基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A) 問50
問題文
要求分析から実装までの開発プロセスを繰り返しながら、システムを構築していくソフトウェア開発手法はどれか。
選択肢
ア:ウォータフォールモデル
イ:スパイラルモデル(正解)
ウ:プロトタイピングモデル
エ:リレーショナルモデル
要求分析から実装までの開発プロセスを繰り返しながら、システムを構築していくソフトウェア開発手法はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:正解はイのスパイラルモデルです。要求から実装までの工程を複数回の反復で進めます。
- 根拠:各反復(スパイラル)で要求定義・設計・実装・評価を行い、リスク分析を組み込んで次の段階へ進む特徴があります。
- 差がつくポイント:設問の「繰り返し」「要求分析から実装まで」「リスク管理」の語に注目するとスパイラルモデルを選べます。
正解の理由
正解は イ スパイラルモデルです。スパイラルモデルは開発を同心円状のサイクル(スパイラル)として表現し、各サイクルで要求分析、設計、実装、評価を繰り返します。各サイクルでリスクの識別と対処(リスク分析)を行い、段階的にシステムを精緻化していく点が設問の「要求分析から実装までの開発プロセスを繰り返しながら」に合致します。
よくある誤解
- プロトタイピングモデルと混同しやすい:プロトタイプ作成は反復の手段になり得ますが、スパイラルはリスク駆動でライフサイクル全体を繰り返す点が本質的に異なります。
- ウォータフォールモデルは段階的に進むが反復しない:設問の「繰り返し」がある場合はウォータフォールを除外すべきです。
- リレーショナルモデルを開発手法と誤解:これはデータベースの概念モデルであり、開発プロセスを指すものではありません。
解法ステップ
- 問題文のキーワード抽出:「繰り返し」「要求分析から実装まで」「システムを構築」。
- 各手法の特徴を想起:ウォータフォール(直線的)、スパイラル(反復+リスク)、プロトタイピング(試作品中心)、リレーショナル(DB概念)。
- 「反復」と「要求→実装の一連の流れ」を満たすものを選ぶ。
- リスク分析の存在を思い出し、スパイラルモデルを確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: ウォータフォールモデル
直線的で各工程を順に進める方式です。一度工程を進めると基本的に戻らないため「繰り返し」で要件を詰める設問には合いません。 - イ: スパイラルモデル
各スパイラルで要求分析→設計→実装→評価を繰り返し、リスク評価を行って次に進むため設問文に合致します。 - ウ: プロトタイピングモデル
早期に試作品を作って評価・改善を行う手法で、部分的な反復があるものの必ずしもリスク駆動で全工程を段階的に繰り返す構造ではありません。設問は開発プロセス全体の反復を示しています。 - エ: リレーショナルモデル
データベースの概念モデル(関係モデル)であり、ソフトウェア開発プロセスそのものを示す選択肢ではありません。
補足コラム
スパイラルモデルは1986年にバリー・ボーム(Barry Boehm)が提唱した手法で、リスク管理を中心に据えた反復開発モデルです。大規模・高リスクのプロジェクトや要求不確定な案件に適しており、各反復で成果物を見直しリスク低減を図ります。アジャイル開発と共通する「反復」要素はありますが、スパイラルはリスク評価を明示的に組み込む点が特徴です。利点は早期のリスク発見と段階的精緻化、欠点は管理コストと計画の複雑化です。
FAQ
Q1: スパイラルモデルとアジャイルは同じですか?
A1: どちらも反復的ですが、スパイラルはリスク駆動で各サイクルにリスク分析を組み込む点が強調されます。アジャイルは価値提供と顧客との短サイクル重視です。
A1: どちらも反復的ですが、スパイラルはリスク駆動で各サイクルにリスク分析を組み込む点が強調されます。アジャイルは価値提供と顧客との短サイクル重視です。
Q2: プロトタイプを繰り返せばスパイラルモデルになる?
A2: プロトタイプの反復は手法の一部に過ぎません。スパイラルはライフサイクル全体の計画・リスク管理・評価を反復する体系です。
A2: プロトタイプの反復は手法の一部に過ぎません。スパイラルはライフサイクル全体の計画・リスク管理・評価を反復する体系です。
Q3: 小規模プロジェクトでもスパイラルは有効ですか?
A3: 管理コストが増えるため小規模ではオーバーヘッドになる場合があります。リスクが高い要素があれば有効です。
A3: 管理コストが増えるため小規模ではオーバーヘッドになる場合があります。リスクが高い要素があれば有効です。
関連キーワード: ウォータフォールモデル、スパイラルモデル、プロトタイピング、反復開発、リスク管理、開発ライフサイクル、ソフトウェア開発手法

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