基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A) 問19
問題文
東京〜福岡を結ぶ回線がある。この回線の信頼性を向上させるために、図に示すような東京〜大阪〜福岡を結ぶ破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における、東京〜福岡を結ぶネットワークの稼働率は幾らか。ここで、回線の稼働率は、東京〜福岡、東京〜大阪、大阪〜福岡の全てが0.9とする。

選択肢
ア:0.729
イ:0.810
ウ:0.981(正解)
エ:0.999
回線の稼働率(東京〜福岡の迂回回線)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:東京〜福岡間のネットワーク稼働率は0.981です。直接回線と大阪経由の迂回路が並列で動作します。
- 根拠:直接経路の稼働率0.9、迂回経路は東京→大阪→福岡の直列で0.9×0.9=0.81、並列合成で1−(1−0.9)(1−0.81)になります。
- 差がつくポイント:直列は確率を掛ける、並列は「両方共落ちる確率」を使う点を混同しないことが得点差につながります。
正解の理由
正解: ウ
直接経路(東京—福岡)の稼働率を 、迂回経路(東京—大阪—福岡)は直列のため と求められます。二つの経路は並列で機能するため、全体の稼働率は「両方とも故障する確率」を引き算します。
直接経路(東京—福岡)の稼働率を 、迂回経路(東京—大阪—福岡)は直列のため と求められます。二つの経路は並列で機能するため、全体の稼働率は「両方とも故障する確率」を引き算します。
計算式:
よって正解は ウ(0.981)です。
よくある誤解
- 直列・並列の混同:迂回経路の2本を直列扱い(掛け算)すべきところを並列扱い(足し算)してしまう。
- 全経路を単純に掛ける誤り:問題を全体が直列と誤認し とするミス。
- 依存性の無視:実際は部分的な物理的共有で故障が連鎖する場合があり、独立と仮定できないケースがある点を見落とす。
解法ステップ
- 各経路の稼働率を確認する(直接経路 、大阪経由は直列で )。
- 並列構成の合成法を適用する:全体稼働率 。
- 数値を代入し計算して と求める。
選択肢別の誤答解説
- ア: 0.729
誤りの理由: をそのまま採用した場合は「3本が直列である」と誤認している。実際は直接回線と迂回経路の二系統であり、3本直列ではない。 - イ: 0.810
誤りの理由:迂回経路(東京→大阪→福岡)だけの稼働率 を全体と混同した結果。直接経路の寄与を無視している。 - ウ: 0.981(正解)
理由:直接経路と迂回経路をそれぞれ と とし、並列合成で正しく計算している。 - エ: 0.999
誤りの理由:過剰に楽観的な計算(例えば のような誤った故障確率の扱い)から生じる数値。実際の並列合成ではこの値にならない。
補足コラム
- 直列(series)構成:各構成要素全てが稼働して初めて系全体が稼働。確率は掛け算 。
- 並列(parallel)構成:どれか1つが稼働すれば系は稼働。合成は失敗確率の積を用いて 。
- 現実の注意点:ここでは各回線の故障が独立であると仮定。経路の物理的共通点や交換機(ノード)の故障を考慮すると結果が変わる。
- 応用:経路ごとに複数リンクや機器がある場合、それぞれを直列/並列に分解して同様に計算します。
簡単な計算例(参考、Python):
p1 = 0.9 p2 = 0.9 * 0.9 total = 1 - (1-p1)*(1-p2) total # 0.981
FAQ
Q1: なぜ直列は掛け算するのですか?
A1: 直列では「全てが正常に動く」ことが必要で、独立事象の同時発生確率は各確率の積だからです。
A1: 直列では「全てが正常に動く」ことが必要で、独立事象の同時発生確率は各確率の積だからです。
Q2: 経路の独立性がないとどうなる?
A2: 共通部分で障害が波及する場合、単純な並列合成は過大評価になります。共通故障確率を考慮したモデル(例えば共通因子モデル)が必要です。
A2: 共通部分で障害が波及する場合、単純な並列合成は過大評価になります。共通故障確率を考慮したモデル(例えば共通因子モデル)が必要です。
Q3: ノード(大阪)の故障も考えるべきですか?
A3: はい。ノード故障を考慮する場合はリンクだけでなくノードの稼働率も含め、経路全体の直列要素として扱います。
A3: はい。ノード故障を考慮する場合はリンクだけでなくノードの稼働率も含め、経路全体の直列要素として扱います。
関連キーワード: 信頼性、可用性、冗長化、回線冗長性、稼働率計算、システム信頼性、ネットワーク設計

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