エンベデッドシステムスペシャリスト 2025年 午前2 問10
問題文
バイポーラトランジスタが能動領域で直流増幅しているときの動作の説明として、適切なものはどれか。ここで、ベース(B)からエミッタ(E)に流れる電流を、コレクタ(C)からエミッタに流れる電流を、ベース-エミッタ間の電圧を、コレクタ-エミッタ間の電圧をとする。

選択肢
ア:の変化に正比例してが変化する。(正解)
イ:の変化に正比例してが変化する。
ウ:の変化に正比例してが変化する。
エ:の変化に正比例してが変化する。
🔒 解説は解答すると表示されます
バイポーラトランジスタの能動領域【午前2解説】
正解の理由
能動領域で動作するバイポーラトランジスタでは、ベース電流 に応じてコレクタ電流 が流れます。温度などの条件が一定で、トランジスタが能動領域にある範囲では、次の関係で近似できます。
ここで、 は直流電流増幅率です。つまり、 が増えると、それに比例して も増えます。この関係を述べているアが適切です。
なお、この比例関係は、トランジスタが能動領域にとどまっている場合の近似です。 が小さくなりすぎて飽和領域に入ると、同じようには扱えません。
解法ステップ
-
能動領域の基本関係を思い出します。
ベース電流 がコレクタ電流 を制御し、 となります。 -
「何が何に比例するか」を選択肢で確認します。
の変化に応じて が変化する、という記述が基本関係と一致します。 -
電圧に関する記述は回路条件も必要だと考えます。
は電源や負荷などにも左右されるため、トランジスタ単体の関係として単純な比例を断定できません。
選択肢別の誤答解説
- ア:適切です。能動領域では、コレクタ電流 はベース電流 にほぼ比例します。
- イ:適切ではありません。 を変化させると は変化しますが、 の変化量は電源電圧や負荷抵抗など、外部回路の条件によって決まります。
- ウ:適切ではありません。 の変化はベース電流 に関係しますが、 と の関係を単純な正比例として表すことはできません。
- エ:適切ではありません。 は外部回路の条件に依存します。 の変化に正比例して変化するとは限りません。
よくある誤解
-
「電流増幅率は電圧にもそのまま当てはまる」と考える
は と の関係を表す値であり、電圧同士の比例関係を表すものではありません。 -
と電流の関係も直線的だと考える
とベース電流の関係は、一般に単純な正比例ではありません。選択肢の「正比例」という表現に注意してください。 -
能動領域なら、どのような条件でも比例関係が成り立つと考える
は近似的な関係です。温度や素子の特性、動作領域の変化によって、実際の値は変わります。
補足コラム
トランジスタの能動領域では、小さなベース電流の変化でコレクタ電流を制御できます。コレクタ側に負荷抵抗を接続すると、コレクタ電流の変化が抵抗の電圧降下の変化に変換され、電圧増幅にも利用できます。
このように、トランジスタの電流増幅作用と、抵抗などを含む回路全体の働きは分けて考えることが大切です。
FAQ
Q. 能動領域とはどのような状態ですか?
A. トランジスタが増幅動作を行える領域です。一般に、ベース-エミッタ間は順方向、ベース-コレクタ間は逆方向にバイアスされています。
A. トランジスタが増幅動作を行える領域です。一般に、ベース-エミッタ間は順方向、ベース-コレクタ間は逆方向にバイアスされています。
Q. は を変えると変化しないのですか?
A. 外部回路によっては、 の変化に伴って が変わり、その結果として も変化します。ただし、その関係は負荷や電源などの条件で決まるため、常に正比例するわけではありません。
A. 外部回路によっては、 の変化に伴って が変わり、その結果として も変化します。ただし、その関係は負荷や電源などの条件で決まるため、常に正比例するわけではありません。
Q. は厳密な式ですか?
A. 実際には温度や動作条件によって が変化するため、能動領域での近似式として使います。
A. 実際には温度や動作条件によって が変化するため、能動領域での近似式として使います。
関連キーワード: バイポーラトランジスタ、能動領域、ベース電流、コレクタ電流、直流電流増幅率、ベース-エミッタ間電圧

\ せっかくなら /
エンベデッドシステムスペシャリストを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

