基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A) 問12
問題文
組込みシステムのプログラムを格納するメモリとして、マスクROMを使用するメリットはどれか。
選択肢
ア:紫外線照射で内容を消去することによって、メモリ部品を再利用することができる。
イ:出荷後のプログラムの不正な書換えを防ぐことができる。(正解)
ウ:製品の量産後にシリアル番号などの個体識別データを書き込むことができる。
エ:動作中に主記憶が不足した場合、補助記憶として使用することができる。
組込みシステムのプログラムを格納するメモリとして、マスクROMを使用するメリットはどれか。 【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: マスクROMは製造時にプログラムを恒久的に固定でき、出荷後の不正な書換えを物理的に防げます。
- 根拠: マスクROMは製造工程でデータをマスク層に形成し、書込み回路を持たないため出荷後に書き換え不可能です。
- 差がつくポイント: 大量生産で単価低下・高速読み出しが得られる一方、設計変更や個体別情報の後書込みには向かない点に注意します。
正解の理由
正解は イ です。
マスクROMはシリコンウェハのフォトマスク工程で内容を固定するメモリで、製造後に電気的・紫外線などで消去・再書込みできません。したがって「出荷後のプログラムの不正な書換えを防ぐ」という用途に最も適合します。組込み機器においてファームウェアを恒久的に固定したい場合、マスクROMは改ざん耐性を提供します。
マスクROMはシリコンウェハのフォトマスク工程で内容を固定するメモリで、製造後に電気的・紫外線などで消去・再書込みできません。したがって「出荷後のプログラムの不正な書換えを防ぐ」という用途に最も適合します。組込み機器においてファームウェアを恒久的に固定したい場合、マスクROMは改ざん耐性を提供します。
よくある誤解
- マスクROMは「完全に安全で解析不可能」と考える誤解:書換えは不可でも、逆解析(デカップ、微細プロービング)で内容を読み出される可能性は残ります。
- 「紫外線で消去できる」はマスクROMの特徴と思い込み:紫外線消去はEPROMの特徴であり、マスクROMは該当しません。
- 「書き込みのタイミング」についての混同:PROM系は製品投入後に一度だけ書き込めるタイプがあるが、マスクROMは製造時にしか書き込めません。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「出荷後の不正な書換えを防ぐ」。
- 各メモリ特性を想起:EPROM=UV消去可、EEPROM/Flash=電気的消去・書込み可、PROM=一度だけ書込み可、マスクROM=製造時固定で書換不可。
- 「出荷後に書き換えできない」特性と一致する選択肢を選択(イ)。
- 他選択肢と比較し、用途・消去方法・可否で除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 紫外線照射で内容を消去して再利用できる → EPROM の説明であり、マスクROMの特徴ではありません。よって誤り。
- イ: 出荷後のプログラムの不正な書換えを防げる → マスクROMの本質的利点であり正解。
- ウ: 量産後にシリアル番号などを後から書き込める → マスクROMは製造時に固定されるため不可能。個体識別はEEPROMや一時書込み可能なPROM、または外付けのフラッシュ/EEPROMを用います。
- エ: 動作中に主記憶が不足した場合、補助記憶として使用できる → ROMは読み出し専用で可変データの格納やスワップには使えません。補助記憶はフラッシュやHDD/SSD等が該当します。
補足コラム
マスクROMは大量生産での単価低下、電力消費の少なさ、起動速度の速さなどの利点がありますが、初期のマスク(フォトマスク)作成に高い非反復費用(NRE)がかかり、リードタイムも長いというデメリットがあります。製品ライフサイクル中にファームウェアを更新する可能性がある設計では、フラッシュやEEPROMを使い、必要に応じてブートローダで更新管理する設計が一般的です。セキュリティ面では「書換え不能=完全な防御」ではなく、読取防止や暗号化、セキュアブートと組み合わせることが重要です。
FAQ
Q1: マスクROMは一切書き換えられないのですか?
A1: 電気的・紫外線での消去や再書込みはできません。ただし、ハードウェア解析で読み出されるリスクはあります。
A1: 電気的・紫外線での消去や再書込みはできません。ただし、ハードウェア解析で読み出されるリスクはあります。
Q2: 少量生産でマスクROMを選ぶべきですか?
A2: NREが高いため少量生産では割高です。少量ならフラッシュやEEPROM、OTP PROMなどが適します。
A2: NREが高いため少量生産では割高です。少量ならフラッシュやEEPROM、OTP PROMなどが適します。
Q3: 「PROM」と「マスクROM」の違いは?
A3: PROMは一度だけ書き込める(書込みは製造後に可能)一方、マスクROMは製造工程で内容を固定し製造後の書込みは不可です。
A3: PROMは一度だけ書き込める(書込みは製造後に可能)一方、マスクROMは製造工程で内容を固定し製造後の書込みは不可です。
Q4: セキュリティ重視でマスクROMは十分ですか?
A4: 書換え防止には有効ですが、解析対策(暗号化、物理防護)は別途必要です。
A4: 書換え防止には有効ですが、解析対策(暗号化、物理防護)は別途必要です。
関連キーワード: マスクROM、ROM、組込み機器、ファームウェア、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、PROM、不正書換え防止、読み取り専用、製造時プログラム、NRE、セキュアブート

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