基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A) 問43
問題文
電子メールを暗号化するために使用される方式はどれか。
選択肢
ア:BASE64
イ:GZIP
ウ:PNG
エ:S/MIME(正解)
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S/MIME方式【午前解説】
正解の理由
電子メールの本文を対象とした「端末間のエンドツーエンド暗号化と電子署名」を提供する標準規格がS/MIMEです。したがって正解はエです。S/MIMEではメッセージ本体は速度と扱いやすさのために対称鍵(セッション鍵)で暗号化され、その対称鍵自体を受信者の公開鍵(受信者のX.509証明書に基づく公開鍵)で暗号化して配送します。送信者は別に自身の秘密鍵で電子署名を作成し、受信者は送信者の公開鍵(送信者のX.509証明書)で署名を検証します。これにより「機密性(暗号化)」と「真正性・改ざん検出(署名)」の両立が可能です。
解法ステップ
- 問題のキーワードを把握する(電子メールの暗号化)。
- 選択肢の機能を一つずつ短く思い浮かべる(BASE64:符号化、GZIP:圧縮、PNG:画像形式、S/MIME:メールの暗号化/署名規格)。
- 電子メールの暗号化・署名を目的とする規格を選ぶ(S/MIME を選択)。
- 必要なら「暗号化の方法(対称鍵+公開鍵による鍵配送)」や「署名の役割」を確認して確信する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: BASE64
メールでバイナリデータを7ビットの転送路に載せるためのエンコーディング方式です。データを可逆的に変換するだけで、暗号化(機密性付与)は行いません。 -
イ: GZIP
データ圧縮(可逆圧縮)のための方式です。サイズを小さくする目的であって、暗号化や認証機能は持ちません。 -
ウ: PNG
画像のファイルフォーマット(可逆圧縮を含む)です。メール本文の暗号化規格ではありません。 -
エ: S/MIME
電子メール用の暗号化および電子署名の標準規格です。メッセージは対称暗号で暗号化され、対称鍵は受信者の公開鍵で暗号化して配布します。また送信者は秘密鍵で署名し、送信者の証明書(X.509)で受信側が検証します。
よくある誤解
-
「BASE64は暗号化だ」と混同する
Base64は可逆的なエンコードであり、解読不要の安全性は与えません。暗号化とは全く別物です。 -
「対称鍵を送信者の証明書で暗号化する」と誤認する
正しくは受信者の公開鍵(受信者の証明書)で対称鍵を暗号化します。送信者の証明書は署名の検証に使います。 -
「署名と暗号化の役割を入れ替える」
署名は真正性と改ざん検出、暗号化は機密性確保です。どちらも別の目的で使用されます。
補足コラム
- S/MIME の内部仕様は CMS(Cryptographic Message Syntax、旧PKCS#7)に基づきます。署名と暗号化の両方をサポートし、複数受信者への鍵配送も可能です(各受信者ごとに対称鍵を受信者の公開鍵で暗号化)。
- 暗号アルゴリズムは歴史的に3DESやRSAが使われてきましたが、現在はAESやRSA/ECCなどの組合せが一般的です。実装によりアルゴリズムは選択可能です。
- 電子メール転送自体(SMTP)をTLSで保護するのと、S/MIMEによるメッセージのエンドツーエンド暗号化は目的が異なります。TLSは転送路の保護、S/MIMEはメッセージそのものの保護です。
- S/MIMEではバイナリデータをメールに載せる際にBase64等のエンコードが併用されることがありますが、これは暗号化ではありません。
FAQ
Q: S/MIMEとOpenPGP(PGP/MIME)の違いは?
A: 両者ともメールの暗号化と署名を提供しますが、鍵管理や証明書の運用モデルが異なります。S/MIMEはX.509の証明書とCA階層を用いることが多く、組織での導入に向きます。OpenPGPはWeb of Trustなど別の運用が可能です。
A: 両者ともメールの暗号化と署名を提供しますが、鍵管理や証明書の運用モデルが異なります。S/MIMEはX.509の証明書とCA階層を用いることが多く、組織での導入に向きます。OpenPGPはWeb of Trustなど別の運用が可能です。
Q: 受信者の公開鍵がないとどうなる?
A: 受信者の公開鍵(証明書)がなければ、送信者はその受信者向けにセッション鍵を暗号化して届けられません。したがって事前に公開鍵を入手するか、受信者の証明書を取得できる仕組みが必要です。
A: 受信者の公開鍵(証明書)がなければ、送信者はその受信者向けにセッション鍵を暗号化して届けられません。したがって事前に公開鍵を入手するか、受信者の証明書を取得できる仕組みが必要です。
Q: 署名と暗号化の順序はどちらがよい?
A: 一般的には「先に署名してから暗号化(Sign-then-Encrypt)」が推奨されます。これにより署名内容が暗号化され第三者に見えなくなり、プライバシーが向上します。
A: 一般的には「先に署名してから暗号化(Sign-then-Encrypt)」が推奨されます。これにより署名内容が暗号化され第三者に見えなくなり、プライバシーが向上します。
関連キーワード: S/MIME, X.509, CMS, 公開鍵暗号, 共通鍵暗号, 電子署名, Base64, MIME, AES, RSA

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