始できることを、受信状況の確認に結び付けて考えます。

関連キーワード: 電波受信、時刻同期、受信感度、アンテナ調整、状態表示

解説を読んでも分からないところは、AIに質問できます。 この問題の本文と解説をふまえて答えます。

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設問3(2)

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既存タスク中で変更するタスクについて、(a)~(c)に答えよ。  追加する標準電波受信タスクの処理内容は次のとおりである。  電波の受信開始の通知を受けると、標準電波受信ユニットを制御して標準電波を受信する。標準電波の受信を完了すると、電波の受信開始を通知したタスクに標準電波の受信成功又は受信失敗の情報、及び受信成功時の時刻データを通知する。  (a) 既存タスク中で変更するタスクはどれか。表1中に示したタスク名で答えよ。  (b) 変更するタスクにおいて、標準電波受信タスクに電波の受信開始を通知するのは、どのような事象が発生したときか。その事象を二つ答えよ。  (c) 変更するタスクにおいて、標準電波受信タスクから受信成功のメッセージ通知を受けたとき、受信表示器を緑色で表示する処理以外の処理内容を35字以内で述べよ。

模範解答

(a):メイン (b):①:補正時刻になった。   ②:時刻補正スイッチが押された。 (c):受信した時刻データをRTCへ設定し、時刻情報に書き込む。

解説

解答の導き方

  1. まず、標準電波受信タスクに受信開始を指示し、受信結果を受け取る既存タスクを考えます。標準電波受信タスクは、受信を終えると、受信開始を通知したタスクに受信成功・失敗と時刻データを通知するためです。
  2. 表1では、メインタスクが「RTCの制御を含め、防犯灯全体の制御を行う」とされています。標準電波による時刻補正では、受信を始めるタイミングを判断するだけでなく、取得した時刻をRTCに反映する必要があります。そのため、既存タスクのうち変更するのはメインです。
  3. 受信開始の契機は、追加仕様にある二つの事象から分かります。「1日1回、設定された時刻」になることと、「強制的に標準電波を受信」するための時刻補正スイッチが押されることです。したがって、メインは補正時刻になったときと、時刻補正スイッチが押されたときに、標準電波受信タスクへ受信開始を通知します。
  4. 受信に成功したときは、受信した標準時刻をRTCに設定します。それだけではなく、表1には、RTCに日付時刻の情報を設定するときに時刻情報も更新するとあります。図4でも、メインから時刻情報への書込みが示されています。画像に合成する時刻などに使われる情報も正しく保つため、受信した時刻データをRTCへ設定し、時刻情報にも書き込みます。受信表示器を緑色で表示する処理は、これとは別に行います。

誤りやすいポイント

  • 標準電波受信タスクは受信処理を担当し、受信開始を通知したタスクに結果を返します。受信を開始する契機や、RTCへの反映までを受信タスクの役割と考えないようにします。
  • 受信開始の契機を補正時刻だけに限定すると、時刻補正スイッチによる強制受信を見落とします。
  • 受信成功時の処理として、受信表示器を緑色で表示することだけを書くと不十分です。受信した時刻データをRTCに設定し、時刻情報も更新する必要があります。
  • PCとの通信に関係するため無線タスクを選びたくなることがありますが、時刻補正後のRTCと時刻情報を扱う役割はメインにあります。

FAQ

Q: なぜRTCに設定するだけでなく、時刻情報にも書き込むのですか?
A: 表1では、RTCに日付時刻を設定するときに時刻情報も更新するとされています。RTCだけを補正して時刻情報を更新しないと、時刻情報を利用する処理との間で時刻にずれが生じるためです。
Q: 受信失敗の通知を受けた場合も、受信した時刻データをRTCに設定しますか?
A: 時刻データが得られるのは受信成功時です。受信失敗時には、受信成功を前提とするRTCへの設定や時刻情報の更新は行いません。
Q: 受信表示器の緑色表示は、時刻補正の代わりになりますか?
A: なりません。緑色表示は受信成功を示す処理であり、時刻補正としては、受信した時刻データをRTCと時刻情報に反映する必要があります。

関連キーワード: RTC、時刻同期、タスク間通信、共有データ、イベント処理

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