基本情報技術者 2015年 春期 午前(科目A) 問49
問題文
図は、テスト項目消化件数において、目標値として設定したバグ累積件数に到達したことを示す。この図の状況の説明として、適切なものはどれか。

選択肢
ア:テスト工程が順調に終了したことを示す。
イ:テスト前段階での机上チェックやシミュレーションが十分にされていることを示す。
ウ:まだ多くのバグが内在している可能性があることを示す。(正解)
エ:目標のバグ累積件数が達成されたので、出荷後にバグが発生する確率が低いことを示す。
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バグ累積曲線の解釈【午前解説】
正解の理由
正解: ウ
図は横軸(テスト項目消化)を進めても累積バグ数の曲線が目標の横線に接近・平坦化している状態を示しています。これはテストによる検出率(曲線の傾き)が低下していることを意味し、「検出されにくいバグ」や「未検出の内在バグ」が残っている可能性を示します。したがって「まだ多くのバグが内在している可能性がある(ウ)」が適切です。
図は横軸(テスト項目消化)を進めても累積バグ数の曲線が目標の横線に接近・平坦化している状態を示しています。これはテストによる検出率(曲線の傾き)が低下していることを意味し、「検出されにくいバグ」や「未検出の内在バグ」が残っている可能性を示します。したがって「まだ多くのバグが内在している可能性がある(ウ)」が適切です。
解法ステップ
- 軸ラベルを確認:縦はバグ累積件数、横はテスト項目消化件数。
- 破線の意味を確認:横破線が「バグ累積件数の目標値」、縦破線が「テスト消化数X」を示す。
- 曲線の形を観察:右側で平坦化(傾きが小さい)しているかを確認する。
- 傾き=検出率と読み替える:傾きが小さいと新たなバグ検出が減少し、未検出バグの存在が示唆される。
- 選択肢と照合:検出数が目標に達しただけでは残留バグの有無は判断できないため「まだ内在バグがある可能性」を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: テスト工程が順調に終了したことを示す。
→ 誤り。図は「工程の進捗」自体は示すが、順調に終了したか(品質目標やカバレッジ達成か)は分からない。順調=問題なしとは限らない。 - イ: テスト前段階での机上チェックやシミュレーションが十分にされていることを示す。
→ 誤り。図からは事前のレビューやシミュレーションの有無は判断できない。累積バグの検出推移のみを示す。 - ウ: まだ多くのバグが内在している可能性がある。
→ 正解(ウ)。累積曲線の平坦化は検出率低下を示し、未検出の欠陥が残る可能性を示唆する。 - エ: 目標のバグ累積件数が達成されたので、出荷後にバグが発生する確率が低いことを示す。
→ 誤り。目標達成は検出された欠陥数の目標であり、テスト範囲や残留欠陥の存在は別に評価する必要がある。
よくある誤解
- 目標の累積バグ数に到達=品質確保完了と考える誤り:到達は検出数の目標達成であり、残留バグの有無は別評価です。
- 曲線が止まる=バグがゼロと誤解:曲線平坦化は検出率低下を示すだけで、未発見のバグが残る可能性があります。
- 目標到達で出荷リスクが低いと短絡判断する誤り:テスト範囲や重要クリティカルパスの欠陥有無を確認する必要があります。
補足コラム
累積バグ曲線は「欠陥検出率の時間変化」を直感的に示す重要な図です。信頼度成長モデル(例:Goel-Okumoto、Jelinski–Moranda)では、早期は検出率が高く次第に低下することで、残留欠陥の推定やテスト終了基準の設定に利用されます。実務では累積件数だけでなく、テストカバレッジ、重要度別欠陥分布、クリティカル機能の未検証部分を合わせて判断します。目標値は管理上の閾値であって、品質保証の最終判断基準ではありません。
FAQ
Q1: 累積バグ数が目標に達していれば出荷してよいですか?
A1: 目標達成は一つの判断材料ですが、テストカバレッジや重大欠陥の有無、リスク許容度を総合評価して出荷判断を行うべきです。
A1: 目標達成は一つの判断材料ですが、テストカバレッジや重大欠陥の有無、リスク許容度を総合評価して出荷判断を行うべきです。
Q2: 曲線が平坦化したら追加テストは無意味ですか?
A2: いいえ。平坦化は一般検出率低下を示すだけで、特定の領域や境界条件、回帰テスト、ストレステストなどを重点実施すれば新たな欠陥が見つかることがあります。
A2: いいえ。平坦化は一般検出率低下を示すだけで、特定の領域や境界条件、回帰テスト、ストレステストなどを重点実施すれば新たな欠陥が見つかることがあります。
Q3: 残留欠陥数をどう推定すればよいですか?
A3: 信頼度成長モデルやキャプチャ・リキャプチャ法、ベイズ推定などを利用し、過去データから残留欠陥数を統計的に推定します。実務では定性的評価も併用します。
A3: 信頼度成長モデルやキャプチャ・リキャプチャ法、ベイズ推定などを利用し、過去データから残留欠陥数を統計的に推定します。実務では定性的評価も併用します。
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