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基本情報技術者 2011年 秋期 午後 問01


A/D変換に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 A/D変換とは、アナログ信号をディジタル信号に変換することであり、標本化、量子化、符号化の3段階で処理する。直流の電圧を例にnビットのA/D変換を説明する。
(1) 標本化  標本化では、時間的に連続したアナログ信号である電圧を一定の時間間隔で測定する。図1では、時間軸をt0, t1, …と等間隔dで区切り、各時刻での電圧をv(t0), v(t1), …と表す。
基本情報技術者試験(平成23年 午後 問1 図1)
(2) 量子化  量子化では、(1)で標本化して得られた電圧v(t0), v(t1), …を刻み幅qの整数倍の値で近似する。  量子化を行う場合、まず測定する電圧の最大幅FSRを決める。次に、nビットで量子化するために、FSRを等分して刻み幅qを求める。このとき、刻み幅qはq = FSR/となる。  量子化において、近似値として用いられる電圧の値を、小さい方から順にv0 = 0, v1 = q, …, vmax = としたとき、時刻tmにおいて標本化で測定されたアナログ信号の電圧v(tm)について、次の条件を満たすようなN (Nは0以上の整数)を見つけ、電圧N×qを電圧v(tm)の測定値とする。これをnビット量子化という。
 N×q−q/2 ≦ v(tm) < N×q+q/2
 すなわち、図2右のように電圧軸を刻み幅qでv0, v1, …, vmaxの電圧に分割しておき、v(t0), v(t1), …のそれぞれについて、v0~vmaxのうちで最も近い電圧を測定値とする。例えば、v(t3)の測定値はv2となる。
(3) 符号化  符号化では、(2)の量子化で用いた電圧v0, v1, …, vmaxに2進符号を対応付ける。この符号によって、各測定値を表す。

設問1:

問題文を見る
 図2左の電圧v(t0), v(t1), …, v(t10)だけの符号化を考える。図2右の電圧v0, v1, …, v7を2進符号000, 001, …, 111に順に対応付けた場合を表1に示す。
基本情報技術者試験(平成23年 午後 問1 表1)
 図2左のv(t0), v(t1), …, v(t10)の各測定値を、表1に基づいて符号化すると表2のようになる。表2中のに入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。
基本情報技術者試験(平成23年 午後 問1 表2)
解答群  ア:011  イ:100  ウ:101  エ:110  オ:111

模範解答

a:エ、b:ウ

解説

解答の導き方

この問題では、図2左の各時刻の電圧を量子化し、その値を表1に従って符号に置き換えます。
A/D(Analog-to-Digital:アナログ信号をディジタル信号に変換すること)は、標本化・量子化・符号化の順に行います。この問題では、標本化された電圧をそのまま符号にするのではありません。まず、近い量子化レベルに置き換え、その量子化レベルに対応する符号を選びます。
  1. 図2右で、量子化後の値を読み取ります。
    図2右では、波形上の「×」が標本化した電圧で、「○」が量子化後の値を表します。符号を決めるときに見るのは、波形上の「×」ではなく「○」です。
    図2右で、時刻の「○」はの位置にあります。したがって、表2のにはに対応する符号を入れます。
    同様に、時刻の「○」はの位置にあります。したがって、表2のにはに対応する符号を入れます。
  2. 表1から、各量子化レベルに対応する符号を確認します。
    表1では、からまでの8段階に、3桁の2進符号が順に対応しています。
    量子化レベル符号
    000
    001
    010
    011
    100
    101
    110
    111
    よって、に対応する符号は110、に対応する符号は101です。解答群では、110はエ、101はウです。

誤りやすいポイント

  • 波形上の「×」の電圧を直接符号にしないでください。「×」の電圧を近い量子化レベルに置き換えた「○」の位置から符号を選びます。
  • 量子化レベルの番号と符号を混同しないようにしましょう。例えば、に対応する符号は「6」ではなく、表1にある110です。
  • 符号はから順に対応付けます。が000、が001で、その後も順番に進みます。

FAQ

Q: なぜ量子化では、標本化した電圧をそのまま使わないのですか?
A: 標本化した電圧は連続した値を取り得るため、そのままでは符号の種類を決められません。量子化で近い段階的な値に置き換えることで、有限個の符号で表せるようにします。
Q: 3桁の符号で、なぜからまで表せるのですか?
A: 3桁の2進符号には、000から111まで8通りあります。そのため、8段階の量子化レベルに1つずつ符号を対応付けられます。
Q: 量子化レベルと符号は、どう使い分ければよいですか?
A: 量子化レベルは電圧の近似値、符号はその値をディジタル信号として表すためのものです。まず量子化レベルを読み取り、その後で表1から符号を確認します。

関連キーワード: A/D変換、標本化、量子化、符号化、2進数

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 次の記述中のに入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。    アナログ信号の電圧の範囲が0〜9Vであるとき、FSRを9Vとし、4ビットで量子化した場合、qはcVである。アナログ信号の電圧7.49…Vの測定値はdVとなり、表1の場合と同様に2進符号0000, 0001, …, 1111に順に対応付けて符号化するとeとなる。   c, dに関する解答群  ア:0.5625  イ:0.6  ウ:1.2  エ:2.25  オ:5.5  カ:7.0  キ:7.2  ク:7.5  ケ:7.8  コ:8.0   eに関する解答群  ア:1010  イ:1011  ウ:1100  エ:1101  オ:1110

模範解答

c:イ、d:キ、e:ウ

解説

解答の導き方

A/D変換(Analog-to-Digital変換:アナログ信号をディジタル信号に変える処理)では、標本化した電圧を量子化して近似し、その値を符号化します。この設問では、量子化の刻み幅 、電圧の測定値、対応する2進符号を順に求めます。
1. 刻み幅 を求めます。
問題文では、刻み幅を「」で求めると説明しています。FSR(Full Scale Range:量子化する電圧の幅)は9V、ビット数 は4です。
4ビットでは量子化レベルが 個あります。レベルは0から始まるので、16個のレベルの間にある区間は15個です。そのため、9Vを15等分します。
したがって、cは0.6Vを表すイです。
2. 7.49…Vに最も近い量子化レベルを選びます。
量子化レベルは、0.6V刻みです。7.49…Vに近いレベルを比べると、次のようになります。
7.2Vと7.8Vのちょうど中間は7.5Vです。7.49…Vは7.5Vより小さいため、より近い量子化レベルは7.2Vです。
問題文の条件で確かめると、 のときの範囲は次のとおりです。
よって、 の範囲にある7.49…Vは、 に対応します。測定値は7.2Vなので、dはキです。
3. 量子化レベルに対応する2進符号を選びます。
符号化では、量子化レベルを小さい順に、0000、0001、…、1111と対応付けます。測定値7.2Vは のレベルなので、対応する符号は10進数の12を2進数で表した1100です。
したがって、eはウです。

誤りやすいポイント

  • 4ビットなので、FSRを16等分すると考えてしまうことがあります。量子化レベルは16個ですが、0から最大値までの区間は15個です。したがって、 で計算します。
  • 7.49…Vを、刻み幅0.6Vで割った結果をそのまま測定値にするわけではありません。近い量子化レベルを選びます。今回は7.2Vと7.8Vの中間である7.5Vより小さいため、7.2Vになります。
  • 量子化後の電圧7.2Vをそのまま2進数にするわけではありません。符号化するのは電圧の値ではなく、量子化レベルの番号 です。

FAQ

Q: なぜ4ビットで量子化レベルが16個になるのですか?
A: 1ビットで表せる値は2通りです。ビットが4個あると組合せは 通りになり、0000から1111までの16個の符号を使えます。
Q: 7.49…Vが7.5Vと等しい場合は、どちらのレベルになりますか?
A: 問題文の条件では、 の範囲は7.5V未満です。7.5Vちょうどはこの範囲に含まれず、次のレベル 側に対応します。
Q: 量子化と符号化は何が違いますか?
A: 量子化は、測定した電圧を近い刻み幅の値に置き換える処理です。符号化は、その置き換えた値を2進符号で表す処理です。

関連キーワード: 標本化、量子化、符号化、量子化幅、2進符号

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 次の記述中のに入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。    FSRが1,022ミリVであるアナログ信号の電圧を、50ミリ秒間隔で5秒間標本化した。このとき、A/D変換後の総データ量を1,000ビット以内に納めることができる刻み幅qの最小値はfミリVである。   解答群  ア:0.1  イ:0.5  ウ:1.0  エ:1.5  オ:2.0  カ:2.5  キ:3.0

模範解答

f:オ

解説

解答の導き方

この問題では、標本化した回数と、1回の測定値を表すために使えるビット数から、刻み幅を求めます。A/D(Analog-to-Digital:アナログ信号をディジタル信号に変換すること)では、1回の測定値をビットで表すので、標本化した回数にを掛けると総データ量になります。
まず、標本化の回数を求めます。50ミリ秒は0.05秒なので、5秒間に含まれる時間の区間数は、
です。ただし、100は測定点の数ではなく、測定点と測定点の間の区間数です。開始時点の測定に加え、100個の区間の終点でも測定するため、測定点は101個になります。
次に、各測定値を表すビット数を考えます。標本化した101個の値を1,000ビット以内で表す必要があります。10ビットずつ使うと、
となり、1,000ビットを超えます。一方、9ビットずつなら、
なので、条件を満たします。したがって、使えるビット数の最大はです。刻み幅を最小にするには、条件を満たす範囲でを最大にします。ビット数が多いほど、電圧をより細かく分けられるためです。
本文には、刻み幅は「」とあります。(Full Scale Range:測定する電圧の最大幅)に1,022ミリV、に9を当てはめると、
となります。よって、刻み幅の最小値はオ:2.0ミリVです。

誤りやすいポイント

  • 5秒間を50ミリ秒間隔で区切ると、100になるのは測定回数ではなく区間数です。開始時点と最後の時点も測定するため、測定回数は101回です。
  • 1,000ビットを100回で割って10ビットとすると、最後の測定点を数え落とします。101回の測定に10ビットずつ使うと、1,010ビットになってしまいます。
  • が大きいほどは小さくなります。しかし、データ量の上限を超えるは使えません。使える範囲で最大のを選ぶことが大切です。

FAQ

Q: 100回ではなく101回になるのはなぜですか?
A: 50ミリ秒間隔で5秒間に進む区間は100個ですが、区間の数と測定点の数は異なります。開始時点の測定点があるため、測定点は区間数より1つ多くなります。
Q: なぜが刻み幅を最小にするのですか?
A: 本文の式では、はをで割った値です。が大きいほど分母が大きくなり、刻み幅は小さくなります。ただし、この問題ではだと総データ量が上限を超えるため、が最大です。
Q: 「1,000ビット以内」には1,000ビットちょうども含まれますか?
A: 含まれます。ただし、この問題では測定点が101個なので、各測定値に使えるビット数を整数にすると、10ビットでは上限を超え、9ビットなら上限内に収まります。

関連キーワード: A/D変換、標本化、量子化、符号化、量子化幅

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