基本情報技術者 2009年 春期 午前(科目A) 問19
問題文
リアルタイムシステムをハードリアルタイムシステムとソフトリアルタイムシステムとに分類したとき、ハードリアルタイムシステムに該当するものはどれか。
選択肢
ア:Web配信システム
イ:エアバッグ制御システム(正解)
ウ:座席予約システム
エ:バンキングシステム
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ハードリアルタイムシステム【午前解説】
正解の理由
正解は イ(エアバッグ制御システム)です。エアバッグは衝突検知後、ミリ秒~数ミリ秒の間に確実に展開しなければ効果がなく、デッドラインを超えると人命に関わる重大な結果になります。したがって「期限厳守が絶対に必要」というハードリアルタイムの定義に合致します。
解法ステップ
- 問題文の各候補について「期限超過が直接的に致命的か」を判定する。
- 致命的であればハード、致命的でなければソフト(あるいはファームリアルタイム)を検討する。
- 具体例の典型パターンを思い出す(エアバッグ=ハード、ストリーミング=ソフト、予約・バンキング=多くはソフト)。
- 必要なら最悪実行時間(WCET)や冗長化の有無でさらに確証を持つ。
選択肢別の誤答解説
- ア: Web配信システム
- 説明: レイテンシやバッファリングで品質に影響は出るが、期限超過で直ちに危険が発生するわけではなく、一般にソフトリアルタイムである。
- イ: エアバッグ制御システム
- 説明: 衝突検知後の展開が期限を過ぎると装置が無効化され、生命に関わるためハードリアルタイムに該当する。
- ウ: 座席予約システム
- 説明: 処理遅延は利用者の利便性や一貫性に影響するが、ほとんどの場合致命的ではなくソフトリアルタイムまたは非リアルタイム。
- エ: バンキングシステム
- 説明: 高可用性や一貫性が重要だが、一般の取引処理は期限超過が直ちに人命を脅かすわけではないため通常はソフトリアルタイムやトランザクション処理分類に入る(ただし一部の監視系や安全要件がある用途は別)。
よくある誤解
- 「リアルタイム=高速」だが誤り。重要なのは速度よりも「期限(デッドライン)の保証」であり、高速でも期限保証がなければリアルタイムとは言えない。
- 「金融系や予約系もリアルタイムだ」と誤解されがちだが、多くは遅延でサービス品質や顧客満足が落ちる(ソフトリアルタイム)であり、生命に直結するハードリアルタイムとは区別される。
- 「ハードは常に組込みシステムだけ」と考えるのも誤り。重要なのは用途の安全性要件であり、ソフトウェアでもハードリアルタイムに相当する要件はありうる。
補足コラム
リアルタイム系は大きく「ハード」「ファーム」「ソフト」に分けられます。ハードはデッドライン違反が許されない、ファームは一部の期限違反が許されるがサービス価値は失われる場合がある、ソフトは遅延が許容されつつ性能低下が発生する分類です。設計技術としてはWCET評価、スケジューリング理論(例: レートモノトニック、最短期限優先 EDF)、優先度逆転対策(優先度継承)、ハードウェア冗長化、ウォッチドッグタイマなどが重要です。
FAQ
Q: バンキングシステムはリアルタイムと言えますか?
A: 一般的な取引処理は即時性が求められるが、遅延が生命に関わるわけではないため通常はソフトリアルタイムやトランザクションシステムと扱われます。監視系など特別な用途は別です。
A: 一般的な取引処理は即時性が求められるが、遅延が生命に関わるわけではないため通常はソフトリアルタイムやトランザクションシステムと扱われます。監視系など特別な用途は別です。
Q: リアルタイム=組込み機器だけですか?
A: いいえ。組込みが多いのは事実ですが、要件次第でサーバー系やクラウド系のソフトウェアもリアルタイム要件を持ち得ます。
A: いいえ。組込みが多いのは事実ですが、要件次第でサーバー系やクラウド系のソフトウェアもリアルタイム要件を持ち得ます。
Q: どうやってハードリアルタイムか判断する簡単なチェックは?
A: 「期限を守れなかった場合、システムの目的(安全性・生命・重大資産保護)が達成できなくなるか」を基準にすれば良いです。
A: 「期限を守れなかった場合、システムの目的(安全性・生命・重大資産保護)が達成できなくなるか」を基準にすれば良いです。
関連キーワード: リアルタイム、ハードリアルタイム、ソフトリアルタイム、デッドライン、WCET、スケジューリング、優先度制御、エアバッグ、冗長化、ウォッチドッグタイマ

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