基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A) 問66
問題文
共通フレームによれば、要件定義プロセスの活動内容には、利害関係者の識別、要件の識別、要件の評価、要件の合意などがある。このうち、要件の識別において実施する作業はどれか。
選択肢
ア:システムのライフサイクルの全期間を通して、どの工程でどの関係者が参画するのかを明確にする。
イ:抽出された要件を確認して、矛盾点や曖昧な点をなくし、一貫性がある要件の集合として整理する。
ウ:矛盾した要件、実現不可能な要件などの問題点に対する解決方法を利害関係者に説明し、合意を得る。
エ:利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約条件や運用シナリオなどを明らかにする。(正解)
要件定義プロセスの活動(要件の識別における実施作業)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:正解はエです。要件の識別は利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約や運用シナリオを明確にする作業を指します。
- 根拠:共通フレームでは「識別」は要件の発見・抽出に相当し、整理・検証・合意はそれぞれ別工程で定義されているため明確に区別されます。
- 差がつくポイント:選択肢中の動詞に注目し、「引き出す・明らかにする」は識別、「整理・確認」は評価、「説明・合意」は合意活動と見分けることです。
正解の理由
正解は エ です。理由は次のとおりです。
共通フレームの要件定義プロセスにおける「要件の識別」は、利害関係者(ステークホルダー)から必要な要件を発見・抽出する活動を指します。具体的にはインタビューやワークショップなどで要望、制約条件、運用シナリオ、業務フロー、非機能要件などを漏れなく引き出すことが含まれます。
他の選択肢は「識別」ではなく別の活動に該当します。アは参画者の明確化(利害関係者の識別・参画計画)、イは抽出後の矛盾・曖昧さの解消(要件の評価)、ウは解決策説明と合意取得(要件の合意)に該当します。
共通フレームの要件定義プロセスにおける「要件の識別」は、利害関係者(ステークホルダー)から必要な要件を発見・抽出する活動を指します。具体的にはインタビューやワークショップなどで要望、制約条件、運用シナリオ、業務フロー、非機能要件などを漏れなく引き出すことが含まれます。
他の選択肢は「識別」ではなく別の活動に該当します。アは参画者の明確化(利害関係者の識別・参画計画)、イは抽出後の矛盾・曖昧さの解消(要件の評価)、ウは解決策説明と合意取得(要件の合意)に該当します。
よくある誤解
- 「識別=整理・検証」と混同する誤解:識別はまず要件を見つけ出す段階で、矛盾解消や整合は後続の評価工程です。
- 利害関係者の特定と要件の識別を同一視する誤解:利害関係者の識別は誰から情報を得るかを決める活動で、実際に要件を引き出すのが識別です。
- 制約や運用シナリオは設計段階の話と考える誤解:制約や運用シナリオは要件として早期に明らかにしておく必要があり、識別で扱います。
解法ステップ
- 問題文で示されるプロセス名(要件の識別)を明確に把握する。
- 各選択肢の動詞・目的語に注目する(例:引き出す、確認する、説明する)。
- 共通フレームの工程分解に照らして、該当する活動(発見/整理/合意)を対応付ける。
- 一致する選択肢を正解とする(消去法で他は評価・合意・利害関係者識別に分類)。
選択肢別の誤答解説
- ア: システムのライフサイクルの全期間を通して、どの工程でどの関係者が参画するのかを明確にする。
=> これは利害関係者の識別と参画計画(ステークホルダ分析やRACIなど)に該当し、「要件の識別」そのものではありません。誤り。 - イ: 抽出された要件を確認して、矛盾点や曖昧な点をなくし、一貫性がある要件の集合として整理する。
=> これは要件の評価・検証(レビューや整合性チェック、要件仕様書の整備)に該当します。識別後の工程なので誤り。 - ウ: 矛盾した要件、実現不可能な要件などの問題点に対する解決方法を利害関係者に説明し、合意を得る。
=> これは要件の合意フェーズに該当します。合意形成や妥協点の決定であり、識別ではありません。誤り。 - エ: 利害関係者から要件を漏れなく引き出し、制約条件や運用シナリオなどを明らかにする。
=> これは直接「要件の識別」に該当する作業であり、正解です。
補足コラム
要件の識別(エリシテーション)で有効な手法にはインタビュー、ワークショップ(JAD)、観察(エスノグラフィー)、プロトタイピング、ユースケース/ユーザーストーリー作成、アンケートなどがあります。出力物は要件一覧、ユースケース概念、制約リスト、業務フロー図などで、後続工程(評価・合意)でこれらを基に検証・調整を行います。識別段階で非機能要件や制約を明確にしておくことで、後の設計や見積りの精度が向上します。
FAQ
Q1: 「識別」と「評価」は具体的にどう違いますか?
A1: 識別は要件を発見・抽出する工程、評価は抽出後に矛盾や実現可能性、優先度を検証・整理する工程です。
Q2: ユースケース作成は識別に含まれますか?
A2: はい。ユースケースや運用シナリオは利害関係者の業務や要求を明確にするための典型的な識別手法です。
Q3: 利害関係者の識別はいつ行うべきですか?
A3: 要件識別の前提として早期に実施します。誰から情報を得るかを決めた上で識別作業を進めます。
Q4: 競合する要件は識別段階で解決すべきですか?
A4: まずは双方の要件を漏れなく識別し、評価フェーズで妥当性や優先順位を決めて合意へ進めます。
A1: 識別は要件を発見・抽出する工程、評価は抽出後に矛盾や実現可能性、優先度を検証・整理する工程です。
Q2: ユースケース作成は識別に含まれますか?
A2: はい。ユースケースや運用シナリオは利害関係者の業務や要求を明確にするための典型的な識別手法です。
Q3: 利害関係者の識別はいつ行うべきですか?
A3: 要件識別の前提として早期に実施します。誰から情報を得るかを決めた上で識別作業を進めます。
Q4: 競合する要件は識別段階で解決すべきですか?
A4: まずは双方の要件を漏れなく識別し、評価フェーズで妥当性や優先順位を決めて合意へ進めます。
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