基本情報技術者 2009年 春期 午前(科目A) 問41
問題文
リスク移転を説明したものはどれか。
選択肢
ア:損失の発生率を低下させること
イ:保険に加入するなど資金面での対策を講じること(正解)
ウ:リスクの原因を除去すること
エ:リスクを扱いやすい単位に分解するか集約すること
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リスク移転の概念【午前解説】
正解の理由
正解は イ です。リスク移転は、損失が発生したときの負担(主に金銭的損失)を自社ではなく保険会社や契約上の相手方に移すことを指します。選択肢の「保険に加入するなど資金面での対策を講じること」は、まさに損失の経済的負担先を変える行為であり、移転の定義と一致します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを拾う:「移転」「資金」「保険」など負担先に関する語を探す。
- 各選択肢をリスク対応の4分類(回避・軽減・移転・保有)に当てはめる。
- 「資金面での対策」や「他者に負担を置く」記述があれば移転に該当と判断する。
- 発生率や原因除去を示す選択肢は移転ではないため除外する。
- 最終的に最も定義に合致する選択肢を選ぶ(本問では保険を示すイ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 損失の発生率を低下させること
- 誤り。これはリスク軽減(リスクの発生確率や影響を下げる対策)であり、負担先を移す「移転」ではありません。
- イ: 保険に加入するなど資金面での対策を講じること
- 正解。損失が発生したときの金銭的負担先を保険会社など外部へ移す行為であり、リスク移転の典型例です。
- ウ: リスクの原因を除去すること
- 誤り。原因除去はリスク回避(リスクそのものをなくす)に相当し、移転とは異なります。
- エ: リスクを扱いやすい単位に分解するか集約すること
- 誤り。これはリスクの分割やプール(集合)による管理手法で、移転そのものを意味しません。場合によってリスク共有や保有の準備に使われます。
よくある誤解
- 発生率を下げれば移転になると誤解する:発生率低下はリスク低減(mitigation)であり移転ではありません。
- リスクの分割や集約を見て移転と判断する:分割や集約はリスクの扱い方を変えるだけで、負担先を外部に移すこととは異なります。
- リスク保有(自己負担)と移転の区別をあいまいにする:保険料を支払っても残留リスクはある点を見落としがちです。
補足コラム
リスク対応は一般に「回避(avoid)」「軽減(reduce/mitigate)」「移転(transfer)」「受容(retain)」の4分類で整理されます。移転は保険、契約(賠償責任の移転)、ヘッジ(金融派生商品)、再保険などが代表例です。移転を選ぶ際は、保険料や手数料と期待損失の比較、残留リスク(保険で補償されない部分)の評価、相手方の信用力等を総合的に判断します。ISO 31000などのリスクマネジメント原則でも、対応策のコストと効果の評価が求められます。
FAQ
Q1: リスク移転は保険だけですか?
A1: いいえ。保険のほかに契約による責任移転、金融ヘッジ、外部委託による移転など多様な手段があります。
A1: いいえ。保険のほかに契約による責任移転、金融ヘッジ、外部委託による移転など多様な手段があります。
Q2: 移転すればリスクは完全になくなりますか?
A2: いいえ。移転は経済的負担の移転であり、残留リスクや補償対象外の損失、相手方の支払不能リスクは残ります。
A2: いいえ。移転は経済的負担の移転であり、残留リスクや補償対象外の損失、相手方の支払不能リスクは残ります。
Q3: 発生率を下げる対策と移転のどちらを選べばよいですか?
A3: リスクの性質・コスト・組織のリスク許容度で決めます。発生率低下がコスト効率的なら軽減、経済的負担を外部にしたければ移転を選びます。
A3: リスクの性質・コスト・組織のリスク許容度で決めます。発生率低下がコスト効率的なら軽減、経済的負担を外部にしたければ移転を選びます。
関連キーワード: リスク移転、保険、リスク管理、リスク対応、ヘッジ、保険料、ISO 31000

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