基本情報技術者 2009年 秋期 午前(科目A) 問52
問題文
あるシステムを開発するための工数を見積もったところ150人月であった。現在までの投入工数は60人で、出来高は全体の3割であり、進捗に遅れが生じている。今後も同じ生産性が続くと想定したとき、このシステムの開発を完了させるためには何人月の工数が超過するか。
選択肢
ア:50(正解)
イ:90
ウ:105
エ:140
工数見積もりの進捗と超過工数【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:現在の生産性(出来高30%/投入60人月)が続くと総必要工数は200人月となり、当初見積150人月を50人月超過します。
- 根拠:生産性=出来高0.3÷投入60人月=(スコープ/人月)、残作業0.7を完了するには人月が必要だからです。
- 差がつくポイント:EVMで表すとEV=150×0.3=45人月、CPI=45/60=0.75、ETC=(150−45)/0.75=140で整合し、超過は200−150=50人月です。
正解の理由
正解: ア
問題文の条件をEVM(Earned Value)式で整理すると次のようになります。
問題文の条件をEVM(Earned Value)式で整理すると次のようになります。
- 総見積(BAC)=150人月
- 投入工数(AC)=60人月
- 出来高(進捗)=30% → EV(出来高の価値)=150×0.3=45人月
CPI(コスト性能指標)=EV/AC=45/60=0.75
残作業(BAC−EV)=150−45=105人月
ETC(完了までに必要な残工数)=残作業/CPI=105/0.75=140人月
総必要工数(EAC)=AC+ETC=60+140=200人月
超過工数=EAC−BAC=200−150=50人月
したがって選択肢の中ではア(50人月)が正しいです。
よくある誤解
- 「残りは150−60=90人月だから答えは90」と考える人は、現在の生産性低下を無視しており誤りです。
- 「残作業0.7×150=105人月がそのまま超過分だ」と誤認すると、実際の生産性(CPI)を考慮していないため答えがずれます。
解法ステップ
- 与件を整理:BAC=150、AC=60、出来高=30% → EV=150×0.3=45
- CPIを算出:CPI=EV/AC=45/60=0.75
- 残作業を求める:BAC−EV=150−45=105
- 残作業を現在の生産性で完了するためのETCを計算:ETC=残作業/CPI=105/0.75=140
- 総必要工数EAC=AC+ETC=60+140=200、超過=EAC−BAC=200−150=50
選択肢別の誤答解説
- ア: 50 — 正答。上記のEVM計算で得られる超過工数です。
- イ: 90 — 誤り。これは「残りの見積(150−60)」をそのまま超過と誤解した結果で、生産性低下を無視しています。
- ウ: 105 — 誤り。これは「残作業=0.7×150」の値で、追加に必要な工数ではありますが生産性(CPI)を考慮すると更に多く必要になるため超過分ではありません。
- エ: 140 — 誤り。これは「今後さらに必要な工数(ETC)」の値で、設問が求める「超過する工数(見積との差)」ではなく、超過分は140ではなく50です。
補足コラム
本問はEVM(Earned Value Management)を用いる典型問題です。主要な式は以下の通りです。
- EV(Earned Value)=BAC×出来高(%)
- CPI(Cost Performance Index)=EV/AC
- ETC(Estimate To Complete)=(BAC−EV)/CPI
- EAC(Estimate At Completion)=AC+ETC
- 超過(EAC−BAC)=追加で必要となる見積超過分
これらを理解しておくと進捗評価や見積の再算定が迅速にできます。
FAQ
Q: 出来高30%はどのように扱うのが正しいですか?
A: 出来高は総スコープに対する達成割合なので、EV=総見積×出来高で人月換算し、EVMの指標計算に用います。
A: 出来高は総スコープに対する達成割合なので、EV=総見積×出来高で人月換算し、EVMの指標計算に用います。
Q: なぜETCと「超過」は違うのですか?
A: ETCはこれから追加で必要な工数(ここでは140人月)で、超過はそのETCと当初見積の残り(または総見積との差)を比較した差額(ここでは50人月)です。
A: ETCはこれから追加で必要な工数(ここでは140人月)で、超過はそのETCと当初見積の残り(または総見積との差)を比較した差額(ここでは50人月)です。
関連キーワード: 工数見積もり、進捗管理、出来高、EVM、EV、AC、CPI、ETC、EAC、超過工数

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