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基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A)60


問題文

システム監査で実施するヒアリングに関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

監査対象業務に精通した被監査部門の管理者の中からヒアリングの対象者を選ぶ。
ヒアリングで被監査部門から得た情報を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める。(正解)
ヒアリングの中で気が付いた不備事項について、その場で被監査部門に改善を指示する。
複数人でヒアリングを行うと記録内容に相違が出ることがあるので,1人のシステム監査人が行う。

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システム監査のヒアリング手法【午前解説】

正解の理由

正解は です。
ヒアリングは情報収集手段の一つにすぎず、監査上の結論や所見を裏付けるために文書・記録などの客観的証拠を入手・確認する必要があります。監査基準や監査手続きの基本原則(証拠の適切性・十分性、客観性)に照らして、口頭情報をただ受け取るだけで終わらせず、必ず裏付けを取ることが適切です。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている監査の基本原則(証拠、独立性、手続き)を確認する。
  2. 各選択肢が監査の基本原則に合致するかを検証する(証拠の確保/命令行為の有無/実務的効率)。
  3. 「文書や記録での裏付け」が監査証拠の要件に合致する点を優先して選ぶ。
  4. 選択肢に監査人の職務逸脱(指示など)があれば誤答と判断する。
  5. 複数監査人の利点と欠点を比較し、監査原則に反する記述を除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 監査対象業務に精通した管理者のみを対象に選ぶのは偏りの原因になります。現場担当者や実務者の聴取も必要で、対象者は目的に応じて選定すべきです。
  • : ヒアリングで得た情報を文書や記録で裏付ける努力をする、という記述は監査証拠確保の観点から正しいため正解です。
  • ウ: ヒアリング中にその場で改善を「指示」するのは監査人の職務範囲を逸脱し、独立性や客観性を損なうため誤りです。改善提案や所見として報告するのが適切です。
  • エ: 複数人でヒアリングを行うと記録に相違が出る可能性はあるが、それは相違を調整・検討するプロセスで解消でき、複数人の方が視点の補完と証拠の強化に有利であり、1人に限定する理由にはなりません。

よくある誤解

  • ヒアリングで十分な情報は得られるため文書確認は不要だと考える誤解:口頭は補助的証拠で、記録で裏付ける必要があります。
  • その場で被監査部門に改善指示を出してよいという誤解:監査人が直接指示を出すと独立性や客観性が損なわれます。
  • ヒアリングは一人で行う方が混乱しないという誤解:複数人で行うことで見落としを減らし検討の幅が広がります。

補足コラム

  • ヒアリングは「主要な情報源」ですが、監査では文書、ログ、設定ファイル、運用記録などの客観的証拠と組み合わせて評価します。
  • 監査実務では「職業的懐疑心」を持ち、得られた口頭説明を無批判に受け入れず、常に裏付け資料を求める姿勢が重要です。
  • チームで実施する場合は事前に聞き取り項目と役割分担を決め、記録の整合を取ることで効率と品質を両立できます。

FAQ

Q1: ヒアリングで得た情報はすぐに証拠として使えますか?
A1: 口頭情報は補助的証拠であり、結論に使う際は書面やログ等で裏付ける必要があります。
Q2: ヒアリング中に緊急の重大問題を見つけたらどうするべきですか?
A2: まずは事実確認と記録を行い、緊急性が高ければ関係部署に連絡して是正対応の検討を促すが、監査人が直接「指示」するのは避け報告書や所見で勧告します。
Q3: ヒアリングは1人で行うべきですか?
A3: 状況により単独でも可能ですが、原則として複数人で実施すると相互チェックが働き精度が上がります。
Q4: 文書や記録が存在しない場合はどうしますか?
A4: 他の証拠(ログの抽出、観察、第三者照会など)で裏付けを取るか、事実関係の不確実性を監査報告に明記します。

関連キーワード: システム監査、監査証拠、ヒアリング、内部統制、監査手続、職業的懐疑心、ISO 19011、監査記録、監査報告、証拠の十分性
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