基本情報技術者 2009年 春期 午前(科目A) 問56
問題文
システムの信頼性を比較する目的で稼働率を測定するのに適切な時期はどれか。
選択肢
ア:システムの運用を開始した直後に発生したトラブルが解決されて安定してきた時期(正解)
イ:システムの運用を開始した時
ウ:システムリリースの可否を判断する時期
エ:長期間のシステム利用を経て、老朽化によるトラブルが増え始めた時期
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稼働率の測定時期【午前解説】
正解の理由
正解: ア
稼働率(可用性)を比較する目的では、システムの「代表的な運用状態」を測る必要があります。運用開始直後は初期欠陥(デプロイ設定ミス、未発見バグ、運用手順未熟など)により停止が多くなり、長期間経過後はハードウェアの摩耗やソフトウェア老朽化による故障が増えます。両者は測定値を偏らせるため、これらを避け中間の「安定してきた時期」に測定するのが公平で妥当です。
稼働率(可用性)を比較する目的では、システムの「代表的な運用状態」を測る必要があります。運用開始直後は初期欠陥(デプロイ設定ミス、未発見バグ、運用手順未熟など)により停止が多くなり、長期間経過後はハードウェアの摩耗やソフトウェア老朽化による故障が増えます。両者は測定値を偏らせるため、これらを避け中間の「安定してきた時期」に測定するのが公平で妥当です。
稼働率の基本式は
で表され、測定期間や停止の定義(計画停止を含むか否か)によって数値が変わります。安定期に測定することで、「実運用で期待される可用性」を比較できます。
で表され、測定期間や停止の定義(計画停止を含むか否か)によって数値が変わります。安定期に測定することで、「実運用で期待される可用性」を比較できます。
解法ステップ
- 問題の目的を確認:今回は「信頼性を比較するための稼働率測定」。
- 稼働率の代表性を考える:初期フェーズと老朽化フェーズは代表値を歪める。
- 測定時期の候補を評価:開始直後、リリース判断時、安定期、老朽化期の利点欠点を比較。
- 公平性の観点で最適時期を選定:初期問題が収束し、老朽化がまだ顕在化していない安定期を選ぶ。
- 測定ルールを決める:測定期間、計画停止の扱い、同じ条件下での比較を規定する。
- 稼働率計算と比較を実施する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 運用開始直後に発生したトラブルが解決されて安定してきた時期 — 正解。初期バイアスと老朽化バイアスの両方を避け、代表的な可用性を測れる。
- イ: システムの運用を開始した時 — 誤り。導入直後は学習効果や初期不具合で停止が増え、比較値が悪化しやすい。
- ウ: システムリリースの可否を判断する時期 — 誤り。リリース判断はリスク受容や修正要否の判断が目的で、稼働率の代表的比較を行うタイミングとは異なる。
- エ: 長期間のシステム利用を経て、老朽化によるトラブルが増え始めた時期 — 誤り。老朽化による停止増は将来の劣化診断には有用だが、健全な比較の代表値としては偏りが生じる。
よくある誤解
- 「運用開始直後のデータを取れば導入品質がわかる」は誤り。導入品質確認は別目的であり、可用性比較の代表値には向きません。
- 「長期間のデータの方が常に信頼できる」は誤り。長期データは老朽化や環境変化の影響を反映し、バージョンや機器の世代差で不公平になります。
- 「測定期間が長ければ自動的に正しい」は誤解。測定の開始時点・計画停止の扱い・異なる運用条件の統一が重要です。
補足コラム
- バスタブ曲線(初期故障期 → 偶発故障期(安定期) → 摩耗故障期)は信頼性評価で頻出の概念です。安定期(偶発故障期)が稼働率比較に最も適しています。
- 関連指標:MTBF(平均故障間隔)やMTTR(平均修復時間)は可用性と合わせて分析すると原因切り分けに有効です。可用性の近似式は 。
- 実務上の目安:安定化期間はシステムの規模や業務影響度で変わりますが、数週間〜数か月程度の運用で大きな初期障害が収束するかを確認してから測定することが多いです。計画メンテナンスは比較から除外するか統一して扱います。
FAQ
Q1: 「安定してきた時期」は具体的にどれくらい経ってからですか?
A1: システムの複雑さや業務負荷に依存しますが、重大な初期障害が一定期間発生していない(例:直近1〜3か月で重大インシデントがない)ことを目安にすることが多いです。
A1: システムの複雑さや業務負荷に依存しますが、重大な初期障害が一定期間発生していない(例:直近1〜3か月で重大インシデントがない)ことを目安にすることが多いです。
Q2: 計画停止(定期メンテ)は稼働率に含めますか?
A2: 比較目的では計画停止は原則除外して「実稼働での可用性」を比較するか、全対象で同じルールに統一して扱います。試験問題では除外する想定で考えるとよいです。
A2: 比較目的では計画停止は原則除外して「実稼働での可用性」を比較するか、全対象で同じルールに統一して扱います。試験問題では除外する想定で考えるとよいです。
Q3: 複数システムを比較するときの注意点は?
A3: 測定期間の開始点・長さ、計画停止の扱い、負荷条件(利用者数やトランザクション量)を揃えることが重要です。
A3: 測定期間の開始点・長さ、計画停止の扱い、負荷条件(利用者数やトランザクション量)を揃えることが重要です。
関連キーワード: 稼働率、可用性、バスタブ曲線、初期故障、老朽化、MTBF、MTTR、サービスレベル、SLA、稼働時間測定

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