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エンベデッドシステムスペシャリスト 2023年 午前2 問23


問題文

技術経営における課題のうち、“死の谷”の説明として、適切なものはどれか。

選択肢

ア:コモディティ化が進んでいる分野で製品を開発しても、他社との差別化ができず価格競争に陥り、利益の獲得が難しいこと
イ:新製品が市場に浸透していく過程において、実用性を重んじる顧客が受け入れず、より大きな市場を形成できないこと
ウ:先進的な製品開発に成功しても、事業化するためには更なる困難があること(正解)
エ:プロジェクトのマネジメントが適切に行われないことによって、プロジェクトの現場に生じた過大な負担がメンバーを過酷な状態に追い込み、失敗に向かってしまうこと

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死の谷【午前2解説】

正解の理由

“死の谷”とは、研究開発で生まれた技術や製品を、実際の事業として成立させるまでに直面する困難のことです。
技術として成功していても、製品化や量産、販売、顧客の獲得には、追加の資金や人材、事業計画などが必要です。研究開発の成果を事業化につなげられず、途中で頓挫する場合があることを表しています。
したがって、「先進的な製品開発に成功しても、事業化するためには更なる困難がある」とするウが適切です。

解法ステップ

  1. “死の谷”が、技術経営における事業化の課題を表す用語だと確認します。
  2. 研究開発の成功と、事業としての成功は別だと考えます。
  3. 選択肢から「製品開発後、事業化までに困難がある」という説明を選びます。

選択肢別の誤答解説

  • ア:コモディティ化によって製品の差別化が難しくなり、価格競争に陥る状態の説明です。“死の谷”が指す、研究開発の成果を事業化する段階の障壁とは異なります。
  • イ:新製品が先進的な利用者には受け入れられても、実用性を重視する多数の顧客には広がりにくい状態の説明です。これは「キャズム」と呼ばれる課題です。
  • ウ:技術開発に成功した後、製品化や市場展開などの事業化に困難が伴うという説明であり、“死の谷”に該当します。
  • エ:プロジェクトの過大な負担によって、メンバーが疲弊し、プロジェクトが失敗に向かう状態の説明です。事業化の障壁を指す“死の谷”とは異なります。

よくある誤解

  • 研究開発に失敗することだけを指すわけではありません。 技術開発に成功した後でも、事業化できない場合があります。
  • キャズムと混同しやすい用語です。 “死の谷”は技術開発から事業化への障壁、キャズムは初期の利用者層から一般市場へ広げる際の障壁です。
  • プロジェクトの過酷な状態を指す言葉ではありません。 そのような説明は、選択肢エのようなプロジェクト運営上の問題です。

補足コラム

技術を事業化するには、技術的な完成度だけでなく、量産体制、販売経路、顧客ニーズ、資金調達なども重要です。研究開発部門から事業部門へ移行する際に、必要な資金や人材が途切れることも、“死の谷”が生じる一因です。

FAQ

Q. 技術として優れていれば、“死の谷”は越えられますか?
A. いいえ。技術の優位性に加えて、顧客のニーズへの適合や、製品化・販売に向けた体制も必要です。
Q. “死の谷”とキャズムの違いは何ですか?
A. “死の谷”は研究開発の成果を事業化するまでの障壁です。キャズムは、初期の利用者から一般市場へ普及するまでの障壁です。

関連キーワード: 死の谷、技術経営、事業化、キャズム、研究開発
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