基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A) 問43
問題文
認証デバイスに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:IEEE802.1Xでは、ディジタル証明書や利用者ID,パスワードを格納するUSBキーは,200kバイト以上のメモリを内蔵することを規定している。
イ:安定した大容量の電力を必要とする高度な処理には、接触型ICカードよりも非接触型ICカードの方が適している。
ウ:虹彩認証では、成人には虹彩の経年変化がないので、認証デバイスでのパターン更新がほとんど不要である。(正解)
エ:静電容量方式の指紋認証デバイスでは,LED照明を設置した室内において正常に認証できなくなる可能性がある。
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認証デバイスの特性比較【午前解説】
正解の理由
虹彩認証は虹彩の細かな模様(血管や筋繊維の配置)をパターン化して照合します。成人の虹彩は生体学的に比較的安定しており、加齢による顕著な形状変化はほとんど生じません。そのため、認証システム側で頻繁にパターン(テンプレート)を更新する必要がなく、長期運用に適した生体認証方式とされています。以上より選択肢ウが適切です。
解法ステップ
- 各選択肢の技術名を抽出して、関連する原理と特徴を頭の中で整理する。
- IEEE802.1Xの規定内容(ネットワーク認証プロトコルであり、メモリ容量の規定はない)を確認してアを検証。
- 接触型/非接触型ICカードの電力供給・処理能力の違いを思い出してイを検証。
- 虹彩の生体学的安定性を思い出してウを確認。
- 指紋センサの方式(光学式、静電容量式など)と環境感度を照らし合わせてエを検証。
- 最終的に整合する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: IEEE802.1Xはネットワークアクセス制御(ポートベース認証)の規格であり、ディジタル証明書やUSBキーのメモリ容量(200kバイト以上)を規定するものではありません。アは誤りです。
- イ: 高度な処理や安定した大電力が必要な場合、一般に接触型ICカードの方が有利です。非接触型は無接点で便利ですが、リーダからの誘導電力に依存するため連続的な大電力供給には不利なことが多く、イは誤りです。
- ウ: ウは正しい。虹彩は成人で長期間安定な模様を保つため、認証デバイスでのパターン更新はほとんど不要です。
- エ: 静電容量方式の指紋センサは皮膚とセンサ表面間の電気的特性を検出するため、LED照明などの室内光によって直接動作が阻害されることは少ないです。光の影響を受けやすいのは光学式指紋センサであり、エは誤りです。
よくある誤解
- 「非接触型ICカードは接触型より電力供給が大きい」は誤解です。非接触はリーダから誘導電力を得ますが、処理能力や連続電力は一般に接触型より制約があります。
- 「静電容量方式の指紋センサは光の影響を受ける」は誤りです。光学式は照明条件に敏感で、静電容量式は皮膚との電界変化で検出するため照明の影響は小さいです。
- 「虹彩は一切変化しない」と考えるのも過剰な単純化で、外傷や疾患、乳幼児期では変化が問題になることがあります。
補足コラム
- 虹彩認証と網膜(レティナ)認証はしばしば混同されます。虹彩認証は眼の虹彩表面の模様を外側から撮像して照合し、非接触で高精度です。網膜認証は眼底の血管パターンを観察するため、撮像に近接・照射が必要で実用性は限定されます。
- 指紋認証では大きく分けて「光学式」「静電容量式」「超音波式」があります。光学式は照明条件や汚れで影響を受けやすく、静電容量式は導電率・皮脂状態や湿度の影響を受けますが周囲光の影響は小さいです。
- USBキー(トークン)は製品によって保存容量や鍵格納方式が異なり、標準で一律のメモリ容量を規定する規格は存在しません。
FAQ
Q1: 虹彩テンプレートは一度登録すれば生涯使えるのですか?
A1: 多くの場合は長期使用が可能ですが、外傷、眼疾患、手術などで虹彩に変化が生じた場合は再登録が必要になります。乳幼児期は成長と共に変化するため注意が必要です。
A1: 多くの場合は長期使用が可能ですが、外傷、眼疾患、手術などで虹彩に変化が生じた場合は再登録が必要になります。乳幼児期は成長と共に変化するため注意が必要です。
Q2: 非接触型ICカードは本当に電力不足で使えないのですか?
A2: 利用用途次第です。短時間の処理やID送受信は問題ありませんが、高負荷な暗号演算や大容量ストレージの恒常的駆動には限界があることを理解してください。
A2: 利用用途次第です。短時間の処理やID送受信は問題ありませんが、高負荷な暗号演算や大容量ストレージの恒常的駆動には限界があることを理解してください。
Q3: 室内の強い照明で指紋認証が動かないことはありますか?
A3: 光学式指紋センサでは照明条件で誤動作することがあります。静電容量式は周囲光の影響は少ないですが、湿度や皮膚状態には注意が必要です。
A3: 光学式指紋センサでは照明条件で誤動作することがあります。静電容量式は周囲光の影響は少ないですが、湿度や皮膚状態には注意が必要です。
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