基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A) 問39
問題文
リスク共有(リスク移転)に該当するものはどれか。
選択肢
ア:損失の発生率を低下させること
イ:保険への加入などで、他者との間でリスクを分散すること(正解)
ウ:リスクの原因を除去すること
エ:リスクを扱いやすい単位に分解するか集約すること
リスク共有(リスク移転)に該当するものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論 → 正解は イ。保険加入や契約によってリスクを他者へ移転し、損失負担を集団で吸収する手法です。
- 根拠 → リスク対応の基本は「回避・低減・移転・保有」の4分類で、移転は損失の負担を他に委ねることを指します。
- 差がつくポイント → 発生率を下げることや原因を除去することと混同せず、「損失負担の転嫁・分散」に着目して選ぶことが重要です。
正解の理由
イの選択肢は「保険への加入などで、他者との間でリスクを分散すること」と明確に記載されており、これはリスク移転(リスク共有)の定義に一致します。移転とはリスクの発生そのものを完全に防ぐ行為ではなく、発生した損失の経済的負担を第三者(保険会社、共同体など)に移すことです。保険は典型的なリスク移転のメカニズムであるため、イが正解です。
よくある誤解
- 「リスク移転=リスクが起きないようにする」:移転は発生確率を下げるのではなく、発生時の損失を誰が負うかを変える措置です。
- 「共有と低減を混同する」:共有(分散・移転)は負担の分配が目的であり、低減は発生確率や影響を小さくする技術的対策です。
- 「アウトソーシングは常に移転」:アウトソーシングで責任が完全に移るとは限らず、契約次第で残存リスクが存在します。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「リスク共有(リスク移転)」を確認する。
- リスク対応の基本分類(回避・低減・移転・保有)を頭に浮かべる。
- 各選択肢がどの分類に該当するかを当てはめる(発生率低下=低減、原因除去=回避など)。
- 「損失を他者と分散する」説明に合致する選択肢を選ぶ(イ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 損失の発生率を低下させること
- 誤り。これはリスク低減(リスクの影響や発生確率を小さくする対策)に該当し、移転とは別です。
- イ: 保険への加入などで、他者との間でリスクを分散すること
- 正解。保険や共同負担などで経済的損失を第三者へ移す行為はリスク移転(共有)そのものです。
- ウ: リスクの原因を除去すること
- 誤り。原因除去はリスク回避(または根本対策)であり、発生そのものを防ぐことが目的です。
- エ: リスクを扱いやすい単位に分解するか集約すること
- 誤り。これはリスクの分類・集約やポートフォリオ管理に関する記述で、移転の定義とは異なります。
補足コラム
- リスク移転の代表例:損害保険、再保険、アウトソーシングによる契約上の責任移転、金融ヘッジ(先物・オプション)など。
- 「リスク共有」と「リスク移転」は文脈で同義に扱われることが多く、保険の仕組みは多人数で損失を分担するプール効果を活用しています。
- 実務では移転できない「残存リスク」が必ず存在します。契約条項や免責事項を確認し、組織内で保有(自己負担)する計画が必要です。
FAQ
Q: リスク移転すれば企業は安全になるのか?
A: 経済的損失は軽減できますが、運用上の責任や reputational リスク、保険金支払の除外条件など残存リスクは残るため完全な安全策ではありません。
A: 経済的損失は軽減できますが、運用上の責任や reputational リスク、保険金支払の除外条件など残存リスクは残るため完全な安全策ではありません。
Q: アウトソーシングは常にリスク移転になるのですか?
A: いいえ。契約で責任範囲が明確に移転され、かつ実際に第三者が損失を負担できる場合に限り移転とみなされます。
A: いいえ。契約で責任範囲が明確に移転され、かつ実際に第三者が損失を負担できる場合に限り移転とみなされます。
Q: ヘッジはリスク移転に含まれますか?
A: 金融ヘッジは価格変動リスクを市場参加者へ移す手段であり、移転の一形態として扱えます。
A: 金融ヘッジは価格変動リスクを市場参加者へ移す手段であり、移転の一形態として扱えます。
関連キーワード: リスクマネジメント、保険、移転、分散、アウトソーシング、ヘッジ

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